2008.2.28(Sat)_4

≪つづき≫

展望休憩舎のすぐ下に、蝋梅園と福寿草園があります。案内板によると蝋梅は人工的に植えられたものみたいですね。花の時期が1〜2月と聞いていたので、開花が早い今年はもう終わってしまったかと思っていましたが、まだ見頃です。これは嬉しい! 辺り一面に蝋梅のいい香りが漂っていました。かなり香りのある花なのですね〜。福寿草は、これも人の手で植えられたみたいで、柵の中は畑みたいになっていました。獣害防止のための電気柵が全面的に張り巡らされている状態ですから、こうしなきゃ無くなってしまうのかな……。

四阿屋山

お? あそこに黄色く咲いているのは?

四阿屋山四阿屋山

左:これ……じゃないなぁ…/右:こっちも、違う

四阿屋山

おっ、これだ、これが蝋梅。鈴生り!

四阿屋山

福寿草はやっぱり閉じ気味

四阿屋山四阿屋山

左:開いているのを探してみました(今は、これが、精一杯)
/右:秩父紅も開いていませんでした……orz

四阿屋山

梅は鮮やか!

福寿草園からは一般車両通行止めの舗装道路をしばらく歩き、その出口の駐車場の辺りから、今度は薬師堂コースに入ります。ここは山歩きというよりハイキングコースですね。ただ落ち葉がかなり濡れていて、ところどころにぬかるんだ箇所もありました。キャンプ場を通り、今はまだ緑の気配もない花菖蒲園の脇を通って両神神社、そして法養寺薬師堂へ。これはかなり見応えありました。絵馬に「め」がやたら描かれているな〜と思っていたら、眼の病にご利益があるそうです。

四阿屋山四阿屋山

左:平坦な道路をのんびり歩き/右:一般車両通行止めはここから

四阿屋山

舗装道路の脇にも紅梅、白梅が贅沢に植えられていました

四阿屋山四阿屋山

左:薬師堂コース入口/右:こっちはコースのほぼ最後にぶつかるキャンプ場。建物の右後ろに見える段々畑みたいのが、花菖蒲園

四阿屋山

薬師堂コース入ってすぐ。歩きやすいなーと喜んでいましたが、ずっと続いてはくれませんでした。ところどころ、ドロドロ

四阿屋山四阿屋山

左:花菖蒲園と道を挟んで反対側にある「友好之林」。……日中友好?
 ナゼここで?/右:頭上にも中国風らしき屋根の東屋が見えました

両神神社

両神神社

薬師堂

法養寺薬師堂。「室町時代に移築改造が行われたと推定されている」だそうです。―――室町!?

薬師堂

扁額も立派―――て、「江戸小伝馬町」とありますぜ!

薬師堂薬師堂

獅子と……獏?……じゃないか。象?

薬師堂

薬師堂、正面

薬師堂

山門も同時期のものなのかしら? 阿吽の仁王像もいらっしゃいます

この後は薬師の湯に寄るつもりで着替え一式も持ってきていたのですが、薬師の湯到着が15時で、次のバスの時間は15:25です。もともと予定していた17:17のバスは2時間以上も先だし、次のバスならお風呂に入るのは無理だし、う〜んどうしようと迷っていたら、薬師の湯の玄関前に無料の足湯がありました。ので、足湯で我慢することにします。かなり熱めのお湯で、足が茹で上がりました。でも気持ちよかった〜。

バス停には10人くらいがバスを待っていましたが、25分のバスに乗り込んだのは地元の方らしきおば様と私だけ。あれ? と思った私の耳に「このバスじゃなくて次の。次のが西武秩父駅まで行くから」って会話が飛び込んできました。えっ…時刻表、よく見てなかった…。座り込んだバスの窓から時刻表を見ると、28分の西武秩父駅行きがあります。な、なんで2時間に1〜2本しかバスが無いのに、3分違いの行き先違いのバスが出るんだーっ!

仕方ない。どうせ町営バスに漫遊きっぷは使えないんだから、小鹿野町役場で西武バスを待とう。あそこならもう少し頻繁に通っているに違いない、と腹を決め、途中ノンストップで到着した終点の小鹿野町役場バス停には西武秩父駅行きの西武バスがいました。「秩父駅行くの?」と私に聞いた運転手さんがクラクションを鳴らして、もう閉まっていた西武バスの扉を開けさせてくれます。ありがとう! でもこれ、ちゃんと乗り継げるように考えられたタイムテーブルじゃないよね? ノンストップじゃなかったら、絶対間に合わなかったもの。

こうして乗り継ぎよく辿りついた西武秩父駅では、やっぱり乗り継ぎよく10分後に出発の特急レッドアロー号が待っていました。ま、待って。つか乗り継ぎ良すぎ! 特急券も買わなきゃいけないし、ビールもおつまみも買いたいのにー。バタバタと走り回り、落ち着いた車内でお疲れ様の1人乾杯をしている私の隣の席では、秩父札所巡りをしているらしき若い女性の2人連れが賑やかに話していました。渋い趣味だなー。後は池袋直前まで目覚めず爆睡。

西武秩父仲見世通りお疲れさまの乾杯

左:西武秩父仲見世通り/右:で買った胡桃ダレの焼き鳥。
あ……これ、胸肉だわ……。もも肉であって欲しかったなー

遠かったけど、節分草、福寿草(開いてなかったけど)、秩父紅(開いてなかったけど)、梅、それに予想していなかった蝋梅と打ち身と擦り傷、観光もと、盛りだくさんで楽しめた旅でした。

■節分草園(10:37-11:16)→つつじ新道入口(11:26)→山居分岐(12:00)→四阿屋山(12:44-12:58)→両神神社奥社(13:11)→展望休憩舎(13:22-14:00)→蝋梅園・福寿草園→薬師堂→薬師の湯(15:00)

2008.2.28(Sat)_3

≪つづき≫

というワケで、鎖に全体重をかけて無理やり登りました。ちなみに彼女たちは山居へのコースを取ったようで、続いてはきませんでした。登りきって振り返ると、ご褒美のように視界が開けていました。遠望はききませんが、でもそれでも気持ちいいです。ネットで調べたとおり、確かに大変なのは最初だけで、あとはほとんど鎖を使わずに進めました。ただし痩せた尾根と岩場が交互にやってくるので、注意は必要です。コース名にあるとおり、季節になるとツツジがキレイな尾根だそうです。

四阿屋山四阿屋山

左:尾根を気持ちよく歩いていると、いきなり大岩が道をふさいでいたりします/右:う〜ん、今は本当に春? 雪は気配もありません

四阿屋山

色味がなくて荒涼として見えますね〜。痩せ痩せ尾根

四阿屋山

振り向くと木々の間から見える山の上には、北斜面だからか
雪が残っているみたい。方向からして秩父御岳山かな〜?

四阿屋山

この辺の鎖はなくても大丈夫な感じ

四阿屋山

遠望がきかなくても、近くの山々と麓の村が
見下ろせるこの光景は、やっぱり気持ちがいいのです

前方から賑やかな声が聞こえてきて、山居からの道との合流地点にやってきました。ここから山頂まではほんの一息です。狭い山頂に○○山歩き会の集団さんがいらっしゃったので、ホント、身の置き場がない……。晴れていれば両神山が見えるそうですが、残念ながらこの日はダメでした。しばらくは肩身の狭いなりにウロウロしていたのですが、やがて団体さんが去り、頂上独り占め♪ 眺望はなくても、それなりに嬉しかったです。

四阿屋山四阿屋山

左:尾根の色味はこの緑くらいでした。馬酔木かな?/
右:小さな祠には「大天狗」「小天狗」の文字が彫ってありました

四阿屋山

山座同定盤は珍しくイラストでした

四阿屋山四阿屋山

左:晴れていれば両神山の見えるハズな方向/右:三角点

四阿屋山

やがて誰もいなくなった、狭い山頂

山頂ではゆったり座り込むようなスペースもないので、今度は山居への下山路を取ります。少しゆっくりしたつもりでしたが、鎖場(つつじ新道と比べると全然たいしたことない)ではまだ先ほどの団体さんが奮闘中でプチ渋滞が発生していました。が、鎖場を抜ければそこは元気なおじ様おば様たち。さっさと先に行ってしまいます。間を少し空けるためにも、私は秩父神社奥社の写真を―――って、落書きひどい……。神社に落書きするなんて何を考えてるんだろう。バチが当たるぞ。

四阿屋山

ここも一応“鎖場”なんでしょうね? 鎖があるんだから

四阿屋山

秩父神社奥社。奥社にしてはとても立派なのに……

四阿屋山

奥社から樹林帯を一気に下ります。下に明るい空間が見えています

奥社を過ぎて坂を下りてゆくとすぐ、開けた場所に出ます。ここも柵で仕切られており、中には黄色い花がちらほらと見えました。おっこれが福寿草かな? 終わりかけかと思っていましたが、まだまだ楽しめそうな様子です。が、どうも開いていないような……。晴れていないからな〜。この辺りまでは軽装の観光客も入ってくるみたいで、登ってきたおじさんが「下のほうはもう少し咲いてるよ」と教えてくれました。

四阿屋山四阿屋山

お、これ? これが福寿草?

んで少し下ると展望休憩舎がありました。ここも最初は先行の団体さんに占拠されていたのですが、景色を眺めつつしばらく待っていると、また私の貸切となりました。テーブルもあるしちょうどいい。ここでお昼休憩にいたしましょう。目の前には武甲山と二子山。大持山、子持山。白いのは石灰岩なのかしら、雪なのかしら? 登山中も、北斜面に雪の残った山が見えてたものな〜。

四阿屋山

展望休憩舎から。遠くの山を眺めて

四阿屋山四阿屋山

お昼(具たっぷりのチーズリゾットと、出来合いのサラダ2種)を食べて

四阿屋山

また山を見て。天気は今イチだけど、まったり

≪つづく≫

2008.2.28(Sat)_2

≪つづき≫

お花に満足したところで、さあ、そろそろ山へと向かいましょうか。外に適当なところがなかったし道路も濡れていたので(そう、晴れの予報を裏切り空はどーんより曇っていました。前日の雨が乾いてない感じでどこも濡れています)、園内のベンチを借りて荷物を詰めなおし、スパッツをつけて、準備体操をして、出発です。まずはバス道路をちょっと戻ります。この道、歩道が狭いのに大型の工事用車両が頻繁に通るので、怖かった〜。10分ほどで進行方向左手に、つつじ新道コースの入口がありました。

四阿屋山四阿屋山

左:「あずまや山 つつじ新道」/右:「上級者コース」
「この先健脚向コース」。……大丈夫、かなぁ?

バス道路を離れると、いきなり本格的な山道です。つか、久しぶりだから急登に感じられたのかな〜。少し濡れた感じの山道を、えっちらおっちら登っていきます。道はしっかりしていますし、標識もかなり頻繁にあって安心でした。杉の花粉は、どうなんだろ? 曇だったからか大したコトなかったと思います。電車の中からは、花粉症じゃなくてもムズムズしそうな杉の花が目立ってましたけどね〜。今のところ私はまだ無事だけど、妹が花粉症なのでいつ来るかいつ来るかと、毎年ドキドキさせられます。

四阿屋山四阿屋山

写真ではそう急登に見えないなあ。やっぱり久しぶりだったから?

休み休み坂を登り尾根に上がってちょっとだけ行くと、山居との分岐点に着きました。この先は鎖場になるので初心者は山居に向かうように案内がありますが、八丁尾根ルートにも似たような表示があったし、事前に調べたところでは最初に1箇所だけ大変な場所があるけど、そこを過ぎれば大丈夫という感じでしたので(楽観的な言葉を強調してしまうのは人のツネです)、このままつつじ新道コースを行ってみることにしました。と、ここで前方から声がしました。山道に踏み込んでから初めての人の気配です。

四阿屋山四阿屋山

左:ここは尾根に登ったところ。標識ばっちり/
右:山居との分岐にある注意書き。「クサリ場・難所(上級者コース)」

「あっラク、ラク〜!」。……最初に聞く声が、コレですか……。あ、楽じゃないですよ? 落石のラク、です。山のお約束の言葉です。続いて石(それほど大きくはなさそうな)の落ちる音もしました。どうやら男女2人組のようです。「もうストック落とす〜。落として大丈夫?」の声も聞こえてきました。今近づくと危なそうですので、分岐のところで水分を取りつつちょっと休みます。しばらく待つと、その2人組を追い越したらしい男性が下りてきましたので(もうイイかな?)と先に進んでみました。

岩場の下でストックを回収したりしていたお2人に「大変でしたか?」と聞くと、「でも登りなら大丈夫よ」とのこと。よーし。岩場に踏み込み、ちょっと行くと―――お、これが噂の“垂直の壁”。そんなに高くはないのですが(7〜8mくらいかな?)、確かに垂直に見えます。そして上から太い鎖が下がっています。マニュアルどおり鎖にはなるべく頼らないように足を進め、半分くらい登ったときでした。あれ? 次の足はどこにかければイイの……?

四阿屋山

鎖場、始まる。でも、まだまだ余裕で進めた辺り

うーん、このかすかな出っ張りかなあ。なんとか引っかかるけど、濡れてるのがイヤらしいよなー。あと1.5mも登れば、後は楽そうなのが見えています。でもその1.5mの間の足がかりが、ない(←たぶん見る人が見ればあるのでしょう)。かすかな足がかりに足をかけ、もう片足もやっぱりかすかな出っ張りにかけ、左手で鎖を握って伸び上がって右手で岩を掴んで、次の動きを考えていたときでした。つるっと、左足が滑りました。あっと思う間もなく、バランスが崩れて右足も滑りました。ぎゃーーーーっ!

はい、両足が滑ったら後はもう手しか残ってませんねー。腕力には自信のない私ですが、必死になると自分の体重くらい支えられるってのは、わかりました。手だけでぶら下がって、さっきのかすかな足場を探そうとするも、上手く引っかかりません。仕方ないので鎖に体重を預け、ずるずるっと確かな足場のあるところまで下りました。―――こ、怖い……。ここで初めて、ぷるぷる震えだします。私、ここ、登れないかも……。

四阿屋山

私が苦しんだ“垂直の壁”。確かに大変なのはここ1箇所だけ

今まで岩場を苦手だと思ったことはありませんでしたが、そんな自信はあっという間に消え去りました。世間の人が「ちょっと大変」で済ませている岩場を、登れないなんてー。こんなんじゃ穂高なんか夢のまた夢だ。山居の分岐まではほんのちょっと戻ればいいのです。単独なのだから無理は禁物です。そう思いながらも「ここさえ抜けれれば」という考えも頭を去りません。でも鎖に全体重を預けるのは怖い……。もし鎖が切れたら……。

どのくらい考えていたでしょうか。後ろから、年配の女性たちが賑やかに話す声が聞こえてきました。彼女たちはどこにいくのでしょう? 山では年配の人のほうが元気だったりするし、もしかするとこっちに来るかもしれない。ここで下りたら鉢合わせして「あら〜どうして下りちゃったの?(簡単に登れるのに)」と言われるかもしれない。下りなかったら、セミのように壁にはり付いてぷるぷる震える姿を見られてしまう。いーやーだー(←見栄っ張り)。

≪つづく≫

2008.2.28(Sat)_1

ホントはそろそろダイビングに行っておきたい週末でしたが(2月も0回なんてアリエネ〜!)、どうにもこうにも寒い! ので、お山のほうに行ってきました。最初は日曜が良かった予報が、いつの間にか日曜の天気が崩れる予報にシフトしまったので、予定を前倒しして土曜日に出発。金曜も遅くなってから決めたので、食事の準備があんまりちゃんとできなかったのが残念でした。

行き先は四阿屋山。今年は開花が2週間も早いという福寿草はまだあるかしら? 調べてみると節分草ってのは今が盛りみたいです。そう、今回は花がメインの山旅でした。山のほうはけっこう軽め―――の、ハズでした。さて四阿屋山はとにかく遠い。始発に乗ればもう1本早いバスも狙えますが、あんまり早く行っても仕方ない気がするので、自宅を6時半に出発です。

池袋から西武線に乗って終点の西武秩父まで。んで西部バスに乗って小鹿野町役場まで。池袋〜小鹿野町までは、秩父漫遊きっぷってのを利用しました。往復の電車料金と行きのバス代だけでも元は取れるお得切符です。ただ窓口でしか切符が買えないとか(まぁ1ヶ月前から発売はしてるんですが)、西武秩父駅に着いてからバスのフリー切符をもらわなくちゃいけないとか、ちょっと使いづらい点はありました。

小鹿野町役場からは小鹿野町の町営バスに乗り換えます。西武秩父駅ではトイレに行く時間の余裕がなかったので、どこかにあるかな〜と心配していたのですが、小鹿野町役場バス停には無人の観光案内所があって荷物もおけるし、立派なトイレもちゃんとありました。寡聞にして知りませんでしたけど、小鹿野町って歌舞伎の町なんですね? ポスターや変な人形が飾ってあります。あ、登山届もここで出せます。ここでのバスの乗り継ぎは30分近くもあったので、ここで一息入れて落ち着くコトができました。

小鹿野町観光案内所小鹿野町観光案内所

ステキな人形のある小鹿野町観光案内所

で、落ち着いて周りを見回してみると―――道を挟んだ向こう側に、白井差口行きのバスが停まっていました。あれ、これから乗るバスだよね? バス停はこっちにあるんだから、こっちで待ってていいんだよね?……とは思ったのですが、よく見るとバスの中には乗客がいるようです。えっあっちに行かなきゃいけないの? ここが始発だしなー。心配性な私は置き去りを恐れて道を渡りました。ら、どうやら乗っていたのは運転手さんの知り合いみたい……。「ホントはあっちで乗ってもらうんだけどねー」と言われてしまいました。すみません、地元の常識に不慣れで――。

最初の目的地、節分草園地のバス停(花の時期だけの臨時バス停)についたのは10:37―――って、家を出てから4時間後! 遠い、遠いよっ。そうそう気軽に来れる距離ではないので、こりゃ目当ての花にはゼヒ咲いていて欲しいところです。節分草自生地に300円の入園料を払って入ると(自生地だけど保護のために囲われているのです)、中には一眼レフカメラを担いだおじ様たちの群! いや観光客もいるのですけど、彼らの迫力には霞んでしまいます。ロープに三脚を押し付けて花を狙う人あり、地面にシートを敷いて寝っ転がる人あり……。

節分草園節分草園

節分草の撮影に夢中なおじ様たち

節分草を見るのはたぶん初めてです。前日までの雨のせいか、花弁が透きとおるようになっていて、すごく華奢な花に見えました。そしてナゼか、仕切っているロープから顔をそむけている恥ずかしがりや、多し。そりゃこれだけ無遠慮にカメラ向けられたら、顔もそむけたくなりますわな。でもお願い、ちょっとこっち向いて〜と呟きながら、私も無遠慮なカメラマンの仲間入り。福寿草&節分草のツアーの団体さんもいましたが、園内はかなり広くて人出のワリにゆっくりできました。

節分草

節分草

薄〜い花弁の節分草

節分草

暗めに撮るとこんな感じ

節分草

節分草

一面に白い花が咲いてるの、分かります?

節分草

同じような写真ばっかですみません。苔もい〜い感じでした

≪まだ山にも入ってないけど、つづく≫

2009.2.25(Wed)

いつもだったら秋ごろに行われる健康診断を、会社の都合でこの忙しい1〜2月に受けなくてはいけなくなってしまいました。1月は仕事も忙しくて休める状況ではなく、土曜日もいろいろと予定が入っていたので予約を後回しにしていたら、いつの間にか土曜日は期間いっぱいまで予約で埋まってしまい、仕方なく休みをとって水曜日に行ってきました。やっと仕事も目鼻がついてきて休めるようになりましたしね。

検診場所が久しぶりの新宿だったし夜の予定が紀伊國屋だったので、検診が終わったあとはぷらぷら本屋で時間をつぶします。前から欲しいな〜と思ってた山の草花の図鑑、やっぱ買っちゃった。山での楽しみ方って、海と通じるものがありますねー。地形(風景)に感嘆したり、魚(花)を見つけて名前を覚えて喜んだり。違うのは海では重力がなくなるけど、山ではそれをヒシヒシと感じるってところでしょうか。(それは大きな違いだぞ……)。

図鑑を選ぶのに手間取って時間ギリギリで飛び込んだのは紀伊國屋ホールの『夜の来訪者』。Yが誘ってくれた、段田安則初演出のお芝居です。出演者が八嶋智人、高橋克実、段田安則、渡辺えり、坂井真紀と豪華で脚本は外国の―――。そう、不安はありました。出演者に惹かれて翻訳劇を観に行って失敗したことが何度も何度も何……っ度も、あるからです。

そういう脚本の傾向は決まっています。ただ一言、曖昧。なんとなく分かるような分からないような、哲学的な匂いのする台詞を吐き散らし、終わってみると何が言いたかったんだかやりたかったんだか観客にはさっぱり分からない。何も残らない。ばかですか。誰が頭のいい気分になりたくて芝居を観るっつーのだ。泣いたり笑ったりぞくぞくしたり、揺り動かされて同調する、劇場の一体感を味わいたくて行ってるんじゃないの。頭を使いたいんじゃない、心を使いたいんだっつーの!

とまあ、翻訳劇を観るたびに鬱憤が溜まるワケですが(全ての、とはもちろん言いません。ミュージカルなんかは素晴らしいのも多いです)、喉元を過ぎた頃に役者を揃えた芝居のチラシを目にすると、懲りずに期待して観に行ってしまうこともあるのです。さて今回は? ……分からない芝居では、ありませんでした。ただ、古い。アガサ・クリスティの芝居のようです。内容はディケンズの『クリスマス・キャロル』かな。アンハッピーエンドの。

古い芝居が悪いってコトはありません。ホールの小ささと相まって、ちゃんと、楽しめました。舞台を日本に移すのも、上手くやっていたと思います。ただ、決め台詞の「火と怒りと血でもって、思い知らされることでしょう(←細かい言い回しは違うかも)」だけはやけに唐突に聞こえて、もっと馴染みのある言い様はなかったのかなーとは思いましたけど。いつもは情けない人のいい印象の高橋克実さんが、堂々たる実業家を演じていて、それは良かった。渡辺えりもさすがの貫禄の奥様っぷりでした。

ただねえ……。八嶋さんの、高橋克実の、段田安則の、渡辺えりの魅力を堪能できるのがこの手の芝居だとは、どうしても思えないんだな。こうゆう芝居はたとえばTVで見たとしても、それで満足できちゃう気がする。やっぱり彼らには画面には写らない熱気が渦巻く芝居を、その場にいた人にしか分からないあの一体感を作り上げる芝居を、やって欲しいものだと思います。

終わった時間はそれほど遅くなかったので(そんなに長くないし場面転換もないのに休憩があったのはナゼ? これまた翻訳劇だから?)、いつものようにYと呑んで喰ってから帰りました。う〜ん、いい芝居が観たいなあ〜。

2009.2.21(Sat)

≪つづき≫

前日は、スキー場でも朝のうち雨が降ったというので心配していましたが、土曜日に起きたときには雪がパラつく曇でした。雪景色を見ながら朝風呂に入って、朝食。朝食はバイキングでしたが、こないだ泊まった宿の「なにがしたいの…」という取りとめのないメニューと比べて、なかなか美味しかったです。部屋に戻って準備を済ませ、朝食前の空き時間に借りておいたスキーセットを背負って、いざ! この頃になると雪も止んで、青空が雲の間から顔を覗かせておりました。

八方の宿での朝食八方尾根スキー場

左:写真ではあんま違いがわからないけど……味はずいぶん違いました/右:これはもうお昼も近くなった頃。前日には予想もしなかった(確か予報も悪かった)、好天気になりました

宿のおばさんのオススメのとおり、目の前の名木山ゲレンデで足慣らしをしてからすぐに他のゲレンデへ移るつもりでしたが、リフト券売場で「強風のためあっちもこっちもリフトやゴンドラが止まっています」と言われてしまいます。えーっここはこんなにのん気な陽気なのに? 仕方ないのでしばらくは名木山で滑りました。夜の間に雪が降ってくれたので、多少コンディションが回復してくれたかな? ガリガリのところもありましたが、こないだの菅平ほどではありませんでした。

しかし上のゲレンデに行けないので、リフトが混む混む。こんなに並んだのは初めて〜とスキー暦の短い私には思えましたが、友人たちによると「昔はこんなもんじゃなかった」そうな。……その頃からやってなくて、良かった。陽が照ってきて気温が高いとはいっても、さすがにじっと立っていると冷えてきます。そのうちに動いていないリフトの脇の斜面を、歩いて登りだす人たちが現れました。1人登ったら次から次へと―――元気だなぁ! 私たちはもちろん、やりませんよ。そんな疲れるコト。

ゲレ食はカレー何本か滑ると、ようやっと動き始めるリフトがでてきました。天気は回復傾向らしく、滑って隣のゲレンデに行くとそこでも新しく動き始めるゴンドラが、という感じで、“うさぎ平109”での昼食休憩を挟んで、白樺・国際・咲花の、私でも滑れるコースはほぼ全部滑りました。

そう……、“私でも滑れるコース”、八方尾根には少なかったのです……。ここのところ上越国際か菅平かだけだったので甘やかされていましたけど、八方尾根はやっぱり難しい〜! 初心者コースと中級ちょこっとくらいしか行かなかったので、急斜面の連続ってワケではなかったのですが、必ず1箇所以上は緊張する部分がありました。ひーん。

八方尾根スキー場

それでもこんな景色を見ればテンションもあがるってもんで

前回このスキー場に来たのはスキーを始めたばかりの年で、天気もあまり良くなかったし、滑るのにいっぱいいっぱいでロクに覚えていなかったんだけど、咲花ゲレンデにだけはちょっと覚えがありました。咲花は“八方一の緩斜面”だそうだから、前回はもっぱらココでばかり滑っていたんだったかも。当時の日記を読む限り、ちっとも成長してませんね私。

八方尾根スキー場

私がカメラを出せるのは、もちろん緩斜面でだけです(^_^;

しかし前回とは明らかに違うコトがあります。それは天気! 今年のスキーは雪が少ないのは残念だけど(八方にはゲレンデに穴ぼこも空いてました)、2度とも天気に恵まれています。朝は雪がチラついていたこの日も、青空がどんどん大きくなって、遠くの山並みがキレイに見えて、嬉しくてたまりません。下手すると1日に3回も休憩入れる私たちが、お昼休憩以外は休まずに滑っていたのがその証拠です。あがろうね、と言っていた時間ぎりっぎりまで、いや、それをちょっと過ぎるまで、たっぷり遊びました。

八方尾根スキー場

左側の尖りが白馬槍ヶ岳、右側が杓子岳ではないかと――(違う?)。この山を撮れるポイントをスキー場で一生懸命に探したのに、宿とバス停の途中が実は一番キレイに、簡単に撮れたってオチがつきました

最後に宿に戻ってお風呂に入って。宿の売店で気になっていた地物の干し杏を買って(これ、超美味しかったです)。八方ターミナルまで歩きバスに乗り長野駅に戻り。駅近くの居酒屋でたーっぷり呑んで食って。当然のコトながら新幹線で爆睡。眠っておいて言うのもなんなんですが、終わっちゃうのがもったいないような1日でした。こうゆう日々が、ますます貴重になってゆきます。

2009.2.20(Fri)_2

≪つづき≫

気持ちよく産まれなおしたところで(お戒壇巡りって死と再生も意味してるよね? きっと)、最後に閻魔像の前でお御籤をひきました。私は末吉ながら「小鳥のように遊びまわる人生」となかなかいいコトが書いてありましたよ。上空から鷹に狙われないように祈るばかりです。あ、あと世のため人のためにつくせ、と余計なコトも書いてありましたっけ。

長野観光

経堂

長野観光長野観光

左:史料館/右:庭も歩いてみれば?と狛犬に誘われましたが…

外に出て、立派な経堂を外から眺め(残念ながら老朽化のため中に入れなかったのです)内陣券で入れる史料館へと向かいました。……と、妙なものが。某乳業会社から寄贈されたという牛の像が―――。「善光寺の牛って乳牛じゃないだろ!」

長野観光

しかも名前が善子さんと光子さん……

史料館では7年に一度の前立本尊御開帳のVTRが流れていて、足元がしんしんと冷え込んで寒かったけど、真面目に全部観てしまいました。あっ、今年が御開帳の年なのかー。そのせいか、今回の旅のキーワードは“御開帳”でしたよ……。何があったかは名誉のために書けませんけど(誰の?)。VTRが終わったところで階下の絵馬等を眺め、善光寺観光は終了です。相変わらずなんにでものんびり時間をかける私たち。時間があったら東山魁夷の美術館も…とか思っていたけれど、時間切れでした。

そして気付けば、昼食の時間をとっくに過ぎています。おなか空いたーと、大門を出たところの蕎麦屋に入りました。信濃牛食べたい〜とか言っていたのに、店頭でやっていた蕎麦打ちの実演に惹かれてしまったのです。私は卵が麺に絡めてある“黄金蕎麦”(金箔も乗ってたよ)を頼んだのですが、これが美味し〜いっ。卵でまろやかになった蕎麦を、添えてある山葵がよく引きたててくれてました。食後、夜のためのワインやつまみを買い込み、バスで長野駅へと戻ります。

長野観光長野観光

左:店頭での蕎麦打ちに惹かれて入った蕎麦屋さん/
右:黄金蕎麦。卵のおかげかボリューミーでした

さて後は一路、八方ターミナルまで。満腹になったので私はとろとろしていたのですが、途中けっこう雨が降っていました。ときおり目覚めると「明日も雨だったら温泉入って帰ろうか…」なんて弱気な発言が聞こえてきます。大丈夫、滑れるって!(←根拠のない自信例)。八方に着くころには、ありがたいことに雨は雪へと変わっていました。ターミナルで道を教えてもらって、徒歩15分ほどの宿泊地へ向かいます。そろそろ暮れゆく道を歩き、着いた宿に「……写真って撮り方によって全然違う風に撮れるんだね……」と、思わず言ってしまいました。

きさくなおばさんに迎え入れられ、部屋へ。4人部屋とのことでしたが、ツインにエキストラベッド入れただけでした――。さすがに、狭いです。夕食時間が決められていて、それがワリと早かったので、急いでお風呂に入ります。脱衣所が寒いのが難でしたが、お風呂はまぁまぁ。部屋も清潔ではあったので、「ツアーだもんね」と受け入れるコトにしました。が、期待を捨てたらこの後、嬉しい驚きが。夕食が、思っていたよりずっと立派だったのです。

八方の宿での夕食八方の宿での夕食

オードブルがあって、スープがあって

八方の宿での夕食八方の宿での夕食

魚料理があって、肉料理があって

八方の宿での夕食桜のクッキー

左:最後はデザート。肉料理と一緒にナゼか山盛りのご飯が出てくる(半分にしてもらいました)時点でちょっと?だったのですが、デザートは生クリームと缶詰のフルーツでした。ガンバりすぎて途中で息切れしちゃったのかしら?/右:これは夕食とは関係なく。先週に引き続き焼いてきた桜のクッキー。先週よりは美味しく焼けました

夕食時にはワインを飲んだのですが、食後にもサービスのワイン1杯(代わりに自家製の梅酒も選ばせてくれました)をいただき、部屋に戻ってまた飲んで、食べて。世界遺産への一人旅を終えたばかりのUが撮ってきた写真と土産話を披露してくれ、久しぶりの4人での〜んびりな夜は更けゆくのでした。

八方の宿での宴八方の宿での宴

左:信州ワインと地酒と、写ってないけどもちろんビールも/
右:手前が鶏ももの、奥が砂肝の薫製。これも信州地鶏だそうで

≪つづく≫

2009.2.20(Fri)_1

今シーズン2度目で最後のスキーに行ってきました。と言っても今回はがっつりツアーではないので、1日目は長野市の観光です(最初は金曜日ナイトインを考えていた流れで――。全員金曜日が休めるって分かった時点で「じゃあ少し早めに出て長野市内を観光しよう」になったのです)。東京駅での集合は、雨による混雑やら事故やらで電車が遅れまくったせいでドキドキものでしたが、U・Y・K・私の4人が揃ったその後は、順調に長野までやってきました。長野も雨。雪は気配もありません。

K以外は長野市に遊びに来たのは初めて(通ったコトはありますが)だったので、駅構内の観光案内所で地図を仕入れ、余分な荷物をロッカーに入れてバスに乗り込みました。行き先は「まずは善光寺でしょう!」。善光寺大門まで100円で行けるのは嬉しいところ。バスを降りてまず、土産物屋に惹かれて入ってしまいます。だって―――外に置いてあったカエルの置物が、可愛すぎ! 皆に「買えば〜」とそそのかされてグラグラきましたが、これからが旅行の本番だっつーのにあの大きさの割れ物を抱えて歩くのは無謀すぎる、と泣く泣く諦めました。

長野観光長野観光

左:奥の立派な建物は「御本陣 藤屋旅館」。
加賀百万石の本陣だそうです/右:ああやっぱり可愛いなあ…っ!

この辺りの土産物屋は魅力的な店が多かったです。もちろん八幡屋礒五郎の唐辛子は外せません! 他の店も覗きながら奥へと進み、参道沿いの牛の像を撫で、宿坊の外観を眺め眺めしながら本堂へやってきました。ほえ〜大きなお寺だな〜。さすがに立派です。唯一、何度めかの善光寺参りだというKが「善光寺はやっぱ中に入らなきゃ」と言うので、そうゆうものなの?と内陣券(\500)を購入して、内陣へ。

長野観光長野観光

左:大きな唐辛子が目印の「八幡屋礒五郎」/
右:扉の上には――どちらさま?

長野観光長野観光

左:信号の先の門をくぐると/右:道の両脇に宿坊が並んでいます

畳敷きの間の脇の小部屋には火鉢が置いてあり、その前に座っていた女性が調度品の説明をしてくれました。すんごく古い振り子時計(聞いたときは感心したのに、いつのだったか忘れちゃった…)が現役で動いているとはご立派! 「けっこう高価なものが無造作に置かれているのよ」と誇らしげでした。欄間にはキラキラと……天女? なんとなくキリスト教チックだよね、と話してましたが、天からのお迎えってのはどこも似たようなイメージなのでしょうかね?

長野観光長野観光

左:歴史ありげな建物ばかり/右:牛に引かれて善光寺参り

内々陣に向かって左におわす仏様の鼻の穴が大きいとか、タイの仏様は日本のと違ってスマートでなまめかしいとか、バチが当たりそうな会話を交わしているうちに『聖☆おにいさん』のブッダの「なんで芸術家の皆さんってたいてい私の一番太ってた状態を選ぶのかなあ! あれ私の中で暗黒史だからさ〜」という台詞を思い出してしまい、にんまりしてしまいました。最後はメインイベントのお戒壇巡りです。……といっても私はこのお戒壇巡りって何なのか、全然知らずに階段を下りてしまったのでした。

長野観光

「せんとくんだ、せんとくんだ!」

長野観光

気を取り直して、仁王像

「右手でご自分の腰の辺りの壁を触ってあるいてくださいねー」という注意も、ちゃんと聞いてはいませんでした。ですので階段を下りた先が真っ暗なのにまずビックリ。「うわ、暗いっ」「見えないよー」と声をかけあいながら(←あまり混んではいませんでしたけど、迷惑でしたよね。ごめんなさい)道を進み、曲がり角があったのでまたビックリ。最初のうちは入口から差し込む幽かな光もありましたが、曲がった先は本当に真っ暗です。

長野観光長野観光

左:鳩の額のかけられた山門/右:置物みたいに固まった鳩たち

長野観光

やっと、本堂

角を2回曲がった後、先方から金属がガチャガチャと触れ合う音が聞こえてきました。何があるのか知らない私の脳裏にまず浮かんだのは、床にある跳ね上げ戸です。ほら、中世のお城の屋根裏についてそうなヤツですよ。錠前がかかっていて、戸を持ち上げると階段で下の階に下りられるヤツ。その錠前を連想させるような、音だったのです。(え〜っここからさらに下に行くの? どこに連れていかれちゃうの私たち!)とビビりましたが、後ろから聞こえてきた「To-ko、どこにいるのー?」という不安そうな声に励まされ、先にいた人たちの気配が消えるのを待って先に進みます。

長野観光長野観光

炉の下と上で。左:ううっ重いよう/右:ううっ煙いよう

長野観光

山門を見守るバックシャン(←死語?)

が、何もありません。あれ〜なんだったのかなさっきの音は。と、後ろからKが「鍵、触った?」と聞いてきました。鍵? なにそれ? 「この鍵を触るために歩いているんだよー。鍵を見つけられればシアワセになれるんだよ」。えっそうなの? 私と同様、鍵を素通りしてしまったUと一緒にKのところまで戻り、しっかりと鍵を触りまくります。鍵というより動く取っ手みたいでした。後で説明を読んだところによると、この錠前を触ることでご本尊様と繋がって、救っていただけるそうです。ありがとうK! これからもシアワセへの道案内をよろしくね!

≪つづく≫

2009.2.16(Mon)

12月に続いて2度目の文楽鑑賞をしてきました。今回観たのは近松門左衛門作の『女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)』。名前は聞いたことがあっても内容もよく知らなかったこの演目ですが、三浦しをんさんの『あやつられ文楽鑑賞』を読んでからはぜひ観てみたいと思っていました。それが会社帰りに行ける第3部だったのは偶然のラッキー。今回は床に近い1等席を取りました。同行者は妹。正月休みに、母と私が文楽の話で盛り上がっていたので興味をもったらしいです。

終わってみると今回は、パンフレットやイヤホンガイドはいらなかったかも知れません。時代物と世話物の差なのか、話がとってもわかりやすかったのです。パンフレットは『女殺油地獄』だけじゃなく第1部〜第3部まとめてのものだったし、イヤホンガイドも前回のほうがよかった。あれって説明をする人によってずいぶん内容が変わるのですねー。文楽豆知識みたいのが面白かったのに今回は全然そうゆうのがなかったし、説明のタイミングも悪かったような気が……つまり、邪魔でした。

でもやっぱ、文楽面白いですよー。もっとドロドロした話かと思っていたら、人形の動作や台詞がときどきユーモラスで笑ってしまいます。初心者なので、家にあがるときに手にした手拭いでぱっと足をはらうとか、蚊帳に入るときに団扇で蚊を追い払ってから入るとか、人形の動作の細かさには相変わらず感心しきり。人形を3人がかりで遣っているのに、乱闘シーンなんかもあったりして、舞台上は人形遣いさんが入り乱れてさぞかし大変だろうなぁと思います。今回の主人公、河内屋の与兵衛くんは不良青年なので、喧嘩シーンが多くて動作が派手で、楽しめました。

『徳庵堤の段』では田舎者のお大尽と与兵衛&悪友たちの喧嘩シーンが面白かったですねー。田舎者のお大尽が意外な強いのも、またヨシ! だんだんに威勢がなくなる与兵衛の情けなさが、遊女の小菊にデレデレしていた姿ともあいまって印象的でした。ちょっとだけだったけど馬も見られたし(あぁ早く狐や猪を見てみたいなー)。この段は、太夫さんたちが掛け合いで語っておられました。

続く『河内屋内の段』の与兵衛の動きもまた……。説教を受けているときのふてくされた様子にやけに色気があって、おおっと喜んでしまいました。人形は桐竹勘十郎さんで、そういえば私はこないだも、この方の遣う義賢が色っぽい〜と喜んでいたんでした。あと与兵衛の妹おかちが、与兵衛に言われて仮病をつかっていたとバラしてしまうときの慌てっぷりもおかしかった〜。ああいう動作って、時代によってどんどん変えていっているのかしら? それとも時代を超えて通用するもんなのかしら? この段は与兵衛の兄やら怪しげな祈祷師やら、いろんな登場人物が出たり入ったりして飽きませんでした。

さて最後の『豊島屋油店の段』。噂の油まみれの殺しのシーンです。が、そこに行くまでの流れもなかなか面白く、ドラマチックでした。与兵衛の両親がお吉の前で語り合うところなんかは(お吉、内心では「そうゆう話は自分ちでやってくれないかな〜」とか思ってんじゃないの?)とツッコみたくなりましたが、そこで感動してしまう辺りがお吉の人の良さなんでしょうねー。だんだんと引っ込みがつかなくなり、与兵衛がとうとう刀を抜いてしまってからのシーンは、本当に迫力ものでした。

自分のしたことに愕然とし慄きながらもお吉を追い続け斬りつける与兵衛も、傷を負いながらも逃げ回り油の入った樽を倒して逃げ切ろうとするお吉も、とても人形とは思えない。灯りが消えて薄暗い油屋の土間が舞台なせいもあるかもしれませんが、人形遣いさんの顔があったのも覚えていないくらいです。そして与兵衛―――滑りすぎっ! 氷の上で滑るようにつるるるーっと何度も倒れこむ与兵衛に、凄惨なシーンながらも笑ってしまいそうになりました。

そう。なんだか全体的に笑える、のですよこの話。それで観おわった後は、なんとなく悲しくなる。人を殺してまで奪った金を落として慌てて拾い集める(そしてまた落とす)与兵衛の姿と、お吉の死体が最後に残るからでしょうか。この日はこれで幕でしたけど、与兵衛が捕まる場面までみたらまた違う感想になるのかな。でも、与兵衛みたいな甘ったれでどうしようもない男に、ムカつくより悲しくなるのは不思議です。

今回は人形の動きが魅力的で、語りや三味線までやっぱり気が回りませんでした。しばらくはムリかなぁ。さて次は5月公演。第1部が『伊勢音頭恋寝刃/日高川入相花王』、第2部が『ひらかな盛衰記』。2回続けて殺人事件ってのはどうかと思うし、『ひらかな〜』はたしか三浦しをんさんの本に取り上げられていたしで最初は第2部優勢でしたが、『日高川〜』は清姫が蛇体に変わるのが見せ場だという情報を仕入れ、ぐらぐらしております。嬉しい逡巡。

2009.2.15(Sun)_2

≪つづき≫

ずっとそんな道を行くのかと思っていたら、しばらく先に車止めがあり、その先は工事用の車両さえ通っていなさそうです。だって草が潰れていないし―――

土砂崩れで道が埋まっているんですもん!

松木渓谷松木渓谷

左:土砂崩れの場所。道が埋まっているの、分かる?
/右:大きな崩壊箇所を抜けたところで、ちょと休憩……て、あなたが座ってるのも、落ちてきた石なんじゃないの?

崩れた後にちゃんと人が入っているらしく、トラロープが張ってあったり細い道が作られていたりします。が、よく見るとあっちもこっちもガードレールがたわんで引きちぎられてぶら下がって……落石が頻繁に起こっているのがわかりますね。おいちゃんが数年前に来たときはここまでじゃなかった、と言っていました。大丈夫そうな場所を選んで休憩をしている間にも、視界に入る崩壊箇所で小石が何度か落ちてくるのを目撃しました。雨とか雪とか降った後は地盤がゆるんで危険かも。ルート取りを失敗してガードレールに近づきすぎ、1度だけヒヤッとしてしまいました。

松木渓谷

なかなかの迫力は、さすが“日本のグランドキャニオン”…?

松木渓谷松木渓谷

左:崩れた場所を通過中。おいちゃんの左側は護岸壁で、すとーんと落ちている/右:対岸の日陰にちょろっと雪が

しかし怖いばかりではありません。崩壊箇所を乗り越えたのは3回くらいだったかな? それ以外は景色を楽しみつつの、のんびり林道歩きでした。最初のほうで数人に出会いましたが、後半は誰にも出会わず。渓谷ということは谷間だし時間も時間だしで、陽が当たらなくなると空気はさすがにひんやりしてきます。おいちゃんはその昔、この道を辿って皇海山へ登ったそうな(もちろん泊まりで)。う〜ん、私はこの道は1人では歩けないなあ。崩壊とか人気の無さが、怖くて。

松木渓谷

来た方向を振り返る。しーんとして、人気がない

松木渓谷

なんだか、不思議な、雰囲気だった

予定どおり2時間くらい歩くと、ちょうど目の前に砂防ダムが見えました。そろそろ引き返すか、とおいちゃんと話していると、ちょうど目の前の道を鹿の群が横切り、河原に下りて川を渡ってゆくではないですか。「じゃ、最後に川に下りて帰ろうよ」。鹿の通り道を使わせてもらって下りて触った川は、雪解け水なのかすごく冷たいものでした。積雪はたぶん例年より全然少ないのでしょうけど、川の水量が減っている感じはしませんでしたねー。影響が出るのは春の雪解けのころなのかも。

松木渓谷

このさらに奥には、どんな風景が広がっているのだろう?

松木渓谷松木渓谷

左:あの鹿たちについてゆこう/右:そして、河原へ

松木渓谷松木渓谷

左:撮られているのを気付いてないとき/右:気付いたとき

松木渓谷

冷たかった

引き返し始めたのが16時くらい、駐車場に戻ったのが18時になろうとする頃(17:45)でしたので、帰り道は夕暮れの気配が増してくるなかでの林道歩きでした。「この時間になると鹿の行動が活発になって、それが好きなんだけどなー」とおいちゃん。やっぱり日没狙いだったか。確かに帰りの道では鹿の群をよく見ました。丹沢のほど図々しくはなくて、一応人間の姿を見ると逃げます。ただしちょっと離れるとそれ以上走るのをやめて、遠巻きにじーっと見つめてきます。渓谷の向こう側で鹿が呼び交わす声も聞こえて、なかなか楽しい散策でした。

松木渓谷

ガードレール、めためた

松木渓谷松木渓谷

ガードレールいっぱいまで土砂が崩れた場所を、渡っていく

松木渓谷松木渓谷

左:見てる……/右:見てるよ……

松木渓谷

見過ぎだってば!

車に辿りついたときはもうかなり暗くなっていましたが、結局ヘッドランプは使わずに済みました。途中で夕食を食べて、この日の夜はおいちゃんちに泊めてもらいました。帰り道からすんごく眠くて(運転ありがとう>おいちゃん)、夜もお風呂に入ったらもう沈没。平地を歩いただけだからそんなに疲れたハズはないんだけどなー。今度は、おいちゃんご推薦の雪の積もった渓谷を、再度訪ねてみたいものです。

2009.2.15(Sun)_1

Kおいちゃんのお誘いで、足尾の松木渓谷を歩いてきました。「雪が降るとシーンと静まり返って、雰囲気がすごくいいんだ」とオススメされたこの場所ですが、しかしこの暖冬。雪が降る気配もありません。「降っていたとしても融けているだろうから、ぬかるみ対策でスパッツは持ってきて」と言われ、10時ちょっと前においちゃん自宅の最寄駅で待ち合わせ―――って、時間、遅くない?

「10時に出れば12時頃に足尾に着くから」と聞いたときから、そうは思っていました。まぁしかし今回は登山ではなくて林道歩き。何度も行っているというおいちゃんにお任せすりゃいいでしょう、と黙っていたのですが、だいぶ走ってから「途中で富弘美術館に寄ってもいい?」と言われたときにはさすがにビックリしました。おいちゃんひょっとして、夕方に林道を歩きたいの? 念のためにヘッドランプ持って来いって繰り返してたのは、だから?

ま、今日はお任せモードなので否やはありません。というワケでまずは道の途中の富弘美術館へ。「星野富弘って知ってる?」と聞かれたときにはピンとこなかったのですが、見てみれば絵と字には覚えがありました。富弘美術館おいちゃんはこの日で3度目って言ってたかな? ときどき展示が変わるので、何回も楽しめるそうです。

いくつかの部屋をゆっ〜くり展示を見ながら回りましたが、やっぱこうゆう個人美術館はいいなあ。同じ人の作品だけを見ていられるので、そのムードに浸れます。なのに、「何回か涙出そうになっちゃった」って感想から「年取ると涙モロくなるよねー」って話に発展して、感慨も台無し。やだやだ。

美術館のカフェには軽食しかなさそうだったので「蕎麦でも食べるか」っておいちゃんに続いて外に出ます。てっきり隣のドライブインに行くのかと思ったら、車に向かうおいちゃん。あのー? 「あ、途中にあった古い店構えの蕎麦屋が気になるから、そっち行こう」。あ、そ。それはOKだけどあの店、かなり戻った場所になかったっけ? こりゃホントに夕暮れ時狙いなんだなーと納得します。

店構えのよいお蕎麦屋さん店構えのよいお蕎麦屋さん

わざわざ戻った蕎麦の味は、店構えのワリにすーーーんごく、普通。ま、お値段もしごく普通だったので文句はない。

太郎神社太郎神社

左:蕎麦屋の隣にあった太郎神社/右:石には「根性大明神」と彫ってある。拝んでおいたほうがイイかもしれん>オレ

太郎神社太郎神社

左:お社の中には立派な御神輿が入ってた/右:準備準備。……どこまで着込めばいいのか、迷い中

さーて、いよいよ林道歩きです。車を銅親水公園に停めて準備を済ませ、13:50出発。「2時間で行けるところまで行って、また2時間かけて戻ってくる」ってだけのアバウトなプランで歩き始めました。あ、雪は気配もありません。私は林道に入ったらぬかるんでいるかも……と、最初からスパッツをつけてましたが、結果から言うとつけなくても全然大丈夫でした。気温も高く、夕暮れ時に必要なだけ着込んでいると、暑いくらいです。

銅親水公園高〜い煙突

左:銅親水公園。“わたらせ川 源流の碑”があった
/右:山間に、高〜い煙突が。あの工場はまだ稼動してるのか?

松木渓谷へ松木渓谷へ

左:山の上がほんの少し、白いだけ。いつもならこの麓まで
雪があるそう/右:この先は一般車両通行止め

松木渓谷は“日本のグランドキャニオン”だそうで、ほとんど木々が見られません。荒廃した山に緑を戻すべく緑化工事が進められているそうで、目をやる先のあちこちに土留めの工事がしてありました。最初のうちは工場の廃墟のような場所もあり、道は広く平坦です。親水公園のすぐ先から一般車両は入れなくなっていますが、工事用の車両は入っていそうでした。

松木渓谷

松木渓谷

緑化工事の途中。ジェットコースターみたいだ……

松木渓谷

吾亦紅みたいなこの木の実だらけだった。秋っぽいね?

松木渓谷

不毛の地に思えるのに。稜線には木が見える。すごい…

松木渓谷松木渓谷

左:工事用の車両がばんばん通りそう/
右:2つめの、通行止めのこの先は……?

≪つづく≫

2009.2.14(Sat)

気持ち悪いくらいに暖かく、春一番も吹いた1日。夜まで暇なので、翌日泊まりに行くKおいちゃんへの手土産に、クッキーなんぞ焼いてみました。桜の塩漬けを混ぜ込んだ、アイスボックスクッキーです。菓子を焼くのがずいぶん久しぶりで、タネを冷蔵庫に入れる時点で「これ、粉が多すぎじゃね?」とは思ったものの今イチ正しい状態はどうなのか自信がなく、そのままにしてしまったらやっぱり切るときに端がポロポロと崩れてしまいました。失敗失敗。味はまぁまぁでしたけど。

桜のクッキー

ちょっと見かけがな〜…orz

そして夜は古い映画、『番格ロック』を観に銀座まで。何年も前の八重子さんの評を読んでから“観たい映画リスト”に載せっぱなしにしていたもので、やっぱり八重子さんのサイトで上映を知り、銀座シネパトスまで行ってきました。ところで私は映画を観る感性がかなり鈍く、暗示だの隠喩だの微妙な関係性の表現だのをキャッチするアンテナが大変貧弱なので、そゆアンテナが発達した方のお勧めの映画がわかるかどうか―――始まるまで、ちょっと、いやかなり心配していました。

でもその心配は始まってすぐに吹き飛びましたよ! あ、先入観は持ちたくなかったので、映画評は読み返してはいきませんでした。ですので事前に覚えていたのは“女番長が出てくる映画”ってくらいだったのだけど、オープニングで女のコたちが街を闊歩していくシーンだけで「あ、これは当たりだ!」と分かりました。それにまぁこのコたちが脱ぐわ脱ぐわ。そんなに惜しげもなく脱いでいいんかいってくらい脱いでくれます。ヒロインもすごくキレイな体をしていたなー。

話も、好きでした。特攻隊長の由紀子とアラブの鷹の関係が、ツボ。こうゆう、相手を認め合ってのライバル関係(←と言っちゃうと風情がないけど)で、でも今はまだ実力差があって手の届かない距離関係。そのもどかしさ。お互いに寄せる期待と不安と憧れと―――。ああいいですなぁ。それに比べてヤクザの兄貴は執念深くいつまでも恨みたらしくて情けないです。「こんなヤツに……」とムカつきました。いや、ヤツらに、だな。だから彼女が立ち上がったときには快哉を叫びました。よっしゃ!

ところワタシは、この手の世界は疎いのですが―――ある時代、ホントにこんな世界があったの? 女のコたちが徒党を組んで番張って、までならいいけど、ホントに二つ名を持っていたり、したの? それともこれはフィクションでファンタジーなんでしょうか。

2009.2.11(Wed)

単独でも山に行こうと思いたってから、たとえ行き先がどんな低山だろうと保険には入ったほうがいいだろうと、去年の今頃にハイキング保険に入りました。ハイキング保険でカバーされるのは“山と高原地図”の赤の実線ルートです。破線ルートや、たとえちょっとでもアイゼンを使うような山行はカバーされません。でもそっちをカバーする保険は、どうももっと本格的な山ヤさん向けな気がする……。破線ルートに踏み込む気はないし、アイゼンも持ってないし、ということでの選択でした。

それが、今年は迷いました。ハイキングに毛の生えたレベルの保険があればイイのになー。私のように、夏や秋に少しだけ高山も頑張るけど大多数の行き先は低山で、メジャールート歩きがほとんどで、雪景色は見たいけど奥多摩や丹沢で十分……ってくらいの山ノボラー、少なくないと思うんだけど。雪のアルプスまでカバーしてくれなくてもイイんだけど。でもなー、去年は1度だけだけど破線ルートも歩いちゃったし、アイゼンも買ってしまったものなー。うーんでも保険料高いなーどうしようかなー。

迷って迷って迷って、結局山岳保険にしました。自分は怪我しない、迷わない、っていう自信はなかったので……。て、そんな自信があれば保険に入る必要もありませんね。もちろんなるべく、お世話にはならないように気をつけるつもりです。

2009.2.8(Sun)

≪つづき≫

日曜日は7時に起床。「あれだけ呑んだのに、全員けろっとした顔してる〜」と村さんに笑われます。うん、なんか今回すごく体調がよかったのですよ。取りすぎたかな?って思った朝食も、ぺろっと平らげてしまいました。9時過ぎにチェックアウトをして、また荷物を車に放り込み、準備をしてゲレンデへ。おっと杵さんは風邪を引きこんでしまい、日曜は休養日です。ま、でも前日がっつり滑ったから(杵さんにしては)。

部屋からの眺め朝ご飯

左:部屋の窓から、向かいの山にかかった雲が取れていくのをずーっと眺めていました/右:また何をさせたいんだかわからないメニュー構成の、朝食。でも地物キノコ類のおろし和えは美味しかったです

起きたときには曇っていた空も、私たちが外に出る頃には青く変わっていました。夜の間に雪が7〜8cm積もっていたので、ゲレンデの状態も少しは期待できそうです。前日はぴたりと静かだった風が強く吹いていて、リフトに乗っているときはかなり寒かったですが、この日も景色は最高でした。今日のリフト券は3時間券。9時半に最初のリフトに乗ったので、12時半まで休みなしです。よ〜し、行くぞ〜。

菅平スキー場

今日もいいお天気だー

まずは前日も滑った裏ダボスを流します。ありゃ? ぎゃっ! けっこう怖いっ。夜の間に降った雪がかなり軽い雪だったので、強い風で吹き寄せられ、ガリガリのアイスバーンとふわふわの吹き溜まりが交互に現れる感じです。うひー。前日の最後のほうではかなり調子よく滑っていましたが、一気に恐る恐るモードに逆戻りです。奥ダボスへのリフトが止まっていると聞いたのでしばらく裏ダボスで遊んでいましたけど、やがて「表はどうなっているんだろう…」とそちらに移動しました。

菅平スキー場

ホント、初心者向きのスキー場ですよね。嬉しい。

と。うわああ〜雪質が全っ然違う! 全然凍ってない! 気持〜ちよく滑れます。距離はもう少し長いといいな〜と思うけれども、最初のうちは空いていたのでリフトにもすぐ乗れて、何本も滑れました。日曜日だからか前日よりも小さな子供が目立ちます。上手くて感心したり、必死な姿がカワイすぎたり。近くから来ている子も多いのかな? 羨ましいです。奥ダボスへのリフトが動かないかな〜とちらちらチェックをしながら滑っていると、次第に混んできてしまいました。

菅平スキー場

山並みの左端では浅間山がもくもく

菅平スキー場菅平スキー場

左:リフトの向こうでも、もくもく/
右:奥ダボスへのリフト、まだ動かないかなあ……

そろそろ時間切れになっちゃうよ〜という、タイムリミット1時間前、やっと奥ダボスへ登るリフトが動き始めました。それまで誰一人滑ってない真っ白な斜面を眺めて「ああ行きたい〜あそこにシュプールを描きたい〜」と皆で言っていたのですから、喜び勇んでリフトの列に並びます。私らが中腹くらいまで登ったとき、最初のシュプールをつけるスキーヤーの姿が現れました。うわぁ気持ちいいだろうなあ! でももし私らが一番最初にリフトに乗ったとしても、最初のシュプールは無理でしたね。飛ばせないのはもちろん、奥ダボスに行ったら写真撮影タイムを設けないワケにはいかないですもん。

菅平スキー場

遠くの白いお山まではっきりくっきり
(……なのに、レンズ汚れてた? orz)

ホントにホントに、いい景色でした。雪をかぶった山々が一望です。奥ダボスゲレンデの上部はゆる〜い斜面なので、私でも景色を堪能しながら滑れるのがホントに嬉しい。皆で写真を撮って(さすがに標高が高くて風が冷たい! グローブ脱ぐとあっという間に指がかじかみます)、斜面をの〜んびり滑って(意外にガリガリ)、さっきは真っ白だった斜面を恐る恐る降りて……。そう、真っ白さに魅了されてましたけど、けっこう急でした……。あ、斜面の下半分くらいはかなりいい雪で、滑りやすかったです。

菅平スキー場

このとんがりお山はどなたでしたっけ…?

時間がかなり危なくなってきましたけど、ここをゼヒもう一度、とまた列に並びます。私らが上に着いて滑り出して―――あれ? リフトに人が乗っていないじゃありませんか。どうやらまた止まってしまったようです。まるで私らのために動いてくれたかのよう。どこかの滑車の調子が悪かったようですね。リフトに乗ってる途中で止まらなくてよかったです。そんなワケで空いたゲレンデを満喫し、最後のリフトに乗って裏ダボスへ帰ります。今日もリフト代の元は取ったぜ!

スキーセットを返してお風呂で冷えた体を温め、ぺこぺこのおなかを抱えて乗り込んだのは、一度行ってみたかった焼きカレーのお店です。隣席の客が救急車を呼ぶというハプニング(スキー場で転んで、店で具合が悪くなったみたい)にドキドキしましたが、カレーは美味しかったです。今度は違うのも食べてみたいな。その後お土産を買いに数箇所に立ち寄り、杵さんと村さんとお別れ。私たちは雲さんの運転で家に帰ります。

焼きカレー

トッピングは茄子。今度はトマトでいってみよう

―――が、帰り道が辛かった〜。たっぷり滑ってお風呂で温まってボリューミーな昼食をとって、これで眠くならないハズがありません。いつの間にかKもYもゆらゆらしているし、運転しててもらって全員寝るワケにはいかない!としばらく孤軍奮闘していたのですが、私が耐え切れず討ち死にするその瞬間、Kが復活してくれました。あ、あとは任せた……(ぱたり)。ときおり瞬間的に意識を失いながら(1人で運転している雲さんはスゴすぎる!)、自宅近くまで送ってもらい、大満足なスキー旅行は終了です。

吹雪かないスキーって楽しいですね。

2009.2.7(Sat)

今シーズン初スキーに行ってきました。今回は、Kのバイク仲間に誘っていただいての旅行です。彼らとのスキー旅行は3回目(1回目2回目)で久しぶり。前回と同じく雲さんが車を出してくださるというので、ありがたくお世話になりました。しかも、土曜日の早朝に雲さんがK宅→Y宅→To-ko宅と回ってくれるという、親切設計♪ ありがたい〜。

仕事の大波もだいぶ収まってきたので、金曜日は早めに帰って荷造りをして早めに就寝。土曜はさすがに目覚ましがなった瞬間にさくっと起きます。うちが最後だったので5時ちょっと過ぎくらいに自宅を出ます。場所の指定の仕方が的確じゃなかったからか、雲さんを右往左往させてしまったようですが、近所の交差点で無事合流できました。後部座席にはKとY。これで雲さん組の4人が揃って、一路、目的地の菅平へと向かいます。

途中のSAで休憩をしたり、Kが作ってきてくれたお握り(気が利くなぁ!)を食べたりプチ渋滞に引っかかったりしながら、上信越道を走ります。天気は快晴。上信越道から妙義山や煙をあげている浅間山がキレイに見えました(他の山もキレイに見えていたけど、名前がわからず。残念〜)。まだまだ到着までしばらくかかる地点にいる頃、別動隊の杵さん、村さん組から「着いたよ〜」と連絡が入ります。早っ!

杵さん組に遅れること1時間半くらい? 10時前後に、宿泊地のホテルに到着しました。先に滑っていてもいいよ、と雲さんが言っていたのですが、杵さんたちはロビーで寛いで待っていてくれました。まだチェックインはできないので、とりあえずスキーセットをレンタルして準備をし、余分な荷物は全て車に置かせてもらいます。ゲレンデに出てリフトの1日券を買って、さあ……す、滑れるかな……。

菅平スキー場

白い山並みが宙に浮いているみたい♪

菅平スキー場

こちらのお山の名前は……?

菅平スキー場

気持ちいいなあ〜。緩斜面、ラヴ♡

私と杵さんの「初心者! 初心者!」コールで、まずは裏太郎ゲレンデで足慣らしをします。3回滑って11時を回ったところで、お昼ご飯早めのお昼休憩を入れました。あんまりおなかが空いていなかったので、私は生ビールと味噌ラーメンだけ(←充分だっつーの!)。村さんとY以外は全員「燃料燃料」とアルコールを入れており、村さんに「この人たちは…」と呆れられました。いや呆れるのはまだ早いっすよ、村さん!

食後は白金シュワルツや表太郎ゲレンデ(の、林間コース)を滑ります。急斜面に連れていかれないように、私以上に杵さんがチェックしてくれているので、心の中で「いいぞー杵さん」と応援していました。今年はやっぱり雪がだいぶ少ないみたいです。スキー場に着く直前まで雪が見えなかったし、スキー場でも木の根元辺りは土が覗きそうになっていました。斜面もかなりガリガリなところが多かったです。

菅平スキー場

なんてカッコいいんだろう……(うっとり♥)

菅平スキー場

雪でもこもこの電線と飛行機雲

菅平スキー場

浅間山からは煙がもくもく

でもとにかくこの日は天気が良くて良くて! 上に登れば遠くの山々がキレイ〜に見えるし、リフトに乗っているときも全然寒くない。あまり混んでいないので、怖い思いをすることもありません。休むのがもったいないくらいです。表太郎ゲレンデで3時間くらい遊んで、お茶休憩を入れて、裏ダボスゲレンデに移動(ここで残念ながら杵さん脱落)。そしてリフトの止まる17時直前まで、裏ダボスで滑りました。あ〜、楽しかった〜♪

菅平スキー場

広くて緩やかな斜面。こうゆうのが好き〜

―――と、ココで終わったら村さんから「酒豪」のレッテルを貼られるワケがありません。荷物を部屋に放り込むやいなや、K、Y、私の3人は夕暮れの景色を楽しむために散歩に出かけました。財布を握っていようと、きょろきょろと「酒」の看板を探していようと、目的は散歩!です。最初は隣のホテルの売店を狙っていたのですけど、5時を少し回った今、そこはもう照明を落としてしまっていました。次に見える建物はけっこう離れています。

どうする?行く?と相談していると。前方から男のコたちが歩いてきました。手にはポテチなんかが詰まったビニール袋。てコトはどこか買い物のできる店があるのね? 私たちの少し前を歩いていたグループが、タイミングのよく男のコたちに店までの距離を聞いています。返答は「20分くらいですかね」。それを聞いたグループは諦めたようですが、私たちは「20分に負けるかー!」と歩き続けます。そう、思ったよりも今回の宿は外れたところにあったのでした。

だんだんと暮れゆく空と冷たくなる空気を楽しみながら(←ココ大事)20分を歩き、辿りついた店でビール、ワイン、梅酒、おつまみを買い込みます。荷物は重く心は軽く、うきうきと同じ道を引き返し、夕闇迫るなかホテルに帰着。これで夜の準備は整いました。男性陣はとりあえずの乾杯をしているようでしたが、夕食まではまだ間があるので、村さんも加えた女性陣はお風呂も入っておくことにします。夕食時間直前だったせいか、ほとんど貸切でラッキーでした。

晩ご飯夕食はメイン以外はバイキング。メインは3コースから選べます。ま、合宿に使われるような宿で、味もそんな感じですね……。何がしたいんだかよくわからないメニュー構成でした。

夕食後、男性陣がお風呂に行っている間に布団を敷いて、あとはもう寝るだけって状態にしてから、男性陣の部屋にお邪魔して酒盛りが始まりました。ビールから始まって長野ワインを空けてブランデーベースの梅酒を空けて雲さんが抱えてきた高級日本酒の一升瓶を……これはさすがに空けませんでしたがほとんど無くなりました……んで黒糖焼酎を飲んで。一応全部の種類を呑んだので、4時間の宴の最後のほうはかなり酔っ払っていました。0時近くなったところでお開きにし、部屋に戻ってあとは爆睡です。

ああ、長い1日だった……。

≪つづく≫

2008.2.1(Sun)

去年に引き続き月に一度は海と山に行く(そして今年は生活もしっかり!)の目標を立てていたのに、初っ端から挫折してしまいました。風邪さえなければ海に行けたのになー。目標達成のため31日のダイビングも考えましたが、この季節に冷たい雨じゃさすがにツラすぎる。風も吹き荒れてるし、と諦めて今週末は休養日にしました。

ところで去年は毎月どれだけ海と山に行ったかというと―――海は1月から順に1回、1回、2回、1回、2回、1回、2回、1回、2回、3回、2回、2回の計20回。ハイキング含む山歩きは1回、1回、0回、2回(+講習1回)、1回、3回、2回、2回、1回、3回、3回、1回の計21回(おっと海より多いぜ)。海はコンプリート、山は3月がダメでした。仕事がどうなるかわからないから遊べるうちに遊んでおこう、と思っていたのがモロに出た結果ですね―――って行きすぎ! 遊びすぎ! これじゃ生活が後回しになったのも当然です。

……と書くと、まるで遊びにいかなければ家事に勤しんでたかのようですね。後悔する週末は前より減ったと思いますが、やっぱり生活はもう少しちゃんとしたいと思います。

そう考えたからってワケじゃないんですけど、2日とも何の予定も入っていないのは久しぶりだったので、今週は家の仕事はきっちりしました。やっぱ片付いた部屋はいいな〜。31日の土曜日はこれまた久しぶりにパン焼きもしましたよ。ざぼんのピールをそろそろ片付けたかったので、またイングリッシュマフィン。こないだ作ったときより美味しくできました。前回は簡易版を作ったんだっけかな?

パン焼きすると一次発酵だベンチタイムだ二次発酵だと、けっこう待ち時間があるので、その時間で野菜たっぷりのスープも仕込みました。大量に作る場合は味を薄めにしておいて、食べるときに牛乳入れたりトマト入れたり味噌入れたり醤油入れたりして変化つけて、飽きないようにします。できあがったところで、焼きたてを炙ったマフィンと一緒に食しました。ウマ〜。

イングリッシュマフィンイングリッシュマフィン

ちょっと、炙りすぎちゃった

日曜日の午後は、いいお天気にふらふらと神保町へ。……そして散財、してきました。さかいやのセールでいつもより余分につくポイント狙いだったのに、特価品ばかり買ったら特価品にはポイントつかないのね? だったらカード使えばよかった〜。特価で買ったのはPatagoniaのレインシャドーパンツとLEKIのマカルー ウルトラライト。普段はあまり必要性を感じてないんだけど、テント装備のときにあるといいな〜と思って>ダブルストック。あとICIにも寄って、靴下とか小物を買ってきました。

って、あれ? 私、ツェルトを見に行ったんじゃなかったっけかな?(まだ持ってないんです。緊急ポーチに入っているのは、エマージェンシーシートだけ)。首切りの話題で持ちきりの職種な私ですが、財布の紐は今年もゆるいまんまです。

Copyright© 2001-2012 To-ko.All Rights Reserved.