2006.5.26(Fri)

始まりもいつも突然やってきますが、終わりがくるのも突然です。あれは今週月曜日の朝――弁当のおかずをほぼ作り終えた頃でした。妹の分のご飯をレンジから取り出し、私の弁当の分を入れてスタートボタンを押したその直後、軽い音をたてて動いていたレンジが止まりました。ちょちょちょっと待って、壊れるならせめて私のご飯を温めてからにしてー!と思ったものの、どこを押しても叩いてもレンジは沈黙を続けます。

仕方ない、おかずだけ持っていってお握りでも買うか、と覚悟を決めたとき、やっと気付きました。同じコンセントに繋がっている冷蔵庫も動いていないコトに。見ると延長コードの一部が焼けていました。あり? いつもは平気なのにどうしたんだろう……なーんてコトは思わず、レンジが壊れたのでは無かったのに安堵した私は、別の延長コードを引っ張り出してきて弁当に使う冷凍ご飯を温めました。そして更に朝食分のご飯を温め、もうちょっと温めた方がいいかなーぽちっとスタートを押したとき、今度こそ本当にレンジは壊れました。後から思えば、動作が不安定だったから負荷がコードにかかって焼けたんでしょうね。

そこからが私の物欲地獄の始まりでございました。レンジは無くちゃ困る。ウチで使っていたのは古い(なんと'84年製! ウチに来たときはもう中古でしたが10年以上はお世話になりました)けれどもオーブンレンジ。オーブンはたまーにしか使わないけど、何回かはお菓子やパンを焼いたものです。次のもオーブン機能はついていて欲しい。万を超える買い物になるので妹に相談し、5万までなら出してもいい(この時点で私も妹も今のレンジの相場を知らなかった。安くなっているんですねー)と許可をもらって、早速その日のうちにビックカメラに向かいました。

5万も出せばかなりいい機種が買えると知った売り場で迷うこと迷うこと。デザインでいったらデロンギに惹かれますが、情報が少ないうえに修理とか考えるとちょと手がでない(ビックカメラにも置いていない)。そっかー最近のは回らないのかー(←世間から取り残されております)、これは遠赤? こっちは石釜? ナノスチーム? ヘルシオも評判いいそうだけど、レンジを一番使うのは朝の弁当作りの時間。手間かけていろいろやってられないのですよねぇ。スローライフ? なにそれ?って感じ。

今のところの有力候補はMITSUBISHIのRO-B1CかSANYOのEMO-C1000Sです。最初は低価格のRO-B1Cかと思ったのですが、SANYOの方が焼きに強いみたいなのでEMO-C1000Sにかなり傾いております。(しかしさー、EMO-C1000Sってそんなにカッコいいかしら? パンフで見た限り、デザイン的にはちっとも惹かれないんだけど。どっちかというともったりしたデザインが好きなので、スタイリッシュとされるデザインにときめいた試しがございません)。ウチに本当にこんなに大きいのいるのかなー、なんて根本的なトコロで迷ってパンフをまためくったり、そしたらやっぱ機能がいいのがいいなーとまた当初の候補に戻ったり―――。明日から5日ほど強制的なスローライフ。田舎でじっくり考えてきます(でも早く買わなくちゃ! 弁当作りが大変なのよぅ!)。

2006.5.25(Thu)

DVDで『オペラ座の怪人』見ました。ストーリー展開はほぼ舞台と同じでオープニングはオークションのシーン。シャンデリアにかけられていた覆いが外されたのをきっかけに、場面がオペラ座の華やかなりし過去へと一気に遡る……というオープニングを見た段階で“あーやっぱダメ”と思ってしまいました。表現媒体が違うのに舞台の一体感を求めても仕方ないのは重々承知はしているのですがやっぱねー、特殊効果じゃあの、自分を囲む空間そのものの空気が一瞬にして変わる、あの気持ちよさは味わえないのですよ。舞台だと自分がその“華やかなりしオペラ座”の時代へ一緒に戻った気までするもんね。

―――が、舞台では見せきれないコマコマした小道具とかオペラ座の舞台裏の猥雑な雰囲気とか豪華なセットとか、なにより「『オペラ座の怪人』を映画化したのは、ロイド=ウェーバーが実際に17歳のクリスティーヌを見たかったから」というのもさもありなん、と思わせる主役の彼女の初々しさとかを見てるうちに、映画は映画でいいじゃん、という気分になってきました。ラウルも甘い歌声で、好みじゃないけど一応美形。歌姫カルロッタもい〜い感じ。ふむふむ、とストーリーの中に身を投じようとしたとき……。

怪人登場。最初の歌声でマンガの古典的表現よろしくズッコケたくなりました。なななななーんて深みのない声なんだ! 軽い、軽すぎる! いや軽いというより明るいのか? 怪人はねー、姿が醜い分(実はたいして醜くもないんだが、一応設定では)声は美しくなくちゃいけないのですよ。深みのある、色気のある、陰翳のある声じゃなくてはいけないのです。じゃなくちゃなんでクリスティーヌがラウルと怪人の間でふらふらするんだか分からんじゃないのよぅ! あんな陽気なイタリア人みたいな怪人はイヤだー!

四季で舞台を観たときは怪人がとにかくカッコよくて、最終的にラウルを選ぶクリスティーヌが間抜けに見えたくらいでした。後で観に行った妹が「ラウルの方がカッコいい」とか言うので、何を言ってるんだあんたにはあの色気がわからないのか、と言い合いになったものです。が、よく聞いてみると私が観に行ったときは山口祐一郎が怪人を、妹が観に行ったときは山口祐一郎がラウルをやっていたのですね(役者の力量とはそうゆうものです)。

オーストラリア旅行中に観に行った舞台の怪人は、声はもちろん、めちゃくちゃ手の色っぽい人でした。迷いに迷っているクリスティーヌが墓地で怪人に誘われるシーンがあるのですが、その手の差し出し方に「こりゃふらふらついていくでしょー」と思わせられたもんです。―――と、ことほど左様に、怪人の声と姿(つか所作?)は美しくなくっちゃいけません。この映画でも苦悩や嫉妬を前面に押し出しているところや、“Past the point of no return”の辺りは悪くないんですがねー。

他の登場人物は、マダム・ジリーも娘のメグもハマってました。マダム・ジリーはもっと年寄りの印象もありましたが、考えてみりゃもと舞台人。若々しくて当然か。それにやっぱり英語は歌にノります。気持ちいい。あ、あともう1個だけ文句を。途中でときどき年老いたラウルのシーンがあるんだけど、あれいらない。舞台と違うコトやりたかったのかも知れませんが、せっかく流れているストーリーがぶった切られるのですよね。興醒めです。

しかしさー、これは舞台を見たときから思っていたけど、オークションにやってきた老いたラウルは、“障害はあったものの愛する人と結ばれて長い年月を一緒に過ごした”って感じじゃないですよね。まるで怪人にクリスティーヌを取られてしまって、彼女が忘れられぬ永遠の人になってしまったかのようです。てコトはクリスティーヌはオペラ座の地下に心を置いてきてしまったのかな。ラウルと一緒に暮しても心は遠くにあって、結局ラウルは彼女を手に入れるコトはできなかったのかな、少なくともラウルはそう思いこんで彼女を遠く感じていたのかな、と邪推せずにはいられません。

2006.5.24(Wed)

≪つづき≫

ショップに着くと、南国風にリニューアルした店内(←暇だったらしい)でオーナーのSさんが待ち構えていました。もうすでに揺れていた私は、Kに「Kがやるならやる…」と下駄を預けました。もちろんここでNoと言うKではありません。いろいろ聞いた結果、この日のダイビングのうちの1本だけを講習にあて、まずは一番簡単そうなディープ・ダイブから始めるコトにしました。深く潜って水圧の実験をしたり、水中で判断力が鈍るのを確認したりするのです。

※アドヴァンス講習=目的を定めての海洋実習5ダイブ(学科学習あり)。ディープとコンパスナビゲーションの2つが必須であり、後は中性浮力・ボート・水中ナチュラリスト・カメラ・洞窟・ナイト・高所などなど複数のコースから3つを選択して学ぶ。

すぐに深場に行けるポイント、と選んだIOPに着く頃、雲が晴れて青空が広がり始めました。うひひ。1本目が講習になるので、潜る前に何をするのかの簡単なレクチャーがあります。陸上と水中で同じ作業をしてかかる時間を計る、という項目があるので、3桁×2桁の計算もしました。講習なので1本目はカメラを持たずにエントリー。南西の風が強く波が少しあります。

しかし潜って深場への移動を開始すると、これが春とは思えない透明度! 水は青く澄んで15〜20はあるでしょうか。見上げると水面近くでキビナゴの群がキラキラ光っています。途中の岩場にもネンブツダイやクロホシイシモチの子供の群。うわああ水が青いじゃーん、とやってきた25m辺りの砂地で早速講習が始まりました。赤・黄・緑のボールを使って色の変化を確認したり、3桁×2桁の計算をして時間を計ったり、お互いの水深計を比べて表示に差があるのを確認したり。

その後ちょうど20mくらいまで戻り、持ち込んだガラスの空き瓶を逆さにして蓋を開け、どうやって水が入ってくるのかを観察します。水深20mってコトは3気圧。水が入ったトコロで蓋を閉め、そのまま陸上に持ち帰るのです。「アドヴァンスは難しくないよー」というとおり、講習はこれで終了。あとは5mで3分間の安全停止と、おまけで浮上の練習もしました。かなりゆっくり浮上したのに、私のダイコンにはSlow表示が出てしまって悔しかったです。

陸にあがって水中で計算にかかった時間を訊くと、Kは予想どおり陸上より時間がかかっていましたが、私はなんと5秒も短縮してしまっていました。「ときどきいるんだよねー、集中力ががーっと高くなって時間が短くなっちゃう人が」と言われた、そのパターンです。自分では「足し算ができないー。やっぱ水中では頭が働かなくなるんだわ」と思っていたのに。あと今後の講習で使うロープワークを習ったりもしました。シートベント、ツーハーフヒッチ、バウライン(もやい結び)の3パターン。

昼食を食べてからの2本目はのんびりダイビングです。2本とも講習でもいいよ?と言われましたが、とりあえず1本だけにしておいたのは正解でした。大したコトをやっているんじゃなくても、やっぱり緊張するのです。2本目は砂地から1の根を回るコース。ホントは砂地だけのつもりだったのですが、やってきているというアオリイカに出会えず、1の根まで遠征したのでした。1本目よりはちょっと浮遊物が増えたかな? 出会った生き物はナガレメイタガレイ、ホウボウの子供、ダンゴウオ、ベニイザリウオ。

「こんなに晴れるとは思わなかった。これからは印象を改めますね」とTさんに約束してもらい店に戻ると、これまた新しく作られたログ付けコーナーで講習のまとめをします。3気圧の状態で蓋をした瓶を開けるとどうなるか、とか。私は“圧がかかっても水の体積は変わらない”という基本的なトコロが抜けていたので、「溢れる」と思いっきり間違った予想を立てました。実際はプシュッと音がするのと、2/3入った水に気泡ができるだけ。「この泡が減圧症」と言われてゾッとしましたが。

残りの講習をどうするかの話や沖縄ツアーの話などしてから帰路につき、途中でUと落ち合ってお茶。自分では“いきなり始まったアドヴァンス”と思っていましたが、Uには「やっぱりね」と言われてしまいました。そんなにやりたいオーラが出てたかなぁ? 沖縄前にもう1度は潜りに行くつもりです。次は完璧梅雨だろうけど、また晴れてくれるとイイなあ。

今回のログはコチラ(155本目)とコチラ(156本目)。写真は2本目にちょっとだけ。

2006.5.23(Tue)

20日土曜日は伊豆行きでした。次はこの辺で……という話はしていたものの、途中で台風1号が進路を変え、どきどきしていた先週半ば。しかしここで潜っておかねば、次に行けるのは2週間先になってしまう。つか5月に一度も潜らないってコトになってしまう。それはいかーん!と、ダイビング仲間にメールを出します。U、Yにはあっさりフラれましたが、Kからは「雨だからどうしようかと思ってたんだけど……行っちゃうか!」と力強い返事が戻ってきました。よし行こう、今すぐ行こう!

「大雨の予報が出てますがヨロシク」といつものショップに予約を入れ、伊豆地方の天気予報を睨みながら週を過ごします。しかしいくら睨んでも、熱帯低気圧になった台風1号の中心は土曜日に伊豆の真上にやってくるらしい。うーんでも何となくそれほどヒドいコトにはならない予感がするんだよなぁ。だって日曜は晴れる予報なんだもの。ちょっと天気の進行が早くなってくれればいいんだもの。今年は海にハズレがないんだもの。今回も裏切られない気がするんだもの。

東京地方は金曜夜に大雨が降り、土曜朝に目覚めたときには青空が広がっていました。ぃやっぱりね! 喜び勇んで電車に乗り、途中でKと合流して向かう伊豆の進行方向は……重〜い雲が垂れ込めています。あり? ショップ最寄の駅に着いたときには、雨が静かに降ってさえ、いました。伊豆の方が遅いのかなー? お迎えにきてくれたガイドのTさんに「To-koさんたちが来るときはいつも降りますね〜」と言われますが、それは事実と違います。天気で言ったら晴れてる日のほうが多いのです!

「ちょっと待ってください、Tさんの認識は違います。Tさんの中では私ら雨女になってるんですかー?」と抗弁すると、Tさんはにこにこしながら「雨女っていうか、わざわざ雨のときを選んで来てるって感じじゃないですか?」と答えました。「それも違いますよぅ。まぁ今回は“雨でも仕方ないか”と思って予約しましたけど、いつもは“雨でもキャンセルしない”だけです!」。――たいして違わない、でしょうか?

ところで私たちの持っているCカード経験本数が150本を越えた今でも一番初歩的なO.W.です。いつかはA.O.W(アドヴァンスド・オープン・ウォーター)くらいまでは取りたいな〜と漠然と考えてはいたのですが、正直O.W.のままでも不便を感じたコトがなく、ずるずると今まで来てしまっていたのでした。ちなみにショップによってはCカードを取るときにアドヴァンスまでまとめて取るように勧めるトコロもあるそうですが、私はこれには賛成できません。O.W.で習ったコトもまだ習得できないうちに知識を詰め込んでも身につくとは思えないからです。

おっと話が逸れました。いきなりCカードの種類の話になったのは、行きの電車の中でアドヴァンス講習の話をしていたからでした。馴染みのショップでとってもお得なキャンペーンをしているんだよね、という話です。この話をUとYにしたときには「得だねー」という反応はありましたが、やろうやろう!という展開にはなりませんでした。んで私も「やりたいけど期間限定だからスケジュール的に難しいし、1人で取っても意味がないし」と諦めてはいたのです。Kとの話も「2人でやろう」というモノではありませんでした。

と、話は戻り。お迎えの車の中での天気の話が一段落着いたときでした。Tさんが唐突にこう言ったのです。「ところでTo-koさんたちは、アドヴァンスを取る気はないんですか?」。あまりのタイミングの良さに爆笑しちゃいました。てっきり今やっているキャンペーンの話だと思い、誘ってくれるのは嬉しいけれどスケジュール的に問題があるので……と断ろうとして、「キャンペーンのコトですよね?」と聞いた私に、Tさんはこう答えたのです。「ああ、あれもイイんですけど、もっとお得な方法があるんですよ〜」。

こ、この覚えのある展開は……。「あのキャンペーンは2日間でA.O.W取るコースなんですけど、オススメしたいのは分割方式なんですよー。こうやって今日みたいに他のお客さんがいないときに(おっと言い忘れてた、この日は天気予報が災いして私らの貸切だったのです)、2本潜るうちの1本を講習にするんです。お客さんが多かったりするとできないから“いつまでに取りたい”って期限がある人には向かないけど、のんびり取りたい人にはオススメですよー」。値段を聞いてみると嘘みたいに安く、キャンペーンよりもお得でした。「ど、どうするよ?」

≪つづく≫

2006.5.16(Tue)〜21(Sun)

この間、本人にも忘れ去られたケアンズ旅行記書きあげてました。再開したのは「次の旅行記が始まる前に書き終えなきゃ!」とケツに火がついたから。あとまだ1ヶ月はあるのですが、お世話になってるショップのツアーで沖縄に行くのでーす。

2006.5.15(Mon)

梅雨の走りか、ハッキリしない天気が続くので、恥じるコトなくインドア日記。つまりDVD感想*3本分、いっきまーす。

■『父と暮せば』。昔から、宮沢りえが好きだ。ぷくぷくしてる頃から好きだったけど、細くなった今のが好き。あの顔、あの細く長い首、そしてあの演技。あれで二の腕にもう少し筋肉がついていたら最高なのに、そこだけ、惜しい。その彼女と父親役の原田芳雄の2人だけが出ずっぱりでいい演技を見せていて、被爆者の話ときたらそりゃもう泣かずにはいられなくて、実際泣いてもしまったんだけど、だけど、だけどねえ……。

見始めてすぐに「妙に舞台っぽい」とは思ったのだ。場面展開のなさといい、暗転の仕方といい、人物の出捌けといい。父親のエプロン劇場に至ってはもうそのまんまで、エンドロールに井上ひさしとこまつ座の名前が出てきたときには「ああやっぱりね」なんだけど。評判の良かった舞台を映画にするのは、いい。いいよ? けど媒体が違うのに同じ演出方法持ってきてどうするのよー。この映画に限らずなんだけど! 映画は映画でしか見られんものを見せてくれ。こうゆう、“まんま、舞台”な映画っつのは、脚本家と演出家の怠慢じゃないのかと、どうしてもそう感じてしまう。

■『バットマン ビギンズ』。やややーっぱ、ティム・バートン版のが好きだなああ。この作品のブルース・ウェインは何を悩んでいるんだか迷っているんだか、サッパリだったよ。復讐と正義をどう両立させるかに困ってたの? あとあのマスクはある程度顎ががっちりしてる方が似合うんだなーと思った。クリスチャン・ベールは今ひとつ。マスクをかぶっていなくても今ひとつだけど。渡辺謙も「えええーこれだけ?」だったし、ヒマラヤ山頂の忍者部隊に至っては何をかいわんや。笑うに笑えん。

でも嬉しいトコロもありました。嬉しいトコロって全部『バットマン』のお約束かも知れないんだけど、地下のばかばかしい秘密基地とか、コスチュームや小道具の手作りシーンとか。そして何より執事役のアルフレッド! バットマンの執事は私の理想の執事なのだよねー。主人には命を懸けて忠実で、小言を言ったりもしちゃって、ユーモアたっぷり。役者は変わってもこの属性が失せないのが嬉しい。ブルース・ウェインも変に悩んでヒマラヤまで行かなくっても、この身近な人の人生観を学べばよかったのにね。

■『スパイキッズ3 ゲームオーバー』。(ああ、これはきっとDVDでだけ発売されたおまけなんだなー)と思いながら見てたんだけど、えっこれ映画館で上映されたの? いっくら3-Dだからって、そりゃないだろう。今までの登場人物勢揃いが見られるだけじゃん。イライジャ・ウッドにジョージ・クルーニーにシルヴェスター・スタローンと、キャストは無駄に豪華だ(イライジャ・ウッドの使い方は思わず笑ってしまった)けど、お気楽なのが見たい〜と200円で借りたんじゃなかったら、怒るぞ私ゃ。

あ、スタローンは良かった。私は彼がキライでねえ。顔があんまり好きじゃないってコト以外彼自身に恨みはないが、見る映画見る映画ロクな役をやってないんだもの。どうでもいいようなコトでぐだぐだぐだぐだ悩んで、説明もしないくせに「俺の気持ちが分かるものか」と孤高を気取って、一生懸命正当化した自分に酔って、受けた侮辱は100倍くらいにして返す、「目には命を、歯には命を」の、ハンムラビ法典も真っ青な人。最後は勝っていきなり英雄になるか、酔ったまま気持ちよく死んじゃうか、なんにせよ傍迷惑。そういう印象が強いんである。

むか〜し、対立しあう殺し屋の役を彼とアントニオ・バンデラスがやってる映画を見た。粗筋さえも既に忘却の彼方だが、暗〜く苦悩する彼に比べて、後先考えずばかみたいに銃を撃ちまくるバンデラスがいかに魅力的だったか!(私はばかみたいなバンデラスが大好きなんである)――と、事ほど左様に印象の悪かったスタローンではあるが、この映画では腹が立たなかった。思い返してみれば素晴らしい演技を見せてるワケじゃ全然ない、っつか下手くそなんだけど、「腹が立たない」だけで評価がちょっと上向くなんて! 事前の期待があまりにも低いとちょっとしたコトでプラスになるんですねー。うーん、ビックリ。

2006.5.11(Thu)

バレバレでしょうが、私は褒められるのが大好きです。

*****

旅の空の下で「諸般の事情を考えれば、老後一番苦労しそうなのは私だねー」という話をしていたら、仲間の1人がきっぱり言った。「To-koは大丈夫だよ。どんなに貧乏になっても楽しく生活できる、そうゆう実力があるから!」。なんの根拠があるんだか知らないし、聞いてもたぶん「だってTo-koだから」以上の理由なんかないんだろうけど、なんかちょっと心強く、嬉しかった。

2006.5.10(Wed)

嶽本野ばら『下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん』読了。映画の後に原作を読んだらガッカリするんじゃないかと危惧していたが、そんなコトは全くなかった(後半ちょっとダレたかなー?)。けどこの作品に関する限り、映画から入ったのは正解だったなあ。原作を先に読んでおきたいと思うのは、画像を先に見ちゃうとどうしてもそのイメージに引きずられてしまうからだ。何の情報もないまっさらな状態で自由に想像を広げたいのだ。

でもね。想像を広げるには土台がいるのだ。そして私はロリータ文化にもヤンキー文化にも土台がない。文章だけで桃子やイチゴを鮮明に思い描けはしなかっただろう。原作を面白く読めたのは、映画である程度のイメージが、土台ができていたからだ。桃子がロココの精神を語る部分も(この語りは面白い。好き)、イチゴがめちゃくちゃな価値観を語る部分も、もう頭の中の映像は映画で見たままの姿と声。さすが。

あと映画、原作の余分な部分――ラスト近くのイチゴの長〜い立派な語りとか――を上手く削ぎ落として、でも核心は残してて、すごく上手に作り直してた。小説のドラマ化・映画化・舞台化はかくあるべし。ま、ラストの桃子の語りは長かったけど、あれが長かったのは深田恭子の力不足じゃないかな。脚本としては正解だと思う。ヨーヨーじゃなんで相手がビビったのか、後で説明されるまでわからないもの。盛り上がりに欠けるだろう。それから原作読んで改めて思った。やっぱり土屋アンナはすごい。

2006.5.9(Tue)

いつもよりほんのちょっとだけいい食材を買って、いつもよりほんのちょっとだけ時間をかけ、いつもよりほんのちょっとだけ手間をかけて、料理をする。一口食べた友達が「美味し〜」と声をあげてくれる。普段あまり食べない人がおかわりをしてくれる。多めに炊いたご飯がきれいになくなる。ワインを飲みつつ食事をした後の片付けは、ぼんやりしているうちに他の誰かがしてくれる。旅先での、いつもと違う場所でのおさんどんは、いつもよりほんのちょっとだけ余計に、楽しい。

2006.5.8(Mon)

連休は伊豆で、でも潜らずに過ごしてきました。3日の水曜にU、Y、私の3人がUの車で出発。途中で渋滞に巻き込まれたので、通常より3時間近くの遅れで湯河原到着。海を見ながら麦とろ屋で遅めの昼食。足湯公園でちょっと遊んで休憩を取って、いつもの伊豆の宿泊所へは20時過ぎに到着しました。それから晩御飯を作って食べてだ〜らだら喋って、2時ごろ就寝。覚悟はしていましたが、この日は1日移動日でした。

麦とろ

シラスた〜っぷりシラス丼&とろろ。これに大きなお椀の蟹汁がつきましたが、あっと言う間に平らげてしまいました。

次の日の目的地は石廊崎でした。が、途中で遅れ参加のKを拾い南下しだした途端に、前日よりも更にヒドい渋滞に巻き込まれてしまい、「こりゃムリだ」と早々に諦めて行き先を城ヶ崎へと変更します。ダイビングでは何度も何度も行ったコトのある城ヶ崎ですが、それ抜きでゆっくり散策したいといつも思っていました。……が、前日海沿いを走っていたときから、イヤ〜な予感はしていたのです。遠目に見ても、どうも海がキレイなようなのですねー。

ダイナミックな城ヶ崎の地形もともとGWに潜らないと決めたのは、春濁りを避けるためでした。が、どうもGWの海は当たるんじゃないかという予感が私にはありました。なんの根拠もありませんが、でも止めたときに限って海が良かったりするのです。ですがそんな予感だけでゴリ押しをして、いざ潜ったら「外れちゃった〜」じゃ顰蹙だろうなーと、海を諦めたのでした。

吊り橋には人がいっぱいなのに。なのに! この日城ヶ崎の吊り橋から見た海は、伊豆の海としちゃ今まで見たコトもないくらい澄んでいました。とても春の伊豆とは思えない、沖縄とかサイパンとかの南の海を思わせる色をしているのです。吊り橋へ行くウォーキングの後、ダイビングエリアにも行ってみました。これで波が高く、エントリー口でダイバーが波に揉まれてごろんごろん転がっているようならまだ諦めもつくのですが、特に問題はなさそうな海況で……、ああああ悔しい〜〜〜!

ひとしきり悔しがったトコロで、伊豆高原へと移動。この日も遅めの昼食を取って、宿へと戻りました。夕方になっても南下する道は混み混みです。あのまま行き先を変えなかったら、いったいどこまで行けたのでしょう……。早めに帰路についたので、魚屋さんで舟盛りを作ってもらい、筍ご飯を炊いて夕食にしました。舟盛りの中身はお任せにしたら季節のキビナゴを入れてくれていて、それがとろんと甘くてとっても美味! これから海の中で見かけるたびに「美味しそー」と思ってしまいそうです。

2泊目はバーチャルの旅へ出かけ夜更かしをしたため、金曜日はちょっと朝寝坊。遅めたっぷりの朝ごはんを食べ、この日は伊豆を横断して淡島へと出かけました。初めて行った淡島マリンパークはなかなか面白かったです。小ぢんまりしているので、アシカのショーもイルカの公開トレーニングも間近で見られ、島を一周するウォーキングも気持ちのよい散歩になりました。水族館は淡島付近の海の展示だったので、西伊豆で潜っているときに馴染みのある魚ばっかりでこれも楽しかった。渋滞もなし、天気も最高、そして海は春の海の色(緑)で、この日は悔しがらずに済みました。

アシカくん1アシカくん2

水族館でのショーなんて久しぶりに見ました。楽しかった。

営業部長のイルカくん

淡島マリンパーク営業部長。
思いっきり愛嬌を振りまいてくれます。

3泊目もバーチャルの旅を続け、最終日の6日は更に朝寝坊。TVでは「今日がリターンラッシュのピークです」と恐ろしいコトを言っています。昼過ぎまでまーったりと過ごし、さて渋滞にハマるぞーと出発したのですが、これが全然混んでない。熱海や小田原の辺りは少々詰まりましたが、流れが止まるほどではなく、小田原で食事をして小田原城周りをちょっと歩いても、予定よりずーっと早く家へと戻れました。リターンラッシュはどこへ行ったんだ。

小田原城のお堀

小田原城のお堀。
ツツジと赤い欄干が水に映ってキレイでした。

7日は家での〜んびり。遊んで帰ってまだ1日休みがあるってのはイイですね。雨が降っていたので、罪悪感なくだらだら出来ました。でもちょっと運動不足かなー。次はも少し過酷に体を動かしたい。エネルギーが発散できずに溜まっています。

2006.5.2(Tue)

1〜2ヶ月ごとにエステに通っているのだけど、そこでいつも私のメンテをしてくれるCさんと、いろいろ話す。数年来の知り合いのくせに私生活では全く触れ合わない、そんな間柄だからこそけっこう気楽に打ち明け話ができたりする。こないだ店に行ったときは、共通の知人の話になった(と言っても私はもう数年会っていないのだが)。どうやらしばらく精神的に低空飛行が続いているらしく、ちょっと欝気味なのだという。

彼女の話をひとしきりした後、「でも自分がイヤになるコトって、誰にでもありますよねー」とかいう流れで、いつの間にか友達とも彼氏とも約束がなく特に予定もない休日を、いかに自分がだらしなく過ごしているかという話になった。そしたらもう、他人とは思えないダメっぷりで「そうそう! そうですよね〜」「私もですよー」とお互いに言い合う羽目に。週末始まるまではあれやってこれやってと計画たてるのに、全然できなくて「ああ今日も一日無駄にしてしまった…」とガックリ落ち込んだりするのが自分だけじゃないと聞いて、安心したような納得したような。

特に布団の中にいるのがとても気持ちのいい季節の私はダメで。「でもそろそろ暖かくなってきたから、こないだは頑張ったんですよー。部屋の掃除もちゃんとして、毛布も洗って、料理して。たいしたコトをやったワケじゃないのに、今までが今までだったので、偉いじゃん私!って気になりました」と威張ると、Cさんも「私も先週末はあれやってこれやって…」と対抗してくる。最後は「やっぱりそんなもんですよねー」と笑いあったのだけど、この自分へ甘い人たちは何なんだろうか。

怠惰に過ごした後で自己嫌悪になるんだから、自分に全く期待してないワケじゃないけど、やっぱり自分への期待度が低いのかしら。だからちょっとの成果で「私ってば偉い」と思えるのかしら。精神的にはかなりお得な性格だと思うけれども、それでイイのかとときどき思う。私があんまり長期間悩まないのは、どこかでズルをしてるからじゃないかとときどき思うのと、同じ感覚。

ときどき思うだけで、だから何をするって話じゃないのだけれど。

2006.5.1(Mon)

4月最後の土曜日、29日はまたまた伊豆へ行ってきた。ここのところダイビング仲間4人が揃うコトがなく、唯一誘いを断らないKからも今回は「行けるかどうか怪しい」という返事が返ってきて、さんざ迷ったのだがやっぱり潜りに行きた〜い!と、いつものショップのSさんに予約を入れた。「とうとう一人になってしまいました…」というメールへのSさんの答えは、「一人でも頑張ってください!」。修行ですか、訓練ですか!?

が、直前になってKも参加が可能になり、やって来ました馴染みのショップ。今回は私らの他に4人も客がいて、久しぶりに賑やかである(しかし一人は寝坊して集合時間に遅れたため、午後からの参加)。ショップの前に広がる海はベッタベタの凪で、行き先は同じ東伊豆の海洋公園に決まった。途中で私らとSさんが乗った車がパンクしてしまうというプチトラブルはあったものの、無事に着いたIOP(海洋公園)はビックリするくらい空いていた。SさんによるとGWは案外空いているものらしい。大型連休となると、皆、海外や沖縄に行くのかなあ〜〜。

春濁りはとっくにやってきているが、数日前のショップのログ透明度が15〜20mで「春とは思えない透明度!」だった。ちょうど黒潮がぶつかってきたのだそうだ。前日の金曜日の西も海が青かったというし、ちょっと期待して海に入る。すんごく潮が引いていてエントリーが遠い遠い。浅瀬でうつ伏せになって岩を掴みながら沖に出てフィンをつけ振り返ると、すぐ近くにKがいて、残り3人のゲストが波にもまれてごろんごろん転がっていた。

勝手に沖に出るワケにもいかないので、足が届かず水面も静かな辺りでぷかぷかしながら、皆を待つ。自分のスキルには「まだまだだなあ〜」と思うばかりで進歩している気がしないのだけど、ふと気付くとこうやって人を待つコトも多くなっていて、当初待たせてばっかりいた頃よりは多少上手くなっているらしい。伊豆や三浦のビーチエントリーで揉まれるってのはかなり強いよね。Sさんも「海洋公園で慣れれば、他は大丈夫」と言っているし。

揃ったところで水面移動をし、水深が5mくらいになったところで潜降。インナーを1枚減らしたおかげで、潜降はスムーズにいった。これならウエイトをあと1kg減らせるかも! 潜降ポイントで顔をつけたときには「おっ少しキレイ?」と思ったが、潜ってみるとやはり春の海は春の海。残念ながら黒潮は入っていないようだった。ぼわ〜んとした視界の中を移動している途中で、「耳抜きが苦手」と言っていたカップルが脱落。ガイドのTさんに連れられて、浅いところでだけ遊ぶようだ。残り3人はSさんに連れられて、深場へ。

この日は群がスゴかった。キビナゴがきらきらしながら水面近くで群れている。その下にはオキタナゴの群。岩の間にはネンブツダイの子供の群。小魚の群をのんびり見ていたら、いきなりアジの群が突っ込んできた。なんだかやけに興奮している……と思ったら、捕食してるのかー! 興奮しきっているせいか、人の顔のすぐ近くをぎゅんぎゅん泳いでいく。うわあ。しばらく見とれてしまったよ。群は元気だったが、暗いせいか大きな魚はやる気がなさそうにしていた。ホンソメワケベラのクリーニングスポットでアオブダイやイラがじーっと順番を待っている。クエ穴ではクエが寝ている。同じ穴に巨大アオブダイがやっぱりぬぼ〜っと休んでいた。

深場は静かだが、浅瀬にはうねりが入っている。外から見たらベッタベタなのにな〜。春で海藻も浅瀬一面に茂っているので、波にあわせてぶわ〜んと揺れる。私は海藻酔いはあまりしないのだけれど、この日は「うわちょっとヤバイかも!」と思うくらいで、慌てて視線を外さなくちゃいけなかった。最後に「送り出しの入江」でベニイザリウオやカサゴの写真を撮る。カサゴは珍しくはないけど、カメラを向けても逃げないので練習にはちょうどイイのだ。

1本目が終わったところで、休憩に入る。1本目の用意をしている間に降りだした雨は止んでいたが、念のため屋内で食事。寝坊で遅れた最後のゲストもやってきた。顔見知りのお客さんはいなかったのだが、話しやすい人ばかりで、だらだら喋っているうちにあっという間に1時間半。14時過ぎにまた海に入る。1本目は1の根に行ったので、2本目は砂地だ。まだダンゴウオはいるかしら。耳抜きが苦手なカップルは2本目も浅瀬で遊ぶというので、残りの面子で砂地へと下りてゆく。

嬉しいことにダンゴウオはいた。珍しい魚にはダイバーが群れているのですぐに分かるのだ。私らが行ったときも違うグループが撮影中だったので、周囲をうろうろしながら順番を待つ。しかしこのときダンゴウオの前に張り付いていた人は凄かった。引率役がダイコンを指し示したり(DECO出そうだったのかしら?)目の前で「切り上げろ」のサインを出したりしているのに、無視。気が済むまでずいぶん長い間ダンゴを独り占めしていた。

彼らがどいたところで、私らの番。2度目のせいか、海藻についたダンゴウオはすぐに見つけられた。今度のは赤で、肉眼でもちゃんと顔が見えるサイズだ。でも……4mmなの! 角度も良かったので写真を撮ろうとガンバったが、ボケボケのしか撮れなかったのが残念〜。他の人が待っているんじゃなかったら、ネバったんだけどなあ。そこから少し離れたところでは、タツノイトコ。でもやっぱり写真はボケボケ。くっそー。仕方がないので砂地のお約束のサビハゼに、練習台になってもらった。あとSさんがサカタザメの赤ちゃんを見つけてくれる。何でも赤ちゃんは可愛い。それから60cmくらいのヒラメとか。

そこまではのーんびりのダイビングだったのだが、Sさんがいきなり「上がるよ!」の合図をして、すごい勢いで引き返し始めた。ワケがわからんがとにかく後へと続く。浅瀬に戻るとまたうねりがキツくなる。1本目では重いと感じたウエイトだが、このうねりの中では重めで良かったかも。途中うねりが来た途端に地面がうわっと動いたみたいになって、平衡感覚を失いそうになった。後でSさんが「それは中性浮力が取れてる証拠だよ」と言ってくれる。うねりで水も海藻も自分もいっせいに動くので、動かない地面の方が動いたように見えるんだって。なるほど。でも気持ち悪かった〜。

お約束の「送り出しの入江」での最後の遊びもなく、海から上がる。エキジットタイムは15:02。私は気をつけていなかったが、この日の海洋公園のIOPの最終エキジットは15時だったのだ。Sさんは海中でそれに気付いて慌てて戻ったのだそう。え〜こんなに日が長くなってるのに〜と思うが、漁協とのお約束だから仕方ないよね……。破ったら海洋公園に来るダイバー全体に迷惑がかかるかもしれないのだもの。ああでも早すぎませんか〜?

店に戻ってログ付けをしお喋りをし、Kと夕食をとって、家路につく。ああ止められない止まらない。

今回のログはコチラ(153本目)とコチラ(154本目)。写真ちょっぴり。

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