2009.4.29(Wed)_4

≪つづき≫

ここから方向を変えて道を下り、たぶん布沢峠らしき場所を過ぎます。標識があるのですが、一方向に向けられている矢印は赤く錆びていて何も書かれておらず、そっちを辿ると怪しい世界に迷い込んでしまいそう(←ゲームのやり過ぎ)。さらに先に進むと、道の真ん中に大きなモミの木が生えていて、その下に小さな祠がありました。

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:方向を変えて木洩れ日の林の中に入っていく
/右:小さな祠があったのは……

このコースを歩くにあたり、ネットから2枚の地図をプリントしてきたのですが、片方には「モミの木の根元に祠あり」と書かれていて、もう片方の同じ辺りに「モミの巨木」と書かれています。だから私はてっきりこの2つのモミが同じ木だと思っていました。が、もうしばらく先に「モミの巨木」の標識が現れました。

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:道の真ん中に立っていたモミの木。巨木は言い過ぎとしても立派な木だな〜と思っていたのですが/右:その先に……あれ?

進行方向右手の斜面を見上げると、うひゃーこれは確かに巨木だ。太い根っこが迫力のモミが聳えています。登山道からは全体が写真に納まらないくらい、大きい。周囲のスギの木も、上のほうではモミに押しやられているようです。樹齢何年くらいだろう? なんであれだけ残ったんだろうね? 植林するときに、大きくてもったいないから残したのかなあ?

釜ノ沢五峰

人が入っていないと大きさがよく分からないけど、根っこの太さで想像してみてください。立派でしょ?

巨木のちょっと先が中ノ沢分岐で、ここはまたもや寄り道コースを選び、金精神社のある文殊峠に向かいました。文殊峠には私設の長若天体観測所があります。ここも長若山荘の管理になるのかな? すごいな長若山荘のご主人は! 周囲には人家がなく、確かに星を見るには良さそうです。山々もキレイに見え東屋もあって、休憩するには良いポイントでした。宿泊できるログハウスやトイレもあります。

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:金精神社/右:長若天体観測所

釜ノ沢五峰

天体観測所からもとても素晴らしい眺めが楽しめます。
両神山、二子山方面。こんなに山深くて近くに人家もなくて、確かに星がよく見えるに違いありません

釜ノ沢五峰

天体観測所と武甲山。歩き始めよりずっとずっと大きく見えますが、削られた斜面もハッキリ見えてしまって痛々しい

中ノ沢分岐に戻り、今度は竜神山を目指します。それほど歩くことなく到着したピークは……あまりぱっとはしなかったかな。でも、今日はじめての「山頂」の文字がちょっと嬉しかったかも。ピークハンターではないつもりなんですけど。この山頂を過ぎてその先、大きな岩に登ります。最初(兎岩かな?)と思ったけれど、違いましたね〜。ホント、大岩がゴロゴロしている山だなあ。さらにその先の賽ノ洞窟は、法性寺の観音堂裏手の洞窟みたいな感じでした。石碑が立っているだけで、ちょっと寂しい。もうお寺の敷地ではないけれど、お地蔵さまの1体も欲しいところです。

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:展望のない金精神社/右:チゴユリはもうちょい花びらが細いよなあ……? キレイな緑色のクモつき

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:賽ノ洞窟。この山の岩質はかなりモロいです/右:これも何だろ?

標識には兎岩兎岩と何度も出てきますが、この後やっと兎岩に着きました。二重に張られた鎖の間を通って、大きな岩の上を渡っていきます。ここも高度感があり、しかも両脇とも切れ落ちているので、鎖がなかったら怖かったかも。展望も、ここが見納めでしたねー。お昼を食べた二の峰や、三の峰が見えました。

釜ノ沢五峰

兎岩。鎖が張ってあるのは傾斜がけっこうあるから?

ここを過ぎたら後はもう下るだけです。バンガロー?が何軒か並ぶキャンプ場の脇で舗装道路にぶつかりました。ああ面白かったな〜。そこからクールダウンで舗装道路を少々歩き、長若山荘に戻ります。途中、熊出没注意の立て札がありました。山の中で「熊出没の看板ないね、この辺にはいないのかな?」と話していたのですが、やっぱいるんだ。熊鈴持ってたけど、鳴らしてなかったよ……。午前も午後も誰にも会わない静かな山歩きで、熊に出くわさなくて良かった〜。

釜ノ沢五峰

兎岩登山口。舗装道路とぶつかるトコロです

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

舗装道路と言っても、車は一台も通りませんでした

釜ノ沢五峰

旅の最後も、苔むしたお地蔵さまが見送ってくれました。
て、三面六臂のお地蔵さま?

長若山荘の方にお礼を言って車に乗り込み、秩父西谷津温泉の「宮本の湯」に寄りました。日帰り入浴700円也。ちょうどお風呂を掃除したばかりで、せっかくキレイにしてくれたところに入っちゃってゴメンなさい〜って感じだったけど、入るほうとしては気持ちよかった! あまり大きな風呂ではありませんでしたが、男湯も女湯も貸切だったので贅沢すぎるくらい贅沢に体を伸ばせました。

帰りは西武秩父駅まで送ってもらって、おいちゃんとはお別れ。芝桜の羊山公園が見頃のせいか、電車は混み混みでした。アロー号はもう満席だったので、混んだ電車で自宅に帰ります。2時間以上かかるこの復路が、一番ツラかったかも……。せっかくお風呂ですっきりしたのに、家に着いたときはくたくたでした。

長若山荘(8:43)→法性寺(9:00)→観音堂→龍虎岩(9:25)→お船観音(9:41)→奥ノ院(9:50)→長若山荘(10:50)→一ノ峰(11:15)→二ノ峰(11:25-11:55)→三ノ峰(12:03)→四ノ峰(12:10)→五ノ峰(12:23)→中ノ沢ノ頭(13:09)→文殊峠(13:14-13:29)→竜神山(13:46)→賽ノ洞窟(14:08)→兎岩(14:23)→兎岩登山口(14:39)→長若山荘(14:55)

2009.4.29(Wed)_3

≪つづき≫

釜ノ沢五峰

こうゆう小さな花、好きです。何の花だろう?
(ちょっとボケちゃったのが残念なり)
(後記:勿忘草(ワスレナグサ)かも)

釜ノ沢五峰

こちらのコースも、苔苔のいい雰囲気から始まります

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:ツボスミレ?/右:ニリンソウ?
(花の名前に全部「?」が付くのは勘弁してください。つたない写真での同定はホント難しいのです……)

えっちらおっちら登りきって、一の峰到着です。ここも片側がすっぱり切れ落ちた一枚岩。この山、こんな大きな岩がぼこぼこ積み重なってできているんでしょうか……? 途中で根っこからひっくり返っている木があったけれど、ホントに薄〜い土壌に根を張っているだけのようです。それでよく、ここまでたくさんの木が生えているなあ。逞しさに感服です。一の峰は展望も良かったのですが、「三くらいまで頑張る?」とお昼を食べずに次を目指しました。

釜ノ沢五峰

一の峰〜。右側が切れ落ちてますよー

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

気持ちがいいのでちょろっと休憩

釜ノ沢五峰

低山歩きに最高の日よりだね?

ちょっと歩くと<子兵重岩 展望台・くさり場>の案内板があります。展望台、の文字が気になって行ってみると、そこ(子兵重岩?)が二の峰でした。ここからの景色があんまり気持ちいいし、お昼を食べるのにちょうどいい広さだしで、頑張るのはここまでと座り込みました。一の峰ほど切れ落ちてはないし(とは言っても端に寄ると危ないですよ)、足を伸ばすと空中に足を投げ出してるみたいで気持ちいい〜。眼下の山々は春の若い緑に萌えていて、アクセントにぽつんと大きな岩がありました。

釜ノ沢五峰

えっ三?と思ったのですが、真ん中の棒は消してあるみたいです

釜ノ沢五峰

この展望ですよ〜。大ご馳走じゃないですか!

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:上の写真の一部拡大。風景のアクセントになっていた大岩です。このときはわからなかったけど、今日のコースの最後を飾る「兎岩」でした/右:お昼は週末に焼いたパンに、蒸しキャベツ・ツナ・新玉ねぎを粒マスタードで和えたのと目玉焼きを挟んだもの。デザートはフルーツゼリー。ゼリーの冷たさが美味しい季節になりましたねー。

釜ノ沢五峰

足を宙に投げ出して

日焼け止めをしっかり塗って、日向の岩の上でのんびり過ごします(それでもきっと、焼けたな……)。暑くもなく寒くもなく、ときおり吹く風を気持ちよく感じる、最高の日和。そのまんま昼寝でもしたくなりますが、まだまだコースの前半戦。重い腰をあげて先を続けましょう。二の峰から鎖を使って下り、ときどきロープが張ってあったりもする道を辿って三の峰へ。こちらからの展望もなかなかですが、二の峰のほうが広々していたからお昼休憩をあっちにしたのは正解でした。

釜ノ沢五峰

三の峰からはこんな感じ

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:こっちはちゃんと、三の峰/右:四の峰。だいぶ木に囲まれてしまいました

三の峰はちょっと下の道まで戻って先を続けたのですが、ちょっと行くと「三の峰クサリ場」の案内板が出てきました。上から直接下りることもできたんですね。小さく登ったり下ったりしながらの〜んびり先を続け、四の峰、五の峰と通り過ぎます。四と五はあまり展望がありません。特に五は「なんでここが峰? 道の途中でしょ?」ってくらいでした。が、その少し先に、ちょっと小高くなっている場所があります。ここは伐採しているのかな? 視界がいきなり開け、両神山や二子山が望めました。

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

五の峰。ご覧のとおり、展望なしです

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:これも名前不明だけどカワイイ花ですね/右:フデリンドウ?

釜ノ沢五峰

おおっと、今までと違う方面が一望!

釜ノ沢五峰釜ノ沢五峰

左:両神山〜♪/右:二子山〜♪

釜ノ沢五峰

この日はこんな、気持ちいい光景が盛りだくさん

≪つづく≫

2009.4.29(Wed)_2

≪つづき≫

般若山

おっと、開けた場所に出ましたよ〜

お船観音、写真では見ていましたが、やはり来ないとこの高度感は実感できません。ひゃー、怖いっ。左側がすっぱり切れ落ちていて、足もとがぞくぞくします。下まで何メートルあるんだろう…。でも、岩の下に作られた道を歩くのもツマラナイ、と思ってしまうのですよねー。ですのであまり端に寄らないように注意して(怖くて寄れませんって)、岩の上を歩いていきます。風も無かったし、滑りやすい岩でもなかったので、慎重に歩けば大丈夫。

般若山般若山

お互い、嬉しそうな顔してるねえ?>おいちゃん

般若山

お船の先っぽに向かって歩きます

般若山

尖りの武甲山が大きく見えました

般若山

はるか眼下には出発点(?)の里が

般若山

お船観音、カッコいい〜。ロケーションの勝利ですね

般若山

見て、この切れ落ち方!

般若山

ぽこぽこの稜線は、これから歩く釜ノ沢五峰かな?

お船観音を堪能した後は、大日如来の像がある奥の院へ。これまた鎖のかけられた岩の上にあります。上部には一応手すりがついているのですが、この手すりがぷるぷる震える心許ないもので、あんまり安心感を与えてくれません。この奥の院が、私はお船観音より怖かった……! というのも、とにかく頂上が狭いのです。岩窟の中に納まった大日如来様の「全体を撮りたい〜」と一歩下がったら、もうそのまま落ちてしまいそうな感じ。おいちゃんと位置を入れ替えるのにも緊張しました。

般若山般若山

左:奥の院の下のほうは岩をよじ登ります/
右:上部には心許ない手すりアリ

般若山

岩に守られた大日如来さま

般若山

よいお顔してますね〜(Kおいちゃん撮影)

ここから下りるのもちょっと怖くて「大日如来様、お守りください〜」と呟きながら、慎重に岩に足を置いていきます。まぁ「これで落ちたらよっぽど神様怒らせてるってコトだよねー」とか軽口もたたいていたんですが―――この日記を書くにあたって法性寺のコトをググっていたら―――実は私ら、拝観料を払ってなかったのを知りました。「納経をしないで観音堂や奥の院に行く場合は300円の拝観料」が必要だそうです。

ぎゃっごめんなさいごめんなさい! 全っ然、気付かなかった。どこで払えば良かったんだろう……。次に行くときは必ず払います。罰を当てないでくれてありがとう!(て、300円で大けがさせるような神さまはどうかと思いますけどねー)。ところで、奥の院は「岩舟山の頂上」だそうですが、岩舟山なの、般若山なの? ここは?

奥の院で前半コースのハイライトは終わり、と思ったのですが、この後も道は小さくアップダウンを繰り返し、なかなか素直に下らせてはくれません。小さな橋を渡ったり、つるつるの落ち葉で滑りやすい道をロープ頼りに下ったり、なかなか楽しいではないですか。山桜が散ったばかりらしくときどき道がピンク色になっていたり、見上げれば紅葉の薄い葉っぱが日光に透けていたり、スミレやらイチゴ系の植物やらが花を咲かせていたり……。低山なのでもっと寒い時期に来るつもりだったけど、今の時期にズレこんでしまったのは、かなり当たりだったかも。

般若山般若山

左:梯子が道になっています/右:木洩れ日が気持ちのいい気候

般若山般若山

左:奥の院の後には鉄塔が3つ出てきます。これがいい目安になりました/右:傾斜はそれほどでもないのに、落ち葉の下が一枚岩なのか、やけに滑りやすかったトコロ(トラロープ、見えるかな?)

般若山般若山

左:ザ・スミレかな?/右:葉っぱからして、クサイチゴ?

般若山

一枚岩の上を水が流れていきます(中央の道みたいにみえるトコロが、川です)

般若山

大きな岩がたくさんある山なんですねー

途中、「亀ヶ岳展望台」の案内があり、ちょっと道を外れた場所から亀ヶ岳が大きく見えます。亀にも見えるし「イグアナじゃない?」「顔の辺りは猿っぽいよ」「バッタにも見える」。人間の数だけ、名前がつきそうです。第1〜第3鉄塔を通過し(コース上にチェックポイントが複数あるのはいいですねー。弾みがつきます)、コースの終わり頃にやってくるのが“雨乞岩洞穴”。祠があって、その後ろに洞窟がぽっかり口を開けていました。入口は這わなきゃ入れない大きさですが、中は大きな空間が広がっているのかな? 雨が降ったら困るので入りませんでしたけど。

般若山

亀ヶ岳。何に見えますか?

般若山般若山

雨乞岩洞穴。祠の後ろにちろっと入口が見えてます

あちこち寄り道をしまくって、長若山荘に戻ってきたのは11時前。10時半くらいから「おなか減った〜」と2人で合唱していましたが、お昼は展望のいい場所まで我慢です。ので、すぐに後半の釜ノ沢五峰のコースに入りました。一度出発点まで下ってきたので、またひたすら登ります。累積標高差、けっこうあるんでない? 特にコース入口から一の峰までは、なかなかの急登でした。

≪つづく≫

2009.4.29(Wed)_1

昭和の日な今日は、Kおいちゃんにお願いして釜ノ沢五峰に連れて行ってもらいました。おいちゃんちからは遠くない釜ノ沢ですが、私の家からおいちゃんちまでがまず遠い! ので、4時起きし始発電車で出発です。おいちゃんちの最寄駅に着いたのが7時過ぎ。車で拾ってもらって、秩父小鹿野町にある札所32番の法性寺を目指します。カーナビ頼りで法性寺付近まで辿りつき、手前の分岐で出発地点の長若山荘に向かいました。

事前にインターネットからプリントアウトしてきた地図には、この長若山荘の辺りに“P10台”の文字があったのですが、付近を見回してみたところ、どうも停められるのは長若山荘の私有駐車場らしい……。車を入れて、ちょうど家の玄関から出てきた方に、駐車の許可をいただきます。後半歩く釜ノ沢五峰はこの山荘のご主人が個人で整備された道ということもあって、ハイカーが来るのに慣れてらっしゃるのか、快く承諾してくださいました。

長若山荘里の桜

左:長若山荘(宿泊所は別ですよ)/右:里は花盛り

靴紐を結びなおしてまず向かうは、法性寺。車でやってきた道を分岐まで引き返し、今度は寺への道を取ります。舗装道歩きですが、ほとんど車は通らず、のどかなものでした。歴史ありげな立派な日本家屋が点在し、道端には春らしく小さな花が彩りを沿え、笑っちゃうくらい賑やかに小鳥が囀っていて―――こうゆうのなら、舗装道路も悪くない。小さな神社を通り過ぎてからすぐ、道の左手に楼門が見えてきました。これまた由緒ありげです。

法性寺

うぉう、いい雰囲気だなあ〜

法性寺

扁額は「般若山」? 「若」と「山」はわかるんだけど

お寺の前には、立派なトイレ(水洗・紙あり)がありましたので、トイレ休憩をして心置きなく出発しましょう。……とは言ってもやけに絵になるこのお寺。山門から写真撮影で足を止めてばっかりです。楼門両脇には赤い肌がステキな阿吽の仁王像。上は鐘楼。門を入ってすぐに六人のお地蔵様。石段を登ったところに本堂があり、般若の面がかけられていました。この辺り、地名が“般若”なんですよね。何かいわれがあるのでしょうか?

法性寺法性寺

仁王さまs。右側の阿形像、某お笑い芸人に似てる……

法性寺法性寺

左:六地蔵様。右側のお地蔵さまたちは、顔が削れてしまっています/右:階段を登った先には……

法性寺

般若〜。こうゆうのがお寺にっての、面白いですね

本堂を通り過ぎ、苔むしたいい雰囲気の道を辿ります。山肌にはツツジが鮮やかに咲いていました。足もとは岩を削って足を乗せる場所を作ってある感じ。ここだけで「ああ今日ここを選んだのは正解!」な気分になります。少し登ったところに、観音堂がありました。靴を脱ぐのが面倒でお堂には入りませんでしたが、裏手の洞窟にはお地蔵さんが並んでいます。う〜ん、この雰囲気も好きだなあ。

法性寺

法性寺

なんて苔が豊かなんだろう。ただただ、ため息

法性寺法性寺

観音堂

法性寺

その裏手

観音堂の後は「奥の院へ」の案内に従い、岩の間をくぐって奥に進みます。岩の上にはほおの木が、緑の日影を作っておりました。龍虎岩に寄り道し(中に小さな祠あり)、月光坂を登っていきます。観音堂裏手の洞窟みたいな場所がまたあり、ここにもお地蔵さんが並んでいました。ここから、お船観音までは、すぐ。

法性寺

岩の上にもお地蔵さま。舳先に立っているみたい

般若山

この岩の隙間を通っていきますよ〜

般若山

見上げればこんな。新緑がたまりません

般若山般若山

左:龍虎岩の中の祠/右:龍虎岩から外を見たところ

般若山般若山

左:龍虎岩へ登る鎖/右:岩以外の道はのどかですよ

般若山

岩を刻んで作られた階段。ああホント、いい雰囲気

般若山

洞窟に並ぶお地蔵さまたち。相当古いんでしょうね。頭が落ちてしまったお地蔵さまに、新しい頭が据えられていました。……けど、ね、もうちょっとね。雰囲気とかバランスとか考えようよぅ

≪つづく≫

2009.4.26(Sun)

今週も自宅で停滞の週末でした。雨の土曜日は、まず先週のリベンジでミニ食パンに再チャレンジ。今週は順調に発酵を重ね、さて出来上がりは……。見た目は大差ないですが、味は大違いでした。生地のキメが細かくて柔らかい。でも本に載っているパンほど、ふんわりと膨らんでいないのよね〜。何が悪いんだろ? 今回の出来でも食パンとは呼べないかも知れませんが、私は今回ので満足なので、次回は違うタイプのを作ってみるつもりです(←これだから極められないのよね)。

今週のパン今週のパン

これで、私は満足です♪

午後は神保町の山の店へ。春山セールが目当てだったのですが、結局買ったのは春山セールの特価品とは関係のないものばかりでした。さかいや巡りをして、ICI石井スポーツに行って―――。しかし山の店にしばらくいると、適正価格の感覚がおかしくなってきます。えっこの薄いシャツが1万5千円? このインナーが8千円? このアウターが3万円?

……というのを続けていると、3,500円のTシャツ見て「安っ」と思うようになってしまうのです。待って普段そんな高いTシャツは買わないでしょ?という声と、でも素材とか機能が違うのよーという声が心の中でせめぎ合い、でも結局散財欲求には勝てず……。この日は帽子とUVカットの長袖シャツをお買い上げ。せいぜい使って元を取ることにします(そしてまた遊興費が増えるのだ)。

土曜とは打って変わって―――。余談ですがこの言葉を使うたびに思い出す話があります。小学校で「“打って変わって”を使って文章を作りなさい」という問題を出したら、その回答に「私の兄は麻薬を打って変わってしまった」というのがあって、違うんだけど間違いじゃなくて……という話。妙にツボでしつこく覚えています―――。閑話休題。打って変わって晴れ上がった日曜日は、チャリで出かけました。すごい、4月は毎週末チャリを使っているよ!(←今までいかに使っていなかったかって話なんですけど)。

晴れて気持ちのいい陽気ではありますが、風がぴゅーぴゅー吹いています。ときどき横風に煽られるので、ゆーっくり走って約30分で多摩川に到着しました。今日の目的は「タマサイ」こと多摩サイクリングロードを走ることです。……が、初っ端から川辺の道には「自転車乗り入れ禁止」の文字が―――。仕方ないので押して歩きます。ずっと前に散歩できたことはありますが、改めてみるとなかなか気持ちのいい場所ではないですか。緑がずーっと続き、花が咲き、川上には遠く奥多摩の山々が見えています。

多摩川

の〜〜んびりの、風景

気候がいいので、人も多いです。散歩や体操をしている人もいるし、ベンチの上で寝ている人も、バーベキューをしている人もいます。河川敷にはグラウンドがたくさんあるので、アメフトや野球やサッカーをしていました。自転車禁止エリアが終わったのでチャリに跨り……ところで私の走っているココは、多摩サイで合っているのでしょうか? 多摩サイは有名らしいので、行けば看板とかあってすぐにわかるだろうと思っていたのですが、砂利道が続き走りにくいコトこの上ない。パンクしないよな……とそろそろとチャリを走らせます(後で調べたら、ここは多摩サイの中でも悪路と書いてありました)。

恐る恐る(ま、でもそのスローペースのおかげで景色を楽しみながらのんびりと)自転車を走らせ、二子玉川までで折り返します。家から多摩川までの距離と多摩川沿いを走った距離が同じくらいってのもアレですが、来たのと同じ距離を引き返さねばならないコトを考えると、今はこの辺が適当な距離でしょう。橋を渡り土手の上の細い道(こっちは舗装されている)を走ります。う〜ん、景色は上流に向かって走るほうがいいなあ。山々にどんどん近づく感じがして。下流に向かっては、川崎?のビル街に向かっているようで今イチ心が躍りません。

マイチャリお八つ

マイチャリと、お八つのパン

しかしやはり平坦な道路は楽です。多摩川を離れる前にちょっと休憩を入れ、腹つなぎに持ってきたお八つをパクつきます。鶏肉とキャベツのバジルソース和えを、手作りパンに挟んで。なかなかウマし。しばしぼーっと周囲の人たちを眺めて休んでから、自宅への道を取りました。多摩サイを、ずーっと遡れば府中やら調布やらまで行けるのですが……そこまで逞しくは、なれないだろうなあ。家に帰ったときにはけっこう足が張っていましたもん。でも、次回は小田急線にぶつかる辺りまではガンバってみたいです。

2009.4.19(Sun)_2

今シーズン最後の試合、『世界フィギュアスケート国別対抗戦 2009』を見ております。以下、見ながらの感想垂れ流し。

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あ……日本にペアの選手いたんだ……。経歴見るとこの試合のための即席ペアではないようだけど、知らなかったわ。それにしてもこのペア、男女で実力差がありすぎるんじゃない? エッジの深さが全然違うのが、素人目にも分かるくらいだもの。日本の女子は海外で外国の選手と組んで活躍する例があるのに、やっぱ男子の選手がいないんだなー。国別対抗なのに、男性はカナダ人なんだものね? 残念です。

こないだっから目覚めたアイスダンスですが、これも日本選手がいるって感じはないなあ。リード兄弟はねえ…。喋るのも英語の彼らを日本選手って言い張るのはムリがある、と思う。彼らだって別に日本に思い入れはないんじゃない? ベルビン/アゴスト組はホントに絵になるなあ。芝居っけたっぷりで、こりゃ日本選手が出てきても太刀打ちするのは難しいかもね。演技力抜群の選手が出てきてくれたら応援するんだけどなあ。ヴァーチュー/モイアは振り付けが面白い。こっちは青春映画!って感じ。

やっぱ織田くん好きだー。ショート、最高! 4回転はなかったけれど、でも私はたくさん回る人よりキレイに飛ぶ人が好き。彼のジャンプはどれも余裕あってキレイでした。小塚くんは出だしのジャンプはキレイだったのに、その後の演技はぼろぼろでしたね。しかし選手が成功しても失敗しても、解説の佐野稔がおかしい! 「団体戦はイイですよね〜。上手くいけば一緒に喜べるし、失敗しても慰めてもらえるし!」って、ホント羨ましそうに、何回も何回も言っていました。あはは、よっぽど仲間が欲しかったんだなあ。

男子で1位になったライサチェクは、手足が長すぎて気持ち悪くてあんまり好きじゃないんだけど、ショートのボレロは良かった。最近気になる(←遅いよ!)ジュベールのショートも良かった。あんなに軽々と4回転飛んじゃうんだもん。しかもその後連続の3回転! いつだかの大会のエキシビションで「こんな楽しい演技ができる人なんだ!」って気付いてからは、彼のサービス精神溢れる演技が好きです。真面目すぎる選手はつまらない。

女子ではやっぱり、なんでロシェットがあんなにいい点が取れるのか分かりません。フリーのはいい演技だったけど、ショートは良くなかったと思うよ? アリーナ・レオノアのはじける笑顔とガッツポーズはカワイすぎる。この子はしばらく注目だな〜。浅田真央の、ショート演技終了の表情には涙が出ました。今までショートでの失敗が多かっただけに(それでもジャンプを1回失敗するくらいで、全体としては悪くないと私は思っていたのだけど)、今回の笑顔は嬉しかった。安藤美姫は試合の演技よりも、エキシビションの演技でビックリしました。こんなに演技力がついていたんですね〜。数年前に同じ曲で滑ったときより、断然良かったです。

そして最後に。フィギュアの放映を見るたびに毎回毎回言っているけど、注目選手以外をカットしすぎ! 注目選手のインタビューや見所、今までの大会での演技なんか入れなくていいから、少しでもたくさんの演技を見せてくれ。下手すると日本人の演技ばっかり2回も3回も流すのも、止めて欲しい。

2009.4.19(Sun)_1

珍しく2日続けてのお出かけ週末。出かける前に掃除と洗濯を済ませるつもりでしたが、ちょっと朝をのんびり過ごしてしまったので、洗濯は帰ってからにすることにして家を出ます。今日はチャリで代々木公園まで行くのです。家からは1時間くらい、とみていましたが、40分くらいで到着しました。こないだ乗ったとき、(もしかして)と思ったけれども、今回は確信しました。

私、脚力がちょっと、ついてる……!

これは、かなり嬉しいです。もともとが弱すぎたので、たぶん今やっと人並みくらいなんですが―――。だって前は、クロスバイクに乗っているというのに、ママチャリに乗ったおばさまに上り坂で追い抜かれていたんだもの! チャリで遠出をしようと思ってクロスバイクを買ったのに、全然乗っていなかったのはたぶんそのせいです。月に1度の山歩きの成果がこんなところで―――(感涙)。代々木公園までならまた行こうと思えるくらい、疲れずに到着したのがすっごく嬉しかったです。

んで着いた公園は人、人、人! 私もEARTH DAY東京のイベント目当てに来たのですが、予想以上の出店と人ごみでした。ちょうどお昼時だったので、シートの上にお弁当を広げている人たちがたくさんいます。その間を縫ってチャリ置き場にmyクロスバイクを置きに行くと、「どこから来たのか教えてください」とピンを渡されました。東京地図が貼ってあり、たくさんのピンが既に刺さっています。遠い人だと地図外からも。私が見ている間にも「横浜からです」って2人組が来ていました。うーん、レベルが違うぜ。

代々木公園

このピンのなかに私のも。
「けっこう走りましたね〜」と言ってもらいました

さて私の目的は、14:30からのホーボージュンさんのトークショーです。14時に待ち合わせをしていますので、会場の地図を見てトークショーのステージに向かいながら、美濃ちゃんにメールを送りました。時間もだいぶ早かったので、途中のステージを眺めたりお店を覗いたりします。が、どこもすんごい人! ゆっくりできる雰囲気ではありませんでした。人ごみを抜けてやっとケヤキ並木の端っこにつくと、J-WAVEのプログラムでステージ上ではハミングキッチンという2人組が歌を歌っていました。

代々木公園代々木公園

左:人、人、人!/右:こちらはメインステージ

代々木公園代々木公園

左:やっとお目当てのステージに。ハミングキッチンのお二人(男性の顔が隠れているけど)の曲でフラ(かな?)を踊っていました/右:流木(たぶん)で作られたゲート。「EARTHDAY TOKYO 20009」

それを横目で見ながら、美濃ちゃんとケータイで連絡をとります。「(美)ステージ前にいるよー」「(私)あ、そのステージじゃないから」「(美)ステージ前にいるよー」「(私)そこも違うよ……」。しまったこの人、すんごい方向音痴だった! 私自身も会場の地図を把握していなかったので、現地で連絡取り合えばいいやと思ったのが失敗でした。約束していた14時を過ぎ、14:30が近づきます。「(私)ごめんもう始まっちゃうから、何とか来て。頑張って」。

あ、あともう1つ失敗が。会場に来てプログラムを入手して初めて、私の聞きたかったトークショーは、11時からのものだったと気付きました。とっくに、終わっちゃってるよぅ。でもイイです。生ホーボーさん(旅人なライター。ブログはコチラ)のトークなのは間違いありません。トークのお題は「ホーボージュンVS村石太郎のパッキング対決」。村石太郎―――知らないなあ、と思っていたら、ぎゃっすみません! 『山と渓谷』で『山岳装備大全』をホーボーさんと交代で書かれている方でした。記事は何度も何度も拝見してます。物欲も掻き立てられています!

代々木公園

左端の村石さんが自分の道具を語っている間に、右端のホーボーさんは自分の道具を語ろうと待ちかまえている(笑)

こういったお2人の対決が、30分で収まるワケがありません。道具マニア同士が道具について語るんですよ? しかも「対決」と銘打って。あまりアウトドアに興味がないっぽい司会の方(←たぶんあんまりマニアックに走らないようにとの配慮なんでしょう)がさくさく進めようとガンバっていましたが、荷物を全部解いて、競争で詰めなおすって予定の半分も進まないうちに(なんせ荷物が半分も出てこなかった)与えられていた時間は終わってしまったのでした。ああん、もっと聞きたかったよぅ。1時間でも2時間でも!

ホーボーさんたちがステージから降りた15時に、やっと美濃ちゃんと逢えました。トークショーが始まってちょっとで辿りついたとのこと。ゴメン、けっこうな人出だったし、途中からステージ上に夢中になっちゃって気付いてなかったよ。おなかがかなり空いていたので、何か食べようと人ごみの中に分け入ります。何か食べてからこの喧騒を抜け、多少は静かであろう代々木公園とか明治神宮を散歩してもイイな〜とこのときは思っていました。けどまず食べるものを手に入れるのに苦労します。

EARTH DAYとのことで、この日の屋台は食器の回収システムを取り入れてました。それはイイんだけど、食器を借りるにも返すにも、長い長い行列ができています。会場をフラついてはみましたが、どうも列に並ぶ気になれず、結局また引き返して会場の外でMossのテイクアウトを―――。「私ら、イベントの趣旨に反してるよね」と言いつつまた人ごみを縫って代々木公園へ行き、芝生にシートを広げておなかを満たしました。もしまたこのイベントに来ることがあるなら、ちゃんとmy食器を持ってこようっと。

ステージ前にいたときは照りつける日差しで日射病になりそうなくらいでしたが、日陰でじっと座っていると肌寒くなってきます。周囲もうるさくなってきたので(人の頭上でフリスビーを始めやがったので)、私らもそろそろお開きにすることにして、またぷらぷらとイベント会場に引き返しました。屋台の終了時間も近く片付けに入っているところも多かったのに、最後まで人は多いままです。まぁコンサートは19時までやっているらしいから……。渋谷駅に向かう美濃ちゃんを見送り、私はまたケヤキ並木を引き返します。今日、この並木道を何度往復したんだろう……。

コンサート会場では最後の大トリ、喜納昌吉がライブを始めようとしていたので、ちょっと待ってみます。最初の曲は『花』。……周囲はかなり盛り上がっていたけど、私、あんまり好きな曲じゃないんだよな……。実際始まったらなんかスピリチュアルな集会みたいで気持ち悪かったし(←ファンの方、すみません)。ので、2曲目の沖縄っぽい前奏を背に、チャリ置き場へと向かいました。こんな人ごみに揉まれたのは久しぶりだったけど、まぁうん、楽しかった。それにしても1人で来なくてよかったです。

そしてまたチャリチャリと自転車を漕いで自宅へ。帰り道も快調でした。最後の坂ではやっぱりちょっとだけ歩いちゃったけど、ほんの10mくらい。代々木公園から帰るのは2回目ですが、「地獄の坂」呼ばわりした前回とは雲泥の差で、最後まで楽しく走れました。

2009.4.18(Sat)

“いい加減止めたい書き出し”第2弾で、今日も日記は始まります……(くすん)

今回も仲間に総フラれ、1人で伊豆へと行ってきました。行楽日和の週末のハズなのに、空がどんより重たいのは私の心の現われでしょうか。気温がだいぶ高くなってきたからか、ダイビングバッグを持った人の数も増えたような気がしていましたが、いつもの駅でTさんに迎えてもらったのは私だけ。あと前日から来ているビナさんという男性だけが、今日のゲストでした。私もビナさんも1ヶ月に1度はショップに顔を出す常連なのですが、ずっとすれ違っていたらしく、お会いするのはこの日が初めてでした。

ショップの前の海は、見たところ凪いでいました。「弱い東風が吹いているから西の方がいいとは思うけど、でも東でも潜れないコトはないよ」とのSさんの言葉に行き先を迷います。I.O.P.で最近目撃されているというネコザメの赤ちゃんが見られるというなら見に行きたかったのですが、それは必ず見られるものではないらしく、相談の結果、久しぶりに大瀬崎に行くことになりました。準備を進めているとTさんが声をあげます。「西で正解! I.O.P.は透明度2mだって!」。あはは、さすがに2mはイヤだなあ〜。

Sさん、Tさん、ビナさん、私の4人でお喋りをしながら西伊豆へ。着く間際になって眠気がこみ上げてきてしまいました。大瀬崎の施設は、今回は大瀬館マリンサービスのを使わせてもらいました。私は初めてかな。Sさんたちもずいぶん久しぶりの利用だそうです。空いていたおかげもありますが、キレイで使いやすい施設でした。ドライを腰まで着て、台車にタンクと器材を積み込み、向かうは岬の先端、大瀬神社。

大瀬崎

先端に向かって長い長い道を歩く。
大瀬崎の先端はパワースポットだそうですよ

大瀬崎大瀬崎

春ですな〜

大瀬崎大瀬崎

左:大瀬名物、ビャクシンの林/右:大瀬神社の鳥居を抜けて

大瀬神社に拝観料の100円を払い、奥へ。何度か来てはいますが、いっつもダイビングでなので、神社にお参りしたことはありません。今回も昔話に花を咲かせながら道端でセッティングを進め、さあ海へ―――というとき、Tさんが言いました。「何も言わないの?」。一瞬の沈黙ののち、Sさんがハッとしたように、「あっ、ブリーフィングか」。あはは、頻繁に潜っている人にはホントいい加減だなあ、Sさん。I.O.P.なんかだと「ま、いつもの感じで」で済ませちゃったりするもんなー。

大瀬崎

大瀬崎

大瀬神社。通りすがりに撮ってみました

この日もけっこういい加減でした。「最大水深は―――30mかな。俺は30mくらいにするけど、それより浅くにいてもいいし……深くてもいいし。好きにして」ですもん。ビナさんも「そんなブリーフィング、聞いたことない」と笑ってます。要は自分で管理しろってコトなんでしょうけど、普通はガイドより深くに行ってもいい、とは言われないですよね〜。「見えるところにいればイイから」だそうです。

さて、海へ。しかして私、小さな失敗をこの日は積み重ねました。まず1本目の潜降が上手くいかなかった……。いつもは潜降ポイントに着いた時点で、ドライに入ってる空気を全抜きするのですが、それを忘れました。おまけに前回水没したライトのチェックをしようと電池を入れずに持って入ったのですが、これが予想以上に浮く浮く。なので頭から無理やり潜ってしまいます。珍しく耳抜きが調子よくできる日だったので助かりました。

海に入ってどんどん深場へと向かいます。う〜ん、いつもなら圧巻の、キンギョハナダイが少ない気がするぞ。透明度は浅場で10m弱くらい。あまり目玉の生き物はいなくって、小さなアオウミウシやサギリオトメウミウシを見つけたくらいでした。深場になるとかなり良くて15〜20mくらい見えるようになり、サクラハナダイやナガハナダイが現れます。ナガハナダイは寄らせてくれないうえに、ぴっぴぴっぴと不規則な動きを繰り返すので、証拠写真がせいぜいでした。それでも後でSさんに「思ったより撮れてるね!」とお褒めの言葉をいただきました。

ふとダイコンを見ると、いつの間にか深度は30mを越えています。無減圧ダイブのできる時間も残り少し。そろそろ深度を上げようかな〜と思っていると、Sさんがベニケロを見つけてくれました。可愛いサイズなので、撮ります。撮ったところでさあ浮上、と思ったら、今度はビナさんがカニを見つけるではありませんか。これはアケウス? でも腕のぽんぽんが超カワイイ!

なんでDECO出そうなときに限って、面白い生き物が見つかるんだ〜! と思いつつ、カメラを構えます。んでこうゆう時に限って、モデルが逃げません。ポーズを決めてくれる(威嚇してたのかな?)ので、つい何枚か、粘ってしまいました。まぁここでDECO出ても浮上途中に消える程度だろうけどさー。やっと満足して、残3分を残して浮上開始。Tさんはまだ深場に残っています。後で聞いたらウミウシ御殿があったとのコトですが、なるべくならDECO出したくないんで仕方ない。私ゃ大人しく上がりますよ。

ダイコンをちらちら気にしつつ深度をあげ浅場に戻ると、やっと太陽が出てきたらしく海がキラキラ輝いていました。ああ、こうゆうの好きだなー。ここからのんびりエキジットポイントに戻ります。途中ヒレを前回にして気持ち良さそう〜に日光浴している小魚がいたので、一応の証拠写真を撮りました。ら、けっこうレアものだったとのコト……。しまったもっと粘ればよかった。

ネンブツダイの子供の群も気持ちよかった。群の向こうにTさんが泳いでいたので、群とダイバーのシルエットを一緒に撮ろうとしたのに、自分が邪魔だと勘違いしたTさんが逃げる逃げる。結局、まともな写真は撮れませんでした。上がる間際の浅瀬ではウミフクロウが出てきましたが―――もう足の届きそうな浅場で潜っているのはちょっとツラいってば〜。

エキジット後はまた台車をゴロゴロ転がしながら長〜い道を帰り、大瀬館に戻ります。2本目のセッティングをして、着替えてからのお昼は1Fの『海プラザ』で。注文してから料理が出てくるまでの時間が少し長めでしたが、味はなかなか美味しかったです。私の頼んだ大瀬丼は、おまけにイクラも入った鮪丼で、胡麻ダレが効いていました。冬の寒い時期には鍋焼きうどんもあるし、のんびりできるときならまた来たいな。つか、大瀬は空いている時期しかこないだろうけど。

大瀬崎大瀬崎

左:今日のお昼、大瀬丼/右:大きな鯉のぼりが翻っていました

2本目は外海の大川屋(大川下?)。ゴロタを越え、砂地を渡ります。最初はやっぱり何にもいなくって(こりゃ砂地の外れパターンかな)と思ったのですが、砂地を渡りきってまたゴロタに入った辺りから、俄然面白くなってきました。まずSさんが教えてくれたガーベラミノウミウシを皮切りに、次々といろんな種類のウミウシが見つかります。ガーベラは大きかったけど、他はどれもミニサイズで可愛らしい。ビナさんは1人の世界に没頭しているし、私とTさんはお互いの見つけたウミウシを教えあって遊んでいます。先頭を泳ぐSさんは「誰もついてきてくれない……」とボヤいていました。

予報に反して、お昼には出てきてくれていた太陽がまたもや引っ込んでしまいましたし、水温もまだ13度。40分を越えると寒さが身に染みてきます。しかしまたそんなときに限って大物が出てきてしまうんですよね〜。なんとなく後ろから不穏な雰囲気を感じて振りかえると、Tさんが興奮してライトを振り回していました。何? Tさんの指先を見ると―――サメだあ♥ 正体は分からないながらも、怖いサメではないので近くに寄ります。デカい! あんまり近づきすぎるとカメラに入りきりません。

私の身長と同じくらいある体全体がぎりぎり入る距離で、腹這いになってカメラを構えます。が、顔に向かってフラッシュを焚いたのが気に入らなかったのか、数枚撮ったところですーっと泳ぎだしてしまいました。どこに行くのかな〜と見ていると、そんなに遠くないところでまた落ち着き、今度はばふばふと砂に潜り始めます。あはは、見えてる、見えてるってば。しばらく行動も観察して満足したところで(ところが後でコロザメ疑惑が浮上。真上からの写真が欲しかった……と文句を言われました。いろいろ調べた結果、たぶん、カスザメ)さあSさん、もう上がろうよ!

その後は幸い、珍しい生き物が出てくることもなく、スムーズにエキジットできました。ああ寒かった〜。大瀬館には裸で入るお風呂もあるのだけれど、お昼がゆっくりで時間もなかったので、器材を洗って着替えた後はすんなり東へと帰ります。お喋りしながらの〜んびりログ付けをして、久しぶりにかなり遅い時間になりました。ビナさんは車だったので、私はまた1人で帰途へ。熱海から嬉しいボックス席に座れたので、駅弁を食べ食べ旅気分で帰りました。久しぶりの大瀬崎、楽しかったな〜。

実はそろそろ記念ダイブなので、今年はちょっといろいろ計画中。休みが取れて、実現しますように……。

2009.4.16(Thu)

用事があったので田舎に電話をかけました。最近は給付金詐欺とかばかりが取り上げられ、オレオレ詐欺の話題が下火になってきている感があるので、親が引っかからないかついでに実験してみます。「もしもしー。わたしー」「ああ、おはよう」(←ってこの時点でダメじゃん!)「あのさー、会社のお金使い込んじゃったんだよね」「えっ嘘っどうしたのっ?」「……だからお米送って……」。「何があったの? だからって何がどうして?」。

……あのー。今まで、自分たちはオレオレ詐欺には引っかからないと豪語してませんでしたっけ? 危なすぎます。おまけに金じゃなくて米を送れと言っているのに、会社のお金を使い込んだって嘘を嘘だと気付いてない……。ちょっとふざけただけだったのに、マジで不安になってきました。

やっと事情を飲み込んだ母に文句を言うと「だって声があんたの声だったから」。って声なんか当てにならないってばよ! おまけに「To-koはお金の失敗はしないから、そういう話題が出てくる時点で変だってコトはすぐわかる」と、さんざ言ってませんでしたっけ? ―――全っ然、信じてないじゃん! 正直、かなりショックをうけました。

今度は妹にやらせてみます。

2009.4.15(Wed)

宮嶋康彦『だからカバの話』読了。日本にいるカバの血統、歴史を丹念に描いた正に“異色のルポ”なのだけど―――すごく面白かったのだけど―――なぜカバなの? 「だから」ってどこから出てきたの? どうしてこの人はこんなにカバに寄り添おうとしているの? この執着は、愛は、どこから来ているの? 読み進めば進むほど疑問が渦巻く不思議な本でした。

私、動物園って、昔からちょっと苦手なのですよね。最近の動物園はいろいろ工夫して考えているそうなので、一度行ってみたいとは思っているんですけど。動物は好きなので行けばそれなりに楽しんでしまうんでしょうけど。子供の頃の“檻に入れられた動物”の印象が未だに根強く残っているのです。それを見るのは、なんだかやっぱり落ち着かない。

水族館は、好きです。たぶんそれは子供の頃の私にとって、魚が水槽に入っているのがしごく当たり前のものだったから。「こんなところに閉じ込められて」な印象を抱かなかったからでしょう。でもダイビングを始めてからは、思うものはあります。「この魚は普段こんなところにいないのに……」「これとこれを一緒にしていてストレス感じないのかな……」「このライトアップはヒドすぎる!」。それでも最初に“好き”と刷り込まれたからなのか、水族館は今でも好きなのです。

なんだかな。飼育員さんたちはもちろん一生懸命にやっていらっしゃるのでしょう。動物たちに愛情も持っているのでしょう。でも、だから許されるの? 私の知らなかった、想像もしなかったもっとドロドロした部分までこの本にははっきりと書いてあって。そういう情報と、動物園にも行ってみたいなという自分の感情とが、ぐるぐる渦渦しています。なんだかな。

2009.4.14(Tue)

正月休みに田舎で一緒にだらだらしていたmapちゃんが、「あたし、最近、安居にイラつくんだよねー」とポツリと漏らしました。それに飛びついたのが我が家の女3人組(母、私、妹)。「あ、あたしも!」「あたしも!」「自分だけが可哀想な目に遭ったと思い込むの、何とかして欲しいよねっ!」。あの盛り上がりの記憶も薄れかけた昨日、妹と私の間で同じ話題が再燃します。

「安居っ!」「ここまで堕ちるかよ……」「悲惨な体験をしたのはわかるけどさー。安居だけじゃないじゃん」「打たれ弱いよね」「マドンナが釘を刺したじゃん? ちょっとスッとした」「涼も甘やかしてんじゃないっつーの」。「汚い……」と泣き出した時点で「まぁナイーブ〜〜」と目玉をぐるりと回したくなりました。あの台詞じゃあ、秋ヲが言ったように純粋培養されてたんだなーと納得しちゃうよ?

たとえその後、どんな悲惨な運命が待ち構えてたとしても、それまではエリート意識ばりばりで威張っていたじゃん。目的を疑わず、迷わずに生きてきたんじゃん。だから弱いんだけど。江古田ちゃんの「お前は逆境慣れしてていいよな……。逆境慣れしてるお前に、今まで逆境に遭ったことのない俺の気持ちが分かるかよ!」とキレた男のエピソードを、思い出したわ。

さてあそこまで行ってしまった安居は、迷宮から抜け出すことができるんでしょうか? ベタな展開しか思いつかない私の想像力では、いろいろ会って少し変わりそうな安居→そこに襲ってくる危機→誰かを(たぶん花)助けるつもりもなかったのに体が勝手に動いてしまって身代わりに崖から落ちる安居→落ちていく彼の視界には青い空と茂の笑顔が→ああ、茂だ……。安居の顔には微かな笑みが……暗転。くらいしか、思いつかないんですが。

ホンっトにベタすぎてイヤんなるから、ハッタリ女王様の力に期待したいところです。とりあえず、夏のAチームと要の再会をどう展開させてくれるのか、そこが楽しみ。

ところで花が「ひどい映画」として思い出すアレって、小松左京の『復活の日』ですよね? あのシチュエーションは覚えてるんだけど―――そんな、話だったっけ? もう少し女性の自由意志を尊重するような書き方してなかったっけ? ストーリーに合わせて映画の内容をアレンジしただけなのか、それとも映画では原作より生々しい扱いになっているのか、はたまた「そんなキレイごと言ったって結局は性欲処理のための子を産む機械扱いでしょ!」と田村由美が引っかかったのか、なんだかすごく気になります。

以上、田村由美の『7SEEDS』の話でした。未だにこんな話で盛り上がる。

2009.4.12(Sun)

遊びだけでなく、生活もちゃんとする!という年頭の目標を全然守れていなかった1〜3月でしたが、春になって暖かくなったせいか「これじゃいかん」という気持ちがむくむくと湧いてきました。いや、気持ちだけは前からあったか。気持ちに、体がついてくるようになりました。と言っても、私のことですから程度が知れています。土曜日は昼まで寝て(←ほらね)、ちょろっと家の仕事を片付け、外へ。何も用事はなかったのですが、あんまりいい天気なので籠もっているのがもったいなくなったのでした。

向かった先は前々から気になっていた近所の公園です。ちょっと歩いていくには遠いな〜って場所に、池のある公園があって、手漕ぎボートやスワンが浮かんでいるのは知っていました。ええ、引っ越したときからだから4年以上前からですね。車で近くを通るたび「あっそうだ、この公園、まだチェックしてなかった!」と思うのですが、すぐにまた忘れてしまって早4年です。今日はあそこに行ってみよう。あまりに使わな過ぎてタイヤの空気が抜けちゃったチャリにも、先週末に空気を入れたばかり。さあ行こう。

走ること……15分くらいだったかな?(こんなに近い場所に来るのに4年もかかるとは!) 公園に到着しました。公園のほとんどが池で、周囲をぐるっと回ると1kmちょっとあるそうです。ちょうどいいので駐輪場にチャリを停め、ぷらぷらと歩き始めました。桜は、ほとんど終わっちゃってますね。でも陽気が気持ちいい〜。お花見シーズンだからなのか常設なのかは分かりませんが、屋台もたくさん出ています。遅めのお昼を食べたばかりでなかったら、買い食いに走ってしまったかも。

公園

枝垂れ桜は残っていました

公園

ふむ、なかなかいい雰囲気ではないですか

神社もあって、猿回しもやっていて、なかなか賑やかです。なんだか小型の井の頭公園って感じですね。弁天様もいたし、お花見広場もあったし。花は見頃を過ぎていても、シートを敷いて盛り上がっているグループでいっぱいでした。先週はもっとスゴかったんだろうなあ。私はなるべく静かな場所を選んで、花を眺めたり池の中の亀を眺めたりしながら、ぼんやりと過ごしました。夕方の気配がして、空の色が変わり始めた頃、またチャリに跨って帰宅。

公園公園

芸もトークもなかなかでした。拍手!

公園公園

ちょっと都内とは思えない雰囲気

公園公園

亀がいたり、鳥がいたり

公園公園

左:葉桜も好き〜/右:シャガ、かな

日曜日は働きましたよ〜。洗濯、掃除をして、衣替えをして、去年の固くなった土が入ったまんまだったプランタをひっくり返して土を入れ替え、新しい植物を迎え入れる準備(今年は青虫の餌やりに終わりませんように!)。パンを焼いて、お弁当の仕込をして。自堕落なときは最低限の洗濯と掃除くらいしかできないので、久しぶりに自宅で有意義に過ごせた気のする週末でした。

パン惜しむらくはパンの出来かな。焼き上がりを「フランスパン?」と聞かれましたが、違うの、今日はミニ食パン作るつもりだったの。本当ならこの倍は膨らんでいなくてはならなかったの。原因はたぶんわかっています。最初に粉に投入したぬるま湯が、ぬるくなかったからです。熱すぎた。これでイースト菌の元気がなくなっちゃったんじゃないかなあ。1次も2次も発酵が足りなかったし、釜伸びもしてくれませんでした。これはまた、リベンジしなくちゃ。

2009.4.6(Mon)

今年はこの道を通うコトはないと思ってたんだけどな。やっぱ今年も満喫することになるみたい。ま、せめてもの楽しみです。

桜並木

電線が邪魔だなー。青い空に桜の色が映えているのに

桜並木桜並木

どこまでもどこまでも続いていきそうで。
夜にこの道を歩くのも、また楽しいのです

桜並木

この季節、すれ違う人たちはみんな上を向いて歩いていて、
「キレイですよね」と誰彼かまわず声をかけたくなってしまう

去年は同じ場所からの桜日記を3月に書いてます。今年は開花宣言が出てからなかなか開かなかったからな〜。でも、もともと入学式が桜の時期でしたよね?

2009.4.4(Sat)_2

≪つづき≫

本当に久しぶりの高尾山なので、ここからしばらくは観光です。山頂のビジターセンターを見て、舗装された広い道路を歩いて、薬王院へ。土産物屋が軒を連ね、こりゃ山の上にいるってのを忘れるくらいですねー。おそらくケーブルカーで登ってきたのであろうおばさまsが、お御籤売りさんに「山頂には何があるんですか……(←何もないならもう登りたくない!という雰囲気ぷんぷん)」と息も絶え絶えに聞いていたので、ちょっと笑っちゃいました。ああ、ホントに山だと思われてないんだなぁ、高尾山って。

高尾山高尾山

ちょっと場所がハッキリしないのですが―――
左が富士浅間社で右が奥の院だったかな?

高尾山

梅? 桃? この辺りには濃い桃色の花が咲いてました

高尾山高尾山

おやん? なんだか派手な建物が現れましたぞ

高尾山

飯縄権現堂(ご本社)ですね

高尾山高尾山

両脇を護るは天狗さまたち。左が烏天狗、右が大天狗

高尾山

福徳稲荷社。お社に小さく白く並べられているのは狐たちです

高尾山高尾山

狛犬さんs。後ろの斜面に並んでいるのは三十六童子の像

高尾山公式HPには「薬王院は今から約1200年前に開山された真言宗の寺院で、正式には「熹山薬王院有喜寺」といいます。現在は成田山新勝寺、川崎大師平間寺とともに真言宗智山派の三大本山として広く知られています」 とあります。さすがは三大本山で、お寺は相当立派で敷地も広く、ぐるっと一通り見て回るだけでも、けっこう時間がかかります。

高尾山

薬王院ご本堂

高尾山

像もお面も、左側は烏天狗(小天狗)さま

高尾山

右側は大天狗さま

高尾山高尾山

仁王門にも天狗さまたち。こちらは愛嬌のある顔立ちです

せっかくなのでお御籤もひきました。Yも私も大吉! ただ、こないだに引き続き「人のためになることをすると良い」と諭されてしまいます。人のため……。向かないなあ。最近、たいへんなコトの続いている友人に開運のお守りを買ったり、ぶどう酢のソフトクリーム(酸味と甘みが歩いた後の体に嬉しい!)をなめたり、ご本尊を護っているという天狗たちに挨拶をしたりしているうちに、なんだかここはもう駅の近くのような気がしてきちゃいました。いや、いやいや。まだ歩くよー。

高尾山高尾山

左:ぶどう酢ソフト。うま〜/右:あっちにもこっちにも天狗さま

たこ杉を眺め、さる園・野草園を通り過ぎた辺りで、びわ滝のある6号路に通じる小道を取ります。○号路となっている道は整備されていましたが、間を繋ぐ道はそうでもなく、いきなり山道っぽくなりました。すっかり気分が緩みきっていたので、足が滑らないよう注意して急な坂を下りていきます。しかし山っぽくなったとはいえ、あの混雑の山頂から続く道です。静かには歩けませんでした。中でも後ろからついてくる家族連れが癇に障って―――つい逃げるように足を速めてしまいました。確かに高尾山はアクセスもよく、子連れには向いた山だと思います。子連れで山に来るのは構いません。ただ、お願い。山でやっていけないコトは、親がちゃんと教えてやって……!(この家族は親からして山を知らなさそうだったから、無理か……)。

高尾山高尾山

左:1号路は整備され舗装までされていました/右:たこ杉。
実際見たときは思わなかったけど、こうして人と比べると大きいなあ

高尾山

この日最後の展望は1号路を離れる辺りだったかな。
こんな整備された山でも、街との間にはまだ山々があるんですね

高尾山高尾山

左:ねじねじの木/右:奥に細〜く見えるのがびわ滝

びわ滝では水垢離を取ることもあるみたいです。小さめの社がありました。ここから道は、また整備された歩きやすい道になります。何やら祭られている岩屋を過ぎ、しばらくゆくと大きな建物の脇で舗装道路にぶつかりました。道端にあった可愛らしい七福神や、朝よりも開いた感じのする桜を眺めながら歩くとすぐに、ケーブルカーの清滝駅。この辺りで、雨がぽつぽつ降り始めました。「予報より早いよ!」と文句を言いながら、お疲れ様の乾杯をする店を探します。おなかが空いていたら、何軒もある蕎麦屋でよかったんだけど。

高尾山

びわ滝の傍らのお社

高尾山

可愛らしい顔立ちの七福神さま

高尾山高尾山

左:清滝駅にケーブルカー/右:駅前には立派な桜が

なかなか店は見つからず、結局高尾山口駅の近くのイタリアンに入りました。店の前には有料(たしか\200)の足湯があって、傘を差しながら利用している人が何人もいます。私らはとりあえず、店の中へ。私はビール、Yはケーキとワインでお疲れ様の杯を合わせました。足湯は最近設置されたものらしく、メニューに「オープン記念で店の利用者は無料!」の案内が挟んであります。じゃあ入る? 私らが店を出ると、足湯の周りには誰もいなくなっていました。ラッキー。

高尾山お疲れさまの乾杯

左:空がど〜んより。よく見ると、やっぱまだ満開までには
間があるみたい/右:渇いた喉を潤して〜

ちょうど雨も止んでいましたので、しばらくまったりと足の疲れをほぐしました。お湯はちょっとぬるめ。足湯Yはこの後、春山セールをやっている山の店に行くと言うので、私も一緒に行こうかと思いましたが、財布軽量のためにポイントカードを置いてきてしまったのが発覚し(行くかも、と思って残したつもりだったのに……)、私は大人しく帰るコトにしました。ので途中駅でYとお別れ。

単独も楽しいけれども、やっぱたまには友達と賑やかに歩くのも、いいよなあ……。こうゆう機会を増やしたいもんです。

■日影バス停(9:35)→城山670m(11:20-12:12)→高尾山599m(13:12-13:44)→高尾山ケーブル清滝駅(15:51)

2009.4.4(Sat)_1

本当ならばこの週末は忙しくなるハズでした(いい加減やめたい、この手の書き出し)。土曜日は友人2人と陣馬山へ、日曜日は父と高尾山へ出かけるハズでした。しかしまず父との予定が天気予報のせいで中止になり(父はわざわざ東北から出てくるので、数日前から晴れの予報が出てないとムリなのです)、陣馬も友人のうち1人がやむを得ない事情で行けなくなってしまい、中止となりました。残った私とYとで「高尾でも行く?」というコトに。ま、全然行けなくなるよりはマシか。

父と歩く予定だったコースは次の機会のために取っておきたかったので、金曜日に急遽コースを考えます。Yは久しぶりの登山だし、でも高尾だけってのも物足りない気がするし―――桜、は、まだだろうなあ。でも城山に行ってみようか。日影バス停から城山に登って高尾に出て高尾山口の駅に下りよう。そう決めて前の晩にYに連絡します。天気も良さそうだったのでピクニックランチでも頑張りたかったのですが、職場で部署が変わって疲れていたのか、お握りさえ作る気力が湧きませんでした。

土曜の朝、コンビニでお握りセットを買い込み、まず向かうは高尾駅です。Yとは駅で待ち合わせ。途中の電車では登山者は目立ってませんでしたけど、高尾駅に降りた途端に周囲全てが登山者になってしまったかのようでした。私たちの乗る小仏行きバス(9:12発)停の前にはディズニーランドの人気アトラクション前のような長〜い列ができていて、用意されていた2台のバスにも乗り切らないくらい。私らは何とか2台目に乗り込み、残った人たちの恨めしげな視線に見送られて出発しました(たぶんあの後、もう1台出たんだとは思いますが……)。

バスは小仏のちょっと前、日影で私たち含む10人ほどの乗客を降ろします。出発時はぎゅうぎゅうだったので、後ろのほうに座っていた私たちは降車口まで辿りつけるか不安でしたが、日影のちょっと手前で団体さんがどどっと降りてくれたのでホッとしました。持っていたチラシによると、花の撮影会(カメラ講習)ツアーみたいでした。春ですねー。

城山へ

バス停近くのこの看板。登山客への注意かと思ったのですが、よく見ると「汚す」ではなく「壊す」。……高尾山トンネルのことかしら……。

日影バス停先からすぐに、未舗装の林道歩きが始まります。しばらくは大人しく林道を歩いていましたが、道に沿って流れる川の岸辺に白い花が咲いていて、そちらにも小道があるので川に下りてみました。どうせ途中で林道から外れるし、その分岐はわかるハズだよね、と思って。白い花の写真を撮りながら、のんびり小道を歩きます。やがて道が細くなって林道に戻らなくてはいけなくなりました。そして林道のすぐ先には建物が……。

城山へ城山へ

左:林道入口にはけっこう車が停まってました/
右:スミレは種類多すぎだけど、タチツボスミレ(立坪菫)かな?

城山へ城山へ

小川沿いにたくさん咲いてたのはニリンソウ?
(図鑑買ったんだけど、花の特定は難しいなあ)

城山へ城山へ

左:ガクの裏側はこんな感じ…とか写真に夢中になっていたら
/右:出たのが「日影沢キャンプ場」。その傍らに建つ建物は、

「森の図書館、だってー」「へえ〜。……って、図書館まで来ちゃいけないんだけど!」。どうやら先に来すぎちゃったみたいですけど「分岐なんか、あった?」。岸辺には踏み跡が幾筋もありました。あの中に辿らなくちゃいけない道があったのでしょうか? 地図を見ると、分岐点の目印として電柱の番号が書いてありましたので、その番号の電柱まで戻ります。このままずっと林道を辿っても城山には登れるのですが、林道歩きじゃないほうがいいですもんね。

指定の電柱まで戻りました。地図と同じ方向に伸びる小道もありました。が「→城山」の標識はありません。こ、ここに入っていいのかな? 岸辺が踏み跡だらけなので、どうにも心許ないです。直前にYが行方不明者を知らせるチラシが貼ってあるのを見ています。「私、今日、登山計画書を家に置いてこなかったんだけど―――」「私は一応、高尾に行くとは言ってきたけどコースまでは伝えてないよ……」「高尾で遭難したら情けなさすぎるよね……」。

いつもなら、単独ならば、登山計画書は同居人に渡してきてます。登山口にポストがある場合は登山届も。今回はやっぱどこかに「高尾だし、2人だし」って甘えはありました。ビビリーナな私たちはすぐに同意に達しました。「道が怪しくなったらすぐに引き返そう!」「そうしよう!」。いや、ここに入っていいのかな?と迷ったのは入り口だけで、その後の道は実にしっかりしていたんですけどね。でも人っ子一人いないってのはちょと不安でした。高尾って混み混みなんじゃないの? 城山は高尾と違うの?

城山へ城山へ

見てのとおり、入口さえ分かれば道に問題はありません

友達と歩くのは久しぶりです。道もすごく歩きやすかったし、久々にアップダウンのある道を歩くとあって息を切らしているYに合わせてゆ〜〜っくり歩いたので、私にとってはかなり楽。ついついずーっと、喋りっぱなしで歩いてしまいました。Yは平地はずいぶん歩いているのですが、やっぱり山は勝手が違うみたいで、やたら「急斜面急斜面」と言っていました。それほど急じゃ、ないよ? でも歩いていると暑くはなりますけど。行きの電車では肌寒いくらいだったのになあ。

城山へ

笹原だあ♪ こうゆう道、好き

城山へ城山へ

左:これは……?/右:キイチゴ、だとは思うんだけど

ときおり木々の間から中央道を見下ろしながら高度を上げます。途中で休憩中の男性1人と出会っただけで、本当に静かに(私らは静かじゃなかったけど)楽しく歩けました。アンテナのにょきにょき立った無線中継所が大きくなると、林道と合流します。この辺りから急に人が多くなりました。林道を歩いてきた人たちだけじゃなく、陣馬方面から歩いてきた人たちとの合流地点でもあるんですね。ここからちょろっと登ると、すぐに山頂。

城山へ城山へ

左:ね? ちっとも急じゃないでしょ?/右:林道との合流。
……って、舗装されてるじゃん! やっぱ林道で登らなくて良かった〜

山頂には2軒の茶屋があり、その周囲にテーブルがたくさん設置してあります。とりあえず眺めの良さそうなところに荷物を置いて、名物のなめこ汁を買ってテーブルに戻ると―――。小太りの男の人が近づいてきて言いました。「あっちの茶屋で買ったものはあっちのテーブルで食べてください!」。

城山城山

左:コンクリートの塊、無線中継所/右:山頂の茶屋。自分の客以外は座らせないように見張っているのだと思うと、なんだかねえ

……城山は山というより観光地だから、茶屋で何も買わずにテーブルを使うと文句を言われる、というのは聞いたことがありましたが、縄張りまであったとは。そんなんだったらいっそ、ロープでも張りゃイイのに。初めて来た人間には背中合わせに建っている茶屋の経営が違うなんて分かりませんって。茶屋で何かを買えば、他に持ち込みのお弁当を食べても、テーブルで料理をしてもいいみたいです。世知辛いなあ。

城山城山

左:もう一軒の茶屋「城山茶屋」/
右:お昼はコンビニお握りと、城山名物なめこ汁

城山城山

左:登山道の静けさが嘘みたいに、山頂にはたくさんの人がいました/右:少し下に開けた場所があり、シートを広げた人たちが。こっちのほうが変なしがらみを感じなくてイイかもねえ

城山

眺めはこんな。春らしい、遠くが霞んだ眺めです

城山城山

左:私「ねえ、この写真、足が短く見えるよ……」
Y 「もともとこの長さじゃん!
……歯に衣着せぬことにかけては一流です。(くすん)
標識には「小仏城山」/右:かろうじて咲いていました

城山城山

左:山の上では、城山山頂がこの日唯一の桜だったかも/
右:水仙は、たぶん植えられたものだよねえ? やっぱ自然に咲いてるののがイイなあ(←でも撮る)

山頂でのんびりした後は、高尾山に向かって歩き始めます。道はいきなり広く、整備された(されすぎた)ものになりました。高尾山からこの辺りまで足を伸ばす人もいるのか、明らかに山ノボラーじゃない人も見かけるようになります。桜の名所だという一丁平辺りからは、シートを広げて宴会をしているグループがどんどん増えてゆきました。が、桜はまだ咲いていません。蕾も固そう。高尾駅の辺りでもまだ、3分咲きくらいだったものなー。桜の木がたくさんあるので時期にはさぞ見事でしょうが、人出もスゴそうです。

城山〜高尾山城山〜高尾山

左:あちこちにテーブルが置いてあります。桜の時期には
ここでお昼もイイかもね/右:春ですなあ〜♪

城山〜高尾山

ふおおお〜♪ 写真じゃ分からないけど、一番高い、
たぶん丹沢の山々の山頂付近には、まだ白い筋が残ってました。
私「まだ雪があるねえ。どの山だろ?」(←「丹沢の」の意味で)
Y 「アルプス?」。私「……それは間違いなく、違うから」

途中までは気持ちよく歩けますが、高尾山山頂に近くになると階段が連続します。これがけっこう登りにくい。Yは「朝の坂が懐かしい……」とまで言い出しました。朝は急登がキツいと言っていたくせにー。高尾山大見晴園地しかし確かに、坂道のほうが楽です。階段だと自分の歩幅で歩けないんですもん。文句を言いながらよっこらよっこら登って山頂に着くと……うひゃあ、すごい人! 今までもスゴいと思っていたけど、ここは街中の公園かってくらい、混んでいました。

≪つづく≫

2009.4.1(Wed)

こんなに固く決心を固めていた私ですが、はい、船を降りておりません……(くそぅ)。なぜかっつーと、年末から吹き荒れてる、百年に一度とかいう大嵐で海が大荒れし、次の船に泳ぎつく前に力尽きて海の藻屑となってしまいそうだったからです。誰に相談しても「もう少し様子を見てからのほうがいいんじゃない?」と言われるし……。て、「誰かに相談する」って時点でもう結論は決まったようなもんなんですけど!(←逆ギレぎみ)

3等客室だろうが何だろうが船に乗って海に浮かんでいられるってだけで感謝しなくちゃいけないんでしょうが―――実はあんまり、そうゆう気にもなれません。ので、取るつもりだった長期休暇に代わってせめても、短い休暇を取ろうかと企んでます。それが問題になるんだったらもうイイや。海に飛び込むだけです。

あ、「もちょっといい部屋用意するよ」と誘われて、客室の移動はありました。そこの居心地がどんなもんか、もそっと様子を見るつもりです。

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