2008.7.29(Tue)

3回目のTOEICの結果が届きました。今回は悪い自信があったので、さてさて〜と封筒を開けると「740点」。―――1回目より、いいじゃん……。こりゃもう私のTOEICでの点数は700点ちょっとなのだと諦めるより仕方ありませんね(相変わらず「文法ができる」だけは平均点に届いてません)。最近暑くてPCを立ち上げる気になれなくて英語の勉強もご無沙汰ですが、次の9月に向けてそろそろ始めなきゃ。まずは、目指せ800点、かな。

2008.7.28(Mon)

会社をサb……休んで、毎年恒例、母との伊豆ダイブへ行ってきました。前日夜にやってきた母と、珍しく休みが取れた妹と一緒にいつもの電車で、伊豆へ。途中から平日なのにナゼかつき合ってくれた、UとKが合流します。雲が多めだけど晴れ。車窓から見る海も穏やか。今日も暑くなりそうです。

が、ショップについてSさんTさんに聞いたところ、深場の水温はまだ低く、透明度もあんまり期待できないそうです。ん〜じゃあ浅くて遊べるところか。私は久しぶりにIOPに行きたかったのですが、IOPはある程度深く潜れたほうが面白い。相談の結果、まだ母が行ったコトのない川奈に行き先が決まりました。

この日は私たち5人の他に初対面の男性1人。ブランクダイバーだという彼も含めて、ゆっくりのんびり川奈に向かいます。さて今回からはいよいよウェット。いくら水温が冷たいと言われても、さすがに気温が31℃じゃドライは着られません。着替えて、セッティングをして、池のように静かな海へいざ!

……とこの先は、困ったな。あまり書くことがありません。まず心配していた水温は、暖かかったです。1本目も2本目も15m以上潜るコトのない浅〜いダイブでしたが、下のほうでも23〜4℃はありました。水面なんか27℃ですよ! 入った瞬間「ぬるいっ」と感じ、少し潜って冷たい――とは言っても23℃ですが――層に入ったときは気持ちイイくらい。ま、それでも長時間いれば寒くはなるんですけどね。

そして透明度はと言えば、あはは。3〜5mってトコロでしょうか。ここ最近じゃ最悪です。日頃の行いが悪いんじゃ……>母か妹。もしくは母と妹。先頭のSさんの後ろには初心者2人に続いてもらったので(ブランクダイバーの男性は上手で、自分の世界に入られてました)、私たちからはSさんのフィンがかろうじて見えるかな〜ってトコロ。何かに気を取られると、あっという間に先頭集団が見えなくなります。

でも流れはないし、視界は白いけれども明るいし、浅いし、後ろにTさんがついているしで、不安はありませんでした。不安なときはSさんを見失わないようにすんごく気をつけるのですが、今回は「みんなではぐれれば怖くない」くらいの心境です。どうせSさんが示す魚は見えないさ〜と、後ろで勝手に生き物探しに没頭します。目ぼしいものは、見つからなかったけど。

いたのは――お約束のクロホシイシモチ。アミメハギ。ボラ。アジ。コロダイの幼魚。イソカサゴ。各種ハゼ、くらいかなー。妹は熱心にオハグロベラを追いかけてました。まぁ派手だもんね。いつもは見向きもしないアミメハギ(私は好き)をSさんがわざわざスレートに書いて指しているのを見て、「ダメだ今日は」と思いましたよ。

でもそれでツマラナイかと言えばそんなコトはないんですけど。水に入って浮いているだけで、嬉しいし楽しい。久しぶりのウェットで1本目は調子を掴めなかった(あれ? 浮力ってどうとるんだっけ? の世界)のも、2本目になると自在にくるくる回ったり遊んだり。半年以上ぶりで案の定コツをすっかり忘れている母と妹を放っておいて、好き勝手です。

1本目も、お昼休憩を挟んでの2本目も、雰囲気はほとんど同じ。コースは違ったのですが、この透明度じゃ違いもわかりません。終了後器材を片付けてショップに戻りログをつけて。伊豆で食事をするにはちょっと早かったので、藤沢まで戻ってからUの行きつけの沖縄料理店へ行き、たくさん食べて飲んで解散。次回はも少し、海がいいとイイね>母。

2008.7.20(Sun)_2

≪つづき≫

鷹ノ巣の後は水根山、城山と順調に通り、その先にTo-ko的第一難所が現れました。急な下り坂なのに道一面に木の根が張り巡らされ、すっ転びそうで怖いです。気付くとナゼか「鹿も四足馬も四足…鹿も四足馬も四足…」とおまじないのように呟いていました。私は四足じゃないっつーの。でもま、転ばずにそこを通りすぎ、巻き道との分岐を過ぎ、そこから六ツ石山への分岐まではけっこう長く感じました。

雲取山雲取山

水根山(1,620m)と城山(1,523m)。城山の案内板は探してなければ絶対見つかりませんでした(木から落ちて裏返っていた)。

六ツ石山への分岐が狭かったら、道を外れるけど六ツ石山までちょろっと登って長めの休憩入れようと思っていたのですけど、分岐にちょうどいい休憩スペースがあるし、六ツ石分岐いい加減疲れてはきているし、登っても展望は期待できないしで、分岐に座り込んで休憩です。

昨日作った紫お結びを―――あり? 米も喉に引っかかる? 今までにないくらい大量の水分を取りながら歩いているのにまだ飲み足りないのでしょうか。ゆっくり休めるのなら昨晩食べ残したところてんを食べたかったのですが、結局巨大お結びの半分しか口に入らず。

ので、考えていたより短い休憩で再出発。後から思うとこれは間違いでした。たった2時間半の登りで死にかけたときよりは進歩した(主にザックが)とはいえ、この日の行程はテン泊装備背負っての最長歩き。しかも暑い。バランスが悪いのか右肩だけがどんどん痛くなってきていた頃。ちゃんと休むべきでした。でも虫がいて落ち着かなかったのですよね……。

で、歩き始めてしまいまして。三ノ木戸(さぬきど)林道との分岐まではよかった。まだよかった辺りその先の、標高1,120mから1,080mくらいの、あの赤土の箇所―――To-ko的難所、第二弾です。登山道が周りの地面から抉れていて、ぬるぬるして、滑ったあとがあって、滑るなと思って注意して足を乗せてもやっぱり滑って―――こうゆう道、大キライ!(泣) 何回かはストックで無理くり体を支えてしまったから、ストックが無けりゃ何回も転んで泥まみれになってたと思います。

ここでTo-ko、すっかりイヤになってしまいました。しかしまだまだ長い長い。肩は痛いし、ぬかるんだ箇所も長いし、景色は単調だし、暑いし、なんで私こんなコトやってるんだー! 奥多摩の町が見えても「まだあんなに遠いの……」と悲しくなるだけです。が、自力で下りなきゃなんないのが、山。半泣きになりながら歩きます。下山したら駅前でビールと冷たいお蕎麦だ……と、それだけを楽しみに。

ヤマホタルブクロヤマユリ鈴生りのヤマユリ

花に出会えたのも舗装道路にぶつかってから。右のヤマユリの花のつきっぷり、分かります? かなり不気味……

舗装道にぶつかり、先行していた2人組と道の悪さを嘆きあってから、もうひと踏ん張り。炎天下の舗装道路はただただ熱く、暑く、駅までがずいぶんと長〜く感じました。そしてとうとう! 駅前の食堂に入って、「中生! あと、ざる蕎麦!」。頭がすっかり冷たい蕎麦モードだったんだけど、メニューにあった舞茸の唐揚げも、気になったなー。天ぷらは大好物だけど唐揚げって?

三本杉三本杉

「東京一高い、氷川の三本杉」だそうです。

席についてすぐに水のコップを空にしたのにまだ乾いていたらしく、一息でジョッキを半分近くあけてやっと一息(その後さらに水をコップに2杯)。そこへ見覚えのある人が……。雲取おじさんでした。ホント今回は、この人とよく会ったなあ。聞けば私より2時間近く遅く出発して同じルートを歩いてきたそうですが、食堂に入ったのは30分と違いませんでした。さすが。

ざる蕎麦中生

このビールはホントにホントに美味しかった♪

いろいろと、「考えなくちゃ」が多い山行となりました。持ってく食料や虫対策や自分の体力やなにやかや。いろいろ課題はありますが、汗対策はなんとかしなくちゃです。だってこの山行でつくってしまった汗疹に、私はしばらく苦しまされるコトになるんですもん……(特に靴の中、足首からつま先までがヒドかった)。もう当分、奥多摩の山には行きません。涼しくなるまでは、ね。あ、あと行きと帰りに一度ずつ、ヤマカガシに驚かされました。子供の頃は平気で掴んでた蛇ですが(←あの頃は毒がないと言われていた)、知恵がついたので足元に出てこられるとビビりますね。

■奥多摩小屋(6:22)→七ツ石山(6:58-7:05)→鷹ノ巣山避難小屋(8:22-8:33)→鷹ノ巣山(9:00-9:05)→水根山(9:25)→城山(9:47)→六ツ石分岐(10:32-10:43)→三ノ木戸分岐(11:12)→奥多摩駅(13:00)

2008.7.20(Sun)_1

≪つづき≫

今回も満点の星空はお預けです。眠るときにはだいぶ雲が出てきて、星は明るいのが2〜3個見えるだけ。夜中は雨音まで聞こえていて、テントから覗いてみると霧がかかって視界は数メートルしかない感じ。ありゃりゃ日曜の天候が予報よりさらに悪化しちゃったかなー雨だったら撤収はどうすれば(←なんか毎回考えている気がします)……ぐぐぐー。

3時ころになるとだいぶ明るくなるせいか、隣のテントでも話し声が聞こえてきます。「雨? 雨だよ……」。そうだよねガッカリだね……とまたとろとろし、4時のアラームの音でこれ以上寝るのを諦めました。テントを開けるとあらビックリ。目の前に月がぽっかり浮かんでいて、山々のてっぺんが低い雲から頭を覗かせています。雨の降った様子もありません。あの音は何だったのでしょ? 夜露が木から落ちる音?

雲取山

テントを開けたときに見えた風景

うわあ〜壮観だなあ〜とまた昨日のすのこに座って、月と朝焼けを眺めつつ朝食です。チーズを挟んだベーグル、コーヒー、昨日の残りのサラダ、貝の味噌汁。味噌汁はイマイチ合ってませんが、でも賞味期限が切れそうだったのよー。相変わらず、虫はすごいです。ああもうこの景色をゆっくり味わせてよ! 体に水分が足りていないのか、ベーグルが喉に引っかかります。昨日堂所で食べたパンも喉に引っかかったし、暑い時期のパンメニューは再考要ですね。

雲取山雲取山

朝焼けを見ながらの朝食

しばらくすると背中がぱーっと明るくなりました。おおっ林越しのご来光。ご来光小屋の方が昨日「梅雨明けしたよ」とおっしゃっていたし、今日もいい天気になるのでしょうか―――なんて楽天的な予想をたてていたら、低いほうにあった雲がすーっとあがってきました。え? なによここまで上がってきちゃうの?

すぐに切れるやという甘い期待は裏切られ、テントを畳んで出発した6:20には稜線はすっかりガスの中でした。えーん、稜線を眺めながらの石尾根歩き、楽しみにしていたのにー。ま、昨日たっぷり眺められただけでもヨシとしましょう。それに暑すぎるよりいいかもしれない。ヘリポートを越え斜面を登って、まずは昨日巻いてしまった七ツ石山を目指しましょう。

雲取山雲取山

左:霧の石尾根/右:七ツ石山山頂。はい、なーんも見えません。

虫がスゴかったので長居はせずに進みます。高丸山と日陰名栗峰は巻いて巻いて〜。この迂回路は虫がいず、涼しくて快適。でもときどき笹を掻き分けなくちゃいけません。熊が怖いので鈴を鳴らしながら歩きます。全身黒の人が道の先に現れたときには一瞬熊かと思って心臓止まりましたよ(向こうも「うゎっ」と言っていたからお互いさまかも)。

雲取山雲取山

雲取山雲取山

巻いて巻いて〜の辺りです。

そして無事に鷹ノ巣山避難小屋に到着〜。トイレを借りて小屋脇のテーブルで一休みしていると、小屋に泊まった方が出ていらっしゃいました。前夜は10人くらい泊まって、うち3人が外で寝たそうです。……奥多摩小屋より、混んでたんじゃ? その方はこの先10日間くらい山に籠もって遊ぶそうです。うわ〜そんな長期間、どんな感じなんだか想像もできない。自分のせわしなさがイヤになりますが、ま、まだ長期はムリだもんね。

鷹ノ巣山山頂からの景色←一応登ってみた鷹ノ巣山(1,736m)山頂。晴天ならここにばばーんと絶景が見えるのでしょう。

ところで話は変わるけど。山頂によくある山座同定盤とか標識とかにシャツやタオルをかけて乾かすのは止めてくれないかなあ〜。自分しかいないならイイけど、他の人も見たいのよ。昨日の雲取山頂も、今日の鷹ノ巣山もそうだったから、残念だった……。

≪つづく≫

2008.7.19(Sat)_2

≪つづき≫

そして、やっと、ヘリポートが見えました〜。もうちょっとで奥多摩小屋だ。ほぼ予定どおりの到着です。これなら今日中に雲取山頂往復できるかな。さっそく奥多摩小屋でテント泊の申込みをしましょう。1人400円也。暗い室内にしばらく目が慣れませんでしたが「早く着けたね〜」との声によく見てみれば、雲取おじさんがお茶を飲んでいました。ホント、よく会うなあ。

雲取山雲取山

左:ヘリポート/右:ずっと先には雲取山避難小屋

小屋番さんはおじさんとお兄さんがいて、おじさんのほうがいろいろと説明してくれました。水場、トイレ、テントをどこに張ればいいかの他に、「夜中に獣の気配がしても、それは鹿ですから。怖がらないで大丈夫だから」とも。以前夜中に「熊が出た!」と真っ青になって小屋に逃げ込んできた方がいたそうな。

雲取山雲取山

左:テント設営。直射日光浴びまくり/右:トトロ?

雲取山雲取山

左:猫バス?/右:えーっと……。不自然に新しい手には「水」「Water」と書いてあり、水場を指しています。

小屋に一番近い場所にテントを設営し、まずは水場へ行きます。ここまでで今までにないくらい水を飲んでしまい、家から持ってきた水の底が尽きかけていたのですね。ここで汲んでおかないと雲取山までの往復に足りません。水場は事前に聞いていたとおり、ちょっと遠い。下って下って水場に着くと、そこにいた男性が「あっ」と声をあげました。?―――あっ。

会社の、縞さんでした。今年から山にハマった彼は夏休みにはアルプス縦走をするそうで、その前に1度くらい近場でテント泊をしておきたいと言っていたのです。土曜か日曜に雲取山に登るだろう、とは聞いていたので、タイミングがあったら会えるね(←コースは全然違うのです)と話してはいたのですが、ここで会うとは。彼とそのツレの健脚っぷりはさんざ聞いてはいましたが、今日も予定よりかなり早く到着したようです。

彼らは雲取山荘のテント場に泊まるそうなので、途中までご一緒することにしました。しかし、もう一度言うけど、健脚―――。私はほとんど空身だというのに、テン泊装備を背負った彼らについていけません。平地では平気なのですが、小雲取への登りでは息を切らせてしまいます。小雲取の先で巻き道を行くという彼らに別れ、まずは一休みです。あ〜絶対一緒には歩けないわ。

雲取山雲取山

左:奥多摩小屋/右:巻き道を行く縞さん

小雲取から雲取山まではすぐ!でした。テント設営してから山頂往復するなら、縞さんたちも巻き道使わないでも良かったんじゃない?と思ったくらいです。山頂(2,017m)には鹿がいました。人が近づいても逃げようとせず、何かくれないかな〜って目で見ています。……誰か、餌やったな、これは。そしてさすが山頂、雲取おじさんがいました! 「富士山が見えなくて残念」だそうです。彼は山荘に泊まると言って、山荘への道を降りていきました。

雲取山雲取山

左:雲取へ続く道/右:頂上直下の避難小屋

雲取山雲取山

左:来た道を振り返る/右:頂上には鹿

雲取山雲取山

富士山が見えなくても私は満足

縞さんたちが来ないかなーとしばらく待っていましたが、テント設営してからとなると時間がかかるみたいですね。暗くなる前に帰って食事をしたかったので、奥多摩小屋への道を引き返しました。この道、本当に景色がよくて気持ちよくて、何度も足を止めて写真を撮ってしまいます。でも見たようには撮れないんだよなー。目って偉大だ。

雲取山雲取山

ただただ気持ちのいい道が続きます

私が着いたときは貸切だったテント場。雲取山から戻るとほかに何張か増えていました。空いてたらあそこでご飯に―――と狙っていたベンチとテーブル脇が取られてしまったのは、残念(でもそこからだと山を見るのに木が邪魔で、テーブル脇に設営する気にはなれなかったんですよね)。まぁそれでも予想より空いているキャンプ場です。雲取おじさんも「人が少ないなあ」と言っていたくらいですし。myテントの近くに壊れかけたすのこみたいのがあったので、そこを利用させてもらうコトにしました。

ところで今回の山行ですが。悩まされたのがまず汗。そして顔の周りを飛び回る虫(ブヨ?)でした。この日も日が傾きかけたこの時間帯からホントに多くなってきて、誰もが頭の周りに集団を引き連れているという感じ。もちろん私もです。ひっきりなしに手で払っていないと鬱陶しくて仕方ないし、頭の後ろの集団を見ちゃおうものならおぞぞっと鳥肌がたちます。ブヨって何が効くのかなー。今度は対策考えて行かなくちゃ!

しかしブヨにも負けず外ご飯にチャレンジです。つかこのキャンプ場、西日がもろに当たるのでテントの中は蒸し風呂です。米を水に浸している間に、まずはビール! 奥多摩の山々に乾杯〜。小屋でもビールは売っているのですが、例の銘柄であるコトが多いので1本だけ持ってきたものです。一応冷たいとは言えるけど、これもも少し研究が必要だなー。

ビールが空いたところでご飯を炊き、今日のメニューはレトルトの中華丼。あと春雨入り酸辣湯。塩もみキャベツとトマトのサラダ。食後にマロンケーキとコーヒー。その後はワイン。しかし私ねー、山に行くたび強迫観念のように大量の食糧を持っくの、止めなきゃ。これだけ喰ったというのにまだ手付かずの食料があるんですもん。ご飯もまた炊きすぎてしまったし、どうすんのこれ(→巨大なゆかりお結び*2になりました)。

雲取山雲取山

左:乾杯〜/右:夕食メニュ

雲取山

夕焼けは一瞬一瞬表情が違う

真っ暗になる前にテントに戻り、メッシュ越しに暗くなりゆく山々を眺めながら、文庫本を読みワインを飲み。なーんてやっている間にもう眠くなってきました。20時過ぎ、就寝。お休みなさい寝るときにはまだテントの中が温かくてシェラフカバーに包まってるだけで十分でしたが、22時過ぎにさすがに肌寒くて目覚め、シェラフに足を突っ込みます。灯りに寄ってくる虫を研究するとかで、小屋番のお兄さんが一晩中外のテーブルにランタンを置いていました。どこかで花火大会をしているらしく、どーんどどーんという音がしています。

■鴨沢(9:25)→小袖乗越(9:55)→堂所(11:31-11:40)→ブナ坂分岐(12:26)→休憩10分?→石尾根合流(13:16)→奥多摩小屋(13:48-14:38)→小雲取山(15:00)→雲取山(15:20?-15:30)→奥多摩小屋(16:10)

≪つづく≫

2008.7.19(Sat)_1

海の日の3連休の最初の2日を使って、東京都の最高峰、雲取山へと行ってきました。朝5時の天気予報では土曜日は晴れときどき曇、日曜日は一日曇。日曜日の予報が前日に見たときより悪くなってしまったのは残念でしたが、まあGOでしょう。先週に引き続きテントの詰まった重たい荷物を背負って、電車を乗り継ぎ乗り継ぎ、奥多摩駅発8:35のバスを目指します。

奥多摩駅の混雑は前に来たときほどではなかった気がします。今回乗り込むのは鴨沢西行き。ちょうどバスの前に来たとき「臨時で2台目を出しますので奥のバスへどうぞ〜」と声をかけられ、無事2台目で席をとることができました。ザックが大きかったので助かった〜。出発時には2台目も満員。でもほとんどの方が鴨沢手前のバス停で降りていかれました。団体さんもいらっしゃったけど、どこの山へ登ったのかな?

雲取山雲取山

鴨沢バス停前。雲取山まで約5時間。

鴨沢バス停で降りたのは10人くらいだったでしょうか。各々荷物をまとめなおしたりトイレに行ったりストレッチをしたりした後、順々に出発していきます。私は例によって中間くらいに出立。日差しがキツく、早々に暑さにヤラれそうだったので、意識的にゆ〜っくり歩き始めました。前方にはやはりゆっくり歩いている4人組。彼らとは途中まで抜きつ抜かれつで歩くことになります。

雲取山雲取山

住宅地の舗装道をちょろっと歩き、山道へ。

舗装した道を離れるころ、いかにも「山に慣れてま〜す」っていでたちのおじさまが後ろからやってきました。どうやら雲取山の常連さんらしいので、“雲取おじさん”と呼ぶことにしましょう。彼は私と一言二言言葉を交わすと、するっと追い抜いていきました。30分後、小袖乗越で車道に戻り、また少し歩いて山道に入ります。この辺は樹林帯なのでそれほど暑くなく、天気がいいのでさほど暗くもなく、気持ちよく歩けました。緩やかな登りが続くのもありがたい。

雲取山雲取山

左:「熊出没注意」!/右:気持ちのよい道

小袖乗越からまた小一時間歩いた辺りに、廃屋がありました。ネットで囲った畑のような場所もあったけど、植林のための若木を育てているのかな〜。人の手の入った気配が色濃く残っている感じで、今でも人が住んでいるのかと錯覚しそうになります(……住んでない、よね?)。木々の切れ間から山々が少し見える場所の石垣に腰掛けて雲取おじさんが休んでいたので、私もザックを下しての最初の休憩を入れることにしました。

雲取山雲取山

左:針葉樹林帯も明るい。/右:廃屋。暗いと怖いかも。

また少しお話をしてから、雲取おじさんは先に出発していきました。「なかなか達者だね」と褒められ、ちょっと嬉しくなります。いえいえあなたこそ、なんですけど。その後も緩やかな登りが続き、そろそろ疲れておなかがぐるぐる言いだします。お昼はどこにしよう……次のチェックポイント、堂所かな……なーんて考えながら歩いていたら、CTよりちょっとだけ早く堂所に着いてしまいました。

雲取山ちょっと迷いましたが展望もないしさほど広くもないし、ここでは朝食の残りのパンを齧るだけにして、遅めの昼食にはなるけれど七ツ石山まで頑張るコトにしました。パンを齧り水分を補給しよっこらしょと荷物を背負って歩き始めたら―――ありゃりゃちょっと先に開けた、格好の休憩ポイントがあるではないですか(目印は写真の木。展望はやっぱりないけど)。ま、こんなコトもあるさ、と今回は素通りです。

このちょっと先だったかなー。登山道がばっきり右に折れる辺り(標識あり。直進した先には「行止り。登山道ではありません」の看板が)から、急に傾斜がキツくなります。いきなり息のあがるワタクシ。手がヒリヒリするーと思って目をやると、毛穴が開きっぱなしになっていて手の甲にぶわっと汗が浮いています。ここはサウナ? ヒリヒリするのは、汗の塩分……?

この斜面をガンバって登ったところに分岐があり、標識の下に雲取おじさんが座って休憩をしていました。挨拶をして七ツ石山への道を辿ろうとしたところ「こっちの方が楽だよ〜」と巻き道を勧められます。「明日はどうするの?」の問いに、石尾根を歩くつもりです、と答えると「じゃあ七ツ石は明日でいいよ!」。そ、そっかなー。実はけっこうバテていて、七ツ石への道の方が急そうだったので「げっ」と思っていたワタクシ、あっさり山頂での昼食を諦めました。

雲取山雲取山

分岐のちょい先。流れる水で手を洗えてすっきりしました。

分岐の標識の下には2人分のスペースはなかったので、巻き道の途中でどこか座れそうな場所を探します。が、これがなかなかない。結局、堂所よりもよっぽど狭いスペースに無理やり座り込み、昼食のお握りをパクつきました。鮭ふりかけお結びの中に、殺菌のつもりで入れてきた梅干が異様に美味しく感じます。夢中で食べている私の傍らを、また雲取おじさんが追い抜いていきました。

雲取山雲取山

石尾根との合流地点

元気を取り戻してまた30分ほど進むと、石尾根とぶつかります。おおっ山ブログの写真で何度も見た風景だ〜。遮るもののない奥多摩の山々の景色が素晴らしい! そして遮るもののない直射日光がキツい! 日陰で休んでいた登山者が「朝はすっきり見えてたんだけどちょっとガスってきちゃった」と言っていましたが、いやいや私はこれでも大満足ですよ。嬉しい半分暑くてふらふら半分ですが、もうひと踏ん張り。

雲取山雲取山

左:振り向くと、巻いてしまった七ツ石山/右:行く先の先は奥秩父主脈縦走路かな? いつか歩くことがあるかしら…

雲取山

雲取山

ここ、東京だったよね……?

≪つづく≫

2008.7.12(Sat)_2

≪おまけ≫

徳沢キャンプにいる間に、何度か頭上をヘリが飛んで行きました。「山でヘリの音を聞くと遭難!?と思っちゃうよねー」なんて話しながら、音が聞こえるたびになんとなく空を見上げていたのですが、あるときKが「ひぃっ」と悲鳴をあげて顔を手で覆いました。「ど、どうしたの?」。ぎょっとして聞いたUと私にKが言います。「なんかぶら下げてる〜」。

! 「……違うよきっと!」「荷揚げだよ荷揚げ! 山小屋への!」「だって山のほうに向かってたじゃん!」「そうだよ『岳』の読みすぎだから!」「もう! びっくりさせないでよ!」

はいそうですねー。Kがなんで悲鳴をあげたのかすぐにわかったUと私も『岳』の読みすぎですねー。『岳』、それは山岳救助のマンガ……。山で亡くなった方の遺体を、ヘリで吊り下げて搬送するシーンが、よく出てくるのです。―――荷揚げで、本当に、よかった……。

2008.7.12(Sat)_1

≪つづき≫

4時頃にぼんやり目を開けると、外はもう明るくなっていました。が、今日の朝はのんびりの予定です。すぐにまた眠り―――5時にUの目覚ましが間違って鳴ってしまったときもまたすぐに眠り―――5時半、ぱっちり目が覚めてしまいました。あ、雨音がしない! テントの入口を開けると木々の梢の上に頭だけを覗かせている明神岳が、朝日に明るく輝いていました。うわあ!

上高地上高地

左:5時半のテント場。まだ陽が差し込んでいません/
前日は全然見えなかった六百山がハッキリと。

上高地上高地

左:明神岳のこの様子に、ガマンできずにふらふらと/
気持ちのよいテント場。緑のテントはまだ寝静まっています

寝ているのがもったいない景色に起きだし、顔を洗ってから道を少し歩いて明神岳がキレイに見えるところまで散歩に行きました。雲がすんごい勢いで流れているのをしばしぼーっと眺め、満足したところでキャンプ場へ戻ります。この静かな時間にコーヒーを飲みたいのですが、コンロもケトルも大テントの中。起こしちゃ悪いなあ……と我慢して我慢して、起床予定時間7時(←なんてのんびり!)の10分前になったところで我慢しきれなくなって「ちょっとゴメンよ」。

上高地

明神岳のビューポイントより。まだ雲が少し残っています。

上高地上高地

左:気持ちのいい散歩道/右:徳沢園の立派な水場

皆が起きだし身支度をしている間に、(まずコーヒーを飲んでから)朝食の支度にかかります。くるみパン、コーンスープ、ウィンナ、サラダ、んでまたコーヒー。デザートにキーウィ。美味い。時間をかけて食事をして、結果、ほとんどの食材がキレイになくなりました。食後はmyテントを片付けて(レンタルのは「チェックするのでそのまま返却」でした)、売店を冷やかしてから9:15くらいだったかな、帰路につきます。

上高地上高地

キャンプ朝食。うま〜。

上高地上高地

絵になる場所ばかりの上高地。陽の当たり方で全然表情が違うので、同じような写真を何枚も何枚も撮ってしまいます。

明神橋夜の雨が嘘のような好天気に喜びつつ(Yとは「こないだとは大違い〜」を連発しつつ)明神小屋まで昨日歩いた道を戻り、明神橋を渡ってこの日は梓川の右岸を歩きます。嘉門次小屋の岩魚はまたお預けだな〜。なかなかいいタイミングで通りかかれません。左岸は林道って感じですが、右岸は木道が整備されていていかにも“遊歩道”という感じ。早朝の徳沢はしっかり登山の格好をした人ばかりが行きかっていましたが、好天の土曜日でこの時間、このエリアだと、すれ違うのは散策を楽しむ観光客の方ばかり。山の格好をした私たちは浮きまくっています。

上高地上高地

左:明神池/右:穂高神社奥宮

上高地上高地

奥宮の、凛々しい狛犬さんたち

上品なおばさま方の集団とすれ違う瞬間に「すごい荷物ね〜どこの山に登ってきたのかしら」という囁き声が聞こえたり、「グッジョブ!」と親指をたてんばかりの勢いで満面の笑みを浮かべたおじさまに「お疲れさん!」と声をかけられたり、直球勝負で「どこから降りてきたの?」と興味津々尋ねられたり……すいませんどこにも登っていません見掛け倒しなんですお願いだから私たちを見ないで聞かないで!

ちょっぴり(?)恥ずかしい思いをしつつ11:30頃、河童橋まで戻ってきました。おっとこの日も途中で猿に遭遇しましたよ。ホント多いな〜。土産物屋の隣のカフェ外のテーブルを確保し、河童橋の向こうの六百山を眺めながら昼食にします。食べたかった上高地コロッケ(\300)、タラの芽天むす(\250)、地ビール(\550)。コロッケはもちろん、天むすも美味かったです。食後に友人たちが土産を物色している間も私はアイス(\300)をかじって、12:45、大正池に向かって再出発です。

上高地上高地

子供を2匹も連れていたり、器用な格好で寝ていたり

上高地上高地

左:お昼/右:河童橋(の頭)と六百山と

途中で穂高連峰の写真を撮りまくったり(吊尾根の雲が一度も取れなかったのは残念)、カメラ慣れしすぎた猿に出会ったり(だってわざわざ焼岳をバックにしてポーズとるんだよ!?)、田代池に寄って休憩したりで、14時ちょっと前に大正池に到着しました。周りの観光客の話を漏れ聞いたところによると、水が少なくていつもよりだいぶ小さいそうです。ここでも焼岳の写真を撮ります。う〜ん、いいね〜上高地。

上高地

上高地

穂高連峰。案内板を見ながら山座同定して遊びました。

上高地上高地

左:梓川/右:田代池

上高地上高地

左:大正池。たしかに水が引いているっぽい/
右:焼岳。いつかあそこも登ってみたい。

しかし朝からのんびりしっぱなしの私たち。行きもそうだったけど帰りも時間がヤバくなってきました。予定していた風呂はどうもカットするしかなさそうです。沢渡行きのシャトルバス1台に乗車拒否され(←満員だった)2台目を待たなきゃいけなかったので、せめてもの沢渡駐車場の足湯を利用する時間も無くなりました。これはかなり残念。今度はちゃんと考えなくちゃ。

諏訪湖SAからこの日は前日とは大違いで中央道から付近の山々がキレイに見えていました。地図を見ながら「左に八ヶ岳〜」「右の大きいのが北岳かな〜」と忙しい忙しい。諏訪湖SAと談合坂SAで休憩をいれ、渋滞にもひっかからずに中央道を無事に降りました。が、ここからが長かった。車が多くて渋滞するのは仕方ないんですが、工事渋滞が1箇所あって、ここはあまりにヒドかった。普通は迂回路作るような範囲の工事なのに片側通行させてるんだもの。

渋滞を抜けたところで、Uの家から一番遠い私の終電を携帯で調べ、何とかなりそうだとやっと夕食。21時は確か過ぎていておなかペコペコでした。今回は車で移動中の食事は全部、予定どおりにはいかなかったなあ。そこからは順調に車は走り、Uの家で解散です。運転手をずっと務めてくれたUには感謝!(またヨロシク!)。あ〜あ、楽しかったなあ。

2008.7.11(Fri)

U・K・Yと一緒に上高地へ行ってきました。今回の目的は山登りではなく、徳沢でのキャンプ。私はテントを持って行き、他の3人は徳澤園のレンタルテントを利用します。私以外はテント初体験(私だって2回目)でぜひともいい思い出にしたかったので、食事のメニューはしっかり練り、ペットボトルに詰め替えたワインも持っていくコトにしました。はい、宴のコトしか考えていません。

金曜日、まずは始発電車に乗ってUの家を目指します。天気はどんより曇。ちょっと微妙な感じですが土曜日は晴れ間も見えるハズ、と見切り発車。複数で計画をたてると多少天気が心配でも「せっかくだから、行っちゃう?」になりますね。まぁ今回は山登りじゃないし晴れ女Yも一緒だし―――って前回はそのYに裏切られたんですけどね……。Uの家に集合し、食糧を分担して詰め込んで、Uの車で6:50出発です。

予定では、途中のSAで朝食休憩をとっても上高地に12時半に到着。お昼を食べて13時〜13時半に上高地を出て徳沢には15〜15時半到着、でした。しかし出発でまず30分近く遅れ、その後渋滞につかまります。そっか今日は金曜日……出勤ラッシュがあるのですね……。中央道に入るまでが長い長い。とりあえず高速に入らないと安心できないからと、朝食の時間になっても我慢です。やーっと高速に入って最初のSAに着いて朝食にありついたのは9:30を過ぎていました。

人心地ついてさあ出発。その前にガソリンを入れて―――と、またココで足止め事態が発生します。タイヤにヒビが入っていてバーストの危険があるというのですよ。大丈夫かも知れないけど換えておいたほうが安心、と説得され、タイヤの全交換。40分のロスです。うーん心配になってきたぞ。テントを張ってから周辺を散歩しようよーなんてのん気なコトを言ってましたが、そんな悠長な時間は持てそうにありません。

その後はUが休憩も入れずにガンバってくれ、順調に進みます。松本ICで降りて車を停める沢渡大橋駐車場に着いたのは14:06でした。14:20にバスが出るというので切符を買って、荷物の整理をしながら待ちます。やってきたバスに乗り込んだのは私たちも含めて10人にもなりません。そりゃこんな時間だもんね―――。今回はバスのアナウンスで流れるとおり焼岳や大正池も眺めつつ、懐かしの上高地バスターミナルへ到着。

時間がけっこうヤバく(徳澤園には遅くなる旨連絡は入れました)もうそのまま歩き始めちゃいたいトコロですが、このまま歩き出せば途中、空腹で倒れるのは目に見えている!ので、おやき(味噌味の茄子がウマ〜。1個\250)を買って軽いお昼に代え、15時ちょっとすぎに歩き始めました。空はときおり青空の覗く曇。予報どおりの回復傾向になってくれるのでしょうか。

上高地上高地

左:お久しぶりの上高地。木の間に見えるのが河童橋/
右:途中の道からの明神岳。曇っているけど山頂まで見えます。

半分の明神小屋を超えてしばらく進んだ辺りで、猿の群と遭遇しました。最初子連れの猿を見つけて喜んでいたら、「あそこにも」「ここにも」と次々と猿が現れます。しかもほとんどが子連れ。人間を恐れる様子はなく、「これだけたくさんの猿に襲われたら……」とこっちの方がちょっとビビりかけますが、幸いなコトに餌をねだってくる様子もありませんでした。せっかくなので写真は撮らせてもらいます。

上高地上高地

せっせと蕗を食べてました。

日没まではまだ間がありますがなんせ谷間。なんとなく夕暮れの気配が濃くなる17時ちょっとすぎに、徳澤園に到着しました。キャンプ場の先客は1張だけ。静かな時間を過ごせそうです。―――つか、私らがウルサくしないように気をつけなきゃ。上高地レンタルのテントはエスパースの3〜4人用。Uたち3人が使うこちらを先に設営し、私の小さいのをその隣に張りました。

さて、寝るところは確保できたし、後は宴です。ガスが1つしかないのでまずお湯を沸かしてアルファ米を戻し、その傍らでサラダを作り、待ちきれない〜とワインを飲み始め、メインの鶏肉トマト煮込みを温め始めたとき―――恐れていた音が、しました。雷さまです。「なんか、来そうな気がするね」「今のうちに撤収するか」。ぱらぱらと降り出した雨に、急いで外に出ていたものを全て、大きいほうのテント内に運び込みます。

上高地上高地

左:ベーコン、きのこ、ミニトマトのホイル蒸し/
右:鶏肉のピリ辛トマト煮。いんげん入り。奥にはサラダ。

これが好判断。テントに籠もってすぐに、テントを叩く雨音が強くなり始めました。予報では21時頃にはあがるっぽかったし一時的な雨だと思っていたのですが、食べて食べて飲んでの宴をお開きにした21時にも雨はあがる気配もありません。1人テントに戻って眠りにつき、夜中何度か目を覚ましましたが、雨音は強くなったり弱くなったり―――。こりゃ天気予報変わっちゃったかな、明日も雨かな、上高地は結局こうゆう運命なのかな、雨の中でのテント撤収ってどうすればいいかな……なーんて考えているうち、また眠りに引き戻されます。

≪つづく≫

2008.7.7(Mon)

井上靖『氷壁』読了。週末に徳澤に泊まりに行く予定で、徳澤は“氷壁の宿”だそうですから、こりゃ読まねばなるまいと手に取りました。山ノボラーさんたちに評判のいい小説であるだけに、とても楽しみにしていました。

駄菓子菓子。残念ながらダメでした。魚津が小阪とともに前穂の東壁に挑むところや、魚津のメモにはぐっと来たのですが、それ以外は―――。ナゼかっちゃ決まってます。八代美那子に腹がたって腹がたって仕方なかったからです。自覚的な悪女なら、まだいい。自分でさんざん振り回しておきながらちょっと文句を言われると、「ひどいことをおっしゃるのね……」と涙を浮かべるような女は大キライです。

だいたい、どう見てもただの欲求不満じゃんこの女。年の離れた夫に自覚はなくとも不満を抱えてて、若い男と恋愛ごっこを楽しんで、相手が本気になったらビビって逃げ腰になってしまう。いいよ別に? ちゃんと自覚してやってるなら。なのに自分の不満にも欲望にも目をつぶって被害者面して新しい若い男がでてきたら初対面の相手だってのにいきなり「困ってるんですの……」って―――ばかか。

物語の最後ではあんなコト言ってるけど「なにもかも捨てていい」っていざそうゆう局面になったら絶対捨てないし! 「自分の若さは死んでしまった」とか言っておきながら、どうせまた何年かたったらおんなじような“過ち”を犯すんだろうし! こうゆう女は懲りずに同じコトを繰り返して周りを不幸にするに決まってるんだよ! がつんと言ってやれ常盤!……と延々語りたくなるくらい、腹がたちました。

不思議なコトに、魚津や小阪には腹がたたなかったんですよねー。いつもならそんな女に惚れてしまう男にもイラっとくるハズなんですが。なんだろ。やっぱ山に登る人だってところが免罪符になってるんでしょうか、私のなかで。あー、あと“氷壁の宿”ですが……出てはきたけど、あんま、関係なかったね? 映画やらドラマやらで使われたってコトなのかなあ。あと、1つわからなかったのは、ザイルの切断面。魚津の手許に残ったほうを調べるんじゃダメだったのかってコト。細工される可能性があるってコトなのかしら?

『氷壁』は実際にあった事件や実在した人をモデルに書かれているそうなので、その辺の知識のある方はまた違った楽しみ方ができるのでしょう。ああ美那子さえいなければ、私ももうちょい楽しめたかもしれないのにー!

2008.7.6(Sun)_2

さて、取り置きしてた商品の話。今年の野望「担げる家を買う」は予定通りに着々と進行し、GWには実際に家を組み立てて寝てもみました。が、そのGWに予定外の問題が発生―――。て、私の持っているザックに荷物が入らないってだけなのですが。

いつもの日帰り山行や小屋泊まりのときに使うのより一回り大きなMILLETのザックを持っているので(古いので容量も商品名も不明)、今年はそれでしのいで来年、新しい大型ザックを買うつもりでいたのです。ナゼ来年かって? そりゃテント装備購入で財布がとっても軽くなっていたからですよ!

が、GWに荷物を詰めてみると、ありゃ。テント装備だけでほとんどいっぱいです。ホントに山に行くのならばガスもクッカーも水も食料入れなきゃいけないし、雨具も防寒具も詰めなきゃいけない。―――どう考えても、入らない! となると仕方ありません。大型ザックを買わなきゃ今年の野望は潰えます。担げる家は担がなきゃ意味がありません! 軽くなりすぎて羽が生えて飛んでいこうが、財布をひっくり返さなきゃ! キリギリス人生ばんざい!

実際に買うのは夏山セールまで待つとして、いろいろ調べだしたら実物を見たくなって、5月に神保町の山の店へと行きました。その時点での候補はGREGORYのトリコニ60とZEROPOINTのエクスペディションパック65。どちらも評判は良くて、トリコニの値段はエクスペディションの2倍。でもなー、トリコニのほうがカッコいいんだよなー。それにただでさえグッズはmont-bellばっかりなんだもん。ザックまでmont-bellはどうかしら。でもトリコニ1つでエクスペディション2つ買えるのか。うーんうーん。

と迷いに迷って店に行った私に店員さんが薦めてくれたのはLowe Alpineの…コントワー、だったかな? とCERRO TORREのセロウ。それにまぁおまけ、という感じでトリコニも出してくれました。とりあえず全部背負ってみて、まず外れたのがLowe Alpine。どうもショルダーベルトに鎖骨が当たるのです。そこでセロウとトリコニを何度も背負ってみたり、ポケット等のつき方で長い検討に入りました。

「CERRO TORREはあまり聞かないメーカーだけど、いいですよ。要は宣伝にお金をかけてないんですよ」。私にいろいろ説明してくれた店員さんは「GREGORYはモノはいいけど、高いのがどうもね」と思っているようでした。確かにセロウもトリコニの約半分の値段です。でも……細かいところは、やっぱりGREGORYのほうが好みなんですよ。ジッパーのつき方とか、ポケットの位置とか。金額だけで妥協したら、山の上で後悔しそうな気がします。私の気持ちはかなりGREGORYに傾きました。

おっと忘れちゃいけない。「あのー、一応エクスペディションも背負っておきたいんですけど」。が、実際に背負ってみるとエクスペディションはあっさり候補から消えました。背負い心地はかなり良かったんですが、視線をあげただけで頭がザックに当たって、それがストレスになりそうでしたので―――。あ、これはサイズがSだかららしいです。ザックのサイズでいくと、ガタイのいい私もSサイズになるのですよね。小柄な女性はXSとかになるのかな?

が、トリコニにも不安点がありました。トリコニはMなら60Lの容量(←テント泊で必要と言われたサイズ)があるのですが、Sだと55Lになってしまうのです。店員さんは「テント泊でも1〜2泊なら十分ですよ。何日もかけて縦走するなら別ですけど」と言うのですが、確かに今のところ何日も縦走する予定はないのですが、でも予定は未定にして決定にあらずと言うじゃないですか。特にワタクシの場合は。

トリコニに顔を突っ込んで「うちのMILLETよりどのくらい大きいのかなー入るかなーテントがこのくらいでシェラフが……」と迷っていると、店員さんが言いました。「容量だけが問題なんでしたら、トリコニの上のバルトロにしたらどうですか? 背面システムは同じですし、バルトロならSでも68Lですよ」。―――ぽん! その手があったか!

こうしてやっと大型ザックの候補は決まったのですが、この日は定価販売だったので、アドバイスのお礼に小物をちょろっと買っただけで店を出ました。6月頭には入りきらない荷物を無理やり外に括りつけてテント泊も体験しました。そして待ちに待った夏山セールがやってきて、とうとう私の手許にバルトロがやってきました。

初出動は次週の予定です。さあMILLETと比べて楽になるかしら。山Sさんの「これでテント泊装備がキツくてもザックのせいにはできないよ〜」の台詞が耳に響きます。楽しみなような、不安なような……。

しかしいったい。私、今年、山にいくらかけているんだろ……。

2008.7.6(Sun)_1

≪つづく≫

土曜の夜の話から。伊豆の宿泊所を利用させてもらうのは、本当に久しぶり。なので、あるとばかり思い込んでいた食材が無かったり、修理が必要な箇所があったりといろいろありましたが、分担して(私はいつものように台所担当)仕事を済ませ、19時過ぎには食卓に食事が並びました。たっぷり刺身に具沢山の味噌汁、ご飯、トマトサラダの簡単メニューですが、皆でする食事はそれだけで美味しい。

もちろん酒も入ったのですが、この日は決めなきゃいけないコトがあります。翌週に迫ったキャンプの打ち合わせ。私以外テントは初めてなので(私だってたった1回の経験だし、今度のとは全然状況が違うんですが――!)、メニューを決めて食材をリストアップして荷物を分担して時間を決めて。Kだけはこの日のうちに帰らなきゃいけないので、大急ぎで打ち合わせを進めました。

21時ちょっと過ぎに、Kを乗せたタクシーが走り去り、後はだらだらと過ごしました。ワインが回って一度は沈没しかけたんですが、順番にお風呂に入っているうちに回復し、日付が変わってからはバーチャルな冒険の旅へ。ここ何年も、ゲームをするのは皆といるときだけです。久しぶりなので話を思い出すところから始めて、3時半頃まで遊んでしまいました。

もちろん翌朝は寝坊します。つかもともと朝寝するつもりでした。ゆっくり起きて、たっぷり朝食をとって、少しだらだらして。しかしこの日も帰るだけではありません。帰り道の横浜で夏山セール開催中の山の店に寄って、皆で買い物をするつもりだったのです。ですので洗濯、掃除、戸締りを済ませて、お昼過ぎには宿泊地を出ました。途中の電車で爆睡し、山の店に着いたのは14時半前。さあ、買い物だ!

と、ココからが長かった。まずは一番じっくり見たいUのザック選びからです。でもあれもこれもと目移りして1時間経ってもまだ決まらない。店員の山Sさんもときどきやってきて、アドバイス&お喋りをしていきます。山Sさんのアドバイスは勉強になったし、私もYもずいぶん気長につきあっていたのですが、とうとう飽きてしまって(ごめん!)それぞれの買い物をしに散りました。

LAKENのボトルんで、またココからも長い。私は夏用の登山パンツ(MountainEquipment)、防水のスタッフバッグ、アルミボトル(LAKEN)。登山パンツにはさんざん悩みました。THE NORTH FACEのほうがデザインも無難だし長さもちょうど良かったのですが、腿の辺りが細身で丈を調節するときに使うジッパーが引っかかるので止めました。みんな私の足が太いのが悪いんです……。MountainEquipmentは履いてみせた瞬間にUから「短いんじゃない?」と言われたのですが、街用じゃないんだもの、多少短くても妥協します。それに膝の部分がストレッチ素材になっていて、しゃがんだときにあまり裾が持ち上がらないのです。

アルミボトルは前から欲しかったもの。どうも毎回ペットボトルを使い捨てるのには罪悪感があって、いや最近は使い捨てずに繰り返し利用していたりもしたんですが、でもやっぱり欲しかったのです。使い捨てない、ボトルが。ちょうど可愛いデザインのがあったので、これは即決。スタッフバッグも買うタイプを決めていたので即決でした。そのほかに特価品の長袖シャツを衝動買い。

あと気になるのはダブルストックと帽子なのですが、上記のほかに取り置きをお願いしていた商品もあって、かなりヤバい金額になっていたのでココでストップしました。ああたくさん買った―――と店を出て時計を見ると18時半! 4時間以上も、よくいるよ私たち……。時間を自覚したら急におなかが空いて、でもその前にUの希望でもう1軒買い物に回ってから、飲み屋に入りました。

かなりの量をすごいスピードで平らげて、しっかり飲んで、帰宅。さすがにぐったりな週末でした。山の店に取り置きをお願いしていた商品については、また別記。

2008.7.5(Sat)

久しぶりにダイビング仲間U・Y・K・私の4人が揃って伊豆へと行ってきました。晴れ女Yのおかげで当初は雨だった予報が晴れマークに変わり、気温も急上昇。こりゃそろそろウェットの季節だわと水着を着て荷物を作って行ったのに、駅に迎えに来てくれたTさんは笑顔で「昨日はIOPで15度でしたよ〜」とほざいてくださいました。じゅ、じゅうご!?

それじゃムリだとドライにするコトにしたものの、いつものインナーは持ってきていないし―――仕方ないのでお店に置きっぱだった真冬用のインナーの下と、お泊り予定のこの日、パジャマ代わりに着るつもりだった長Tで潜るコトにしました。ひーん、浮力の見当がつかないよぅ。前日からお泊まりの、無口な男性2人組と一緒に、この日は久しぶりの東伊豆、富戸へ。

天気は薄曇なのですが、暑い! 湿度も高く、ドライを着るのがイヤになります。富戸にいるダイバーもほとんどウェットなのですが「水に入ればドライで良かったと思うよ!」というSさんの力説を信じるコトにして、のたのたと準備(←なるべく着替えを遅らせたかったのです)。しかしいつかは着なくてはなりません。ドライに足を突っ込んだ途端、足から汗が噴きだしている気がするほどで、もうイヤ〜。

エントリーポイントまで器材を運び(ドライだとウエイトがまた重い)、セッティングをしてスーツを着込んだところで耐え切れなくなって、皆で水に浸かりにいきました。水はやっぱり、冷たい気がします。ちょっと涼んだところで器材を担ぎ、エントリー。注意されたとおり、イソギンチャクに乗っからないように、そーっと潜降しました。

富戸に来るのは本当に久しぶりなので、賑やかなイソギンチャクが嬉しい〜。イソギンチャクエビを探しながら行きましたが、もう少し水温が高くならないといないみたいですね。浅瀬をずーっと移動して、深場でも生き物を探して―――。透明度があんまり良くないので、深場に行くとちょっと暗いです。それに寒い! 陸でかいた汗が冷えて気持ち悪いです。

珍しい生き物は何もいなかったけど、伊豆のいつもの魚たちだけでも私は十分に満足です。寒さに耐え切れなくなってトイレの呼び声が徐々に大きくなる頃、エキジット。この日の富戸はとっても穏やかで、とても楽でした。うーんでもやっぱ次はウェットかな。深場には行けないかもしれないけど、温泉丸も楽しめるし、何とかなる気がする。

昼食休憩をゆっくり過ごして(薄日だからと油断していたらかなり焼けてしまったようです)、2本目は砂地に行ってみるコトにしました。もしかするとネジリンボウがいるかも、という話だったのですが、私たちが行ったときは引っ込んでしまっていたらしいですね。石でサークルは作ってありましたけど、ネジリンボウの姿は見えませんでした。

その後砂地を移動し……移動し……移動し……な〜んにも、いません。私たちはそれでもそれなりに楽しんでいたのですが、SさんTさんは「外してゴメン! もう1本、岩場に行っとけば良かった……」とガックリしていました。だっていつもなら書きもしないサラサウミウシを書くくらいですもんねー。あ、岩場のほうに戻ったら多少の生き物はいましたよ。

2本目は1本目ほど深くまで行かなかったからか、寒さもそれほど堪えず最後までまったり潜れました。外気温との差が10℃もあるからめちゃ冷たく感じたけど、17〜18℃はあったんですよね。水面近くは20℃、ありました。器材を洗ってシャワーを浴びた後、着替えはショップですることにしてさっさと引き上げます。今の季節でも混み混みのシャワー室、夏が思いやられるんだけど……。順番待ちの列ができてるのにコンディショナーまでしっかりするのはどうかと思います。

ショップに戻って器材を干し、ログ付け、精算と済ませてもまだ時間は17時半。やっぱ東は近くてイイなあ〜。そしてこの日は久々の伊豆宿泊所へのお泊りです。あまり長居をせずにスーパーに寄って買出しをし、4人で宿泊所へと向かいました。

≪つづく≫

2008.7.3(Thu)

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』読了。直前に永井荷風の『摘録 断腸亭日乗』を読んでいたので、こっちを読み始めたときは世界の軸がブレたような変な感覚があったのだけど(文体が続いているといえば続いているから)、読んでるうちに独特の文体が全然気にならなくなりました。つか、その語り口こそがこの物語にはふさわしい。

これほど軽やかに夜をわたっていく物語を、私はかつて読んだことがありません(記憶の保存能力に著しい欠陥のある私の言うコトだからあんま当てにはならないけど)。地に足をつけずにふわふわと歩く彼女の足元には、作り物めいて安っぽく、煌びやかな、おもちゃのような夜の灯りがキラめいている。李白さんと共に偽電気ブランを飲めば、もう気持ちよく酔うしかありません。

出てくる人たちがまた可愛くていいんだ。彼女はもちろん、先輩も(最終章の脳内議論には笑った)、李白さんも、樋口さんも、羽貫さんも、古本の神さまも、パンツ総番長も、東堂さんも……。舞台もまたいい! 妄想が頭からあふれ出して町へ流れだし空気と混じりあい人と人でないものが一緒に歩くこのイメージは、京都でこそ説得力を持つ。とにかく可愛くて楽しくてイメージが絵柄がくっきり浮かんできて、にまにましながら読める本です。

2008.7.1(Tue)

タイタニック号元船長から呼び出しを受ける。「3等客室の乗客が心配だから、ずーっと3等客室に住みついている人に話を聞きたい」と言われ、何が心配なんだそのうちキレて船に穴をあけないかがかと聞きに行ったら、まあこれがふざけた話。

「どうも近頃この船は1等客室の乗客と3等客室の乗客の間が上手く行っていない。この船は乗り心地のいい船だ(←そりゃ1等客にはな!)。3等客室の利用者も船旅には必要でぞろぞろ降りられたらバランスが崩れてよろしくない。だから居心地が悪くても船旅を続けてくれたまえ。続けたからと言って3等客室利用者はあくまで3等客で1等客室に入れるつもりも1等客が利用できる設備を利用できるようにしてあげるつもりも氷山がぶつかったときに安全ボートに乗せてあげるつもりもないが1等客が安逸な船旅を楽しめるように雰囲気を盛り上げてくれたまえ」だ、そうである。

おあいにく。私は来年3月で船を降りる気持ちを固めている。そして自分の旅を楽しむのだ。

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