2008.2.26(Tue)

22日の金曜日から4日間風邪で寝込んでました。どうも去年の暮れから風邪ひきやすくなってしまって凹みます。そこ、年だから仕方ないとか言わないように。気力の問題です気力の。(←……それも年のせいだと言われたら終わりだな)。ま、今回はホットケーキを焼いて食う元気はあったので。

寝込む合間に、乾くるみの『イニシエーション・ラブ』読了。乾さんの本は『Jの神話』しか読んでなかったから、この人ってこんな、ちょっと古い少女マンガみたいな話も書くのかしら『Jの神話』が特別だったのかしらいやどっかに罠があるに違いないでもどこに?……と疑いながら読んでました。

なのに、全然、最後まで気付きませんでしたよ真相に。つか読み終わってもえ?どうゆうこと?と頁をさかのぼって読み返し、それでもわからなかった。根性なしの私はすぐにネットに頼り、懇切丁寧に真相を解明してくださっているサイトを見つけました(【ゴンザの園】さんの、謎解き『イニシエーション・ラブ』)。そ……そっかー! そうゆうことだったのかー!

私はしっかりミスリードにつられまくりでした。(ネタバレ→)マユの言動がおかしくて(素でこんな女いない! 絶対演技!)と思ったし、なんか不自然な台詞があるなーと気付いたし、え?この人ってこんな人だったっけ?と違和感も抱えていたのに、でもちっとも真相はひらめきませんでした。名探偵にはなれません。 人がすっきりした謎解きをしてくれるだけで満足できちゃうからなー。

『ケルベロス第五の首』のときも、同じことしてますね。雰囲気や物語の質はケルベロスの方が断然好きですが、『イニシエーション・ラブ』の明快な謎解き(←他力本願ですが)もまた気持ちよかったのでした。

2008.2.24(Sun)

急に無性にホットケーキが食べたくなってしまったので、日曜のブランチにさくさくっと作りました。ホットケーキはお菓子作りのようでいて材料を量る手間がいらないのがイイですね。卵を割って牛乳を混ぜて砂糖ちょんぼりにベーキングパウダー、薄力粉。粉をふるいさえしませんでした。小さめのフライパンで焼いてぽーんと跳ねさせるのも、また楽しい。焼きあがりに蜂蜜とバターをたっぷりかけて、いただきます。デザートには古くなりかけの林檎があったので、バター・三温糖・ブランデー漬けのレーズンをかけて焼いておきました。うま〜。休日満喫。

……分量量らなかったからたっぷりできすぎて、後から腹が膨れて大変だったけど。

2008.2.20(Wed)

細川貂々さんのエッセイマンガ、『イグアナの嫁』を読みました。タイトルからしてペットマンガなのかと思っていたら、イグアナを飼いはじめてからの人生の変化が主な内容で―――思わず、感動してしまいました。

ちょっと前に『ツレがうつになりまして。』を読んだときにも、「以前の自分はネガティブ思考ばかりしていた。それはそのほうが楽だったから」みたいな記述に(なかなかそう認められる人はいないよなー)と感心していたのだけれど、今回の本でスゴイ!と思ったのも、彼女のマイナス思考クイーンからの脱却の物語でした。かなり、グッときた。

それにしてもスゴイのは「人の言いなりに人生送ってるからいつまでたってもダメなんじゃない?」って言ってしまえる友達ですよね……。ここまで言ってしまっても大丈夫という信頼があるから言えるのか、それとも貂々さんの不幸オーラに耐え切れずつい口にしてしまった一言なのかは、貂々さん目線の描写ではわからないのですが―――。

後者なんじゃないか、と思っちゃいます。だって言われたらこりゃ衝撃受けるよ目覚めるよ(じゃなきゃもう終わり)ってレベルの一言ですよね。不幸オーラを受け止めるほうもホント消耗するし、磨り減って磨り減ってブレーキが利かなくなっちゃったんじゃないのかしら。「ああでこうでああなんだよ!? ヒドいと思わない?」と熱く訴える私に「それはTo-koもおかしいよ」とばっさり返してくる友達はいますけど、さすがにそこまでは言われませんもん。

客観的な意見が欲しいときとか、迷っていてぽんと背中を押して欲しいときには、とっても頼りになる、得がたい友人です。彼女は。けど、ひたすら慰めて欲しいとき。「To-koは悪くないよ、大変だったね、可哀相だったね、よしよし」と言ってもらいたいとき(私にだってそうゆうときはあるんだい!)には相談できないなー。何を言われるか怖いもん。

すんごい傷ついただろうけど、そこでまたネガティブループに戻らなかった貂々さんに、拍手。

2008.2.16(Sat)

静岡出張の後そのまま伊豆の馴染みのショップに転がり込んで泊まり、土曜日さくっと潜ることにしました。私のほかに予約を入れているのはE川氏だけ。SさんTさんのガイド2人にゲスト2人の、冬ならではの贅沢構成です。朝食を食べ終わったころにE川氏が車でやってきて、いつもより早く、IOPに向けて出発しました。

天気予報は快晴―――のハズなのですが、空はどんより。移動中には雨が降り出し、やがてそれが霙に変わりました。……E川氏雨男疑惑がまたむくむくと、再燃します。が、IOPにつき荷物を降ろしているうちに雲が切れてきて、エントリー口でセッティングをしているうちに陽が差してきました。エントリー口はがらっがら。

水に入ると、おおっ! すごい透明度! 青くて澄んでいて20?25?いや30? 光が水面から差しこみ、遠く遠くが見えるこんなときは2のに行くより仕方ありません。5mの水深を保って、はるか20mも下に海底を見ながら飛んでゆきます。さすがにこの時期、魚の種類は少なくなっていて、大きなアオブダイが目立っていました。

2の根でE川氏リクエストのゼブラガニを探し、彼が撮影に時間をかけている間、私は1の根方向の砂地をぼーっと眺めていました。砂紋までもがはっきりと見え、気持ちいいことこの上ない。根の周りにはシラコダイやキンギョハナダイが群れているし、ソフトコーラルの色も鮮やかに見えます。珍しい魚が何もいなくても、ああ、シアワセ……。ちょっと深めのコースを取って戻った1の根の先、クマノミ城が見えてきました。さすがにこの時期、クマノミの姿はありませんでしたけど。

1本目を終了して海からあがると、さっきまでがらがらだったエントリー口にダイバーがひしめきあっていました。ちょっとの時間差でこんなに違うんだなあ! 2本潜ってから昼食の予定なので、休憩時間はひたすらのんびりお喋りをしてました。外の空気は冷たいですがすっかり青空になっていて、暖房のきいた室内から眺める分にはめちゃくちゃ気持ちのいい日和です。ごめんE川氏、疑って悪かった(←何度目の謝罪かしら)。

2本目は1の根の先端に行きました。ネコザメ狙いだったのですけど、残念ながら見つからず。でも30m潜っても水面がはっきり見える状態では、何をしていても気持ちイイ。ムレハタタテダイが数匹群れているのも嬉しいし、クエ穴の大きなクエは迫力です。Sさんがミアミラウミウシを見つけてくれたので写真を撮ろうと思ったら、シャッターを押した瞬間に下からTさんの吐いた泡が!

もうTさん!と思って、泡が消えてからもう一度カメラを構えたら、あら? さっきまでいたウミウシが消えている! Sさんと2人で探し回っていたら、後ろからE川氏が手のひらにウミウシを乗せて現れました。どうやらTさんの泡で吹っ飛んでしまったらしいです。もと居た場所に戻してもらい、撮影はE川氏に任せました。でもちょっとレアだったらしいから、私も粘ればよかったなー。

泡泡写真

泡にピントが合って、面白い写真が撮れました。泡の中にミアミラが飛んでいたら、もっと面白かったのにー。

その後オクリダシの入江で遊び、寒くなってきたのでエキジット。フィンを外すのがちょっと早くて背が立たなくてあたふたしてしまいましたが、何とか無事に上がれました。大きな波が来てなくて良かった。片付けた後はE川氏オススメの店に遅めの食事をしにいきます。SさんTさんの頼んだカマ定食がすんごいボリュームで、しかも激ウマでした。また行きたい店です。

ショップに戻ってからのログ付けものんびり。海はキレイだし人は少ないし、やっぱ冬の海はいいですねー。

2008.2.15(Fri)

静岡散策静岡散策

お散歩日記。静岡県某市に出張し、用事を済ませた後にちょろちょろ街を歩いてみた。すーごくいい天気だったので、空の青に風景がよく映える。空には月も見えている。公園で見つけたのは、まるで扉のような木のうろ(?)。別の世界に通じていそうだ。

静岡散策静岡散策

海岸っぺり。富士山には残念ながら雲がかかってしまっていたが、うーん、気持ちいい。しばらくぼーっと、海を見ていました。

静岡散策静岡散策

電柱にも。松の木にも。

静岡散策

1匹の猫がにゃーにゃーと近づいてきたので(なつっこい猫だなー)としばらく相手をした。歩きだしたらついてきた。しかも1匹が2匹、2匹が3匹とどんどん増える。ナゼ? 最終的には6匹もぞろぞろ私の後をついてきて、ちょっと怖かったよ。写真を撮ろうと立ち止まったら、ご覧のとおりくつろぎだした。君たち、何の用事だったの?

2008.2.13(Wed)

直属の上司の上司の上司JBに、いきなり「To-Koさん、ちょっと」と肩を叩かれ、連れて行かれた打ち合わせコーナー。JBから仕事が直接ふってくることなどなく、ついて歩きながら悪い予感を感じていたのだけれど、話の内容は案の定のものだった。聞いた瞬間は心臓がきゅーっと縮まってしまったが、席に戻って10分もすると(ま、それもイイか)と考えているこのお気楽さ。それにしても、肩たたきってホントに肩をたたくんですねー。

つまり「今年度いっぱいまでしか契約できないかも」って話なんだけど。「かも」とはいえ、JBから言われたのでホントにかなり、危ない。私としてはあと1年続けたかったんだけどな。でもはっきり言って、今の職場に私がいるのは法律違反なのだ。今までどうやってごまかしてきたか知らないけど、派遣として在籍してていい期間の3倍以上もいるんだから。

今の職場がぬくぬく楽だという以外の、あと1年続けたい理由。「1.今年は遊びの予定がいろいろ入っている」。職場を変えてすぐは休みづらいからなー。「2.来年度は2年毎の仕事の山。来年度いっぱい働けば、残業代で稼いで金銭的に余裕のある状態で辞められる。」「3.一応、2008年度も勉強の年にするつもりだった」。まぁ今年はTOEICをやるだけなので、仕事よりも趣味のための勉強なんだけど。

「続けて欲しいから、何とかできないか方法を探してみる」とは言われているが、さあ〜てどうなることやら。

2008.2.12(Tue)

ずっと昔に「To-koの日記は、もし自分が結婚していなければ送っていただろうなあという人生を見ているみたいで、楽しい」と言われたことがあります。そのときは今いちピンとこなかったのですが、今になって、ひょっとすると私もそうゆう目で自分と違う生き方をしてる友人の人生を見ていたのかなーと、思いました。そっちの道を選んでいたら私もこう生きていたであろう、とまで積極的ではないですけど、そっちの道も楽しそうだなーと夢みることによって、自分の世界さえ広がってゆきます。

自分が違う生き方をしていたら、というのは誰しも考えることだと思いますが(考えたことのない人は考えたほうがいいですよ! 自分の人生が楽しいのは寿ぐべきことですが、それに夢中になって他の生き方をした場合のシアワセを想像できない人には、他の生き方を切り捨てる言葉を平気で口にする人が多いです)、私はその“違う生き方”を実際にしている人にはシアワセであって欲しい。今の自分も楽しい、他の人生も楽しい、どっちに転んでもハッピー、みたいな。

……ばかっぽい、というか、おめでたいかな。もちろん自分が落ち込んでいたり寂しかったりするときは、人の人生を羨んだりすることもあるのですけど。でもそうゆうときに、違う生き方をしている人まで不幸だったら、より悲しくないですか? 今の生き方をしてても他の生き方をしててもシアワセにはなれないんですよ? だからやっぱりシアワセな人が増えて欲しい。友人だったら、ことさらシアワセであって欲しい。

あとは、本当にやりたいことは先延ばしにするべきじゃない、とも考えてました。「暇になったら逢いに行こう」とか「そのうち仲直りしよう」とか思っていても、突然、できなくなってしまうことがある。私は大事な人との関係を大切に思っているわりに、人間関係を面倒がるところがあって、いろんなコトをずるずると、いつでもできる、と先延ばしにしてしまいます。自分から声をかけるのにはエネルギーが必要だけど、ときと場合によってはなけなしの勇気を振り絞る必要もあるけれども、相手が大事なら、惜しんでる場合じゃないのです。

動揺しまくっています。無力な自分が情けない。

2008.2.10(Sun)

連休の中日は前々から考えていた「ひとりでできるもん!」を実行に移してきました。つまり、単独での山歩きです。加藤文太郎の『単独行』に憧れて……なワケはなく、単独登山を楽しまれている女性のブログを読んでいるうちに、私もやってみたくなったのです。

今まで「一人で山歩きなんかできない、寂しいに決まってる」と信じ込んでいたのですけど、考えてみれば、山じゃなければ私は一人の状態けっこう好きなのでした。だから本当にできないのかどうか試してみよう。でも念のため「やっぱ寂しいよう〜」と思ったらすぐに帰れる山を、『駅から駅までハイキング』のコースから選びました。草戸山……だけだとちょっと物足りないので、足を伸ばして中沢山まで。南高尾山稜と呼ばれるエリアらしいです。

準備万端整えたのに、なんということでしょう。予定していた土曜日には雪の予報が出てしまいました。しかも何? 東京西部に大雪注意報? 八王子って、どう考えても、西部だよねえ……。とりあえず予定を1日延ばし、迎えた日曜日。23区の自宅の周りには、うっすら雪が積もっていました。(うーん微妙……天気は快晴の予報だし、大丈夫な気もするんだけど……)。とりあえず、高尾山口の駅まで行ってみることにします。ダメそうだったら高尾山に予定変更だ!

さていきなり結果ですが、できました! 予定通りのコースを、そう寂しい思いもせずに歩けました。今回のコースでは展望が楽しめる場所が少なかったのですが、展望が良かったらもっと楽しめるでしょう。誰かと一緒の方が楽しくて、一人で歩いたほうが楽。友達を振り切っても単独行とは全く思いませんけど、暇な休日にたまに出かける分にはいいかもしれない。今年はちょっと体力をつけたいので、なるべく積極的に出て行こうと思います。

■高尾山口駅(9:25)→草戸山365m(11:00)→榎窪山420m→三沢峠(11:30)→泰光寺山475m(11:50)→見晴台(12:20-13:00)→中沢山494m(13:15)→中沢峠(13:30)→貴布神社(14:10)→高尾山口駅(14:35)。コース上にトイレなし。

南高尾山稜南高尾山稜

高尾山口駅から国道を渡ってすぐ。標識に従って脇道に入る。積雪は5〜10cmくらい。すぐに人家は切れ、山道に。

天気がいいので木の枝に積もった雪が融け、ぽたぽた落ちてくるのがいやん。わりとすぐ尾根に出るけど、尾根歩きなんて優雅なもんじゃない。細かいアップダウンがあって、雪とぬかるみで滑りそうで緊張する。右手、木の間から高尾山の展望台が見える。いつかあのビアマウントに! 歩いて歩いて歩いてまだかーと思い始めたころ、草戸山までの中間地点の目印、古びた鉄塔が見えてくる。すぐ先に、真新しい、現役の鉄塔あり。

南高尾山稜南高尾山稜

東京とは思えない山深さ。山頂には小さな祠があって、その奥にとても立派な展望台。

南高尾山稜南高尾山稜

町田市最高峰! 草戸山山頂からは下界の街が一望できた。町田の辺り?

南高尾山稜この辺りから続く登りの階段はちとツラい。運動不足なので2段登っては休み、3段登っては休み……。榎窪山を過ぎた、泰光寺山山頂直前の階段は他のところに比べて整備されてないし急なので、足を滑らせないかとどきどきした。泰光寺山山頂のベンチで昼食にしようとしたら、そのしばらく前から前後して歩いていたおじさんに「ここじゃ展望ないでしょー。もう少し頑張れば見晴台っていい場所があるから」と言われ、そこまで耐えることにする。

南高尾山稜南高尾山稜

30分後に辿りついた見晴台から。下に見えるは相模川。うっすらだけど、富士山も(色調補正しまくり)。

南高尾山稜南高尾山稜

確かに展望は良かったけど、雪解け水が頭上からぽたぽた落ちてくるのがうっとおしかった。ベンチも濡れてる。昼食は野菜たっぷり柚子胡椒風味の雑炊(喰いすぎた)。行動中にこんなのんきな食事をしてられるのは冬の低山の場合だけだなー、きっと。

南高尾山稜南高尾山稜

見晴台から最後のピーク、中沢山まではすぐだった。……この聖観音菩薩像があるのが、山頂だよね? 中沢峠から降りるのを躊躇うような脇道に踏み込む。

南高尾山稜南高尾山稜

ときどき雪がどさっと落ちるたびにビクッとしてしまう。割合すぐに林道に出たが、左の写真の辺りのこの林道が吹き溜まっていて、一番雪が深かった。ときどき膝下くらいまで埋まったよ。スパッツ履いてきて良かった〜。

南高尾山稜南高尾山稜

人里に出て観光客が続々とやってくる懐石料理屋を過ぎ、貴布神社の脇の国道に出る。後は駅まで国道歩き。最後にビールで乾杯と行きたかったが、寒いので酒饅頭(美味!)でお疲れ様〜。

2008.2.8(Fri)

吉祥寺バウスシアターで『小さな悪の華』を見てきました。八重子さんの映画評を読んで、これはぜひ見たいと思ったのです。これを見るために見た『乙女の祈り』も好きだったし、とても楽しみにしていました。

―――が、けど。私、これは好きだとは言えないわ。悪に魅入られる少女というモチーフも好きだし、2人だけの特別な色をもつ関係性も好き。夜の儀式は美しくも可愛らしく、森を笑いながら駆け抜ける彼女たちは魅力的で、秘密を共有する楽しさは胸をわくわくさせます。ラストは衝撃的すぎるくらい衝撃的で、“打ちのめされた”というのがぴったりくるくらい疲れ果てた(ちなみにけっこう人が入っていたのに、上映後誰一人喋る人がいなくて、一種異様なムードでした。友達と行かなくて良かった〜)。

ではナゼ? 『乙女の祈り』は大丈夫だったのに『小さな悪の華』を楽しめないのはナゼかというと―――私には、フィクションだろうとなんだろうと許せないものがあるのです。子供相手のセックスです。ペドだかロリだかショタだか知らないけど、とにかくダメです。強姦は論外だし、相手の合意があってもダメだし(←この点に関しては私は子供の合意には意味がないと信じてます)、少女がパンツをおろして股を開いて挑発したってダメです。許されるのは相手が疑惑も抱かないぐらい内に秘めとおした場合だけです。「こっちばっかり我慢しなくちゃいけなくて不公平」とか言ってる場合じゃないのです。大人なんだから!

この映画には2度も、その強姦(未遂)シーンがあります。少女たちが挑発して挑発しての結果ですけど、私には強姦シーンにしか見えない。彼女たちの“危険な遊び”には見えないのです。セックスを利用して男を支配しようってトコまで行ってない彼女たちが、特に金髪のロールが、全然安全圏にいないんだもの! 挑発して襲いかからせたとしても必ずストップが入る―――たとえば、誰か絶対止めに入る人に目撃させるように計画して相手を破滅させるとか―――ならば、全然平気で見ていられたと思う。なのに、いくら相手の男をバカにしていたとしても、掴まってしまったら彼女はただの無力な少女でしかないのです。ロールの抵抗の、なんて無力なことよ!

1回目のシーンから、いつか彼女たちが掴まってしまうんじゃないかと、私はずっと怖くて怖くて仕方ありませんでした。逃げ場のない部屋でいたずらをすれば、部屋の主が戻ってきて掴まるんじゃないかと。道を一人で走っていれば、少女に逃げられて怒った男がいきなり出てきて襲いかかるんじゃないかと。そうゆう映画じゃないとは思っていましたが、もしかすると何かの形で“生け贄”が示されるんじゃないかと、それが怖かった。

私がもう一つ怖かったのは、アンヌがロールをその“生け贄”のポジションに置こうとしてるのではないのか、ということでした。無意識にしろ。ロールが牧童に下着まで剥ぎ取られそうになっているのにアンヌはのんきに牛を追ってるし! 「薪を取ってくるわ」とか言っていきなり男とロールを2人きりにするし! そのときロールの見せる一瞬の不安そうな表情も、私の恐怖をかき立てました。だから戻ってきたアンヌが止めに入ったのは、男を殴ってロールに「大丈夫?」と聞いたのは、本当にホッとしました。

……こうして書いてみると、1回目のシーンさえなかったら、大丈夫だったかもしれないなあ……。本当に危険な目に遭うのが、「なに本気にしてんの? ばっかみたーい」で済まなくなったときが男を殺すときとイコールだったら、納得したかもしれない。1回目があったから余計な気を回してしまったし、ずっと怖くて仕方なかった。それで“小さな悪の華”たちを楽しめなかったのかもしれません。少女たちの悪徳がどーのこうのというより、そっちばかり気になってしまって。楽しみにしていただけに、残念です。

2008.2.7(Thu)

三浦しをん『シュミじゃないんだ』読了。三浦さんの名前はしばしば耳にしていて読みたいと思っていたのですが、噂どおり面白かったです。「BL(ボーイズラブ)マンガ読みは趣味じゃない、人生だ!」の宣言どおり、熱く、熱く語ってらっしゃいます。紹介されている本はほとんど読んでないんですが(作家さんの名前は知ってる方多し)、それでも面白かった。『春を抱いていた』なんか、読まなきゃいけないんじゃないかという気にさせられました。

実は私には“人に好きだと公言するのがちょっと恥ずかしい”マンガのシリーズが2つ、あります。捨てようとしても捨てられず、ボロくなったら買いなおしてしまい、新刊が出たら買ってしまうくらい好きなのに、“愛のドロ沼”では語れない(まだ)。片方は少女マンガで片方はBLですが、ジャンルが恥ずかしいワケではありません。恥ずかしいのは、どこが好きであるかを語ることです。この2つのシリーズの好きな理由を掘り下げていくと、なんだかものすごい乙女な自分が出てきてしまいそうで、それがとても恥ずかしいし怖いのです。

なーんて自意識はこうゆう風に好きなものを熱く語るには邪魔になるだけだからどっかで捨てなきゃなーと、読みながらぼんやり考えてました。いやそこまでセキララになるのを誰も求めてはないとは思いますが、でも愛ある正直すぎるくらい正直な文章に憧れるもので。あとこの本を読んで一番ビックリしたのは、あとり硅子さんが亡くなっていたことでした。全然知らなかったよ……。

2008.2.6(Wed)

マックで友達と話していたら、日本語を勉強中のチュニジア人に話しかけられました。最初は「この言葉はどんな意味ですか?」とかだったんだけど、そのうち、どこに住んでいるかとか何の仕事をしているかとか日本は星が見えないとかサッカーは面白いとか……いろんな話になりました。

「なんで日本人は一人でいるのか?」とも聞かれました。前に、何かの本に「外人にとっては一人というのは“孤独”な、即ち“良くない状況”で、一人でいるのが楽、楽しいというのは理解しがたい観念だ」と書いてあるのを読んだことがあるのですが、ホントにそうみたいで(少なくともこの人にとっては)「一人でいる時間は必要だけど、それは内省するための時間で、ずっとそれじゃいけない。友達と楽しい時間を過ごしてストレスを追い払わなくては」みたいなことを延々と語られてしまいました。

まーけっこういい話ではあったんですが(でも私は一人の時間好き)、ホントに延々語られるので、途中で「なんでこんなしつこく言われるんだろ? ひょっとしてこの人は私たちを心配してるのか?」と思い、ちょっと申し訳ない気分になりました。いやそのとき私と友達は静かに愁嘆場を繰り広げていたので「楽しく語って憂さを晴らそう!」的なノリじゃなかったのは自覚してますが―――でも普段はお気楽なのよー。そんなに心配してもらわなくても、大丈夫さ。

彼がどういうつもりで話していたかは分からないんだけど、「大丈夫さ」と伝えられなかったのは、ちょっと残念だった気がします。

2008.2.3(Sun)

雪の降りしきる寒い日曜日は家に籠もって菓子を焼きます。こないだの紅玉が余っていたのですが、この時期にバターをクリーム状にするのには懲りたので、スコーン。これだとバターが冷たいままなのが、かえってプラスです。紅玉の他に、ブランデー漬けのレーズンとさつま芋も入れました。

焼き上がり〜。紅茶とともにいただきます。さっくり加減は会心の出来だけど、砂糖を半分にしたのは控えすぎだったかな? ま、蜂蜜つけて食べればいいっかー。

スコーンスコーン

さつま芋と紅玉、レーズンのスコーン。うまうま。

2008.2.1(Fri)

本、2冊分感想。

■大野左紀子さんの『モテと純愛は両立するか?』読了。やー、すごく面白かったです。ブログにエッセイを書かれているそうなので、さっそく読もう! と思ったのですが、あれ? 今、読めない?

あっちもこっちも情け容赦なくオブラートにくるまずばっさばっさ斬りまくっていて、もちろん私の含まれるカテゴリが斬られているときもあるんですが、ムカつきません。「あはは、確かにそうゆうトコあるわ」と思える。これは何の差なんでしょうね。納得できるから? それともツッコミに愛があるから?

とにかく、文章の語り口がすごく好きです。「ウットリ……(するのか!)。」(P91)でにんまりし、「二〇代向けと言うより、むしろ優雅な負け犬向け」(P135)でぶふっと吹き出し、「小せえな、こっちは生きるか死ぬかなのに。」(P172)で大爆笑。こうゆう語り方、好きだー。

タイトルだけは内容に沿ってるとは思えませんが。ご本人がつけたんじゃないそうだから、仕方ないのかな。

■(hanae*改め)華恵ちゃんの『本を読むわたし My Book Report』読了。―――『小学生日記』のときも思ったけど、この子、すごいわ……。“この子”と呼ぶのさえ、ためらわせる。この本を書いたとき、15歳? うっわーーーー(赤面)。

15歳って一番、自意識が強い辺りじゃないですか? 私が中学生のときは自分が自分がで、こんな客観的な目線はもてなかった。客観的と言っても冷めてるワケじゃなくて、嬉しい自分や悲しい自分でいっぱいいっぱいにで、ちゃんと他人にわかるように語れるということ。すごいな。すごいし、ステキな女の子だと思うけれども、ちょっと寂しい気がしなくもない。

この本を読んで、久しぶりに『はせがわくんきらいや』を読み返したくなりました。小さい頃はうちにあったけど、あれ、どうしたかなー?

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