2007.9.30(Sun)

≪つづき≫

1時間半もするとかなり寒くなってきたので部屋に戻ります。受付脇の売店で涸沢のピンバッチ(500円。山に行くと買わずにいられない)を選んだりしているとすぐ、夕食の17時になりました。小屋への到着順で夕食の時間が決まっていて、一番早い人らが16:30、私らは第二陣でした。そうそう、「今から行くの?」みたいなコトを言われて到着が非常識に遅すぎるのかと不安になった私らですが、私らの後からも続々と人は到着していましたよ。

夕食ワイン

夕食。品数多めなのが嬉しいです。ワインはラベルに「涸沢氷河ワイン」とありましたが、生産地は全然別みたいでした。

食事はさすが北アルプスで、しっかりちゃんとしたものでした。ここは荷物をヘリで揚げているのかな? 山小屋ではいっつもそれが気になります。しっかり歩いたのでたっぷり食べ、おまけにワインのハーフボトル(山値段で1,500円也)を頼んでYと半分こ。前夜はバスでほとんど寝てないし、その前も睡眠不足だったので、食事前の焼酎も効いてかーなりべろべろに眠くなりました。食後は歯を磨いて顔を洗って、すぐに寝てしまいます。喰ってすぐ寝ると、と言うけれど、もう今日は豚になってもイイ……。

寝場所部屋は女性のみの4人部屋(部屋、というか区切り、ね)でした。布団はふっかふか。混んだら2人で1つの布団になると言われましたが、週末なのに意外と人が少なく(山ちゃんも「今年は全体的に空いている」と言ってました)、1人分の布団が確保できました。18:30くらいに寝についたときは「寒いかな」と思って少し着こんで寝たのですが、夜中に起きてみると暑くて布団を剥いだうえに着てたものまで脱いでいて、外のトイレに行くのに脱いだ服を探すのが大変でした。

時間を確かめると0:30くらいでした。そうそう、小屋の入口にはTVがあってずーっと天気予報を流しています。それによると日曜の天気は雨。 雨!? 金曜の時点での予報は曇だったのに。これじゃ外に出ても満天の星空は拝めそうにありません。でもまぁ起きたついでにと、ヘッドライトを首にぶら下げてトイレに行き、ついでに空を見上げました。まだ雲っています。でも雲は高く、周囲の稜線が黒いシルエットではっきり見えました。……これを、お陽さまの下で見たかった!

しばらく景色を見ていると、やっぱりヘッドライトを持った男性がやってきました。それがたまたま西洋人で、なんか懐かし〜い気分になりました。ハーイとか挨拶しただけで別に話はしなかったんですけど、どっかの国のユースホステルにいるみたいで。山を眺めた後は布団に戻ってもう一眠り。この日はいびきがうるさい人もいなくて、本当によく眠れました。人のざわめきで目覚めると、今度は4:30。私らも起きるつもりだった時間です。

朝食夜中に目覚めたときはまだ雨は降っていませんでしたが、起きると外は本降りでした。まだ陽ものぼらずに暗い中、雨具を羽織って洗面所に行って顔を洗い、5時から朝食です。こんな時間だけどがっつり食べ、用意をして、明るくなってきた6時ちょっと前にヒュッテを発ちました。さすがにここまで来る人たちは雨の装備も完璧でしたが、私は家を出る直前に雨具の下を置いてきてしまっています。Yに「山を甘くみちゃダメだよ〜」と言われますが、私はあなたの晴れ女パワーを信じたのに!

―――いや、やっぱり甘く見ていたのかな。ベースキャンプってのがすごく頭にあって、登山とは思ってなかった気がします。反省。

そこからはひたすらザクザク下ります。本当は屏風岩の反対側を回るパノラマコースってヤツに行きたかったのですが、そっちは多少岩場があって雨だと滑りやすくなるみたいで、雨だったらやめようと決めていたのです。ですから下るのは昨日登ったのと同じ道。雨なので写真も撮らずにただ歩く歩く歩く。川を渡り、横尾で小休止し、徳沢で温かいコーヒーを飲み、明神館へ。ここに着くのは11時くらいになるだろうから、嘉門次小屋で焼き岩魚を食べようと予定していたのですが、実際に着いたのは10時半。さすがにお昼にはまだ早いよねー、ともう一気に上高地まで戻ってしまうコトにしました。

河童橋に戻ったのが11時半くらいだったかな。途中の休憩時間を除くと5時間くらいで下りてきたコトになります。体が歩くのに慣れたみたいで、下りってコトを除いても、前日よりかなり楽でした。五千尺ホテル隣の河童食堂で昼食(1,300円)、アルペンホテルで外来入浴(500円也。天気が良かったら温泉ホテルまで行きたかった…)、五千尺ホテルに戻って評判のケーキ(680円)とコーヒー(620円)をいただき、土産を選んだりしているうちに15時近くになりました。そうそ、河童橋〜アルペンホテル間では猿を何度も見ましたよ。

昼食お疲れさま乾杯

昼食は鶏そぼろ丼と岩魚ソバのセット。右はお疲れさま乾杯。

最後に前日の朝食を食べた上高地食堂に戻り、私は地ビール(700円。苦い!)、Yは地ワイン(500円)でお疲れさま乾杯。山ちゃんが「朝から本降りだったから心配したよー」と迎えてくれました。下で待っててくれる人がいるって、嬉しいなあ。雨具の下がなかった私も、サポートタイツに短パンという格好だったので、それほどツラくはなかったです。そう言えばこの、サポートタイツに短パンという格好は、おばさま方に評判よかったです。

16時に上高地を出発したバスは、渋滞にも巻き込まれずに予定よりちょっと早く、20:40くらいに新宿駅に戻ってきました。東京もずっと雨だったようです。今回の心残りは嘉門次小屋の岩魚と温泉、それに涸沢からの大パノラマ! 次こそは天気のよい日に行きたいものです。そしてそれほど難しくないという奥穂と北穂を……(←野望)。そして次の日私は、足の付け根の筋肉痛に悩まされたのでした。両足が股からもげるかと思った!

≪終わり〜!≫

2007.9.29(Sat)_2

≪つづき≫

お昼を食べてエネルギー補給が済んだところで、横尾大橋を渡っていよいよ涸沢を目指します。ここから宿のヒュッテまではコースタイムで3時間。バスターミナルから横尾までも3時間なので、おいおいまだ半分しか来ていないのかよ、です。しかしそれでも行くしかない。がんばれ私(←ヘタレ)。最初のうちはまだ平坦な道が続きますが、川が見えなくなる頃からだんだんと山道っぽくなってきました。

屏風岩?たぶんあれ(←)が屏風岩だよねー、なぞと話しながら歩き、歩き、歩き、歩きます。1時間ほどで川を渡るはずなのですが、1時間歩いてもまだ橋は見えません。まだかーまだかーと思っていたら不意に視界が開け、そこに橋がありました。休憩もしていないのに15分オーバーで到着です。ここで小休憩がてら地図を確認。この先は特に通過ポイントもなく、2時間でゴールに着くはずです。が、地図には「ここから急登」とあります。ううう…やっぱ16時の到着か?

本谷橋橋のたもとの休憩ポイント

左:やっと見えた本谷橋/右:橋を渡ったところに休憩ポイント

屏風の頭をぐるっと回りこむように、コースはあります。急登は急登なのですが、段差が少なくよっこらしょと体を引き上げなくてもいいのはありがたい。最初はあまり視界がありませんでしたが、途中から背の低い木ばかりになり、周りの山々が見えるようになってきました。流れる雲の切れ間からときおり山頂が覗きます。この辺の高い山はどれも名のある山ばかりに違いありません。が、残念ながら私にはわからないのでした。

紅葉はまだまだでしたが、山の斜面の草紅葉はだいぶ進んでいました。それに赤い実をつけた低木が(これも名前がわからない…)。だいぶ上がった辺りは一面その木で、実の赤の鮮やかさがまるで花のようです。初めて歩く道であと何kmという標識もなく(道はしっかりしていて迷いようがありませんが)、今どこを歩いているのが見当もつかないのが疲労を誘いますが、周囲が低木ばかりになってしばらくした頃、上〜のほうに小屋の頭がやっと見えました。あそこまで辿りつけば!

ちょこっと紅葉

暗くてわかりづらいですが、ちょこっと紅葉

途中の景色途中の景色

ヒュッテが見えた後で、この植物に囲まれます。

しかしそこまではひたすら登りです。小屋もやがて岩の陰に隠れてしまい、最後のほうにはガスも出てきて先が見通せなくなってきました。おいおい今日の天気は曇→晴れじゃなかったの? 雲が切れるのが遅れてるだけだと思っていたのに、午前中は見えていた青空も見えなくなってきたよ? おまけにこのガスが冷たくて寒い! 歩いているからイイけど止まったら一気に冷える! あと少し……を唱えながら登り、とうとう小屋に到着しました。

涸沢ヒュッテ涸沢ヒュッテ

見えた! ヒュッテ!……え? わからない?→ほらー!

やったーっ! しかも今何時だと思う? 14:50! とYが歓声をあげ、思わずハイタッチ。だって川を渡ったのが13:15で、そこから2時間かかるはずなのを、25分も縮めたのです。登りになったら平坦なときより大幅にコースタイムから遅れると思ったのに! 調子よくぽんぽんと登ることのできる道だったからなのですけど、やっぱ嬉しいです。とりあえずチェックインをして(1泊2食で9,000円)、持っている服を全部着込み、ビールを……じゃない、展望を求めて外に出ました。

上についたらビール!を目指してここまで来た私ですが、売店まで来たところでうっと迷ってしまいます。寒いのです。寒くても生ビールがあの銘柄でさえなかったらガンバったでしょうが、あれじゃあなあ……。うーん、缶ビールならモルツがある、こっちにしようか、と迷っている私の目にそば焼酎の甕が飛び込んできました。おっ。おまけに隣には温かそうなおでんが。食事前だけどちょっとだけ食べたいよね、と2つだけ買って、Yと半分にするコトにしました。大根とコンニャク、各100円。

涸沢ヒュッテのテラス涸沢ヒュッテの誘惑

左:テラスはすっかりガスの中。今度は絶対に晴れたときに来たい!/右:売店。そんな誘惑されちゃ……

そば焼酎は500円也。売店のお姉さんに「そこの湯飲みに好きなだけ注いでください。割るならお湯か水ならありますけど、いりますか?」と聞かれますが、もちろんきっぱり断ります。売店の周りにはテラスが作ってあって、晴れて大パノラマが見えたらさぞビールが旨かろう、という感じ。眼下にはテントが数張。そんなに混んではいないようです。

ご褒美テント場

左:おでんと焼酎(なみなみ)/右:テント場。緑の同じ
テントがほとんどだったけど、レンタル?

ときおりガスが切れて周囲の山が覗くのを眺めながら飲んでいると、となりにビールのジョッキを抱えた3人組がやってきました。「私もビールを楽しみにして登ってきたんですけど、寒くて―――」と言いかけると、おばさまは私の湯飲みを見て「あら? お茶?」と聞いてきます。「……いえ、焼酎なんですけど……」。あっはっはじゃあ私らの仲間だわー、ほらこの子(←山では私の歳でもこの扱い)、カワイイ顔して焼酎だってよ! と一気に和み、その後宮崎から来たというその3人と、山の話で盛り上がりました。宮崎の方なのに私らよりよっぽどたくさん本州の山に登っています。

周囲の景色

一瞬の晴れ間を狙って。涸沢小屋と、その後ろが北穂?

地図を見ながら周りに見える山の名前をあげたりもしてみます。「あれだけはわかる! 槍だよね!」と尖った山を指したら、隣のテーブルのお兄さんに「槍はここからは見えないよー。あれは涸沢槍だよ」とツッコミが入ります。そ、そうなのか……。ついでにあれが北穂、こっちが奥穂、あの稜線が吊り天井、と教えてもらいました。いつか、あの稜線を歩きたいなあ……。宮崎の3人は次の日は穂高縦走をするそうです。「私も行きたいんだけどまだ自信がなくて。誰かに連れてってもらわないとダメかも」と言ったら「じゃあ私らが明日連れてってあげるから一緒に行こ?」とノリのいい方々でした。ちなみに返事は「ひえぇぇぇぇぇっ!」。

周囲の景色

左っかわの尖りを、槍と間違えました。

周囲の景色

また雲が出てきてしまったけど、キレイだ…。

≪つづく。山は滅多に行かないので話が長くなります。≫

2007.9.29(Sat)_1

9月最後の週末は珍しく山へ、聖地(はは)上高地へと行ってきました。28日の金曜日、会社から帰ってシャワーを浴びて着替え、重たい荷物を背負って新宿へ。出る寸前までザックに入っていた雨具と防寒着の一部を、背負った瞬間に思い直して荷物から出してしまいます。だってズッシリ重かったし、天気予報も土曜は晴れで日曜は曇だったし、何より「晴れ女のYが一緒だから」。

まるでおのぼりさんのように何度もすれ違った挙句、21時に西口でYと合流(携帯がある時代で良かった)。食事を軽くとって(軽いくせに高くついた…。都庁近くまで行ってしまったのは失敗)、22時半に都庁地下のバス発着所で受付を済ませ、23時にいよいよ出発です。前回は木曜出発だったので1人で座席を2つ使えましたが、今回は満席でした。

が、座席が2つだろうと1つだろうと夜行バスは眠るためのもんじゃありませんね。今回はマナーのいい人ばかりで就寝後は本当に静かなものでしたが、とろとろするのがやっとです。観光客らしい人も何人かはいますが、バスのほとんどはザックを抱えた登山客。年配の方が多いです。私があの歳になったとき、こんなハードな旅をする元気があるかしら……。談合坂と諏訪湖でトイレ休憩があり、定刻の5:30に沢渡に到着しました。空気はめちゃ冷たい!

上高地にはマイカー規制があるので、沢渡で低公害バスに乗り換えます。諏訪湖あたりから小雨がパラつき、今も景色は霧に隠れています。「左手に焼岳が見えます…」と案内も入りますが、見えない見えない! 大正池を過ぎ、帝国ホテルを過ぎて、6:00上高地のバスターミナルへ到着。まずは上高地食堂へと入ります。そう、今年どうしても上高地に来たかったのは、山から下りてきた○○(ここでは山ちゃん、としておこう)が山暮らしを今年で辞めると聞いたからだったのです。彼女はここ、上高地で調理人として働いているのでした。

席に着いてしばらくすると、山ちゃんが顔を見せてくれます。元気そうで嬉しい! おまけに携帯食糧まで差し入れてくれました。はっ……! 普通お土産持って行くのはこっちだろ>私! 山の荷物を軽くすることばかり考えていて、そっちにちっとも気が回らなかったのが恥ずかしい……。ゴメンね、山ちん。

窓の外では完全防備した山登らーの皆さまが、さっさと歩き出しています。どこまで行くのかなー、穂高かしら? 私たちは今回は山登りをするつもりはなく、ベースキャンプの涸沢までしか行きません。ですのでゆっくり食事をし、お昼の弁当を買って(笹寿司600円)土産物屋もちょっと覗いたりして、7:20にバスターミナルを出発しました。―――そしてすぐに河童橋について、ここでも土産物屋に寄りました。

梓川河童橋

左:雨のせいか、ちょっと濁った梓川/右:あっさり着いた河童橋

河童橋を渡ってからは、明神池に向かって梓川の右岸をひたすら歩きます。この辺は散策路なので道はしっかりしてて起伏もなく歩きやすいです。途中で会ったおじいさんに「今日涸沢まで行くの!? すごいねー、私は横尾まで行って泊まって明日涸沢に行くんだよ」と言われ、自分ではかなりのんびりな日程を組んだつもりだったのに無茶だったかしら、とちょと不安になりました。だってしばらく、そのおじいさんと抜きつ抜かれつしてしまったんですもん。

途中の風景途中の風景

左:位置から言って明神岳、かな?/右:こんな風景が広がってます

明神池に着いて休憩をし、歩き出したのが9:00。―――ちょっとのんびりしすぎたでしょうか。登りが苦手だから平坦なうちにさくさく歩くつもりだったのに、コースタイムをオーバーしてしまっています。明神橋からはちょっとスピードをあげ、次の目的地の徳沢を目指しました。おっと書き忘れていた。雨は私らがバスターミナルを出発する頃にはあがり、ときおり青空が見えるようになっていました。でも山の上のほうには雲がかかっています。

明神池明神橋

左:木立の間に見える明神池。周囲を歩くには
拝観料がかかります。/右:長〜い明神橋。

今度はほぼコースタイムどおり、10:00に徳沢到着。ここでも荷物を下ろして長めに休み、さあ次の目的は横尾です。横尾…横尾か……。横尾から本格的な山歩きになるんだよな。横尾まではほぼ平坦なんだよな。横尾まではまだ1時間あるんだよな。なのに私の足は痛いんだよな。……この辺が、日頃の運動不足を一番痛感していたかもしれません。バスでむくんだせいもあるかも知れないけど、とにかくふくらはぎが張って張って。

そろそろ横尾に着こうかという頃、すれ違った人が言いました。「えっ今から涸沢行くの!?」。正気かよ、遅いよ。そんな感じの言い方です。で、でも今はまだ11時を回ったばっかりだし、昼に横尾を出たとしてもコースタイムでは15時、休憩とか遅れをみても16時には涸沢に着くつもりなのです。山小屋着15時を鉄則とするならちょっと遅いかも知れないけど、でもまだ暗くなる時間じゃないし、だいたい涸沢ってベースキャンプでしょー? 甘く見すぎ?

11:20くらいに横尾着。お昼休憩をとっているグループがたくさんいます。私らもここでお湯を沸かし、温かいスープとお弁当でお昼にしました。私らが休んでいる間に横尾大橋を渡っていくグループもちらほらいます。うーん、やっぱそんなに非常識に遅いとは思えないんだけど。この先の山道は予想以上にツライのでしょうか……?

キジバト?横尾大橋から

左:お弁当のおこぼれを期待するキジバト(?)。あげないよー。
/右:横尾大橋から。これまた明神岳?

≪つづく≫

2007.9.28(Fri)

9月22〜24日の三連休はほとんど家にいた。休み前に書いた「やらなきゃ」リストを全部片付けた。―――やった!(小さくガッツ)(ガッツって最近聞かないや)。

2007.9.27(Thu)

≪つづき≫

前夜、横になったときにはまだ蒸し暑かったがさすがは田舎。夜中には涼しい風が入ってきてたーーーっぷり寝られたので、16日の日曜日はさわやかに目覚める。朝食をとってのんびり待っているうちに、この日のゲストがぞくぞくと到着。前日から続けてのダイブは私らと男性1人(覚えにくい名前でまだ名前を覚えられない……)だけだが、この日も総勢11名の大所帯だ。

揃ったところでこの日のポイント、富戸に向かって出発。富戸もやっぱり大混雑で、車を停めるのも一苦労だ(私には絶対できない! ムリにやったら人を轢く)。器材のセッティング場所も“足の踏み場もない”ってくらいで、グループで場所を確保できず、各自散らばって空いてる場所でタンクを背負った。この日、私とYはTさんのグループ。他に4人が一緒に潜る。

水に入ると、おおっキレイだ! 天気予報を裏切って(この日は伊豆全部が午前60%、午後60%の雨の予報だった)晴れ上がった空を映した水は青く青く青く、気持ちイイったらありゃしない。若いイサキの群に囲まれながら浅瀬を泳ぐ。他はまだそれほどの本数じゃない人が多かったので、私は一番後ろをついていきながら、マニアックにカザリイソギンチャクエビを狙う。あっちにもこっちにもいたけど、結局ちゃんと写ってたのは1枚だけだった。透明な被写体も難しいなー。

岩場からさてちょっと深く潜ろうか……という箇所になったとき、先導していたTさんんが「引き返す」のサインを出して上がってきた。どうしたのかなーと思ったら、あら? 周囲にいる魚がいっせいに同じ方向を向いて(斜めになった岩場のうえに向かう方向で)必死に泳いで位置を確保している。これは沖出しの潮(リップ・カレント)だー。しかもかなり強い?

だがしかし、フィンを替えてからの私は余裕である。このくらいなら大丈夫ー。前の柔らかいフィンでは泳いでも泳いでも前に進まず焦ってしまうコトが多かったが、今はゆったり泳げる。他の人は大丈夫かな、と後ろを振り向くと、皆一生懸命にぱたぱたぱたぱたやっていた。Yも脚力ないんだから、フィン替えたほうがいいと思うんだけどなー。

結局深場には全然潜らず、浅瀬を行って帰ってくるダイビングだったので、昼食休憩を挟んでの2本目も同じコースでもう少し先まで行くコトになる。砂地のほうは深いので、また流れたら危ないからだ。水に入ると潮は止まっていたものの、透明度は残念ながらがっくりと落ちてしまっていた。深場に行くためにわき目も振らずに浅瀬を泳ぎ、ぐっと下がってウミトサカについたクロフチススキベラやシラコダイ幼魚、カゴカキダイを見る。去年はこの辺に目玉生物が大集合だったなあ。

戻った浅瀬では、各自好き勝手に遊ぶ。私は岩の隙間にノコギリヨウジを見つけたのが嬉しかった。しかしここでまたもや器材のトラブル発生。が、彼は偉かった。経験本数はまだ10本台なのに落ち着いてTさんに報告し、オクトパス・ブリージングをやっている。今回のも空気もれなので、ここからはちょっと急いで帰らなくてはならなかった。

何事もなく無事に陸に戻り、器材を片付けて着替える。この日はあまりの大人数にパンクしたのか、温水シャワーが故障していたのが辛かった(まぁ富戸の場合、温泉丸という強い味方はあるのだが)。ログ付けをして次回の予約をし、軽く食事をして帰京。前夜あんなに寝たというのに、帰りの電車では爆睡しまくってしまった。久しぶりに2日続けて潜って疲れたかな?

今回のログはコチラ(225本目)とコチラ(226本目)。写真ありあり。

2007.9.26(Wed)

9月15、16日は伊豆へと行ってきた。台風11号は日本海側に抜けるコースを取っているらしいが、海にどう影響があるかわからない。台風に秋雨前線が刺激されてるとかで予報も曇と雨のマークが並んでいる。U、Yと一緒に伊豆のショップの最寄駅に降り立つと、かなり激しい雨が降っていた。驚異の晴れ女パワーはどうした?>Y。私ら3人のほかに、前に会ったコトのあるUR嬢と男性1人が電車組。ショップに行くと車組が5人来ていて、この日のゲストは総勢10名。さすがは三連休だ。

今日は天気もつハズだったのにねーとボヤきながら車2台で向かった先は川奈。大雨の影響で透明度は悪く、9月にしては前例がないくらい水温が低く、うねりも残っているだろう、とネガティブ情報ばかりを聞かされるが、最近当りばかりが続いていたしたまには訓練ダイブもイイだろう。これまた三連休効果で混み混みの川奈に到着し、2グループに分かれて器材をセッティングする。私ら3人はUR嬢他2名と一緒だ。

朝方は激しく降っていた雨も川奈に着くころには止み、薄日が差し始めていた。水に入るとおや? なんだか聞いていた話と違う。冷たくないし、透明度も10mくらいはあって悪くない。つか、浮遊物が多いからときおり陽が差すと光の筋がはっきり見えてキレイだ。浅瀬をのーんびり泳いでいくと南から流れてきた熱帯系の幼魚がいて、賑やか。ああ、落ち着くわあ……。

とか思っていたときだった。なにやらUがガイドのSさんに訴えていたかと思うと、SさんがUにオクトを渡し、皆に合図をしてダッシュで引き返し始めた。どうやらレギュが壊れてフリーフローしっぱなしになってしまったらしい。なのに、こんなときに限って写真を撮りたい生き物がうろちょろ出てくるのだ。先を行くUとSさんに追いつける距離を保ちつつ、目ぼしい生き物の証拠写真をしっかり撮っていた私を許して!

このトラブルのせいでエキジット口に戻ったときには微妙に物足りないくらいの潜水時間だったので、Uが無事に岸に上がるのを見届けてから、残りはも一度沈んで浅瀬を散歩。さっき慌てて撮った生き物を次々とSさんが指していて、戻るならあんなに必死にならなくてもよかったのにーと、ちょっと脱力した。再潜降してから20分くらいは海中散歩ができたかな?

お昼を食べての2本目(Uはレンタル器材で参加)も、1本目とほぼ同じ岩場のコースを辿る。アオリイカのシーズンが終わってしまった今、砂地にはあんまり魅力がないのだ。岩場のほうには南方から流れてきた幼魚がひらひらしていて、賑やかで楽しい。最初に悪い悪いと言われていただけに、この日は「予想よりイイじゃん!」と当たったような気分だった。「じゃあこれから毎回、悪いですよーと言っておこうかな」とTさん。

のんびり2本潜ってショップに帰ったのはまだ15時半。やっぱり川奈は近いなあ! ログ付けをして17時頃にU、Yと早めの夕食へと向かう。この日は地魚の回転寿司。旬の秋刀魚がとっても美味しかった。たっぷり食べたトコロでUは帰宅。私とYはショップに戻り、2人とも寝不足だったので温泉につかった後はさっさと寝てしまった。あんな時間に寝たのは久しぶりだ……。

今回のログはコチラ(223本目)とコチラ(224本目)。写真は少々。

≪つづく≫

2007.9.23(Sun)

12日の水曜日は実の妹と、妹分のちーと3人で、北島亭に行ってきた。よしながふみさんの『愛がなくても喰ってゆけます。』に載ってる店で、とにかく量が多いので有名らしい。だというのにこの日の私の腹具合はかなり“微妙〜”。別に壊れているワケではないが、本調子でもないような……。しかし3人の予定を合わせるのに苦労したので、最寄り駅の四ツ谷に時間どおりに集合した。

美味しいが内装やサービスはあんまり良くない、という前情報を仕入れていたが、私はその辺は全然気にならなかった。改装をしたらしいのでそのおかげかしら? サービスも、うん、上品とは言えないかもしれないけど、あのくらいフレンドリーなほうが気が楽だ。アミューズのチーズの何とか(ふわふわのパンみたいの)とメロンを食べ、食前酒を飲みながらゆっくりとメニュー選び。

北島亭メニュー

北島亭メニュー

アミューズ2品

結局3人とも、お店の人が強く勧める5品のコースにした。多いんじゃないかと心配だったが、3〜4品のコースだと全部お任せになってしまうし、量も加減してくれるというので。肉や魚は3人で同じメニューを選ばなくてはいけないが、前菜2品はそれぞれ好きなものを選んでいいと言うので、3人×2品でメニューにある前菜6品を全部頼んだ。残り3品はよしながさんも食べていた「アカザエビ」「クロムツ」と、お店オススメの和牛ステーキにする。

北島亭メニュー

「シマアジのマリネ」。桃に乗っかってました。

北島亭メニュー

定番の「生ウニのコンソメゼリー寄せ」。ちょうま。

北島亭メニュー

「アカザエビのマリネ キャビア添え」。

北島亭メニュー

「ズワイガニとアスパラの何とかサラダ」。
生ウニとこれが私の2トップかなー。

北島亭メニュー

「鰯とクスクスのオリエンタル風」。妹はこれをやたら気に入ってましたが、私はちょっと味がキツく感じました。でもクスクスを美味しいと初めて思った!

北島亭メニュー

「フォアグラと何とかのゼリー寄せ」。フォアグラは焼くよりこうやって食べた方が美味しいね、と全員の意見が一致。

前菜をシェアしながら6品いただき、今日のメニューの中で一番楽しみにしていたアカザエビになった途端、痛恨の一撃が。体調に異変が。運ばれてきたぷりっぷりのエビを「わぁ美味しそう!」と一口食べた瞬間、いきなり気持ち悪くなってしまったのだ。おなかはまだ大丈夫だったから食べすぎではないし、食前酒とワイン少ししか飲んでいないから飲みすぎでもない。とにかくエビの塩味と油がダメで(私以外の2人は「絶妙の塩加減!」と喜んでいたから料理のせいでも絶対ない)、おまけに目の前が暗くなってくる。貧血みたいな症状だ。

北島亭メニュー

「アカザエビのポアレ:じゃが芋のかりかり焼サラダ」。エビ大好きなのに……! 大好きなのに……!

とりあえず1口食べただけのエビを妹とちーに片付けてもらい、落ち着くのを待つ。ちーが「貧血? 甘いものあるよ」と心配してくれるが、「ゴメン……こんなにバクバク喰いながらなる低血糖症なんて聞いたことない……」。次に出てきたクロムツは添えてある野菜は美味しいと思ったし、ふわふわの身も何口か食べられたが、胡麻をたっぷり乗せて焼いてある皮の部分の油がもうダメ。これも妹たちに助けてもらう。

北島亭メニュー

「黒ムツのごま付焼き」。身はふわっふわでしたが、も少し歯応えのある方が好きかも。

北島亭メニュー

黒ムツの尾やカマの部分を揚げてくれました。

北島亭メニュー

「和牛もも肉のステーキ」。固めをオーダーしたのですが、ベスト! パーフェクト! 素晴らしく美味しいお肉でした。

北島亭メニュー

付け合わせの松茸のソテー。大きさが分かるように妹の手と一緒に写してます。

最後は和牛ステーキ。私はちょっと回復してきて3皿の中では一番たくさん食べられたが、今まで私の分を分担してくれた妹たちもそろそろ限界で苦しそう。いっくら量を加減してくれるとは言っても5品はやはり多かった。その後のデザートは普通に食べられたし、リバースもなかったけど、やっぱ悔しいよぅ。せっかくの北島亭だったのに! ちょっと塩味がキツイかなって皿もあったけど、全体的にはとても美味しかったのに!

北島亭メニュー

北島亭メニュー

フルーツ3人分の中に食用のほおずきに飴をかけたのがありました。初めて食べたけど、ほんのり酸味と苦味があって美味しかった!

北島亭メニュー

北島亭メニュー

北島亭メニュー

デザートのブラマンジェ(←これも初めて美味しいと思った)、プリン、クレームブリュレ。オーダーなしにこの3品が出てきたけど、前菜を6品も頼んだから「どうせバラバラに頼むに違いない」と思われた? それともいつもこうなのかしら? とにかく、どっしり重たいチョコケーキとかじゃなくて助かりました。

最後に、写真を撮りまくるのを快く許してくれた北島亭の皆さまに感謝!です。お堅い店じゃなくて良かった……。

体調万全なときに、も一度行きたい。んで今度は多少割高でも、アラカルトで少なめで行こう(←弱気だ……)。

2007.9.20(Thu)

1年以上の前の地層からの発掘テキスト第4弾(そして最終弾)。その頃見ていたDVDの感想2本分です。

*****

■『ネバーランド』。えーっと、『ピーター・パン』の最後ってどうなるんだっけ? 子供たちがネバーランドから帰ってきて、ピーター・パンとさよならで終わり? それともウェンディの子供がネバーランドに行くんだっけ? とか思いながら見てました。ネバーランドと現実との両立って難しいよなー。思う気ままに行き来できて両方を楽しめるのが一番いいと思うけど、ネバーランドに行くのに条件が必要だったり、行きたい気持ちばかりが募ったり、行ったまんまになってしまったり―――。それがこの話とか『ナルニア』みたいに“現実世界では死んでいる”っていうのも、なんかズルい気がする。ジョニー・デップはよかった〜。あと三男のピーターを演じた子役も。大人にならざるを得なかった長男もけなげだし、シルヴィアのお母さんもよかった。

■『ターンレフト ターンライト』。可愛らしいラヴストーリー―――なんだけど、ああもう私は可愛いラヴストーリーはダメかも。原作は絵本だそうだから、そっちを読んでイメージができてればちょっとは違ったかな。あまり前情報なしに見ちゃうと、「ああ可愛いなあ」と思うより先に「もうちょいしゃきしゃきせんかい!」と言いたくなってしまう。あまりに見事なすれ違いっぷりも、同じ台詞を重ねるシーンも、飽きちゃうし。ラストはあまりと言えばあまりの展開だったけど……うーん、まぁいいかって気にはなりますね。あと恋敵役たちがもうちょいキュートだといいのになーと思った。……つか、男の方が、ね……。

2007.9.18(Tue)

9月9日は重陽の節句なので“父と山に行こう”第4弾で、珍しく母も交えて大菩薩嶺に行こうと計画していた。初の2,000m級(しかしかなり奥まで車で行けるので、歩く距離は丹沢のときより全然短い)で富士がキレイに見えるとの話でとても楽しみにしていたのだが、台風9号が田舎の畑を荒らしまくったおかげで、従兄弟の結婚式のために揃って上京してきた父母はとんぼ返りで田舎に帰ってしまった。山〜〜!

8日の土曜に久々の先輩と新宿で会ってお茶して(これは嬉しかった)から祖母宅に行き、披露宴帰りの2人とは一応顔を合わせたものの、山に行くはずだった日曜はぽっかり空いてしまう。こうゆうときには「せっかく空いた時間を有効に使おう!」と毎度毎度思うのに、毎度毎度自堕落に何もせずに過ごしてしまうのは何が足りないのか。気力か体力か根性か美貌か財力か。

この日も結局何もできなくて、久しぶりにかなり真面目に落ち込んだ。自分でダラけといて落ち込んでりゃ世話ないとは思うけど、でも凹むよー。「体が休養を必要としてるのだ」という言い訳も、もう通用しない。自分にさえ。くそー。

2007.9.13(Thu)

ファンタジー好きを名乗っていたら今まで読んでなかったのが恥ずかしい作品なんだろうけど、思っているだけで名乗ってないから別にイイや、で、T.H.ホワイトの『永遠の王』を初めて読了。……名乗ってなくても今まで読まなかったのを後悔しました。面白かった。

後書きによると製作過程でいろいろと紆余曲折があったらしいが、それもなるほどと思えるくらい、最初の章の印象と後半の印象がまるで違う。アーサーの子供時代の章はいい意味でまんがチックで(私の頭の中ではアメリカンなマンガのキャラが動き回っていた)楽しくて、そのまま突き進むのかと思ったらあれあれあれ―――いつの間にか、しっかり“悲劇の王”に。アーサーがトムを呼ぶ辺りから「ヤバいこれは来る来る来る」と身構えていたのに、ラストの数ページではやっぱりボロボロ泣いてしまった。

今までの私の中のアーサー王のイメージは、M.Z.ブラッドリーの『アヴァロンの霧』シリーズに色濃く影響されていて(←子供の頃にやってたアニメの印象なんか『アヴァロンの霧』読んだ瞬間に吹き飛んだ)、『アヴァロン』はブラッドリーのオリジナル色が強いのかと思っていたんだけど、『永遠の王』にも共通する部分がいっぱいあって、意外にブラッドリー、基本に忠実?と思った。んで基本はマロリーの『アーサー王の死』なのかな? 『永遠の王』でかなり頻繁に言及されている?

いやでもね、筋立ては同じでもホワイトの目線の優しさはどうよ。『アヴァロン』だとランスロットなんかもうどうしようもないダメ男で、グェネヴィアにもまぁ苛々するんだけど彼女の場合最後にあっさりランスロットを見限ってしまう辺りでちょっとだけポイント回復という救いがあるのに対して本当に最後までダメ男で、それは『永遠の王』でも変わらないんだけど、ホワイトの描き方の方がなんとなく救いがある気がする(それとも私が歳をとって許容範囲が広がったのか? 『アヴァロン』読み返さないとわからないなー)。『永遠の王』でも、彼らのアーサーに対する扱いは無神経すぎると思うけれども、どうも2人とも憎め切れないトコがある。

それは他の登場人物に対しても同じで。乱暴者で問題行動の多いガウェインやその兄弟に対してもアーサーに弁護させるし、誰とも心を通わせられないモードレッドは何をしても、というかヒドいコトをすればするほど、可哀相だ。アーサーも伝説の王ではなく、単純素朴な、1人で立ち向かうには巨大すぎる竜に1人立ち向かう、必死な人間だ。『アヴァロン』でもアーサーの描き方はそんな感じだったってコトは、マロリーがそう描いているのかな?

アーサーの悲劇は、彼と一緒に“一生懸命考えて”くれる人がいなかったコトだよな。アーサーの話がランスロットやグェネヴィアに全然伝わっていないのが繰り返し描かれ、しかも2人のアーサーに対する扱いがヒドいから「君らはアーサーの良さが全然わかってないよ!」とどつきたくなる。話が通じ、一緒に考えてくれる人が共にいたなら、それだけでずいぶん違っていただろうにね。

2007.9.11(Tue)

ジーン・ウルフ『ケルベロス第五の首』読了(いつものごとく10日ほど前に)。

初ジーン・ウルフでした。読むのに集中力を要する本で、さっぱりわからなかったけど面白かったです。わからないのに何だか懐かしい世界に戻ってきたような気がしていたのは、70年代の作家さんだからかー。後書き読むまで最近の本なのかと思っていたけど、そう聞くとあの年代の作品の匂いがしますな。私の好きな。

謎解きしながらしっかり読む人にはたまらないんじゃないでしょか。私はあんまり考えないほうだけど、でもそれでも読み終わった後にいろいろ説明つけたくなった。一度読んでからもう一度すぐ読み返せば見えてくるものもたくさんありそう。―――疲れそうだから、やらないけど(←根性なしめ)。

んで横着をしてネットで感想文をいくつか読んで、やっぱ自分には読解力も謎を読み取ろうとする気力も、なにもかも足りないな〜とガックリきました。だって、「ちゃんと読めばこれはすぐわかる」とか言われている謎の、(これから読む人は反転させちゃダメ→)「少年が奥地でマーシュに擬態してすり替わった」っていう解答、私はちーーーっとも思いつかなかった。言われてみれば「あのエピソードもあのエピソードもそれを暗示してるのにっ!」と目から鱗がぽろっと。そっかー、そうゆうコトだったのかー。となると1作目のあのシーンは彼の妄想じゃなかったのかー。うーん、ホントにイメージだけで読んでるな>オレ。

物語はというと、2作目の雰囲気が一番好きでした。でも結末も2作目がいちばんわからなかった。あと1作目の退廃的な雰囲気も……そして3作目のワケのわからない怖さも……あ、この本、中篇3編で1つの物語を構築してるんですよ。うん、どれも捨てがたいモンがあるな。3作目がワケわからなかったのは、私が上記の回答を得られなかったせいかもしれませんけど。

気力が満ちたら、また読み返してみるかも。

2007.9.7(Fri)

≪つづき≫

2本目は1のの先端へ。海面近くは24〜5度も水温があるが、10mより深くなるとキレイなだけあって寒い(後でダイコン見たらなんと18度! 差が6度もあっちゃ耐えられないハズだ〜)。しかしこの日から新調のウェットを着ていたTさんは臆さずどんどん深度を下げる。しかし潜ったその先にいたのはサメジマオトメウミウシ……。えーっと……。(いやウミウシも好きなんですよ! ですけどね!)

その他にいたのはベニイザリウオくらいだったかな? 途中から「そろそろ寒いって言おうかなーもう言っても許されるかなー」と考えていたんだが、そう考えてるときはたいてい、考えてるうちに浮上が始まる。この日も同じく、私の我慢の限界が訪れる前にTさんが深度を上げてくれた。サーモクラインより上、あたたかい層に入るとホッとする。1本目よりは透明度は落ちてしまっているんだが、それでもあたたかい方がいい!

オクリダシの入江で安全停止がてら遊ぶ。Tさんが3cmくらいのチョウチョウウオの幼魚を見つけてくれ、さらにウバウオを探しているその肩の向こうに、ぴょっと動くものがあった。白地に黒っぽい模様の、1.5cm〜2cmくらいの小さな生き物だ。なんだろう? ひょっとしてレア物かなーウバウオとどっちが珍しいのかしらウバウオを探しているTさんの邪魔をしてしまってもイイかしらああTさんの肩がぶつかりそう……と迷ったあげくTさんにその生き物を指すと、Tさんが歓声をあげた。どうやらけっこうイイものらしい。

Tさんが気付く前にはかなり格好の被写体っぽかったそいつは、私がとりあえずの証拠写真を1枚だけ撮り(他の人にも見せなきゃ、と思ったので粘れなかった)、Tさんが他の面子に教えている間にぴょっぴょっと逃げて行き、やがて岩の隙間に入ってしまった。ええええーん。他の人に場所を譲って自分の撮った写真をチェックしたらボケボケで、皆が終わったらもう一度チャレンジしようと思っていたのに! あ、そいつの正体はコウワンテグリでした。大人になると地味〜な色になるけど、子供はカワイイ!

最後の浅場で満足してエキジット。うちのグループともう1グループを乗せてTさんが先にショップに戻る。私は車に乗れなかったのでYを待つために1人置き去り。Sさんが第3グループの2本目を終えるまで、ぼーっと待つ。戻ってきてからも器材の片付けや着替えで小一時間は待ったかな。ログブック持ってきてれば、データだけでも書けたのにー。

今回のログはコチラ(222本目)。写真ありあり。

やっと揃った面子と一緒にショップに戻り、ささっとログを付け、そしてこの日はバーべキュー。実は、病欠中のTaji嬢を誘うために私がショップにお願いし、馴染みのE川さんも誘ってのイベントだった。潜れないTaji嬢も、ダイビングが終わった頃を見計らってショップへやって来る。来ると聞いてたのに昼間いなくてどうしたのかなーと思っていたU野夫妻も、夜になってからやってくる。なんとU野夫(←ハゼ博士)も病欠中だったらしい。話を聞いてビックリした。

1グループは帰ってしまったが、残りの面子だけでも15人だったかな? 私とTaji嬢とU野妻と(ちょっぴりYと)で肉を切って切って切って野菜を切って切って切って、大皿に山盛りにして下準備。この日にしたのは近くの海岸の花火が最後だったからだったんだけど、花火が始まったのが肉がちょうど焼けだして皆が食うのに夢中になっている頃だったから、あんまりちゃんと見られなかった……。

花火そっちのけでBBQに夢中な人々おっと。乾杯は私の差し入れのスパークリングワインだった。まさかこんなに人数が集まるとは思わずに、1人おちょこ一杯くらいの乾杯になってしまったが、やっぱコルクが飛ぶのはイベントっぽくてイイね〜。適当に選んだものだったが美味しくて良かった! その後はビールやチューハイを適当に。E川さんが酔っ払って私やTaji嬢にセクハラ発言連発してた。オヤジめ。

私はそんなに呑まなかったのに回ってしまって、せっかくTaji嬢と久しぶりの再会でしかも相部屋だったっつーのに、部屋に帰るなり爆睡してしまってガックリ。まぁ、翌日電車で帰ったのが私とTaji嬢だけだったから話せはしたんだけど。昼の日中に東京方面に向かう電車に乗ってるってのが変で、2人で変だねー変だよねーと何度も言い合ってしまった。焦らず治して、いつか一緒にまた潜ろうね!>Taji嬢。

2007.9.5(Wed)

8月25日の土曜日は待ちに待ったダイビング〜。この暑いのによく我慢した!>私。天気予報も快晴を約束してくれ、途中でYと合流して伊豆へ。電車の中でもダイバーが目につき、いつもの駅に着くとショップのSさんとTさんが車2台で迎えに来ている。夏だわあああ。さすがにこの日はゲストが多すぎて、ほとんどの人の名前が分からないままだった。

ショップでわたわたと用意をし、2台の車に分乗してこの日もIOP(伊豆海洋公園)へ。ちょっと遅めの出発で休憩テーブルは全部埋まっていたので、芝生にブルーシートを広げて場所を確保する。ここんとこずっとレベルアップに勤しんでいたE川さん(彼ともずいぶん久しぶり)はすっかりスタッフのようになっていて、IOP初めての人たちに施設の説明までしていた。

さて潜るグループは3つに分かれる。Yと私は、E川さんと、常連のハゼ博士U野さんのお友達の女性2人の、5人グループでTさんに連れられて潜るコトになった。が、器材のセッティングをしているところでYにトラブル発生。残圧が50しかないと言うのである。使用済みのタンクを間違えてもらってきたのかと思って、タンクを替えてみたが残はやっぱり50。

? ゲージを覗き込んだTさんが「水入ってますよ、これ!」と声をあげる。前回、タンクを下ろす際にゲージの上に下ろしてしまったんじゃないか、とのコト。残がわからなくては怖くて潜れないので、急遽Yは最後のグループに移るコトになった。せっかく一緒に来たのに一緒に潜れないなんてガッカリだ。私はE川さんに、にわかバディになってもらう。

この日も、とくに1本目は透明度が良かった。おまけに天気がいいので水が青くて気持ちイイ。1本目はエントリー口から左手へ、砂地のほうに向かう。浅瀬の岩場には見渡す限りのアジの群、群、群。寄っても逃げずに顔のすぐ前を泳いでくれる。ときおりタカベやイサキの群も過ぎる。あああああ気持ちいいいいいいっ。

アオリイカの産卵床のまわりはすごい人で、さすがに全部逃げてしまったかと思ったが、根性座ったのが数ペア、ひらひらと泳いでいた。私はもうさんざん見たので、今回は軽くスルー。その後ジョーフィッシュの巣に向かい、ここではガンバって撮影する。カワイイねえ。ニシキフウライウオもいたのだが、マナーの悪い人が多く、ろくに写真が撮れなかった。人が見てるのにツッコんでくるんだからなー。

この日は本当に人が多かった。大変だったのは器材のセッティング場所とエントリー/エグジット口周辺と目玉生物の周りくらいで、後はそう気にならないんだけど、人が多いと下手な人も目につくねー。アオリイカの頭上を泳いだり(上を通ると逃げてしまうので匍匐前進で近づくのが基本)、砂を巻き上げて泳いだり(初心者は誰もが通る道)、自分のゲストにばっかり夢中になって他の人間にまで気が回らないインストラクターがいたり。

女のコ2人は私やE川さんほど潜っていないようなので、2人に先に泳いでもらって私たちは後からふらふら。E川さんは上手くなったなー、ホント。私の上に落ちてきたインストを踏んづけてくれたから言うんじゃないけど。帰りにはちっちゃなチョウチョウウオの幼魚を見て、エキジット直前にカゴカキダイの幼魚を見る。両方ともとてもカワイイけど、でもやっぱり今日の目玉は群だったかな。

今回のログはコチラ(221本目)。写真たっぷり。

陸に戻ると、Sさんは3つめのグループを連れて海に再度潜っていた。どうやらSさんは今日はピストンで潜るりっぱなしらしい(後で聞いたら昼食を食べる暇もなかったそうな)。スゴいというか、なんというか……私には絶対できない。そんな私たちはシートにお弁当を広げて昼食休憩。ちょうどいい具合に日陰ができていて、目の前には海。最高のシチュエーションではないですか。

≪つづく≫

2007.9.3(Mon)

8月22日の水曜日は1日、会社のOA研修。7月の土曜日に研修を受けたときにはあまりに初歩的な内容でちょっとガッカリしたんだったが、今回はワリと面白かった。でもこの日の内容はまだ私が自力でもできるレベルで、本当はもうちょっと先の研修を受けたいんだよなー。17時までの内容を16時半には終えてしまったので、六本木ヒルズへ映画を見に行く。初めて行ったが、新しいからって特に居心地のいい映画館じゃないなぁ。

見たのは『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』。おおぅ、やっぱり映画の直前に原作を読んだのは正解だったよう! このシリーズの映画が“動く挿絵”だっていうのは1作目のときから感じていたんだけど、それがますます顕著になってきとります。原作を直前に読んでいたからこそ、脳内補完を発揮して発揮して何とかついて行けた感じ。原作を読んでなかったらどうなのかって、もう想像もつかんわ(脳内補完がほぼ無意識だから)。

それにしてもやっぱり、子供たちは大きくなりすぎてしまったわね。原作では14? 15歳だっけ? それならウィーズリー夫人が「子供だ子供だ」と言うのもわかるけど、映画だともう子供扱いはできないよなーって思ってしまう。フレッドとジョージなんか留年しまくってるみたいじゃん。ちなみに彼らが学校を飛び出した後の先生たちの、「許可がないから処理できません」はぜひ映画に入れて欲しかったわ。

映画でよかったのはまずアンブリッジ先生。いやーいやらしい〜。原作だと陰気〜な感じだったけど、あのピンクの人にしたのは大正解だと思う。自分が正しいと盲進している正義の人にピッタリだ。あとべラトリックス・レストレンジは存在感あったなあ。ルシウス・マルフォイと並ぶと絵になること。魔法省での戦いでも大活躍だったけど、脱獄の際の高笑いだけでも印象に強烈に残った。それからダンブルドアの消え方もカッコよかったわ。

でも一番ドキドキしたのは、ハリーが初めて魔法省に入ったシーンかも。魔法使いや魔女たちがだーっと歩いてて、周りじゅうに魔法があって。そうゆう、“魔法の世界の描き方”には、惹きつけられずにはいられない。

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