2010.2.28(Sun)

事情があって、予定外に5日間、田舎に帰っていました。帰ったときは雪も残っていましたが、金曜〜土曜がどしゃ降りの雨で、すっかり消えてしまいます。かと思えば帰る日曜には、朝から吹雪。慣れない運転&山道だっちゅーのに吹雪で視界が悪くって、道はみるみる白くなってゆくし、もうどうしようかと思いました。お昼には上がって、帰る頃には陽射しも出ていたのですけれどもね。川辺ではネコヤナギが春の雰囲気を作っていました。

ネコヤナギ

さて田舎滞在中、閑で閑で仕方なかったので、フィギュアばかり見ていました。まずは一番楽しみにしていた、アイスダンスから。……と、言いたいのですが、アイスダンスはほとんど見られませんでした。なぜならTo-koのバカが、せっかく録ったビデオを上書きしちゃったから。バカー! 上位選手の演技はもちろん、オリジナルダンスも見たかったなあ。

さて、ほんの数組しか見られなかったフリーダンス。リード姉弟は、見るたびに上手くなっている気がして嬉しいです。でも衣装は変えないほうが良かったなああ。リード弟の、あの弱っちい感じの天使が良かったのに。「黒にすると迫力でますね〜」って実況されてるの聞いて、「迫力ないのがイイの!」と内心でツッコんでました。リード姉も黒のほうが似合うし、色が逆ででも役割は変わらないって、直感的に分からないじゃん。

イタリアのカッペリーニ/ルノッカ組の演技はかなり好みでした。女性の挑戦的な笑顔が良かった。リフトの形も1つ1つが面白かったです。実況が「男性の衣装の肩が破れているのは演出ですが、女性のストッキングが伝線していたのは、これもワザとですかねえ?」と聞いているのには、笑ってしまいました。本田武史じゃなくても「さあ?」としか返せませんよねえ。

さあ次は女子シングル(……え? アイスダンスはもう終わり?)(←そうなの!)。アリョーナ・レオノアはショートもフリーもずいぶん固くなっていましたねえ。演技の後の表情ははじけていてホッとするんですけど、彼女の魅力は演技中の楽しそうな表情にあるので、ちょっと残念でした。

今年の私の一押し、鈴木明子ちゃんはやっぱ独特の雰囲気があります。ショートもそうだったし、フリーのステップのときの盛り上げ方はは圧巻で、どんどんファンを増やしていそう。演技中の彼女の表情も好きですが、演技していないときの表情にもイチイチ心を乱されます。彼女が嬉しそうだとこっちも笑っちゃうし、泣いてるとつられて泣いちゃうのよねえ。24歳だけど、中断もあったんだしなるべく長く現役を続けて欲しいなあ。

レイチェル・フラットも楽しそうに滑ってくれる選手で、雰囲がも可愛いくて好きです。ちょっとスピード感に欠けるのと、柔軟性に乏しいのが難だけど、この先が楽しみな選手ですよね〜。安藤美姫のショートのプログラムも、雰囲気出ていて好きです。フリーはそれに比べると「彼女ならでは」って感じではないのだけれど、でも大きなミスなくキレイにまとめましたよね。ホントに上手くなったなあ(←て、ナニサマ?)

キム・ヨナのショートのプログラムは好きで、出来も素晴らしかったです。でも今シーズンのフリーのプログラムはあんま好きじゃないんですよねえ。完璧な演技だったしホントにキレイだったけど、でも残らない(これは振付師のせいだと思いますが)。浅田真央のショートも完璧で、演技後の笑顔が嬉しかったです。新しい衣装もよく似合う。淡いピンクより、こうゆう大人の色が似合うようになったんですねえ。フリーのプログラムは、私はキム・ヨナのより断然好きです。トリプルアクセルはキレイだったなあ。

ミスがあったので順位はまぁ納得ですけど、でもあそこまで点数の広がる理由がわかりません。こうゆう競技って絶対審査員の先入観入りますよね? キム・ヨナだから演技力すごいはず、と思って見てません? 真央ちゃんの演技力も、キム・ヨナとは違う方向だけど、かなりレベル高いと思うんですけどね〜。観客が「マオの滑りはエレガント」と評していましたが、その通りだと思います。演技が終わった後も、メダルをかけられるときも悔しそうで、パーフェクトな演技にこだわっていただけに、痛々しかったです。

ジョアニー・ロシェットは今まであまり好きじゃなかったんですが、今大会はショートもフリーも良かったです。特にショートの集中力はスゴかった。彼女の演技って、いつもは“力強さ”のほうが全面に出ていて、そこがちょっと振付とあっていなかったりするんですが、今回はいつもより女性らしい色気があったと思います。特にそれが出ていたのが、ショートのタンゴ。大人の陰影があるって感じでした。長洲未来も、雰囲気作るの上手くなってきましたねえ。彼女の体の柔らかさ、ポーズの決まり方は魅力です。

最後に。ペアのときから感じてたけど、カナダのお客さんはフィギュアがホントに好きって感じでいいですねえ。もちろんカナダ選手への声援は大きいけど、魅力的な演技への拍手も惜しまない。こうゆうのは気持ち良くて好きです。

2010.2.22(Mon)

ちょっとゴタゴタしております。ちょっとしばらく、更新が間遠になるかもしれません。ただでさえ遅れている日記が、どんどん現実の日付から離れていく……。そう言えばこの日記、たまにしか書かないから「たま日記」なんだったよなあ、とサイト解説当初を思い出しました。初心に戻ったってコト?

と、現実逃避はおいといて。撮っておいた男子フィギュアのフリーをやっと見ました。……高橋大輔がメダル取るもんだから放映時間が延びちゃったらしく、途中で切れてるし! ウィアーとプルシェンコの演技、見られなかった……。最初っから、長めの放映時間を取っておいてくれればイイのになあ。

でも、高橋大輔のメダルは嬉しいです。あのアピール力の勝利かしら。てか、日本の選手3人は皆それぞれの“らしさ”を発揮した、いい演技をしてくれたと思う。全員入賞ですもんね〜。スゴいよ! 小塚くんの演技はしなやかだし、織田くんの着氷時の膝は何回見ても「柔らかいなあ〜」とため息ついちゃう。靴ひもは残念だったけど、でもそれでも魅力的な演技でした。

金メダルはねえ……(ため息)。結果は知っていたので、「ナゼ私はライサチェクが好きじゃないのか」を考えながら見てました。振り上げた足の膝が曲がっているのが醜い、ポーズとポーズの間が繋がっていない(魅力的な選手は、どんな中途半端なところでシャッターを切っても絵になります)、演技がぶっきらぼう、タメが足りない、体が固い……。う〜ん、けっこう出てくるなあ。

考えてみれば、高橋大輔も怪我をするまでは「演技が上滑りしている」って理由で好きじゃなかったのですけどね。安藤美姫はずっと応援してたけど、「腕の使い方が雑なんだよなあ」と思ってた。それが2人とも弱点を克服してくれて、今では文句なしに演技を楽しませてもらってる。だから来シーズンくらいには「ライサチェク、いいよね〜」と手のひら返しているかもしれません。

ショートしか見ていないウィアーは、高橋大輔と双璧でアピール上手だと思います。2人とも必ず、女性相手に愛想ふりまきますもんね〜。見事だ。プルシェンコはあの自信たっぷりの感じがイイです。どうだ、と言わんばかりのあの態度。それで銀になっちゃったのは、ずいぶんプライド傷ついただろうなあ。「審査員を怒っているかって? 怒ってないですよ」と言ったときの、明らかにムカついているあの表情で、また一つ彼が好きになりました。

2010.2.21(Sun)

≪つづき≫

一度眠りにつくと、狭いスペースだったワリにはよく眠れ、2日目はすっきり目覚めます。暗いなか手探りで身支度をし、ヘッドランプを持って外に出ると、外はちょうど暗闇が薄れ徐々に色を変えてゆく、曙光の気配が漂いだす時間帯でした。移りゆく空の色に、飽きずに景色を眺めてしまいます。最初はシルエットだった富士山にも、少しずつ色がついてゆきます。

みやま山荘

消灯中はランプが点いています。いい雰囲気

みやま山荘

みやま山荘。街の夜景もまだキレイに見えてました

6時からの朝食は、今度は遅れずに着席しました。夕食に比べるとかなりあっさりのメニューですが、私にはちょうど良かったです。朝夕2食とも、噂どおりの美味しいご飯をいただけました。最後に荷物をまとめなおして出発する際、石井さんが受付脇の窓を開けて「To-koさ〜ん、気をつけて行ってらっしゃ〜い」と見送ってくれたのも嬉しかったです。今度はも少し空いているときに、また行きたいな。

みやま山荘

かやくご飯と味噌汁、切干大根と、昆布・梅干

さあ出発―――と外に出たのですが、山頂からの富士山がピンクに染まっているのがあまりにキレイで、また撮影タイムに入ってしまいました。昨日の夕方には予想もしなかった景色です。ホント、泊まって良かった〜。しばらく富士山に見惚れ、最後に小屋の外のトイレに寄って、今度こそ出発です。アイゼンは迷ったのですが、ちょっと様子をみようと、とりあえず無しで! 山頂からちょっと下る箇所だけ要注意でしたが、踏むときゅっきゅっと締まる雪なので、滑るコトはなさそうです。

丹沢山

丹沢山

丹沢山

刻々と色が変わっていきます。なんてキレイ……!

丹沢山

小屋の周囲も明るくなってきました

丹沢山

6:27 林の向こうからのご来光

小屋の周囲も明るくなってきました

丹沢山

最後にもう一回富士山を撮って、さあ出発

すっきりと晴れているせいか、気温はかなり低いようです。風が吹くとかなり冷たいので、ネックウォーマーを鼻まで引き上げてしのぎました。冬用アウターが欲しいと思っていたんですけど、その前に冬用帽子としっかり防水の手袋が必要ですねえ〜。歩き始めてしばらく、竜ヶ馬場辺りまでは、朝陽に染まった樹氷と雪の景色の中を歩きます。ああ、シアワセ。広く開けた竜ヶ馬場からは、最高の富士山と丹沢を満喫できました。

丹沢山〜塔ノ岳

丹沢山〜塔ノ岳

雪山をやらないから、雪景色が朝焼け色に染まるこの光景は初めてで嬉しくて、少し歩いては写真を撮りまた少し歩いては写真を撮り……

丹沢山〜塔ノ岳

行く手には塔ノ岳

丹沢山〜塔ノ岳

塔ノ岳山頂をズームっ

丹沢山〜塔ノ岳

あ〜ダメだ。今日の写真はどれも捨てられない…

丹沢山〜塔ノ岳

竜ヶ馬場からもふーじーさーんーっ

丹沢山〜塔ノ岳

丹沢山〜塔ノ岳

最高のお天気。気持ち良すぎです

竜ヶ馬場を過ぎた辺りから、ときどき塔ノ岳に泊まった人たちとすれ違うようになります。ほとんどの方がアイゼンをつけていて、何度か「アイゼン無しで平気?」と驚かれました。だって、滑る雪じゃないんだもーん。1人だけやっぱりアイゼン無しの方がいて、その人だけニュアンスの違う「アイゼン無しで平気でしょうか……?」でした。丹沢山までは平気ですけど、その先はどちらに向かうにしろ必要なんじゃないかなあ。

丹沢山〜塔ノ岳

日高のピークを越えた辺りだったかな? 尊仏山荘がだいぶ大きくなりました

丹沢山〜塔ノ岳

丹沢山〜塔ノ岳

丹沢山〜塔ノ岳

ぴっかぴかの雪景色

丹沢山〜塔ノ岳

歩いてきた方向を振り返る。真ん中の丸い山頂が丹沢山、左は蛭ヶ岳に続く稜線にある不動ノ峰、だと思います。いつかそっちも歩くぞ!

丹沢山〜塔ノ岳

青空とのコントラストが、なんて美しい……

塔ノ岳頂上には、林を抜け小屋の脇を回るようにして到着。ギョッとしたのですが、山頂のテーブルの上に、シュラフにくるまって寝ている人がいました。マットを敷いただけのその姿に、まさか死んでないよね……と、まじまじ観察してしまいます。息はちゃんとしているようで一安心ですけど、心臓に悪すぎるよ〜。なんであんな場所で寝てるんだよ〜(訓練でもしてるんでしょうか?)。

塔ノ岳

ここからもの富士山もキレイ♪

塔ノ岳

雪の中からも登山者の安全を見守ってくれています

塔ノ岳

……よく、寝られますよね……

とにかく寒いので、ひとしきり景色を楽しんだら下山にかかります。ここから金冷シ(←この地名、あちこちにあるんでしょうか?)まではまだしっかりと雪道で、気持ちよく歩けました。この辺りですれ違う人がアイゼンをつけているのは納得でしたけど、花立山荘を過ぎて雪のあまりない泥道になっても、下から来る人来る人アイゼンをつけています。この下に凍った箇所でもあるのかな?

塔ノ岳

さようなら〜また来るよ〜

大倉尾根

道に雪はあるけど、やっぱ少なめですね

この日も大倉尾根は大賑わい。どんどん人が上がってきます。中の1人がアイゼンをつけていない私を不安に思ったのか、「ちゃんと取りなさい」とすれ違いざまに声をかけていきました。彼が指差していたのはストックの石突きのキャップです。……でもねえ〜地面の出ている道でキャップ外して穴を開けながら歩くの、キライなんですよね。しっかり雪なら私も外すけどさ。ご配慮はありがたいけど、ここじゃストックの先が滑って転んでもお尻が痛くなるくらいだし。

大倉尾根

ぐちゃ泥道になってきました。これじゃアイゼンいらないよ

そう思って2、3歩目、氷に足を置いてしまい、見事に転びました。ほ、ほ〜らね、お尻が痛くなるだけだった!(イテテテ……)。ですのでその先も、キャップをしたまま歩きます。その後も泥のついた丸太でコケ、なんでもないところでよそ見してコケ、計3回転びましたが、どれもストックが滑ったせいではないコトを申し添えておきます。

さてダラダラ長い大倉尾根。下るだけなので、さぞ心配事ばかりが頭を占めそうなものですが、気付くと、ちょっと気持ちがすっきりしていました。覚悟が決まりかけているからか、ひたすら下りなのにグダグダ考えていない。考えても、悲観はしない。やっぱ山は効果あったのかな。途中、目の前で牡鹿が道を横切って跳ねてゆきました。

ドロドロ道に苦労しながら堀山ノ家まで着くと、その周りで皆さんアイゼンを装着していらっしゃいます。てコトは、この先は滑らないってコトね? そう思ったのですけど、私としてはこの先のほうがアイゼンしたくなりました。だって堀山の家から上は陽が当たっているから、道幅いっぱいに雪が残っている箇所なんかなかったのですが、下は日陰で雪が溶けずに固まっていたりしたんですもん。後少し、と思ったので結局つけずに済ませましたけど。

人里まで下りて来ると、そこはすっかり春の世界です。道端に花が咲いているのを見ると、今朝まで雪の中を歩いていたのが嘘のよう。大倉バス停ではまず泥だらけの靴とスパッツを洗い、転んだときに汚してしまった上着を着替えてから、ビールとラーメンでお疲れ様の一人乾杯をしました。花立山荘辺りから、昨日の日没近くから朝まであんなにキレイに見えていた富士山が、すっかり雲に隠れてしまっていて、大倉に着いたときは空もどんより。てコトはあの富士山は、泊まった人だけが見られたんですね〜。うふふふー、嬉しいっ!

大倉尾根大倉

左:ここまで来ると、山頂付近の雪が嘘のようです/右:これは人里に出てから。三椏(ミツマタ)の蕾かな?

大倉お疲れさま

左:里はすっかり春ですね/右:ちょっと時間は早いけど

2日目を軽めにしたので、帰ってから山道具の始末をする時間もたっぷりありました。今回のコース、大正解。また季節を変えて行ってみたいけど、でもヒルがなあ〜。

■丹沢山(6:34)→塔ノ岳1,491m(7:48-7:58)→堀山ノ家(9:10)→大倉バス停(10:35)

家に着いてから田舎に電話をし、ちっとも覚悟が決まってなかったのを思い知りました。山限定の効果だったか……orz

2010.2.20(Sat)_2

≪つづき≫

よし、三峰の最初のピーク、本間ノ頭までがっつり登るとしましょうか。ストックで行けるトコロまで行こうとガンバっていたのですが、標高1,100辺りで、踏み出した足がそのままずるずると滑るようになってしまいます。よし、とうとうアイゼンデビューだ! 買ったときに習った(出発前にも復習してきた)とおりにバンドを締めて、踏み出すと―――うおおお、歩きやすいっ! 斜面にしっかりと爪が食い込み、ざくざくと登れます。8本爪なので安定感もばっちり。もっと歩きにくいのかと思ってた〜。なんだ、もっと早くつければ良かったなあ。

丹沢三峰丹沢三峰

左:アイゼン、初装着〜♪/右:こうゆうのもエビの尻尾っていいます?

しかししばらく登ると、アイゼンからつま先が飛び出ているのに気付きました。あれ? ズレちゃった? つけ直してしばらく行くと、今度は反対のつま先が……。と、これを左右3回ずつくらい繰り返します。(ソールの貼り替えしたから微妙に合わなくなっちゃったのかな? 家では平気そうに見えたけど)と思いながら、3度目に、これでもかってくらいぎゅーっと締めてみると、その後は問題なく歩けるようになりました。実際に歩いてみなくちゃ、加減が分からないものですね。

丹沢三峰丹沢三峰

左:これから歩く方向かな? ちょっと雲が多くなってきました/右:三峰の最初、本間ノ峰。丹沢山まであと3.4km

丹沢三峰丹沢三峰

左:青空が見えている箇所もまだあるんですけどね〜/右:昼食その2。ピーナッツバターパン

本間ノ頭からは、無名ノ頭、円山木ノ頭、太礼ノ頭とピークが続きます(無名ノ頭を除いて、丹沢三峰)。ですので道も下って登って下ってまた登って……。1つのピークに着くと、木々の向こうに次のピークが見えます。ここまで来ちゃえば、迷う心配はなさそうですね(私でも)。しかしそれにしても、ホントに静かな道です。この辺りで単独の男性とすれ違いましたが、結局丹沢山まで、出会ったのはこのお一人だけでした。

丹沢三峰

うっすら白く見えるのは………どこの稜線?

丹沢三峰丹沢三峰

左:こうゆう梯子はアイゼンだとちょっと登りづらいですね/右:無名ノ頭の標識に手書きで「煩悩の頭」とありました。ホント?

丹沢三峰

これは無名ノ頭のちょっと手前。静かです

丹沢三峰

無名ノ頭を振り返るとこんな感じ

丹沢三峰

蛭ヶ岳が大きく、山頂の山荘まで見えました

丹沢三峰

林の中の細い道を下ってゆきます

丹沢三峰丹沢三峰

左:円山木ノ頭。丹沢山まで2.5km/右:太礼ノ頭。丹沢山まで1.9km

太礼ノ頭を過ぎてから、なかなかいい雰囲気の森の中を、丹沢山に向けてまた標高を上げてゆきます。この辺りには鹿避けの柵が目立ちました。途中、がさがさっと大きな動物が動く音がして、一瞬凍りつきましたが、恐る恐る振りかえると鹿が跳ねてゆく後姿が見えました。し、鹿で良かった〜。あ、熊鈴はもちろん鳴らしていましたよ。雪だけど丹沢や奥多摩の熊は冬眠しないコトもあるらしいので……。

丹沢三峰丹沢三峰

左:植生保護柵が張り巡らされてます/右:動物の気配に怯えた辺り

登ったり下ったりで疲れていたせいか、太礼ノ頭から丹沢山までは遠く感じ、堂平への分岐点が出てきたときにはホッとしました。そして広〜い山頂の丹沢山に到着です。やった♪ みやま山荘で受付をすると「今日は宮ヶ瀬からで予約している人が多いんだけど、会わなかった?」と小屋番の石井さんに聞かれました。いえいえ、誰も! そんなに静かだったのに、今の季節は雪狙いの登山者が多く、山荘も大繁盛で2つの布団に3人、とのことでした。

丹沢三峰

堂平分岐から丹沢山へ、最後はゆる〜い(でもキツい)登り

丹沢三峰丹沢三峰

左:堂平分岐。丹沢山まではあと0.2km/右:丹沢山到着〜。何も見えない〜!

丹沢三峰

ちょっと明るい方面もあるんだけどな〜

私が割り当ててもらったのは壁沿いの布団。荷物も置きやすくて、いい場所でした。落ち着いてから、ちょっと外に出て山頂付近をふらふらします。う〜ん、雲が多くてあんまり景色が見えないのが残念だなあ。しばらくして小屋に戻ると、私の隣にグループが入っていました。私の隣はおじさんでしたが、「先に布団確保していいよ! 俺は寝袋使うから」と気を遣ってくださいました。ありがたくお言葉に甘えます。

丹沢三峰丹沢三峰

左:山頂からちょっと下にみやま山荘/右:板の間の休憩所。山の本がいっぱい

丹沢三峰丹沢三峰

左:キレイな室内にふかふか布団/右:上下2段になっているトコロも。急に暖かい場所に入ったので、レンズが曇りっぱなしです

その後は、ストーブのある1Fの休憩室で缶チューハイを飲みながら本を読んでまったりします。人がどんどん到着して、休憩室はすぐにいっぱいになって、本来は飲食禁止の2F(寝場所)で盛り上がっているグループもいました。夕食は入れ替え制。私は17時からの回だったのですが、その直前の空の色に、そわそわと外に出てしまいます。日没を期待してしばらく粘ったのですが、時間になってしまったので諦めて山荘に戻りました。と「To-koさん〜」と名前を呼ばれている最中でした。こうゆうときは時間厳守ですね、ゴメンなさい。

丹沢三峰

空がい〜い色に染まりだしているけど、景色はまだ望めません

丹沢三峰

諦めて振り返ると、小屋の方の空はキレイに晴れていました

丹沢三峰

ビールを買ってきて良かった〜と思いながらの夕食。桃缶のデザートもついていて、美味しかった♪
皆がいっせいに火を使うので、食堂は暑いほどでした

食後にもう一度外に出てみると、なんと! さっきまで隠れていた富士山がくっきりと姿を見せているではありませんか。空の色も刻々と変わっていくので、寒さを忘れてじっくりと眺めてしまいました。景色を満喫してから山荘に戻ってコーヒーをお願いし、石井さんとちょこっとお話をして、寝る前にまた外へ。今度は星空がキレイで、また写真に夢中になってしまいます。

丹沢三峰丹沢三峰

左:おおっ?/右:おおおお〜!

丹沢三峰

丹沢三峰

この色合い、焦らされた甲斐がありました

丹沢三峰丹沢三峰

左:暗くなるまで富士山を眺め……/右:室内に戻ってコーヒー休憩。小さなお菓子がついていました。400円也

丹沢三峰丹沢三峰

また外に出て―――。煌々と輝く月と、オリオン座

これを撮っている時、「撮れますか〜」と声をかけてきたおじさんと一言二言言葉を交わしたのですが、去っていくおじさんが「デカいから男かと思ったのに、声が女の人でビックリしたよ〜」とお連れさんに言っているのが聞こえました。……デカいのはあなたの声ですっ! そうゆうのは聞こえないように、言ってください。

朝が早かったので、20時前にもう眠くなってしまいました。消灯を待たずに壁に向かって寝についたのですが、その途端に涙がじんわり出てきてしまう。背後で他の人たちは楽しそうに喋っているのに、こんな山の上で枕を濡らして、私、何をやっているんだろう……。結局しばらく、眠れませんでした。

■三叉路バス停(7:45)→御殿森ノ頭道標(8:39)→高畑山766m(9:17-9:30)→金冷シ(10:04)→本間ノ頭(12:19)→無名ノ頭(12:42)→円山木ノ頭(13:07)→太礼ノ頭(13:40)→堂平分岐(14:38)→丹沢山1,567m/みやま山荘(14:44)

≪つづく≫

2010.2.20(Sat)_1

去年末に我が家に落とされた爆弾がそれ以来ずーっと気になっていて、処理方法を相談したり調べたりしていたのですが、いよいよ事態は悪化していると思い知りました。進んだ事態を前提に調べると、更に怖い話ばかりが目に飛び込んでくる。何とかしなきゃいけないし、ちゃんと話し合う約束も取り付けたのですが、それまでの間ちょっと、ちょっとだけ、この問題を忘れたい。そうだ、山に行こう!(←少し前に鈴木みきさんの『悩んだときは山に行け!』を読んでます。単純すぎ)。

頭が空っぽになるくらいただひたすら歩きたかったので、いつかヒルの出ない時期に歩こうと思っていた「宮ヶ瀬〜丹沢山」の、私にしてはちょっとガンバったコースを選びます。今ならヒルの心配はないけれど、でも雪はどうなんだろう? 宿泊する“みやま山荘”に予約を入れがてら確認してみると、軽アイゼンがあれば大丈夫とのこと。よし! 会話の中で「宮ヶ瀬から入ろうとされるんですから、かなり歩ける方だと思うんですが…」という台詞が出てきたのが気になりますが(私、“かなり歩ける方”なのか!?)、行ってみるといたしましょう。

今回はどうやら、購入したきり使う機会のなかったアイゼンのデビューになりそうです。ですので、なるべく身軽に行きましょう。もちろん小屋に食事もお願いします。だって、みやま山荘を選んだのは「食事が美味しい」らしいからなんですもん。でも……お酒くらいは持って行こうかな(上で買うと高いし)。途中の乗り換え駅で缶チューハイを買い、やっぱ足りないような気がして本厚木駅のバス停前でビール1缶を追加購入。……軽量化はどうした。

本厚木6:55発宮ヶ瀬行きのバスに乗り、終点一つ手前の三叉路までは約45分(料金630円)。降りたすぐ近くに名前どおり三叉路があり、ヤビツ峠方向に向けて歩き出します。一緒に2人降りたのですが、ストレッチをしたり荷物をまとめなおしたりしているうちにいなくなってしまい、いつものように出発時には1人になっていました。先行して歩いてくれていると楽なんだけど、彼らはどっちに行ったのかな? 三叉路を曲がって少し行くと、右側に登山口があります。ここから出発〜。

丹沢三峰丹沢三峰

左:三叉路バス停/右:登山口

丹沢三峰丹沢三峰

左:登山口から階段を上ると、登山ポストがあります/右:道標はしっかりしてそうですね。丹沢山まで10.7km

丹沢三峰登山道に入ってワリとすぐ、左手に細く急な石段がありました。鳥居も見えましたので、石段の下から「無事に歩けますように」と手を合わせてお願いしておきます(←不精者め!)

最初のうち、雪はちっともありませんでした。ジグザグと上がっていく道もしっかりとしていて安心です。尾根に上がると道は緩やかになり、その先の鹿除けゲートの辺りから雪がうっすら残っていました。しばらく行くと立派な木があり、傍らに「御殿森ノ頭 この上」の道標があります。あれ? 御殿森ノ頭はルート上にあると思っていたんだけどな〜。ちょっと迷いましたが、頭までどのくらいか分からないので、今回はパスしましょう。この辺りから雪をしっかり踏んで歩くような感じになりました。でもまだ数cmの積雪で、アイゼンを出すほどじゃありません。

丹沢三峰丹沢三峰

左:ここから登ると雪があるなんて嘘みたいな、陽だまりの登山道/右:木々の隙間から、宮ヶ瀬湖がちらちらと見えます

丹沢三峰

意外にあっさり尾根に出ました。こうゆう雰囲気の道、大好きです

丹沢三峰丹沢三峰

鹿除けゲートを境にしてるみたいに、いきなり雪が

丹沢三峰丹沢三峰

左:御殿森ノ頭道標。丹沢山8.8km/右:この先の道はこんな

丹沢三峰丹沢三峰

左:御殿森ノ頭道標のトコにあった木。比較対象がないので写真じゃわかりにくいけど、立派な木でした/右:その、も少し先

丹沢三峰

おお〜、高いお山はかなり白くなっていますね

丹沢三峰

何の足跡だろ?……ウサギ?

尾根道から巻き道に入り、樹林帯をしばらく進むと高畑山山頂直下の分岐に出ます。高畑山を巻く道は今は使えないみたいで、道が塞いでありました。ここから一登りで出た山頂には、立派な展望台が作られています。せっかくなので上から景色を眺めつつ、ホットポカリとお饅頭で休憩〜。梢の間から遠くの街や連なる山々が見えました。う〜ん、静かだなあ。

丹沢三峰丹沢三峰

左:分岐点には、巻き道通行止めの案内(登山道崩壊のため)/右:高畑山山頂。丹沢山まであと7.1km

丹沢三峰

山頂の展望台。何が見えるのでしょう?

丹沢三峰

「高畑山は展望ない」と思ってたけど、見えるじゃ〜ん

丹沢三峰

これは八王子の街かな?

丹沢三峰丹沢三峰

左:この山のてっぺんには、アンテナが立っているのが見えました/右:お八つは桜の葉でくるんだ蒸し饅頭♪

高畑山から先は、急に雪が増えました。……増えたというより、あまり人が歩いていないのかな? でもありがたいコトに、トレースはついています。それがなかったら、私、途中で不安になって引き返していたかもしれません。だって地図では小ピークを踏んでいく風なのに、道はピークを巻いてばかりなんですもん。赤テープもあまり付いてないから、ルートファインディングを試みても(これでイイの? こっちでイイの?)と不安になっちゃいそうです。

丹沢三峰丹沢三峰

左:高畑山の先はこんな/右:細い橋の下には雪が転がった跡

丹沢三峰丹沢三峰

左:ときおり、こんな風景が楽しめます。いかにも冬!って感じの澄んだ空気が嬉しい/右:木々の枝も氷に覆われていました。キレイ♡

でも今回は、トレースがあったおかげで(もし間違っていたとしても、これを辿れば戻れる!)と、先に進む気になれました。天気予報からいって、新しく雪の降る心配もなかったしね。しかしこの先何度も、アイゼンのつけ時に迷いました。前述のように、ピークを巻くように道がついているのですけど、北斜面はしっかり雪で南斜面は地面が出ているんですもん。アイゼンつけたら、南斜面の登山道に穴を開けてしまいそう。北斜面で滑っても怪我もしなさそうだったので、結局つけずに歩きます。

丹沢三峰

う〜ん、アイゼンってどこからつければいいの?

金冷シ。丹沢山まであと6.1km昭文社の地図に危険マークがついているのはでは金冷シの痩せ尾根の辺りです。でも(落ちたら危ないな)って箇所は短く、気をつければ大丈夫。それより怖かったのは北斜面の巻き道で、一箇所大きな石が道に張り出していたトコロ。石をつかんでよいしょっと跨いだのですが、石にも氷がついているし、つるっと滑りそうで怖かった〜。件の心配事では私がかなり積極的に動かなくちゃいけなくなるので、(今死んだり怪我したりするワケにはいかない!)と気合も入ります。

丹沢三峰

宮ヶ瀬湖がこんなに小さくなりました

心配事と言えば……『悩んだときは山に行け!』は、今回は効きませんでした。道が上っているときは歩くだけで精一杯で確かに頭もからっぽになるのですけど、下りになると心配事が甦ってきて涙ぐんでしまいます。視界がボヤけて、危ない。 いくら大きな自然の中にいようと、悲しいものはやっぱ悲しいです。……て、当たり前か。それに無心に歩いているときって、かえっていろいろ考えちゃったりもしますもんね。

丹沢三峰

かなり“雪深い”って風景になってきました

丹沢三峰

登るに従って、だんだん遠くまで視界が開けます。
宮ヶ瀬湖の向こうに、八王子の街

丹沢三峰丹沢三峰

左:雪をかぶったモミジ/右:葉っぱについた文様も美しい

そんなこんな(てどんな)で松小屋の頭のピークを登って下ります。この先、丹沢三峰に向けては急な上りとなっています。そろそろお昼も食べなくちゃ。いちごクリームブッセでも、この辺りで雲の動きが気になりだしました。予報では晴れだったのに、ちょっと暗くなってきたような……。まだお昼前なのに日がかげると夕方の雰囲気になるので、ちょっと気が焦ってしまいます。日没まではCTに雪の分の余裕をみてもまだ余裕なんですけど、立ったままパンをパクつくだけでお昼を済ませちゃいました。

≪つづく≫

2010.2.17(Wed)

祖母・父母・妹を巻き込んで、文楽の東京公演『曾根崎心中』に行ってきました。会社を定時で飛び出し、劇場前で他の4人と待ち合わせ。知らなかったのですが、今公演は「吉田蓑助文化功労者顕彰記念」だそうです。蓑助さんが遣うのはヒロイン、お初。相手役の徳兵衛は、気になる桐竹勘十郎さんです。蓑助さんと勘十郎さんは師弟だそうで、なんかその辺も楽しみです。あ、あと今回は粗筋も分かっているし、世話物だったら大丈夫かな〜と思い、初めてイヤホンガイドなしに挑戦しました。

舞台は『生玉社前の段』から始まります。編笠をかぶった徳兵衛が色っぽい〜。文楽って小道具や衣装を効果的に使っているので、ときどきハッとさせられます。お初が登場すると、蓑助さんへのお祝いで客席から拍手がおきました。2人の会話シーンに続いて、悪役の九平次が出てきます。これがまた悪そうでイイ! その後にくる数人が入り乱れての乱闘シーンは、やっぱり笑ってしまいます。町衆は1人遣いとはいえ、人形の周りに大勢の人間が寄ってたかって……。よく絡まらないなあ。

30分弱の段の後は、25分の休憩。その後は『天満屋の段』『天神森の段』を続けて1時間ちょっと。初めての文楽鑑賞で、長時間じっとしているのが苦手な父が一緒なのでちょうど良かったかもですが、休憩抜かすと1時間半って、今回はホント短いですねえ。前の公演は3時間以上やってなかったっけ? 母も「ちょっと物足りないなあ」とボヤいていました。あと『生玉〜』を語った豊竹英大夫を「いいね〜」とも。うん、確かに良かったです。

さて休憩後は、見せ場見せ場で舞台から目が離せません。『天満屋の段』の、お初が徳兵衛を打掛の裾に隠して天満屋に連れ込み、縁の下へ忍ばせるシーンからもうドキドキしちゃいました。その後、徳兵衛にはほとんど動きがないのですが、その存在感ったら! 九平次に背を向けて、徳兵衛に心中の覚悟を問うお初の切なさ、潔さ。有名な足首のシーンはホントにホントに艶めかしくて美しくて、初めてこの演出を見た観客は騒然としただろうなあ〜と想像できます。

この段を語っていた豊竹嶋大夫が、この日は一番印象的でした。語りにリズムがあって勢いがあって、息を呑んで身を乗り出してしまいます。いつもはあまり聞いている余裕がない三味線も、この段(鶴澤清友さん)のはすごく盛り上がっていて、相乗効果でした。……で、語りとは関係ないのですけど、床の脇に中堅の大夫さん(←顔は知っているけど名前は……。咲甫大夫?)が立っていて、嶋大夫をずーっと見つめていたのは、なんでだったんでしょう? ちょっと気になってしまいました。あと下女の動きがユーモラスで楽しかった!

そして『天神森の段』へ。「この世の名残、夜も名残……」の文章の美しさが有名で(←でも私がこのくだりを諳んじられるのって『パタリロ!』に出てたから)、さすが近松門左衛門!てな感じなのですが、この段が複数の大夫で語られる演出とは知らなかったです。もっとしっとりとしているのかと思ってた。でも複数の三味線が一斉に鳴ると迫力で、この段も盛り上がりました!

なんとなく、実際に命を落とすところまではやらない、と思い込んでいたので、最初に徳兵衛とお初が舞台を下手から上手に横切ったところで、(えっこれで終わり? ちょっとこれはさすがに尻切れトンボだ)と、思ってしまったのですがとんでもない。そこからが見せ場でした。人形が2体しか出ていないのに、その2体に……いや、2人に釘付け。徳兵衛に寄り添うお初が可愛くいじらしく、「早う殺して」の表情はぞっとするほど美しかった。徳兵衛がビビってしまうのも納得の美しさです。

よく見るとね、人形遣いさんがいるんですよモチロン。2人が寄り添ってばかりいるから2人の周りには6人の黒衣の人間がいるワケで、ときおり彼らの背に隠れて人形が見えなかったりするし、最後の、帯で互いの体を結び付けあうシーンなんか、勘十郎さんがリンボーダンスみたいになってたりもするのに、それでもそれが全然邪魔にならないのは不思議です。舞台にあるのは、完璧に“2人の世界”でした。徳兵衛がお初の胸を突き、自分も喉を突くシーンのその完成度ったらありません。美しすぎて、泣けます。こんなに心中を美化してイイのか門左衛門!

すみません。語彙が少ないので美しい美しいとばかりの感想になってしまいましたが、ホントにキレイだったのよ〜〜。これはもう1回見たいです。

2010.2.16(Tue)

フィギュアだけはちゃんと見なくちゃ!、と映りが悪いのもガマンして、録画したのをガンバって見ているのですが、ペアのショートだけで4時間近く……。男女シングル以外の演技も見せろ、とさんざ言ってた癖に、ちょっと忙しくしているのでキツかったです。フリーが有力選手だけ、1時間の放映で助かった〜(←暇な時期なら下位の選手も見せろ、とブーブー言いますけどね)。

なんで中国のペアはあんなに強いんだろ。欧米の選手に比べれば男女の体格差も小さいのに、不思議です。でも、一番好きな申雪/趙宏博ペアが金メダルで嬉しかった。フリーの出来で言えばホウ清/トウ健ペアのほうが良かったんですけれど、演技は断然、申雪/趙宏博ペアですもん。ホウ清/トウ健ペアも意外に良かった(特にショートが)のですが、でもトウ健のぽかんと口を開けて滑る姿が、どうにもダメなんですよね、私。あと『見果てぬ夢』には思い入れがあるもんで、つい「違う」と思っちゃう。

銅メダルのサブチェンコ/ゾルコビー組も好き。ちょうど絵になる体格差ですよね。フリーはちょっとミスが目立ちましたが、ショートの演技とか、雰囲気を作るのがホントに上手くて見入ってしまいました。中国のペアも、あんな風に遊べる余裕が出てくると、もっと面白くなるかも。川口悠子/スミルノフ組はあと一歩で残念でした。ショートの『白鳥』は良かったんだけどなあ。川口悠子が滑り出すときに、くっと顔を上げるのが好きです。

しかしペアは緊張しますね〜。ジャンプも2人が一緒に成功しないと意味ないし、ツイストやらスローやら大業も多くて、失敗したときのダメージが大きい。その分迫力はあるんですけど―――私はやっぱ、安心して演技を楽しめるアイスダンスが好きです。

2010.2.12(Fri)

≪つづき≫

皆の迷惑も知らずぐーーっすり眠ったので、目覚めは爽やかです。起きてすぐに外を覗いてみると、空は薄曇りで、地には15〜20cmくらいの雪が積もっていました。よしよし、ちょっとはコンディション回復したかも。朝ご飯を食べてまとめた荷物をロッカーに預け、今日もさっさとゲレンデに、そして奥ダボスに向けて出発します。うん、やっぱ昨日よりは断然いい。ただし新雪の下にはアイスバーンが隠れていますので、要注意でした。

宴の跡朝食

左:宴の跡。控えめです/右:朝食はこんな。……まぁ、ねえ……

奥ダボスエリアについて、長いコースを1本滑ったトコロでお茶休憩。この状態じゃ、今回はゆるゆるでも仕方ないですね。一番滑り甲斐がある奥ダボスのこのコースはも、雪が吹き飛んじゃってつるつるでしたもん。ですので休憩後は急斜面に行かずに滑ります。長いコースの後は、短いコースを何度も。その頃には、ちらちらと青空も見え始めました。「もうちょっと、この辺りで遊んでから、もう一度上に行こうか〜? 少しは展望が出てきたかもよ」とか言いながら、ゆったり楽しんでいたその時です。

菅平スキー場

奥ダボスゲレンデの一番高いトコ。すんごく寒いです

菅平スキー場

短いのが物足りないけど、緩やかな斜面で遊んでいたんです……

菅平スキー場

斜面脇にはナゼか鹿の像があったりして、のんびりだったのに

私のすぐ前を滑っていたUの背中に、女のコが悲鳴を上げながら突っ込んで行くのが見えました。「危ない!」と声をかけながらも(でもここは緩斜面で、逃げるスペースもたっぷりある。回避できるだろう)と思った次の瞬間、2人がもつれ合って倒れました。ええっどうして!! 慌てて私が、すぐにYも駆けつけます。でも手を貸して起き上がれるような感じじゃない。うわ、大きな怪我してないだろうな……。自分のスキーを外し、遅れてやってきたKと2人を解きほぐしにかかります。ぎゃー、足と体がもつれて、どっちの足がどうなってどこから出てるんだかサッパリ分からないっ!

2人をどうにか分けた後、女のコの方にはちっともダメージは無いようだったので、当然私らはUの世話に回りました。青い顔をして震えている女のコ(連れは先に滑って行ってしまった模様)もかわいそうではあるものの、最初は息もできなかったUのほうが優先です。幸い、骨折とかの大きな怪我はしていないようでした。しばらくするとUも落ち着いて、何もしなくてイイと言うので、Kが女のコに注意だけして放免。「私、初めて……上手くない……」と片言の彼女は、中国か韓国の方のようです。異国で事故起こして動転してるのには同情しますが、人にぶつかるくらいなら転べ!(←初めてのときに叩き込まれた)。

昼食とりあえず少し休もう、と、ちょっと早かったけどお昼休憩に突入するコトにしました。が、食事をしてゆっくり休んでいるうちに、Uの首が痛くなってきてしまいます。軽いムチ打ち? 売店に湿布でもないかと尋ねに行くと、置いていないけど隣の建物がパトロールセンターだと教えてくれたので、そっちへ。事情を説明すると「そうゆうときは、怪我がないように見えてもパトロールを呼ばなきゃダメだ」と怒られてしまいました。……ですよね。私らも、ちょっと動転していたようです。

もらった湿布を貼って、それでももうちょっと遊べる!と言うUを「とりあえず宿の近くまで戻ろうよ、平気そうだったらそっちで遊べるから」と説得し、ムリのないコースで日の出ゲレンデに向かって出発しました。そう、遠いのですよ、奥ダボスと日の出は! 昨日の今日ですので、天狗ゲレンデを横切るのは緊張しましたが、雪も降ったし今日は人も入っているしで、全然何の問題もありませんでした。日の出に戻った頃には案の定疲れが出ていて、もうそのまま上がるコトにします。宿に戻ってお風呂に入り、バスと新幹線で東京まで戻り、夕食を食べて解散しました。お大事にね〜>U。

あっ、そうだ。天狗ゲレンデでさんざ醜態を晒しておいてナンなのですけど、私、ちょっと上手くなった気がします。今シーズン初スキーなのに、前シーズン最後より転ばなかった! いや八方と菅平っていう難易度の差はあるにしても、それだけじゃなくて、今までだったら転んでいた場面で持ちこたえられるようになった気がします。もしかすると、山歩きで脚力がついてきたからじゃないかなあ〜(て、今でやっと人並みなんですが。相変わらずボーゲン専門なんですが。今までどれだけひ弱だったんだって話です)。

コンディションも悪かったし事故もあったしでしたが、幸い、ちゃんと全員自分の足で歩いて帰ってこれたし、やっぱ4人の旅は楽しいのでした。来シーズンは複数回、行けたらいいなあ。

2010.2.11(Thu)

日帰りでさえ遊び仲間4人がなかなか揃わない今日この頃。泊まりがけのスケジュールを立てるのは至難の業です。が、そこで諦めるのはイヤだ!と、かなり強引に予定を組んで、今シーズン最初(で多分最後)のスキーに行ってきました。行き先は何度か行ってて安心(のハズでした……)の菅平スキー場です。Uが手配してくれた1泊2日のツアーでした。前日の予報では、現地は雨とか雪のマークが出ています。さて、どうなる?

7時ちょっとすぎに東京駅で集合し、新幹線で上田駅まで。自由席だったので席の確保が大変です。駅弁で朝ご飯を済ませ、コーヒーが飲みたいなあと車内販売を待っていたのですが、混んでいるせいかなかなかやってきてくれません。諦めかけた頃に車内販売の声が響き、喜んでコーヒーを買ったところ、お釣りをもらったのと同時くらいに「間もなく上田駅に到着します」のアナウンスが―――! あまりのタイミングに、皆で大爆笑でした。

片手に熱いコーヒー、片手に荷物で新幹線を降り、バス停へ。幸いバスの出発まではまだ間があり、コーヒーを飲んで切符を買ってトイレに寄って、と気がかりは全部済ますコトができました。上田駅から菅平までは、バスで約1時間です。前にも同じ面子で乗ったコトがあるハズなのに、誰一人として途中の様子を覚えていないのはナゼでしょう? お喋りばかりしていたのか、それとも皆ボケ始めているのか……いやいや。

リゾートセンター前バス停で降りてすぐの宿泊先も、前と同じようなそうじゃないような……。ホント、記憶力が怪しいです。まぁ安いツアーで使うのは、きっと同じホテルですよね。ツアーには「ホテルでの昼食20%OFF」も付いていたのですが、ランチの始まる時間がやけに遅いのでパス。荷物を置いてスキーセットを借りて、さっさとゲレンデに行くコトにします。今シーズン1回だけってなら、少しでもたくさん滑っておきたいもん。

一番近い日の出ゲレンデから、雪質のいい奥ダボスにさっさと移動をしようってのは最初から決まっていました。が、それにはかなりリフトを乗り継がねばなりません。ゲレンデマップを見てまずは隣の天狗ゲレンデ―――の、様子がどうも変……。ひょっとして、リフトが止まってない? リフト券売り場で確認すると、やはり点検中でいつ動くのか分からない、とのコト。じゃあまず太郎に行って裏太郎のこのリフトに乗ってこっちに滑ってまた別のリフトに乗って……うぎゃー、メンドくさいっ!

が、行かねば仕方ありません。まずは日の出から太郎に抜けるコースを滑ります。うわっ、ザリザリガリガリで固い! 雪面はザラメのようです。まだ2月も上旬なのにー。シーズン初スキーで緊張しているというのにこの状態で、私らの意気込みはあっさりと消えてなくなり、1本滑っただけでお昼休憩をするコトにします。その後ルートを間違えて日の出に戻ってきてしまうって失敗もあり、ダボスへの連絡通路に辿りついたのはずいぶん後になってからでした。当然、今度はダボス近くに宿を取ろうねっ、と皆で誓い合いましたが、さて次の機会まで覚えているかが問題です。

そこまで苦労して辿りついたダボスゲレンデは―――多少、マシ、でした。一番状態がいいのは奥ダボスなんですが、そこを滑るために乗らなきゃいけないリフトが長くて、しかも風が強くて冷たくて、凍えるっ。横に乗っているUと「これ1本滑ったらお茶にしようよ」とすぐに相談がまとまります。後から来たYとKにそう言うと、2人は諸手を上げて「やった!」。「私らもお茶にしたかったんだけど、前の2人がイケイケモードだったらどうしよう〜って今言ってたの!」だそうです。

ケーキ(←コーヒーとケーキでお茶。いきなり暖かい場所に入ったのでレンズが曇ってしまいました。)

朝からどんよりしていた空から、雨まで降ってきてしまっていました。ですのでゆ〜〜〜っくりお茶をして、さぁそろそろ行こうか(行きたくないけど……)と外に出て。ちょっと緩めのコースを滑ったトコロででナゼか、4人のスイッチが入ってしまいました。この天気なのに「あと1本」「あと1本!」。雨が降り出した頃は生暖かった気温も下がり、いつの間にやら濡れたウェアが凍り付いています。それなのに「あと1本」「あと1本!」。マゾか。

しかし帰りもまた、長い長い移動があります。そろそろ帰らないと日が暮れるって頃まで滑って、「けっこうガンバったねー私ら」なんて自己満足に浸りながら、日の出コースに向けて移動を開始しました。しかし、その先に罠があったのです……。天狗ゲレンデの上まで戻ってくると、ちょうど係員の兄ちゃんが林間コースを閉鎖しようとしているトコロでした。この林間コースを行けば、途中で天狗ゲレンデを横切って、初心者コースだけで日の出に戻れるはず。ですのでつい、聞いてしまったのです。「あの、もう林間コースは滑れないんですか?」。

兄ちゃんはにっこり笑って答えました。「あ、通っていいですよー。自分もここを閉じたら降りますから。日の出に行く分岐教えてあげますよー」。これが悪魔の言葉だと、いったい誰が気付くでしょうか。呑気な私らは全く気付かず、「良かったね〜」と言いながら林間コースを滑りました。林間コースもざりざりでしたが、順調にゲレンデへの出口まで到着します。ちょっと待っていると後ろからスノーモービルに乗った兄ちゃんがやってきて、「先導しますから、付いてきてください」と行ってゲレンデを横切っていきました。ふんふん、あんま下っちゃいけないんだな。

兄ちゃんの後に付いてゲレンデに出た私たちは、愕然としました。ななな何、この斜面は! ザリザリガリガリどころでありません。つるつるです。ターンなんかできそうもありません。「落ち着いて、曲がらなくても斜めに進めば大丈夫だから」。こうゆう悪条件では経験の差が出てきます。一番危ない私を心配してKが付き添ってくれました。UとYは自分のコトでいっぱいいっぱいのようで、ゆっくりとゲレンデを横切っていきます。「急がなくていいからね!」。すかさずKの指導が入りました。

しかし「あんまり下っちゃいけない」という意識がまた失敗を招きました。半分近く進んだところでちょっと膨らんだ箇所にぶつかり、どうしてもそのまま進めなくなってしまったのです。……慎重に、慎重にやれば、曲がれるかもしれない……。―――ムリでした。転倒し、スキー板が外れ、私は斜面を滑り落ちます(このまま下に行きたいくらい)。しかし何なのこの斜面は! まるで1枚の氷の板のようです。歩くのだって、アイゼン無しではムリ!

ちょっと先行していたKがすかさず戻ってきて、スキー板を拾ってくれます。しかしそれが履けない。もう片方の板だけで、この固くて滑る斜面に立つのは至難の業です。Kも鬼コーチモードに入ってしまいました。「エッジ効かせて! ちゃんと立つ! ふらふらしない!」。いつもにこにこ「上手くなったね〜」と褒めてくれるKの、本音はコレですね? いや分かっていた、分かってはいたんですけど……! もう私はボロボロです。やっと嵌ったと思ったら、ちょっと進んだだけでまた滑る。また外れる。また履けない、のエンドレス。

もう一生、このゲレンデから出られないかも知れない……ってくらいの気分になった頃、スノーモービルの兄ちゃんが戻ってきてくれました。そして私を支えてくれたり何だりしてくれます。申し訳なくなって「何とかするから先に行ってください」と言っても、「いやこれも仕事ですから……」と残ってくれます。しかしやっと、こりゃもうどうにもならないと思い知ったらしく、私をスノーモービルに乗せて、心配顔のUとYの待つゲレンデの反対側まで送ってくれました。ゴメンね〜心配かけて。

兄ちゃんもありがとう! 悪魔呼ばわりして悪かったよ! でも「このゲレンデ、今日は誰も滑ってないですからねー(←結局1日中、リフトが動かなかったらしい)。溶けたのがそのまま凍ってアイスバーンになっているんですよ」ってその台詞は、私らを林間コースに入れる前に言って欲しかった……! それに、どうせ乗せてくれるなら最初から乗せてくれれば良かったのに……(規則とか、あるのかな)。

最後の最後で気力体力共に、ぐったりと疲れきりました。変な姿勢で踏ん張っていたので、体の節々も痛みます。宿に帰って、凍りついたウェアを部屋に干し、まずお風呂。さっぱりしたトコロで、今度は夕食。若人の合宿に使われるコトが多いのか、夕食は肉ばかりでした。私らの年代には「量は半分でいいから、もっといい肉にしろ〜」「野菜が足りない〜」って感じ。安いツアーだから、文句も言えないんだけど(←言ってるじゃん)。

夕食夕食

個人の皿にも肉があるのに、更に肉、肉!の夕食

食後、近くの土産物屋に地酒・地ワインを買出しに行きます。いつの間にか、雪が降り出していました。もっと降れ〜降り積もれ〜。その後は長い夜の始まり―――のハズだったのですが、あのアクシデントで疲れ果てた私は、もちませんでした。お酒を飲んだ途端にあくびを連発し、皆に「もう寝なよ」と何度も何度も言われる始末。01時頃に気力も尽き、寝る支度に入ります。んで―――布団に入った次の瞬間から、もう記憶がありません。皆がその後お喋りしてのも全然知らないし、がーがー大いびきでウルサかったとか……。すみません…… (〃ノωノ)

≪つづく≫

2010.2.10(Wed)

仕事で沼津に行って来ました。とは言っても、ブツを届けたら後は直帰なので自由行動みたいなもんです。これで気候が良かったら海辺を歩いて楽しむトコなんですけど、残念ながら空は灰色で風もぴゅーぴゅー。寒くて寒くてたまりません。それに、思ったより沼津市場、観光地っぽくないのね? 仕事を終えた14時半にはお昼終わってる店がほとんどで、歩き回った末「ふみ野」さんに入りました。ここももう終わりかけっぽかったのに、「大丈夫ですよ〜」と招き入れてくれる、雰囲気のいいお店でした。

沼津の味沼津の味

左:ビールと一緒に塩辛を出してくれました(←だ、だってもう帰るだけだもん)/右:いくら・釜揚げしらす丼。1,380円也

2010.2.7(Sun)

大寒波到来のときを狙っているワケじゃないんですが、またまたそんな予報の日に伊豆に潜りに行ってきました。前日の土曜日は外で風がびゅーびゅー吹いていて、ぐーたらしながら「今日じゃなくて良かった……」と思っていたのですけど、日曜もやっぱり風が強く寒い予報が出ています。ツレが見つからなかったコトもあり、「キャンセルしちゃおうかな〜」なんて弱気な考えが浮かばないでもなかったのですが、ここを逃すとしばらく行けなさそうなので、ガンバって行ってきました。

6時の電車に乗るべく家を出ると、外にはまだ月が輝いています。が、電車に乗ってすぐに車窓が明るくなりました。日の出もずいぶん早くなっているんじゃないかしら? 毎度のコトですが、朝早い電車はまだ暖まっていないのか、とても寒いです。もっこもこのダウンに包まって、本を読んだり寝たりしながら伊豆のいつもの駅まで行きました。迎えに来てくれたTさんが「今日はTo-koさん1人ですよー」。ぎゃっ、すみません〜。人数が少ないのは嬉しいですが、お店貸切だとさすがに申し訳なくなってしまいます。

この日はSさんもお休みで、Tさんと2人きりでした。西風なので東伊豆は凪いでいるし、透明度が期待できるとあって、ポイントはI.O.P.にします。移動途中にふと気付くと、北の方角に白い山並みがくっきりと―――。「カッコいい! どこでしょうねー?」という私の歓声へのTさんの返事は、「八ヶ岳じゃないですか?」。……Tさん、いくら方向音痴の私でも分かる。違います!

写真撮り逸れたので確かじゃないけど、たぶん見えていたのは丹沢じゃなかったかと思います(箱根かともちょと思ったんですが)。右側に三角に見えていたのが大山、その左に連なるのが塔ノ岳付近じゃないのかな〜。今までも見えていたんでしょうけど、全然気付いていなかったです。この日目立っていたのは、空気が澄んで、白い山並みがくっきり見えてたせいかしら? I.O.P.に着くと、海の向こうに大島が、これまたはっきりくっきり見えていました。

海もいい感じです。ときどき小さな波は来てますが、前回を思えば凪に等しい。予報に反して風もあまりないし、嬉しくなってきちゃいます。2人なのでさっさと準備を整え、さあ1本目。私のリクエストで、2のを狙います。水に入ると水温13度とあって、さすがに冷たい! でも青くて太陽が差し込んで―――おや? なにこの浮遊物は? 春濁りの気配が、ぎゅんぎゅんするんですけど?

浮遊物は邪魔ですが、水そのものは澄んでいます。こうゆうときは中層の移動がホントに楽しい。少〜し流れがあって進みにくかったですが、ときどき海面を見上げて楽しむ余裕もありました。2の根について、さあ、写真を撮ろうと思ったら……ぎゃっ。エントリー前にチェックしたときは正常に動いてたカメラのボタンが、押せない! つかコレ、ハウジングだよね? こないだと同じ症状だ。水圧かかると正常に動かなくなるんだ……。

せっかく念願の、透明度のいい2の根に来れたのに、ガックリです。そうとは知らないTさんが、せっせと生き物を教えてくれますが、証拠写真くらいしか撮れません。……くっ……! せめてこの風景を、眼に焼きつけて帰りましょう。2の根付近はやはりソフトコーラルがキレイです。そこに遊ぶレンテンヤッコ、キンギョハナダイ。2の根の向こうのドロップオフを下りていくと、サクラダイにスジハナダイ。Tさんがマツカサウオも見せてくれました。それに、巨大ムレハタタテダイも! オニかと思うくらい大きかった〜。

こう透明度がいいと、つい深度を忘れてしまいます。DECOが出ないように気をつけて、適当なトコロで少しずつ深度を上げていきましょう。この辺りにいたのはガーベラミノウミウシとかノコギリヨウジとか。浅瀬に戻るとナミノハナがキラキラと銀色に輝いています。形もハッキリ見えて、キレイじゃん! オクリダシの入江の奥にはイロケロがいました。遠くからでも分かるくらい目立っていたけど、いいのかそれで?

水温13度で50分を超えると、さすがにそろそろ上がりたい……。エキジットロープが空くのを待って、すんなり陸に戻りました。やっぱ穏やかな海はイイですねえ。順番待ちをするのも簡単だし。2本目のタンクを用意して、ちょろっとだけお風呂に入って体を温め、お昼休憩。おなかから暖まると、もこもこダウンのおかげもあって、眠た〜くなってきてしまいます。Tさんとテーブルに突っ伏して、少し寝てしまいました。風が静かで太陽が暖かく、気温も10度以上あって、気持ちのいい日和でした。

I.O.P.

ベタ凪の海の向こうに大島くっきり。気持ちいい〜

ゆっくり休んでの2本目は、小物を狙っての1の根です。エントリーしてベニケロ、ムスメベラなんかを見てから、ジョーフィッシュの様子を伺いにちょっとだけ砂地に寄り道しました。前にも同じ個体を見に来たコトがあったのですが、そのときはヒメジが穴の付近を這い回っていて引っ込んでいてしまっていたジョーフィッシュ。小さくて臆病ですぐに引っ込んでしまうというジョーフィッシュ。この日は顔を出していたらしく、Tさんが一生懸命教えてくれるのですが、なかなか分かりません。よ〜く見ていたら、あっいた! 穴から目がちょろっと覗いています。でも認識したと思ったら、次の瞬間ぱっと引っ込んでしまいました。

「お客さんで見れたの、To-koさんが最初!」とTさんがスレートに書いてきます。嬉しいなあ。けどあの臆病さでは、写真の被写体になってくれるのは相当先になりそうですね。早いトコ、図太い神経を手に入れて欲しいものです。その後はすぐに1の根にいき、根の先端の岩を回ってクエ穴方面へ。この辺りにいるピカチューは見つけられませんでしたが、クエ穴の中にクエがいるのを初めて(か、忘れるくらい久しぶりに)見ました。でかいっ! 穴にすっぽり嵌りこんでいて、ちょっと笑っちゃうくらいです。

そんな風に遊んでいたら、やば。Tさん、DECO出ちゃうよ〜。深度を上げようとすると、そんなときに限ってTさんがホオジロゴマウミヘビ(小さくて可愛い!)やホシテンスを見つけて教えてくれます。や〜ん。カメラも不調なので、1枚だけ写真を撮って、すぐに浮上しました。10数mまで戻っても、なかなか無減圧潜水可能時間が増えてくれません。さっき、ギリギリの1分まで行ったものなあ〜。なるべく5分は残すようにしているのに。透明度のいい海は、これだから危ない。

転石砂地の端もちょっと覗いたりしながら移動をし、またDECOが出そうになってきた頃、やっとTさんが浅瀬に移動を開始します。て、水深が10mを切った途端、5分しか残っていなかった無減圧潜水可能時間が一気に150分に増えたんですけどー。こうゆうの見ると、ダイコンを信用しすぎちゃいけないな、と思いますね。最後はまたオクリダシの入江で遊んでから、エキジット。2本目も50分以上潜れました。

I.O.P.

I.O.P.の早咲きの桜。河津桜もそろそろかな?

器材を洗って着替え、I.O.P.を後にしてショップに戻ります。ログ付けが終わっても、時間はまだ16時20分。人数が少ないと、待ち時間がないから早いなあ。ですので、珍しくショップの温泉に入らせてもらって帰りました。体が芯から温まって、冬はこうゆうのもイイですねえ。17時ちょっと過ぎに駅まで送ってもらいましたが、空はまだ明るく、日が長くなっているのを実感しました。

あとは駅弁でも食べながら帰れば完璧―――と思ったのに、熱海駅の駅弁、全部売り切れだった……。最後を美味しいもので締められなかったのは残念でした。帰りの電車の電光掲示板には「○○線、強風のため遅延」の知らせがいくつか流れていました。伊豆は穏やかだったし、あまりに山がキレイに見えるので「山も良かったなあ」と未練残してたんですが、きっと山の上は今日も風が吹いていたんだ……きっと……(←酸っぱいブドウ作戦)。

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