2005.9.29

どうしよう。なんで今年はこう金が飛んでいくんだろう。再来月に海外旅行を控えているというのに、いや控えているからこそ、デジカメ買い換えたくなっちゃった…。ハウジングを入れると6万弱? ああああああああ。でもでもグレートバリアリーフのダイビングクルーズなんて一生に一度かもしれないし。最近カメラに不満感じるコトが多くなってきたし。某サイトで強く勧められているカメラはハウジングないからな…。それに買い換えるなら使い慣れたCanonかな…。でも今のトコ、ハウジングついてるのでどうしても欲しいのってないな…と思っていたら、Canonから10月に発売になるカメラがちょっとイイ感じ。ああああああ。この時期に出すなんて私をピンポイントで狙っているとしか思えない。6月にサイパン行って? 8月に自転車買って? 11月にケアンズ行くのに? ああああどうしようどうしようどうしよう。たすけていっせんまん。

2005.9.28

18日から24日までの一週間、東北の田舎に帰ってました。前半はマンガに読み耽ってのーんびり。21日からの後半は友達3人がやってきて、親も巻き込んで賑やかに遊んでました。まず21日は秋刀魚三昧。去年の夏にやってきたとき、親に「ウチの薪ストーブで秋刀魚焼くと美味しいよ。余分な油は全部落ちて、キレイな焼き色がついて」と言われたのがいたく心に残っていたらしく、ウチにくる計画を立てたときから、Kは「秋刀魚! 秋刀魚!」と主張していたのです。ので、ぶりぶりに脂ののった秋刀魚を10尾買い込み、6尾は6人分の焼き魚に。4尾は刺身に。うまうま〜。

22日は近くの渓谷へ。私が「ハイキングハイキング。軽い軽い〜」と言っていたので、みんな軽装で出かけたのですが、現地についてみると「もっと本格的な靴を履いてきたかった……」と恨みがましく言われてしまいました。一昨年山に登ったときも「鎖場あるけど軽い軽い」と私が言ったのに、友達にとっては軽くなかったというコトもあり、「To-koの言うことはもう信用しない」とまで。んー、でも私にとってはそんなに本格的な装備を必要とする山ではないのです、本当に。田舎育ちと都会育ちの価値観の差ってヤツでしょうか。渓谷コースを一周すると4時間くらいかかるので、途中の滝できりあげて、家へ。

まだかなり残っているトマトを収穫し、それから炭を熾して家の前でバーベキュー。かなり天気が危うかったし日の暮れるのもかなり早くなっていたので、室内でするか屋外でするか迷ったのですが、やっぱりバーベキューは外でしょう。父が照明を用意してくれたし、軽い霧雨が降っていたけど全然気にならないくらいで、楽しく美味しく。バーベキューというと食べきれないくらいの食材を用意しないとダメって人もいますけど、私らは食材を残すのが大キライ。今年は読みがバッチリで、全員満腹になったトコロで用意した食材はぜ〜んぶキレイになくなりました。よし!

灯台の上からの眺め23日は雨という予報だったので、鍾乳洞に行くか、スローライフごっこでもするか、と言っていたのですけど、目覚めてみれば気持ちのよい晴れ。こりゃもったいない、と、急遽海に出かけるコトにしました。さすがに潜るのはムリですけど、海に面した某公園の展望台に登り、漁港に行って海の幸で昼食。海岸線に沿ってドライブして、某灯台に行って見学。ときどき天気雨も降りましたが、まぁ海を満喫したと言えましょう。……ハンドル握ってる私は、走ってる間はロクに見られなかったけどねー。しかし田舎の家の方で海に行くのはかなり久しぶりだったので、懐かしかったです。

最終日、24日はさすがに雨。伊豆方面に近づいてきた台風が秋雨前線を刺激したらしいです。が、連休中の天気は予報よりもずーっと良かったし、この日は昼過ぎには帰るつもりでしたので、午前中はスローライフごっこで、母の指導のもと、うどんを打って遊びました。あと里芋を一株掘り起こして、皮ごと蒸して食べたりも。うどんがちょっと柔らかすぎたのが、残念。またリベンジしなくっちゃ。来年はもちつきをしよう!との計画もたち、昼過ぎに家を出て、夜には東京着。後半にいろいろ詰め込んだせいか、一週間も帰ってた気が全然しません。……また、帰りたくなっちゃいそう。

2005.9.26

1年ぶりにドロ沼劇場更新。好きなマンガ家さんにBelneさんを追加しました。

2005.9.17

ちょいと寝不足ながら久しぶりにお芝居見に行って、久しぶりに逢う人とたくさん喋って、明日っからは田舎でのんびりー。なんか夏休みの気分です。宿題もなし! なんとなーく少し疲れているのでしっかり骨休めをして、後半は追っかけでやってくる友人らと遊んできます。それではでは。

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山本弘さん『トンデモ本? 違う、SFだ!』読了。石堂さんの『ファンタジー・ブックガイド』を読んだときと同様、読みたい本がまた増えてしまったよー! しかも作品そのものよりも山本さんの紹介文の方が面白いんじゃないか?という熱い語りぶりにヤラれて、一晩で一気に読んでしまった。語り尽くされた大御所は取り上げない、というだけあって、知らない作品がてんこ盛り状態の中で、知ってる名前が出てくるとそれだけで嬉しくなる。特にフレデリック・ブラウンに一章割いてあるのは嬉しかったなぁ。

そういえばブラウンを知ったのも“熱い描きっぷり”にヤラれたからだった。坂田靖子さん・橋本多佳子さん・波津彬子さんの『フレデリック・ブラウンは二度死ぬ』で、中でも『ミミズ天使』や『プラセット』が好きで、それをきっかけに彼の作品を読むようになったんだったけ。他にちゃんと読んだことのあるのは、ソウヤー作品と高畑京一郎の『タイム・リープ あしたはきのう』、スタージョン少しくらい、だったかな。私はたぶんハードSFが苦手で、だからSFにもちょっと及び腰になっちゃうのだ。でも、SF嫌いじゃないと、思う。

あれもけっこう好きだったなー、あの月の海に観光船が沈むヤツ、何だっけ、とこの本を読んでる最中に思い出していたら、巻末にこれから取り上げたい本として『渇きの海』の名前があがっていて、これこれ!と思い出した。これ、クラークだったのね。大御所だけど、取り上げてもらえるのかな? あと、作品としてはあまり好きじゃなかったけど、佐々木淳子さんの『ダークグリーン』がどう語られるかにも、興味ある。うん、続き出して欲しいな、これは。

2005.9.16

来週まるまる休みを取るため、突発的に忙しかった。その中でも上京してきた父と飲みにいって「大人は自転車では転ばない」とまた言われたり。私だって普通のトコロじゃ転ばないってば。今回で転んだのは2回目で、1回目(高校生の頃)にハンドル飛び越えて顔から着地したのに比べたら、今回のなんか王道の転び方ではないか。ほっとけ。

さて、忙しくなる前に借りて見たビデオ感想。まず『15ミニッツ』。監督○○・主演××でクレジットを出せば、あんな仲間割れはしなくて済んだのに。エドワーズ・バーンズ演じる消防士を、最後に「new hero」と呼ぶ感覚が、私にはわからないんだなぁ。

次に『ムーラン・ルージュ』。公開時に見に行きたいなーと思いつつ、見逃してしまった作品で、冒頭の群舞の辺りでは「ああやっぱ大画面で見たかった〜」と思った。つか、群舞になるたびに「これは映画館で見るべきだった」と思った。が、大画面で見たかったのは群舞だけ。他はイイや。振り付けも、何十人もの群舞のときのはカッコよくてかなり好きなんだけど、10人以下で踊るのは見てられない。映像の処理も好きじゃない。変な効果はいらないんだ。歌と踊りに力があれば、話は単純でもいいんだ。歌と踊りにノレなかったから、話のベタさが鼻につくんだ。ユアン・マクレガーのストーカーもどきの純愛っぷりが『ビッグ・フィッシュ』を思い出させたんだけど、印象は大違い。こっちじゃ「彼女の立場も考えろよ」としか思えないや。

最後。『17歳のカルテ』。今回借りたののなかで、これが一番面白かった。もっと暗くて見るのに気力が必要な話なのかと思ってたが、なんだろう、なんて言えばいいんだろう―――。主人公のウィノナ・ライダー演じるスザンナは、自殺未遂で病院にほぼ強制的に入れられ、境界性人格障害と診断されるんだけど、彼女も、他の入院してる子たちもそうエキセントリックではなくて、これは思春期を通り過ぎた女のコのほとんどが共感しちゃうんじゃないかな。不安定な揺れの中での、憧れとか一瞬感じた絆とか喜びとか……そんなものが嬉しくて、スザンナが惹かれる、今や「ジョリー姉さん」と呼びたくなる(年下だけど)アンジェリーナ・ジョリー演じるリサが本当に魅力的で。私だったらやっぱりリサに惹かれて、無防備になついて傷つけられて、最後にはこっちがキレて言っちゃいけないキツい事を言ってしまいそう。……そう、私はスザンナのタイプだなー、と思ったり。これは原作も読みたい。

2005.9.12

繊細な人が苦手だ。おそらくはその繊細さゆえに、冷静に分析し整理して薄い薄い紗を通して全てを見ようとする繊細な人が、私は苦手だ。薄い薄い隔たりに気付かないほど、鈍感ではないから。彼らにとってはあるのが当然で心地よいのであろう紗に、私は拒絶を感じてしまうから。私が直接触れようとすると、彼らは退いてしまうから。私のガサツさが、彼らを傷つけてしまうから。私はそれを寂しいと思ってしまうから。彼らが私のようなタイプを苦手だと言うから。私は彼らの拒絶に、傷ついてしまうから。

私は彼らを好きにならずにいられないから。だから私は彼らが苦手だ。

―――なんてコトを、梨木香歩さんの『春になったら莓を摘みに』を読みながら考えていました。

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週末、仲間たちは私を置いてダイビングに行ってしまった……。くそー。しかもその日の海が最高だったらしい。何度も潜ったポイントだけど、今までで一番よかったらしい。くくくくく悔しい……っ!

私が行けなかった海の話など聞きたくもないが、連休の打合せをしなくてはいけなかったので、わざわざ片道1時間もかけて途中まで出迎えに行き、素晴らしい海に興奮して嬉々として戻ってきた彼女らと4時間のカラオケ(←何でそんなに元気なんだ)。慰めるふりをして、私が自転車でコケたのをからかいまくる彼女らにムッキーとなりながらも、ちょっと凹んでた気持ちが戻る。

悔しいのに変わりはないけどな!

2005.9.9

こないだ、何かの流れで老後の話になったとき、友人が「私らは不幸にはならないよね」と言った。それからすぐに言い直した。「や、不幸な目には遭うかもしれないけど。でもこの面子でいたら、それをネタにして笑ってられる気がする」。

―――私がシッダよりもヤァヤァズに共感してしまうのは、私の周囲にヤァヤァズがいて、そして私もヤァヤァズの一員だから。

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とゆうワケで、レベッカ・ウェルズの『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』読了。面白かった〜! んで改めて、あの映画はよくできてるなーと思った。ずーーーーっと以前、某アマチュア劇団の芝居を見たのを思い出した。演目はとあるマンガを舞台化したもので、正直、私は期待していなかった。マンガでイメージしたものを現実の人間が演じるってのはどうしたってムリがあるので、違和感を感じるのが当然だからだ。が、その芝居は面白かった。女が男を演じていたし、改変はあるし、オリジナルキャラクターも出てきたのだけど、それでも面白かった。マンガの一番の好きな雰囲気が、その舞台にはあったから。その前では、台詞の違いや、容貌の違い、二次元と三次元の違いなど、たいした問題ではなかった。

映画の『ヤァヤァ〜』と、原作の『ヤァヤァ〜』の間にはその雰囲気の同一性が、あった。原作にしか描かれていないコトはたくさんあった。象が飛行機になっていたし、給水塔がドライブになっていた。ティーンシーのお母さんは原作の方がずっと、ティーンシーは映画の方がずっと、良かった。でも「えーっ! これは映画じゃわからなかったよー」なんてコトも、「映画のアレは原作とイメージが違いすぎる!」なんてコトもなかった。原作を先に読んでいたらまた違ったかもだけど、でも映画のイメージが原作にすんなり馴染んだ。やっぱりよくできてた、と思う。

DVDのメイキングでは「映画の脚本は『ヤァヤァ〜』とその前作を基に書いた」と言っていたが、前作を読んでないからって分からないトコロはなかったなー。でも前作も読んでみたい。邦訳されてないなんてー!! あと最後に一言文句を言わせていただくなら。あの装丁はヒドいよー。一昔前の安っぽい少女小説のような。時代も内容も何もかもを無視した、あの下手くそなイラスト。ナゼ?

2005.9.8

何度怪我をしても、人間の生命力ってのには感嘆せざるをえません。日々治りゆく傷を見ながら「うーむ、よく出来てるなー、人間っつーのは」と感心すること頻りです。手のひらと肘の擦り傷は最初痛くて痛くて、絆創膏を取り替えるたびに消毒薬をつけるたびにひーひー言っていたのですが、やっと新しい皮ができてきました。手のひらはちょっと引き攣れてしまって、銃弾の痕みたいです。何となく。んで「皮が残ってるから一番治りが早そう」と言っていた膝はやっぱ深かったらしく、未だ絆創膏を替えるたびに出血してます。醜い傷です。病院に行ったら「すぐに縫ってたら今頃キレイに治ってた」とか、いつかも聞いたような台詞を言われそうです。でも親指のときほどヤバげな感じはしないので、汚くても今回はこのまま治すつもり。

さて今週のDVD。まずは『オーシャンズ11』。「軽く楽しめるんだろうなー」という期待は裏切らない出来です。賑やかで、テンポがよくて、ぽーっと見ていても分からなくならない暇つぶし映画。いや悪口じゃないですよ。珍しくジョージ・クルーニーが私のキライな目つきをしていなかったし。『ER』や『パーフェクト・ストーム』のときも思ったけど、彼は男を相手にしてるときの方が感じいいです。ただ、事前情報として「大勢で賑やかに泥棒をする話」としか知らなかった私は、冒頭のジョージ・クルーニーに対する「信用詐欺を働いた」という台詞に、「おっ、コンゲームものなのか!」と期待をしてしまったのです。でも全然そうゆう展開にならなくって残念。勘違いした方が悪いんですが……。あっと騙される『スティング』みたいな映画、見たいなー。

あと2つは、ずいぶん前にayanoさんが褒めていた作品。1つは『彼女を見ればわかること』。これは残念ながら見てもよくわかりませんでした。なんか雰囲気がこないだ見た『めぐりあう時間たち』(→感想)に似ていて、でも『めぐりあう〜』の方が断然好きで。ただ、赤いドレスで自殺してしまう彼女が、それぞれの物語のどこに出ていたのかは見直して確かめたくなりました。夜道を歩いてるのの他に、スーパーで買い物をしていたのには気付いたんだけど、きっとその前にも出てるハズ。

もう1つは『ディナー・ラッシュ』。これはイイ! すごく好き。こないだ友達に『シックス・センス』のネタばらしをされたので、「まだ見ていないのに……」とボヤいたら、「ゴメン〜。でも普通はもう見てるじゃん!」とごもっともなコトを言われてしまった私のような“普通じゃない”方――つまり“数年前の映画をまだ見ていないけどこれから見るつもり”の方は、以下のネタばらし部分は読まないでください。絶対に前情報ない方が面白いので。「NYの人気イタリアンレストランの、すーごく忙しくって大変な一夜の物語」ってだけで十分です。『王様のレストラン』を好きな方はきっと好き。

【以下、ネタばれ】冒頭の、料理する手元だけが写っている慌しいシーンで「あ、この映画好きだ」と思ってから、ずーっと面白かった! でもこの『王様のレストラン』を思い出した冒頭では、『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』みたいな、アメリカで別の文化を持ってくらす人種の、どたばたほのぼの路線かと思ったんだけど、次の場面でビックリだ。ええっちょっと待ってちょっと待ってと思っているうちに、シーンはまたもや戦場のようなレストランへ……。次から次へと人が出てくるけど、皆が役にぴったりで、誰が誰だかわからなくなったりはしない。ちょい役の人もいい味出してて、このキャスティングはいいなあー。

テンポもよく――というか、ジェットコースターに乗ってるみたいで、ムードもどたばたコメディと陰鬱な悲劇をいったりきたり。振り回されるうちにあのラストが!って感じ。その振り回されてる感じが、外から傍観してる感じじゃなくて、一緒に引っつかまれてる感じで、すっごく気持ちイイです。終わったときに「ああ映画だー」って思う。んでラスト、ラストがねー。それまで「なんでこの人、ここにいるんだろう?」って謎の2人が、ねー。もう親父カッコいいったら。シビれる。親父を怒らせちゃいかんよ。ね?【以上、読んでもよくわからないかも知れないけど読まない方がいいネタばれ】

2005.9.5

田辺聖子さんの『古典の森へ−田辺聖子の誘う』読了。最近田辺さんのは恋愛ものばかり読んでいたんだけど、や〜〜〜っと分かった。私が好きなのは田辺さんの書く古典の焼き直しとか伝記小説(ってジャンル分けでいいのかな?)であり、エッセイであるのだ。『隼別王子の反乱』(これを読んだのは高校時代だけど)とか『むかし・あけぼの−小説枕草子−』とか『千すじの黒髪−わが愛の与謝野晶子』とかはかなり好きだし(『舞え舞え蝸牛』はどうだったっけ……)、今回のも面白かった。

なのに恋愛ものばかり手にとって「うーん、底に流れる考え方なんかは好きな気がするんだけど、話そのものにはノれないなー」と思っていたのだからバカみたい。これからはジャンルを絞って本を手に取ろうっと。恋愛ものに関しては、自分が40、50になったらもっと面白く読めそうな気がするので、しばらく置いておく。

ところで私は氷室冴子さんが30歳超えてから書いたエッセイが好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで女子きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで仕方ない。

誰かの書いた文章やらマンガやらが好きになった場合、私はまず「この人と話してみたい」と思う。相手がネット上の人であろうと、どれだけ売れてる作家であろうと、現実にはまず接点のない人であろうと、だ。それで実際に行動に移す―――ファンレターを書いたり、ファンメールを書いたり―――かどうかは、まぁそれは時と場合と盛り上がりによるんだけれども、心ひそかに「ああ、この人と○○について話してみたいなあ」という欲望っつか妄想っつかは、しょっちゅう抱いている。

が、なかに特別な人がいる。「例えこの先二度とその人からの発信がなくても、その人が今この世界に生きていると思うだけで、この世界がちょっとだけ好きになる」レベルの人である。……こう書くと神さまみたいね。別にこの世界がキライなワケじゃないし(つか、どっちかというと愛してる)、それにもしそゆ人と会える機会があるなら、それこそ狂喜乱舞すると思うけども。まぁとにかくこのレベルで好きな人が今のところ私には2人いて、そのうちの1人が氷室冴子さんなんである。

で、やっと話は戻るけれども、田辺さんのエッセイ(古典紹介が話のメインだけれども)を読んで、私の好きな氷室さんと似た匂いを感じた……と言いたかったんである。大雑把っつか大らかなところとか、関係性にはドライっぽいくせに人一倍人間が好きそうなところとか、選択肢がとても多そうなところとか。んでこれだけ好きだ好きだと喚いたあとでこう言うのは気恥ずかしいが、2人とも、私の“ヨセフを知る一族”な気がするのです。

2005.9.1

普段元気に生きているだけに、ちょっと病気になったり怪我をしたりすると微に入り細を穿って書き綴らなくちゃ気がすまない困ったちゃんであります。「同情して欲しいのー。心配して欲しいのー。優しくして欲しいのー!」ってもんですよ。今日会社でしばらくぶりに会った上司に自転車でコケたコトを話したら、まず「酔っぱらってたの?」と聞かれました。「しらふでしたよ! もう、なんで皆、酔っぱらってたのって言うんですかー」と抗議したら、傍で聞いてた男のコに「普通はしらふじゃ転ばないからですよ」と言われました。……同情心の賞味期限が短すぎますよ皆!

ところで先日の帰社時の話なんですが。会社を出ようとしたとき、エントランスホールのガラス扉に写る自分の姿に、欝な気分になりました。左半身は絆創膏だらけ。サポーターもつけている。おまけに大きなガーゼも貼ってある。右の膝には大きな内出血。足をちょっと痛めているので歩き方がおかしい。髪の毛ざんばら。左手が痛くて髪をうまく結べていないのです。(……昔のテレビドラマに出てくる、生活に疲れた主婦のようだ……。子供が5人くらいいて、内職やって、しかも夫は暴力亭主か……)。

転んで怪我をしたのは自業自得とはいえ、しょぼーんとしながら道を歩いていると、何か言いたそうな顔でこちらを見ている、見知らぬおばあさんと目があいました。「あらあ、痛そうねぇ」とか言われるのかなーと思ったら、彼女はにっこり笑って、「まあぁ、スタイルいいわねえ、お姉さん。とってもスタイルいい」。………うひー、嬉しい! 強調表示にしちゃうくらい嬉しい! ずいぶん前、1年以上は前に同じ道で年配の女性にスタイル褒められたコトがあったから、ひょっとすると同じ人で、私の体つきがたまたま彼女のツボなだけかもしれないんだけど、でも嬉しいもんは嬉しい。しょぼーんな気分が吹き飛びましたよ! ありがとう、おばあさん!(もちろん、ちゃんと面と向かってもお礼言いました。)

とまあ会社を出たときとはうって変わって機嫌よく家に戻ったワタクシですが。毎夜の絆創膏換えはまだ憂鬱でございます。傷口がまだ乾いてない因幡の白兎状態なので痛いの痛くないのって。がんばれ体! がんばれ血小板! 大黒様は来てくれないぞー!

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