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2003.11.29

野菜がダブついているのに気付き「ええい、野菜たっぷりスープを鍋一杯に作ってしまえ」と、とり手羽・玉ねぎ・人参・じゃが芋・キャベツ・シメジなどを大鍋にぶち込み、ぐったぐった煮る。しばらくスープ続きになるが味を変えると飽きないからイイのだ。朝ご飯も楽だし。しかし後で楽をするために今苦労しなくちゃいけないのは“おせち”と一緒。大量の野菜を剥いたり切ったりするには、調子のよい労働歌が必要である(似鳥ユキエの如く)。作業から連想したのか自然に出てきた「♪トッマットにりんごに人参玉ねぎぐつぐつ煮込んでスパイス入れよパイナップルビネガーワインは隠し味♪(…どこまで通じるかなー)」を調子よく歌い、ついでに鍛冶屋の歌も歌い(関係ないけど“村の鍛冶屋”の歌詞ってカッコよくない? 大好き)、さすがに飽きてきたので「他に料理の歌は…」と思ったときに、ふと“豚汁の歌”があったのを思い出した。

…思い出したんだけど。「豚汁の歌があったハズ! 歌のとおりに作っても豚汁が出来ない豚汁の歌が!」と思い出しただけで、肝心の歌詞もメロディーも出てこない。ああっ、気になる。どんなんだっけ、豚汁豚汁豚汁豚汁…と一昨日から頭の中で渦を巻いていてもう大変。そんな折、なんの脈絡もなく陶製の湯たんぽが欲しくなった。できたら豚型がイイ! と検索して見るも、陶製の湯たんぽで形があるのは尽く猫型だ。えー、ありそうなのに。陶器のほんわかした微妙なピンクの湯たんぽがあったら即買いなんだけどなー。見たことある人いませんか? あるいは豚汁の歌を知っている方は?

豚型湯たんぽ予想図←こんな湯たんぽあったら可愛くない?(実は今日の日記は昨日オフ会した方の影響で絵日記にしたかったのですが、途中で挫折しました。オフレポはまた後日。)

2003.11.27

写真の整理がおっつかないのでダイビング話は後回しにして。

昨日、ニック・バントックの『ヴェネツィア人の不思議な妻』を読了しました。なんというのか、不思議な雰囲気のある美しい本でした。挿絵(と言っていいのかしら?)がいっぱいで、ある意味絵本のようで、その気になれば読み飛ばすコトも可能なんですが、それはもったいなさすぎる。ゆっくり時間をかけて楽しみたい本です。ああ、陽当たりのよい公園でワイン片手にチーズを齧りながら頁を繰りたいのは、こうゆう本だなあ。あるいは陽当たりのいい部屋の中で美味しい紅茶を楽しみながら。実際は部屋で布団にくるまりながら読みましたが、少し進んではぼーっと想像を巡らせたり挿絵を眺めたりして、そしてまた少し読んで…というペースがぴったりきます。

物語は、ヒロインのサラのもとにコンティと名乗る謎の人物から電子メールが届くところから始まります。自分の生活に閉塞感を覚えていたサラは、資産家であるらしい彼の申し出た謎めいた、でも確実に自分を変えてくれそうな魅惑的な仕事におそるおそる手を出し、そして少しずつ変わってゆきます。で、このストーリーはサラとコンティのやり取りするメールと、サラがコンピューターで書いている日記をメインに進んでいくのですね。それが不思議な感じ。サラはローカルで日記を書いているだけなんだけど、私もここでこうやって日記を書いているし、見知らぬ人とメールのやり取りをしたりするし、なんだか妙に共感しちゃいます。

物語にはよく納得できない部分もあったんだけど、そうゆう細かいコトは置いておいて、その不思議な雰囲気、感覚を楽しみたい本です。あ、挿絵はメールに添付された画像ファイルだったり、コンピューターに取り込んだ画像だったりするワケですが、あれはやっぱ紙だからイイですね。オンラインでこの物語が読めたとしても、ここまで楽しめるか疑問。メールのやり取りとコンピューター日記で構成された本なのに、実際の本の重みや紙の質感が雰囲気を作っていると思います。彼の著書には有名シリーズがあるらしいので、そちらもチェックしてみなくっちゃ。そちらは“文通”だそうです。

2003.11.25

ぷらぷら日記に移動しました。

2003.11.18

日曜日、すっきりと目覚める。未だに「頭がガンガンする」というタイプの二日酔いにはなったコトがない。母も妹もイトコもそうだと言う。血だね、こりゃ。母とイトコには血縁関係ないけど。

この日は特に用事がなかったので、仕事に出かける妹を除く3人で「天気がよかったら散歩に行こう」と予定していた。しばらく前から「日曜は雨」という予報が出ていたが、前日急に「雨は土曜の夜から日曜早朝にかけて」に変わり、その予報どおり起きたら快晴。朝ご飯を食べ、布団を干して、出かける。日差しがまぶしく、歩いていると暑くさえなりそう。まずは住宅街を冷やかしながら歩く。真新しい一軒家と、“三畳一間風呂なしトイレ共同廊下は裸電球”って感じのボロアパートが仲良く並んでいたりして、楽しい。高級住宅街にも迷い込んだのだが、ひょっとしたら戦前からあったんだろうかってくらいの、いかにも“西洋建築!”って感じの家もいくつか見つけて、嬉しくなった。せっかくなので金持ち奥さまの生活に対する妄想トークをしながらウロつきまわる。

駅一つ分を過ぎた辺りで、いい感じの公園を発見。広くて緑が多くて座るトコロがいっぱいあって景色もよくて、あまり人がいない。何の予定もなくて、でも家にいるのはもったいないような陽気の休日にふらっと出かけてくるのに、ちょうどイイ。文庫本を持って、途中でパンやチーズやワインの小瓶なんか買っちゃって……。うわ、これはいいなあ。思わぬ収穫にほくほくする。その先は河川敷に出て、ひたすら川に沿って歩く。たっぷりの水が見たかったんだけど、河川敷が広すぎてあまり川に近づけない箇所もあったのは残念だった。天気がいいのでスポーツに励む人、多数。東京国際女子マラソンに合わせたのか、市民マラソンも行われていて、相当数のランナーたちがガンバっていた。はー、頼まれたワケでもないのに好きで走る人ってこんなにいるんだとビックリ。

この河川敷ではダンボール製の家を冷やかしながら……って、ダンボールじゃないじゃん! 何の建材だか知らないけど、かなり丈夫そうだ。一番立派なのにはちゃんと庭もあって洗濯物干し場までついていた。川辺の大木の下なんて、立地条件だけ見たら今私が住んでいる部屋より好条件かも。さらに上流へ。遠目に白く優雅な白鷺を眺めたり、鵜のような鳥が潜るのを眺めたり、水底にバイクが沈んでいるのを眺めたり。楽器の練習をしてる人も何人かいた。弦楽器をやってると優雅でいいね〜。かすかに流れるチェロ(?)の音をBGMに、「こうやってて死体発見しちゃったら怖いね」なんてどうでもイイ話をしながら歩いていると、いつしか家を出てから3時間以上経っていた。かなりゆっくり歩いてたけど、10km近くは歩けたかな。

ちょうど当初の目的地についたのがお昼どきだったので、デパ地下で弁当とビールを買って、日当たりのいい川辺で昼食。この川を電車で渡るときは毎度、河川敷で戯れる人々を「いいねぇ、人生楽しんでて」と羨んだものだけど、今日はその仲間入りだー。11月らしからぬポカポカ陽気に感謝。いつになくのーんびり遊んだ休日でした。

2003.11.17

土曜日、グアム同行メンバー3人(含む私。1人は都合で来れず)でダイビング器材の専門店に行った。もうだいたい器材は揃っているのに、何か用意したくて堪らないのだ。しかし見て回ってもやっぱり新しく買わなくちゃいけないものなど何もなく、欲望のはけ口に困った私たちは“そのうち買いたい大物リスト”に唯一残っているドライスーツ(グアムには全然関係ない)購入を検討し始めるが、またもやお店の人に止められる。私らって、ちょっとツツけばす〜ぐ舞い上がっちゃうカモなのに、いつも「もっと上手くなってから考えても遅くないですよ。とりあえずレンタルがありますし」と言って冷静にならせてくれるもんなぁ。変な店。好きだけど。

その後、喫茶店で日程表を広げてだいたいの予定を決める。うーむ。昼間はほぼずっと海で遊ぶ予定で希望どおりなんだけど、夜の予定が……わははな感じ。どうなるコトやら。打ち合わせとお喋りで数時間を費やした後は、ダイビング用のハウジングのついたデジカメを買うって友達に付き合ってヨドバシへ。並ぶカメラの小ささ薄さに悔しさを覚えながらも、あれこれと品定めするのはとても楽しい。が、最初に私らが捕まえた店員は全然やる気の感じられない人で、何か聞いてやっと「あーーーー。あると思いますよ…」と品物を出してくる感じで気分が萎える。大型電気店であの接客態度って、今どき珍しいんじゃないかしら。

あまりの態度の悪さ(or要領の悪さ)を見かねたのか、上司っぽいおじさんが私らの接客を引き継いでくれてからは、話がとんとんと進む。専用ハウジングのついた機種は限られるので、もともと選択肢はあまり多くないのだ。すぐその場で買えるのは、6〜7種。おじさんのオススメはハウジングを昔から作っているオリンパスだったけど、それに逆らって一番小さくて一番可愛いいヤツを選んでしまった。全然大きさが違うんだもの。ハウジングをつけてもBCDのポケットに収まりそうだし、これなら水中でも邪魔にならない。…と、人の買物で自分の物欲を紛らわせたトコロで、彼女らと別れて家に戻る。

夜は母と仲良しのイトコと妹と一緒に、近所の沖縄居酒屋へ。沖縄料理店はそういくつも知らないが、何となく基本に忠実な味って気がする。ゴーヤもちゃんと苦くて美味しい。定番のチャンプルもよかったし、初めて食べた天麩羅もヒットだったな。店員が2人しかいなくて、店が混んでくると料理が出てくるのがグッと遅くなっちゃうんだけど、それを除けばかなり気に入った。また行こうっと。女4人で泡盛をかっぱかっぱ呷りつつ、親戚の誰がこうした誰が何だと盛り上がる。ところでさ。「あなたはその根拠のない自信がいいよ」とか言われたけど、私に対して根拠のない自信を持っているのはあなた方な気がするの。「To-koは放っておいても大丈夫」って。……放っておかないでよう!

2人を連れて家に戻ってまた飲む。飲む。飲む。飲む。の……。すぴー。

2003.11.14

次から次へと問い合わせの電話が入って、予定してた作業がちーっとも進みません。あと2つは書類仕上げようと思っていたのにー。それに以前から優柔不断だった取引先が、今回もその優柔不断っぷりを発揮して迷いまくっているので、月末エラク忙しくなりそうなイヤな予感…。ま、稼働日数の少ない11月に(派遣はコレがキツイね)残業代稼げると思って割り切るか。

グアムへの出発まで10日を切り、とうとう最終日程表がやってきた。手配は私がまとめてしているので、代表して旅行代理店まで日程表を受け取りに行き、集合時間がわかったトコロでついでに成田までの足を確保する。「集合時間に間に合うようなスカイライナーの券1枚ください」と代理店のお姉ちゃんにお願いしたら、お姉さんはニッコリ笑って「じゃあ、朝一番の便になりますね!」と答えた。…えっ? 成田に向かう特急って、そんなにのんびりなの? もっと朝早くからガンガン走っているのかと思い込んでいたのに。私は朝一番ので間に合うけど、もっと遠方から成田エクスプレスでやってくる友達たちは間に合うのかしら。今までは夜出発の便ばかりだったから、ウッカリしていた?

(もし成田エクスプレスが走っていなかったらどうしよう…。ウチに3人泊まってもらうのは難しいよなあ。海外だもん、荷物だってスゴイし。第一、前日まで皆仕事をしてるんだから、それから家に帰って荷物まとめて私の家まで来るなんて…不可能だ! そんな慌しく荷物を詰めたら、絶対皆忘れ物をするに決まっている! しかもパスポートとか搭乗券引換書とかCカードとか大事なモノを!(←深い信頼))と内心ぐるぐるしながら家に戻り、さっそくネットで成田エクスプレスの時刻表をチェックする。……ああっ! やっぱり間に合わない。友人たちが乗ろうと予定していた便では全然集合時間に間に合わない。慌てて他の足を探す。成田エクスプレスがなくっても、何かあるハズだ!

ええ、結果的にはちゃんとありました。3人まとめて来れる電車が。でも、一番遠い人が電車に乗り込まなくちゃいけない時間は、朝の5時。うわー、これまた危ない。寝ない人が2人ほどいるんじゃないかって予感。寝なければ遅れもしないだろうけど、もし寝たら寝過ごすんじゃないかって人が2人ほどいる予感。それを防ぐために当日はモーニングコールしなくっちゃいけなくなるだろうって予感。うきょぅ。でもこうやってドタバタしてると、やっと実感が湧いてくる。明日は日程表渡して打ち合わせをする予定。きっともっと実感が強くなる。旅行前のこうゆう雰囲気って、好き。

2003.11.13

薄暗い住宅街を歩いていた。私の歩いていく方向の少し先には十字路があって、その十字路の向こうから真っ黒な美猫がぴゃーっと、すごい勢いで走ってきた。「何かに追いかけられているのかなー」とぼんやり思いながら歩きつづけていると、その猫は十字路に差し掛かる直前、ちょうど“止まる”の白線でピタッと止まった。あまりにもキッチリ白線に合わせて止まるので「うわ、スゴイ! 躾られたのか? それとも偶然?」と注目していたら、十字路の横方向から人が出てきてゆっくり横切ってゆく。でも猫は動かない。じっと待っている。「…偶然だったかな…」。2秒後、スクーターが横切る。猫はスクーターが通り過ぎてしまった後、再度トップスピードに入って角を曲がって消えていった。それだけ。それだけの話なんだけど、なんだかすごくいいモノを見た気分。

ハンバーグ急遽入った仕事に予定を狂わされ、8時過ぎまで残業。帰りに寄ったスーパーで挽肉の安売りをしていたので、大入りパックを購入し、家に帰って大量にハンバーグを作る。余分なのは冷凍して弁当のおかずにするのだ。写真は夕食分。大根おろしを添え、万能ネギをちりばめていただきます。玉ネギと人参とシメジを刻んで多目に入れたのが正解か。タイムも効いている。ウマー。

2003.11.11

でも、そこに言葉をあてはめることで、喪うものの行方を時に追ってみましょう。私は、わかりやすくわかりやすく言葉をあてはめてカテゴライズして、すっきりまとまったと、これで把握できたと笑っているうちに、実質が「引き出し」の中からごそっと消えていた人を、沢山知っているわ。

「あなたについて考えている」(過去の22)より

上は、敬愛する(としか言いようがない)実柚さんのサイトからの引用で、私がときどき読み返しては噛み締めている文章です。こうやって毎日のように文章を書いていると、つい自分を、他人を、世界をも把握しているような気になってしまうのだけれども、言葉にした段階でぽろぽろと零れ落ちてしまうものは確かにあるのです。私は言葉を信じているけど、でも言葉は万能じゃない。もし私を形づくっているものがほろん、と壊れてしまったとき、そこに残るのは網目のような言葉でしっかりと編み上げられた定型のものではなく、姿の定まらない得体のしれないものじゃないかと思います。あっちが膨れたりこっちが膨れたり、揺らいでいる、不安定な。

整理のできない感情を身のうちに抱えているコトは、ときどき寂しくもあり恐ろしくもあるけれど、分からないものは分からないままに抱いて沈めていたいと思うのです。そこから何かが生まれるかも知れない。生まれないかも知れない。いつか馴染むかも知れない。馴染まないかも知れない。発酵するか、腐ってしまうか、発酵して腐るか、腐って発酵するか、なにも分からないけれど、でも分からなくていいんだと思います。分からないままでいたいです。

自戒のために。

2003.11.10

グアム行きの準備の一環として(←言い訳)、伊豆にダイビングに行ってきた。「やっぱさー、あんまり間が空いてると不安じゃない? 海外のダイビングって1本目でレベルのチェックをされるらしいじゃん。それに合格しなかったら、ブルーホール(グアムで有名なポイント)に連れて行ってもらえないかもよ?」といつものダイビング仲間を誘ってはみたのだが、一人は家の事情で都合がつかず、一人は「寒いから私は行かないよっ」とにべもなく、一人は前日まで迷っていたものの「仕事が終わらなかった」と涙をのんで諦めたので、結局一人で早起きして重たい荷物を抱えはるばる伊豆まで出向く羽目に。ついた途端にサービスオーナーのSさんに「元気だねー、一人でくるなんて!」と言われる。ええ、最近、自分の取り得はこの体力にあるんじゃないかと思ってるもんで。

私の他の客は常連でベテランのHさんだけ。彼はものーーーーーすごくキレイな写真を撮る人だ。一緒に潜るとログブックに自分の写真で作ったシールを貼ってくれるので、それが楽しみだったりする。Sさん、ガイドのTさん、Hさん、私の4人はみんなお馴染みなので、さくさくっと用意を済ませ、秋晴れの海洋公園へと向かう。朝、霧が発生して電車が遅れたときは「また天気予報士が外したか」と疑ったが、この頃になると空は予報どおり晴れ上がり、気温も上がり、海も凪ぎ、絶好のダイビング日和になりそう。おかげで人出も多かったけど。事前ブリーフィングでSさんが「今日は2の根に行ってみようか」と言い出す。「かなり遠いんだけどね、To-koさんもそろそろ大丈夫でしょ」。

海洋公園はエントリーポイントに近い順から、1、1.5、2、3、4、5…と根に番号がついている。今まで私は1.5までしか行ったコトがなかった。しかも話によると1.5と2の根はすーーーーごく(今日の日記は「ー」ばっかだな)離れているそうだ。「だからエアの持ちがいい人しか連れてけないんだけどね」と言われ、不安ながらも「ドロップオフがあるし、中性浮力とって泳がなくちゃいけないから、グアムの予行演習だと思えばいい」という言葉にふらふらとその気になってしまった。(げーーーーっ、今PADIのポイント情報サイト見てみたら、2の根って「中級以上」になってるじゃないのーーっ。「深度のキープと中性浮力が取れる技量が必要」 ってアンタ!)

まあホントはそんなに不安も覚えずに気軽に海に入っちゃったんですけどね。そして入ったときは透明度が15mもあって、めっちゃキレイだったので全然不安は感じなかったんだけど。とにかく、いつもとの違いは潜降してすぐに分かった。いつもなら、海底からある程度の距離をキープして、つまり海底の隆起に沿った形で泳いでいくのだけど、今回はなんせ遠くまで泳いでいかなくちゃいけない。最初っから10mも潜ってしまったらエアの消費も早くなっちゃうし、体に窒素が貯まってしまう。だから深度5mくらいをキープして泳いでいくのである。これが、なかなか難しい。なるべくガイドと同じ水深をキープするようにし、腕につけたダイコンと睨めっこし…。それでもふと気を抜いた隙に、魚に見とれている隙に、深度はふーっと上下してしまうのだ。

が、2の根には無事に到着できた。根を越えるとそこはドロップオフになっていて、すとーんと落ちている。うわ、面白い〜。Sさんが壁に沿って落ちていくので、あまり急激に落ちないように気をつけてそろそろ降りていくと、あっと言う間に深度は28m強に! ひゃー、確かにここ、ホントの初心者には無理だわ。でも透明度は10m以上あるし(エントリー時よりちょっと落ちてしまった)、壁にびっしり付いているソフトコーラルは絵本でみる妖精の国の森のような景色を作っているし、珍しい魚は乱舞しているし、遠出してるんでダイバーはほとんどいないし、地形は面白いし、夢中になってしまう。帰りもふわふわと戻って、興奮しながらお昼を食べ、2本目どうする?浅いトコロで楽なダイブする?それとももう一度2の根行く?Hさんが珍しいエビを見つけたよ?との問いに、うっかり「エビ見た〜い」と答えてしまった。調子に乗りすぎたのである。

2本目、潜降すると透明度は更に落ちていた。7〜8mだろうか。最初は「ああ、落ちちゃったな」と思っただけであまり気にしていなかった。しかし、2の根に「深度5mをキープして泳いでいく」というのが、この透明度ではなかなか大変だったのである。考えてみて欲しい。私は深度5mを泳いでいる。透明度は7〜8mである。…というコトは、水深15mにもなると、泳いでいる私から海底は見えないのである。これは、怖い。さきほど書いたように、2の根に向かうダイバーは少ない。周囲を見回しても、見えるのは一緒に潜っている3人だけで、それもちょっと離れてしまうと霞んでしまう。ひー。見失うワケにはいかない、と私は必死でついていった。多分、意識している以上に緊張していたのだと思う。

エビを見て、他の魚も見て、1時間を越える長いダイブをしてる間はよかった。終わる頃に「ちょっと疲れてるかも。息が重い気がする。こりゃ何かミスしたらパニくっちゃうかも知れないから、慎重にいこう」とは思ったが、特にヤバいとは思わなかった。が、水から出た途端に頭が痛み出したのである。酸欠状態のヒドイみたいな感じ。ボーっとするのとガンガンするのが両方で、ボワンボワンしてる感じ。これが器材を洗って片付け、シャワーを浴びて着替えをして、ショップに帰るまで続いた。…ツラかった。うーむ、まだ2の根×2回の技量はないんだわ、と実感。でも2の根は楽しかったので、ガンバって2往復できるようになろう、と思う。I'll be back!!

今回のログはコチラ(43本目)コチラ(44本目)。写真微妙に。

最近ショップに行くたびに「ホントに上手くなった、最初はヒドかった」って話になるんだが、今回は「ここまで続くとは思わなかった」とも言われた。「すぐ止めちゃうと思ってました?」と聞くと、「うん、どうせすぐ飽きるだろうって思った。ここまで皆がガンバって上手くなるとはねえ」と褒めてもらったので、「皆、負けずギライなトコがありますからねー」と答えたら、すんごく深く納得していた。注意されたら「くっそー、やってやろう!」と思うもんなー。お互いで「もう少しこうした方がイイよ」と注意しあうし。それで上手くなれたんだとしたら、すごく、嬉しい。「勝った!」って気になる(←私もやっぱ負けずギライ(笑))。

2003.11.7

数日後に会う約束をしてた友達から「予定してた日時、ダンナの実家の都合でダメになった」と連絡が入り、慌てて他のメンバーに連絡を取って、あの日にしよう、いやこの日はダメだ、じゃあこっちは、それじゃ遅すぎないか、他に聞いてみるからちょっと待って、と何度も何度もあっちに電話しこっちに電話し…。なんだか、最近こうゆう調整役がまわってくるコトが多くなってきた気がする。おかしいなあ。幹事役とか、苦手なんだけど。アナタ任せでついていきます、って受け身な人間なんだけど。でもまあ、その苦手な真似をしてでも逢いたい人が増えてきたのかと思えばシアワセか。

苦手といっても「メンドくさい、ウザい、やりたくねーよ」って話じゃなくて、「不肖わたくしでよければ精一杯あい努めますが、でも下手なのよ、優柔不断だからなかなか決められなくて迷惑かけるのがイヤなのよー」って感じなんだけど。気配り足りないし。ホントもうだめだめです。

用意をまだ何もしてないので実感が湧かないのだけど、あと2週間ほどしたら海外に行くコトになっている。行き先はグアム。私には相当先まで縁がないだろうと思っていた島である。昔からずっと、旅行先としてのグアム・サイパン・ハワイにはちっとも魅力を感じていなかった。好きな方住んでいる方にはゴメンなさいなんだけど、実は今もあまり魅力を感じていない。…だって、日本人が多すぎると聞くんだもの。日本語が通じすぎるんだもの。旅先で四苦八苦しての意思疎通が好きな私としては、ツマラなすぎる。せっかく海外に行くのだったら、その土地の人と話したーーーいっ!(←自分も日本人なくせに、海外で日本人に会うのはイヤという、よくいるタイプ)。

なのにどうしてグアムなのかというと、初心者に優しいダイビングポイントがある、という条件で選んだからだ。世界にダイビングポイントは数あれど、実は海外の有名ポイントは中級者〜上級者向けが多いらしい。潮流に乗って移動する、ドリフトダイブってスタイルが主流だそうだ。ドリフトダイブ…。やってみたい。やってみたいけど、海外ではCカードを持っていればあれもこれもそれもできると思われてしまうらしい。日本のような懇切丁寧なガイドはしてくれないと聞いた。地形と方向を指示されて「あとは自己責任で楽しんで」と言われても、困る。危ない。そりゃもちろん自分の面倒は自分でみられるダイバーを目指してはいるが、私らはまだまだ成長途中なのだ。

とゆうワケで、初心者向け(流れが速くない、深くない)ポイント多いというグアムになった。天気に恵まれるとイイなー。そして青い青い青い海に潜ることができたら、ころっとグアム信者に変わる可能性も大アリ。そうなれますように。

2003.11.6

田舎からもらってきたささげを煮たら、ふっくらキレイに出来上がって大満足。砂糖がもうちょっとだけ少なくてもよかったかな? ふだん料理に砂糖を使わないので加減が難しいわ。炊くと予想以上に膨れ上がったので、お弁当用のカップで小分けにして冷凍する。うふー。なんだか達成感があるじゃないの。時間がなくてやらないけど、ホントは弁当用の冷凍食材も手作りにしたいのよね。市販のはマズいから。それでも弁当丸ごと買うよりは、手作りの品も入る分ずいぶんとマシ。

さて連休の残り2日は、ちょこちょこ買物に出たりした以外、ほとんどハプスブルグ家に浸かって過ごした。まずパウル・クリストフ編『マリー・アントワネットとマリア・テレジア 秘密の往復書簡』を読了。本を手に取ったときは(楽しめるかしら)とちょっと不安だったのだけど、読み始めたらアナタ! 止められない止まらないのよ。『ベルサイユのばら』を読んで育った人間にとっちゃ知ってる名前がゴロゴロ出てくるわ(オスカルが出てこないのが不思議なぐらい)、歴史的な事件に軽〜く言及されているわ、母娘のやり取りは興味深いわで、めちゃくちゃ面白かった。惜しむらくは母マリア・テレジアが1780年に亡くなってしまっているので、手紙のやり取りもそこでストップしちゃってるコト。まだ首飾り事件も起きてないし、王太子も生まれてないし、フェルゼンにも出会ってない。

『ベルばら』を子供の頃に読んだ人って、マリー・アントワネットに対してあんまり悪感情を抱いてない気がするんだが、どうだろう。誘惑やお追従に弱くて先を見通す洞察力は持ち合わせえていなかったかもしれないけど、でも情に脆くて誇り高くて心優しい愛すべき女性…ってイメージを持っていない? 実際、子供を産んでからは生活態度も落ち着いたって話だし、もし革命が起きなかったら、もう少し前の時代だったら、再び国民の愛情を勝ち得るコトも可能だったんじゃないか…とさえ、私は思っている。イメージだけどね。でもこの本を読んで、そのイメージは更に強くなったわ。それに、マリー・アントワネットが可哀想になった。母親に諌められてすぐにバレる嘘をついていたりするんだけど、それさえ母の理想に届こうとひたすら足掻いているだけのような気がする。あまりにも高い理想を押し付けられ、でもその理想を体現する力量はなくて、だからこそ不安を抱えて、なおさら母の愛を求めずにいられない、寂しい子供に思える。

マリア・テレジアは娘の輿入れ当初から、娘の先行きに強い不安を抱いているのね。「このままなりゆきにまかせていれば、あなたを待っているのは途方もない不幸だけだと、私は今から断言できます」 と、輿入れ1年目か2年目には書き送っている。その後も折に触れ…というか、毎回のように娘に警告を発している。革命を予言するかのように。手紙だけを見ると「娘だって彼女なりに精一杯やってるんだから、少しは認めてあげればイイのに」と思うけれど、結果的にマリア・テレジアは怖いくらい正確な見通しをしたのね。本を読んでいるだけではわからない、時代の流れのようなものが見えていたのかも。

とにかく、これを読んで俄然マリア・テレジアに興味が湧いてきました。何となくのイメージはあるけど、マリー・アントワネットの母って要素が強くて、実際にはロクに知らないのだ。彼女は何をやってあそこまで尊敬を受けているのか。どんな子供時代を過ごし、どんな結婚をし、どんな風に帝位を継ぎ、夫から、子供たちから、民衆からどう思われていたのか。それが知りたくなってきた。すぐさま図書館に走り、棚に並んでいた江村洋さんの『ハプスブルグ家』と、マリー・クリスチーヌの『異国に嫁した姫君たち−ヨーロッパ王室裏面史』を借りてきて読み耽ってしまった。

前者はハプスブルグ家の歴史をしっかり追っていて、流れが分かって興味深い。マリア・テレジアについてもワリと詳しく書いてあって、だいたい何をした人なのかはわかった。あと、彼女の若い頃の肖像画が載っているんだけど、これが美人なの! 今まで中年になってからのしか見たコトなかったのでビックリした。私の好みでいくと、娘よりも彼女の方が断然キレイだわ。絵描きの腕前を信用するのなら、だけど。後者にはマリー・アントワネットだけじゃなくて、『往復書簡』に名前が頻出してたマリー・アントワネットの姉のナポリ王妃の項もあって期待して読んだんだけど、つまらなかった。著者自身が“公妃”と呼ばれる身分の人じゃなかったら邦訳されたか疑問だと思うわ。

でもまだ足りない。足りません。マリア・テレジアについてもっと読みたい。「実はマリア・テレジアはタイムトラベラーで未来を知っていたのだ」ってトコまで行ってなければ多少脚色が入っていてもイイので、オススメの本がある方、教えていただけると嬉しいです。

2003.11.5

さて『真昼のディスコ』で汗だくになった私は、体を冷やさぬように夜の中野に向かいました。ネット友達4人をお誘いしてのオフ会だったのです。3回か4回は顔をあわせたコトのある人ばかりなので、オフ会というより久しぶりに会った友達との飲み会って感じでしたが、相変わらず濃ゆく楽しい時間を過ごしました。…過ごしたと思います。

というのも、実は記憶がめちゃくちゃ曖昧だからです。思い出す会話といえば、開始後早々のものばかり。そのあと何話したんだっけ。あ、たった今「キル・ビル」と「はだしのゲン」ってキーワードが出てきました。そう言えばそんな会話があったような。けどキル・ビルがどうしたんだっけ。はだしのゲンが何したんだっけ。…とまあこんな感じ。細かいコトを忘れるコトはあっても、大まかな記憶はしっかりキープする私にしては珍しいです。おやじダンサーズに水分吸い取られてカパカパ飲んでた日本酒のせいでしょうか。日本酒の入った竹筒を傾けて「もう入ってないよー」って誰かが言ってる風景は、何度も何度も何度も見た気がします。いったい何合飲んだんだ私ら。その後ワインも2本くらい空にしたような…。酔わない方がおかしいですね。あと隣のテーブルが何やら面白い会話を交わしていて、こっちのテーブルの会話が途切れるたびに、隣に背を向けて座っていた人たちの耳がダンボになるのが、見ていてハッキリわかるんですよ。それも可笑しかった。

あとですね。私にとって『指輪物語』が聖域だってのは日記に書いたコトがあるんですが、参加メンバーのうち3人が、その聖域に土足でずかずか入ってきてくれました! しかもその中の1人はピンヒール履いてたし。1人が参戦しなかったのも、沈没していたからだろうし。沈んでいなかったら誰よりも高いヒールでぐりぐりやってくれそうだし。………なんで私の周りって、こんな人ばっかりなんでしょう。「多少毒があった方が人間って面白い」とか言ってるバツでしょうか。多少でイイんだけど。毒々モンスターじゃなくてイイんだけど。でもきっと、次にオフ会やるときも同じ方々に声をかけるんだろうなー。ああ、なんだか自分がMに思えてきました。あの、毒は外に向けてください、外に。

でも、ホントはすごく楽しかったです。覚えてないけど。(−−−参加してくれた皆さん、ありがとうございました。また来てね。−−−)

2003.11.4

ハッピーバースデー>妹。今年は蟹を食べに行くんだけど、お互いの都合がなかなか合わず、月末まで持ち越し。とりあえずリクエストのあった小銭入れをプレゼントとして渡しておいた。「つむじまがり」と染め抜いてある渋いヤツでカワイイの。

さて、また書くことが貯まってしまったので順々に行きます。まずは、土曜日の『真昼のディスコパーティー』から。念願の生おやじダンサーズを見たのは10月の日記に書いたとおり。そこで手に入れたチラシで行こうと決めたのが、今回の“パーティー”でした。場所は江戸東京博物館。この近くに父方の親戚がいるので始まる前にちょっと寄ってきたんですが、地元民の彼らも「なんであんなトコロで…?」と首を捻っておりました。私も不思議でしたが、どうやら今『東京流行生活展』って企画展をやっているので、その一環らしいですね。'70〜'80のディスコブームを振り返る、とかそんな感じで。ずいぶん強引だと思いますが。

まあとにかく現場に行ってみましたら、笑っちゃうコトに当日券を売ってます。おやじダンサーズのチケットって、意外に手に入れづらいんですよ。何回かソールドアウトで涙を呑んでる私が言うんだから間違いありません。今回は、売り方が悪かったんでしょうね。会場のチケット売場かイープラスでしか売ってないんですもん。でもおかげで販売開始後1ヶ月くらいしてから申し込んだのに、かなりイイ席を手に入れるコトができてました。チケットの売り方以外も、会場全体に漂う「こういうイベントやり慣れてません」感には笑えます。ロビーには「今日の演目はスモークを使います。ご注意ください」という注意書きがある。開演前のアナウンスで「ステージ上のパフォーマンスを妨害する行為があった場合には、公演を中止します」と流す。ステージ両脇に係員が2人ずつ立ち、ガードマンよろしく背中で腕を組んで客席を睥睨している。きゃー、ダメすぎー。

それらを見るたびに友人と「スモークに注意って何をーーーっ?」、「公演中止っていきなりー? なに? おやじダンサーズってスター? ステージに駆け上がって抱きつくファンがいるとでも?」と大喜びしてしまいました。さて今回の客層はと言えば、こないだの県民ホールよりもかなり若いです。20代後半〜40代前半が主流でしょうか。私の友人も六本木のディスコ(クラブではなく)に通っていたクチです。あ、私はその頃はマジメな田舎の学生でしたので、ディスコ通いの過去はありません。開演時間になるとまずDJが舞台上に作られたブースに入り、適当にリクエストを取りながら当時の曲を紹介し始めます。ステージ前の空きスペースが一応“ダンススペース”で、「ご自由に踊ってください」となっているんですが、両脇から睨まれてちゃ出られませんっつーの。

こんな感じで最初はちょっと入りづらかったのですが、盛り上がらなかったワケじゃありません。懐かしい曲ががんがん入るので会場の雰囲気は否が応でも濃ゆ〜くなってゆきますし、椅子の中でそわそわしてる人も目に付きます(含む私ら)。出たい、でも出にくい。ステージ脇の係員が憎いです。「あの人らがサクラになって踊ってりゃイイのに〜」と、隣の友人が耳打ちしてきます。ホントだよ! それでもDJがガンバって何人かを舞台上に引っぱりあげるのに成功したら、次々に続くわ続くわ。赤い靴のカーレンばりに足がむずむずしてる人が多かったんでしょうね。私もガマンしきれなくなって「行こうよ!」と友人の手を掴んで舞台上にあがりました。

いやー、それからはひたすら楽しかった! 舞台上で踊り、汗だくになった頃にパパイヤ鈴木とおやじダンサーズ登場。舞台上にいた人間を例の“ダンススペース”に下ろしてステップ教えて踊って。前回より時間は短かったのですが、途中のお喋りも少なかったので「おやじたち大丈夫なのかしら」とちょっと心配になっちゃいました。でも年金手帳さんが私の2m先に〜!って興奮の前には心配も吹っ飛びます。いいのかそれで。って、イイよ! こないだやり足りなかった分は全部やり尽くした気がします。座席、最初から要らなかったわ。40代の、いかにも「おばさん!」って見かけの人が妙に華麗に踊っているのに会場がどっと沸いたりして、すごくすごく楽しかった〜。

ただ一つ心残りがあるとすれば…おやじダンサーズのメンバーのうち、好きな人とチークダンスが出来る、というのに選ばれなかったコトでしょうか。たった一人だけ選ばれたラッキーガールは16tさんを指名してましたが、私なら身長差も何のそので迷わず年金手帳さん! 他の人じゃイヤだけど、年金手帳さんなら私がリードしてもイイです。終わったときには頭が酸欠でがんがんしてるわ足は痛いわ汗臭いわでヘロヘロ。(今日このあと飲み会あるんだよなー、飲んだら回りそう…)と思いつつ会場を立ち去る私の頭には、エンドレスで『DANCING QUEEN』が鳴り響いていたのでした。ああ、また行きたいわ。

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