7月22日の土曜日は瑞牆山(みずがきやま)に登ってきました。前々日の木曜は会社の歓迎会で飲み、金曜日には会社をサボって甲府入り。おりしもTVは長野県の大雨被害のニュースでもちきりで、行ってもいいものかどうか不安が募ります。登山やらダイビングやらをやっている以上、個人ではどうしようもない状況に巻き込まれる危険性はあるとはいうものの、台風が来て時折大波をかぶる突堤を度胸試しで走り抜けるような、どう考えてもそりゃやる方が悪いだろ、という行動はしたくない。うーむ。
ので出発の前は天気予報のサイトと睨めっこでした。山梨県に警報や注意報は出ていないか、今までの降水量はどれくらいか、天気はこれからどう動くのか。登る山は2,230mとたいして高くないのですが、低山での遭難者は最近多いのです。山梨県警や長野県警が出してる山岳情報も見にいきます。きゃー南アルプスで遭難してる人がいる!(←後日無事に救助されました)。ライブカメラの映像なんかもチェックし、とりあえず甲府入りは問題ないだろう、後は行ってみて様子を見ようと、決めました。念のため、いつもは出さない登山計画書(←出せよ!)も作り、「帰らない場合は管轄の韮崎警察へ」と妹に言い含めての出発です。よい子は真似をしないでください。
新宿を10時に出るスーパーあずさに乗ると、11:27には甲府に着きます(この日は長野の雨の影響で、少し遅れました)。甲府の天気は曇。時折小雨がパラつきます。予報では天気は回復傾向にあるハズです。とりあえずお昼を食べよう、と駅前の有名店に向かっている最中に、それは起きました。歩いている足元に妙な違和感があったのです。なんだか頼りないような……ぱかぱかするような……。視線を落とすと、なんと! 私の登山靴の底が、べろーんと剥がれているではありませんか。朝履いたときは何ともなかったのに!
原因はすぐにわかりました。実は先日山グッズを買いに行ったときに、ポリウレタンを使用したミッドソール破損の危険を呼びかけるポスターを見ては、いたのです。でもそのときはポスターをちゃんとは読まず、「私のも寿命だわ。おまけにビニール袋に入れるって最悪の保存方法してるし、大丈夫かな〜。途中で壊れたらどうしよう」なんてふざけて言っていたくらいでした。だって買ってから6年経ってるとは言うものの、あまり履いてはいないせいで、何となくまだ新しいような気がしてたのです。
でも、でもまさか。まさかこんなに急激に壊れるとわ。この日私は運転手になる予定で、登山靴で運転するのはイヤだったので、運転用の靴を別に持ってきていたのが救いでした。とりあえずはそれに履きかえて、友達と相談です。「これじゃ登れないよね…」「登山用品店探して買うしかないよ!」。うひー。こないだ散財したばっかなのに、思わぬ出費です。登山靴は安い買い物じゃないんだ……痛い、痛いよ……。ほうとうを食べながら(美味し。でも量多し!)店においてあったタウンページで、店を探します。ありがたいコトに大手ショップの甲府支店がありました。
腹がふくれたところで予約しておいたレンタカーを借りに行きます。途中でUが「私も靴買う!」と言い出しました。冗談かと思ったら彼女の靴底も剥がれかけているではありませんか。「さっきTo-koのが壊れたとき、私のは平気かな〜と思ってチェックしたときは何ともなかったのに! ほうとう食べてる間に壊れた〜」。数年前に買った登山靴をお持ちの皆様。この現象はマジでいっきなりやってきますぜ。しかも両足いっぺんに。久しぶりに登山靴を使うときは、事前の入念なチェックをオススメします。
車を借りて、まずは向かう登山用品店。ここにいた兄ちゃんは説明好きらしく、靴底の劣化について、登山靴の重要性について、最近の主流の素材について、喋る喋る延々喋る。いつも行ってる店のおいちゃんの話とは違う話が聞けたので興味深くはあったんだけど、あのー私らはいつになったら靴を試し履きできるのでしょう、と思ったよ。
壊れた私の靴はSIRIOの、たぶん421-GTX(ルビー)。2万3千円ちょっとの布製軽登山靴でした。当初はそれと同じくらいのランクの靴を買おうと思っていたのですが、行った店に豊富に揃えてあったのは、それより上の革靴クラスです。やはり登山の本場だからでしょうか。「日帰り、たまに山小屋1泊。2,000〜3,000mくらいに必要な靴」で兄ちゃんが出してくれたのは、やはり革の軽登山靴。試しに履いてみると意外に軽く、足首もしっかりガードしてくれそうです。しかし値段は3万2千円。うーん。
3万出して買ってでも5年後には壊れるんだよなー、と迷っていると「これにはポリウレタンは使われてません」と兄ちゃんが教えてくれました。「やっぱりポリウレタンで一度痛い目を見た人は、ポリウレタンだけはイヤだって言うんですよ。だからメーカーもポリウレタン使わない靴を出してるんですよね。これも接着剤は使っているから剥離の恐れはあるけど、早めに張替えすれば長く使えます」と。絶対に何年もつとは言えませんけど、と繰り返していたのが気になりますが、でも途中で張り替えの費用がかかっても10年もってくれれば……。
もう1ランク下の靴も履いてみましたが、一度いい方を履いてしまうとどうも足首が頼りない気がして、結局最初に履いた靴、AKUのコンコルディアIMS GTXをお買い上げ。おまけに防水スプレーや革用の栄養クリーム、ブラシなんかも買っちゃって、今回の旅行費用以上のお金が飛んで行きました。さようならさようなら、いつか仲間を連れて戻ってきてね。私とUが靴で迷っている間に、Yは登山用のズボンをお買い上げ。……何やってるんだー? 結局この店には1時間半近くはいたでしょうか。壊れた登山靴はここで始末をお願いしました。
≪旅行記のハズが買い物日記になったため、つづく。最近こんなのばっかしや。≫
≪つづき≫
潜るのは2本目も同じ場所だが、1本目にアオリイカを堪能したので、2本目は産卵床を超えてもう少し遠くまで行くコトにする。潜降後、他のゲストが降りてくるまでちょっと時間がかかったので、岩の下のサラサエビ撮影に挑戦――して、敗退。まぁどこにでもいるエビなので、また再挑戦しよう。んで全員揃ったトコロで泳ぐ泳ぐ。石垣を超えた段階で、さっきは無かったサーモクラインにぶつかる。ひえ〜冷たい〜。
思わずKと顔を見合わせ「寒っ!」と合図をしあうが、先頭のSさんは気にせずずんずん進む。アオリイカの産卵床を横目で見つつ、泳いで泳いで泳いで行くと、小さな根がいくつか見えてきた。色とりどり(っぽい)コーラルもたくさんついていて、日が差し込んでいたらさぞ賑やかだろう、という感じ。この日は曇っていて残念だったが、小さな魚やアオウミウシ(やたらたくさん)は見られた。私らが写真を撮っていても、Sさんは落ち着きなくウロウロしていた。後で聞いたら寒くて止まるのがイヤだったらしい。
沖合いの“土管”(という名前だけど、ホントはドラム管? 人工的な漁礁なのかゴミにサンゴが付着したのか、どっちだろ)まで行って、Uターン。帰り道の途中に釣り上げてから捨てたらしい、オキザヨリの死体が転がっていた。そういえば沖合いに漁船が泊まっていたっけ。そんなに遠くまで泳いできたという気はしないが、気付くとSさんが帰路をやたらと急いでいる。途中からは深度をあげて、中層を泳ぐ。まだ時間は早いのに?
ふと振りかえると、一緒に潜っていた男性がTさんのオクトを使って空気を分けてもらっていた。あんまり慣れている感じじゃないなーと思っていたら、エア切れをおこしてしまったらしい。それでも残圧にまだ余裕はあったらしく、5m付近での安全停止では自分のレギュに咥えなおさせられていた。安全停止といえば、私はぴたっとホバリングできるようになりたいよー。
今回のログはコチラ(169本目)。写真ちょんびり。
かなり体が冷えたので、器材を片付けウェットを脱いで、温泉丸で体を温める。私が遅刻したワリに早めに終わって良かった〜。そしてショップに戻る途中、急に日が差してくる。今頃になって! ショップに着く頃にはムシムシ暑くなっていたので、器材を洗うのが気持ちよかった。夏だなあ〜。夏はといえばの、ビールを飲みながらログ付けをしてると、この日最後にして最大の「大変」がやってきた。無事に済んだから書けるコトである。
ログを付けながら談笑していると、ログルームにSさんの奥さんのMieさんが慌てた様子でやってきた。「警察(違うかも)から緊急で連絡が入ってるんだけど……××でダイバーが事故に遭って、名前が○○さんなんだって。KOさんと同姓同名だから緊急の場合の連絡先を、念のために知りたいって言ってるんだけど……」。KO? KO氏なら知っている。6月にも一緒に潜ったばかりではないか。ログルームは一瞬色めきたった。
しかし××という地名を聞き直して、Sさんは安心したようだった。「じゃあ違うよ! ××に行くなんて聞いてないもん。次はガラパゴスって言ってたよ」と言いながら、それでも一応電話に出るためにログルームを出て行く。私らもその台詞を聞いてほっと安堵した。知り合いじゃないからいいってワケじゃないが、やっぱり顔見知りの人が事故ったなんて聞きたくない。「そういえばガラパゴスって言ってたねー」「××じゃ違いすぎるねー」とか話していたが、しかしなかなかSさんが帰ってこない。
やっと戻ってきたSさんに「大丈夫でした?」と聞くと、「いや…ヤバいかも…。どうも××に行ってたらしいんだよね…」と、恐れていた返事が返ってきた。しかし事故の詳細や結末は全然わからない。まだ最悪の結果となったワケではない。もう無事を祈るしか、ない状態。その後その話にはあまり触れず(触れても話すコトがないし)、ログ付けを終わらせてショップを離れる。この日は時間が早かったので、途中で寄り道をせずに帰宅した。
夜遅くになって「KO氏、無事」の報がKから入る。事故に遭ったのはやはり知人のKO氏だったらしいが、命に別状はなかったそうな。本当に、本当に良かった。ダイビングは危険なスポーツだから、いくら気をつけていても事故に遭うコトはありえる、と頭では分かっていたけれども、自分がそうなるかもと想像したコトもあったけれども、ショップで会った人が……というのは考えたコトもなかったので、かなり動揺してしまった。皆、楽しくダイビングして無事に戻ってこようねえ。
7月17日月曜日(海の日で休日)、久々に伊豆へ行ってきた。ダイビング的には問題ないものだったが、その他が諸々大変だった―――。伊豆に日帰りってのは、それなりに疲れる。だからできたら土曜日に潜って、もう1日休んで仕事に行くのがベストである。今回は三連休だから行くのは日曜日でもよかった。それなのに月曜日に潜るコトにしたのは、仕事が不定期なUが“月曜なら休める”と言ったからである。なのに前日になってUから「急な仕事が入っちゃって行けなくなった」とメールが……。がーん、Uと行きたかったのに! Uも楽しみにしていたのに! Uの会社の仕事を割り振る人を、恨まずにはいられない。
結局行くのは私とK。いつもの2人となってしまったが、気を取り直しての当日。ここで私は今までしなかった失敗をしてしまった。電車に乗り遅れたのである。しかも、ホームには電車の出る30分前に着いていたにもかかわらず、である。言い訳を許してもらえるのならば、休日の朝早くに、線路内に立ち入った人が悪いんである。そう、それで電車は遅れていた。私は東海道線を使って伊豆へ行く。6:59発の沼津行きに乗って、熱海まで行き、そこで伊豆急に乗り換える。その何本か前の電車から、遅れていた。
とはいえ遅れは5分。時刻表どおりなら、熱海での乗り換えは6分ある。(このまま5分の遅れが響いたらキツいな〜)と心配しながら、私は電車を待っていた。いつもの伊豆急に乗れないと、その次が出るのは40分も後になってしまうからである。電車は順調に(?)遅れ続けていた(と私は思っていた)。そして6:57頃、ホームに電車が入ってきた。電光掲示板を見ると「先発:6:52 小田原、次発:6:59 沼津」となっていた。当然(ああまだ遅れているんだな)と思うではないか。私は目の前で小田原行きの電車が出発するのを見送った(ハズだった)。
そして(よーし、やっと次だ)と思って再度電光掲示板を見ると―――「先発:7:09 小田原……」になっているではないか。ええっちょちょちょちょちょっと待って! 6:59はどこへ行ったの!? 一瞬、遅れた時間で表示をしているのかと思ったが、しかし行き先は小田原。沼津行きは? 沼津行きはどこへ行ったの? ―――もちろん、私がさっき見送った電車が沼津行きだったのである。いつの間にか遅れは解消されていたのだ。
自分のマヌケっぷりに落ち込みながらも、途中で落ち合うはずだったKに連絡し、次の電車で追いかける。熱海には20分遅れで到着したものの、もちろんいつもの伊豆急は出てしまった後。更に20分の待ち時間を余儀なくされるのであった……。(ああ今日は東でありますように。東なら多少遅れても大丈夫だろうけど、西伊豆ならスケジュールがキツくなる……。連休で他のお客さんも来てるだろうに、迷惑かけちゃう……)と思いながら、やっと辿りついたいつもの駅。
駅の前には、SさんTさん、K、初対面のお客さん2名、が総出で待っていた。「店に寄らずにこのまま海に行きますねー」「はいはいはいもちろんです行ってください行ってください」。己の失態に思わず挙動不審になるワタクシであった。謝罪と言い訳を済ませた後に向かったのは富戸である(東で良かった〜)。この日の天気は曇。東京では土日には晴れ間も見えていたので「伊豆はずっとこんなですか?」と聞いたら、「いや、昨日までは……」との答えが返ってきた。「また、今日からですか?」。
私もKも今年は海で当たっていると思うのに、どうもTさんには「To-koさんたちは1日外す」という抜きがたい偏見が宿っているらしい。「昨日までは良かったのにー」とか「次の日は素晴らしかった」とかが多い、と。そんなんばっかじゃないのになぁ。この日の富戸は産卵にやってきているアオリイカ狙い。「一昨日も昨日も当たっているので、ハズレってコトはないと思うんですけど」「これでハズれたら私らのせいですね?」。くっそー、私らが当たっているのを見せてやるぜ。
準備を済ませて潜ったポイントは“脇の浜”。富戸には来ても、最近潜っていなかったポイントである。トイレやシャワーなどの施設にはアクセスしづらいが、器材を運ばなくてもいいので“ヨコバマ”よりも楽だ。アオリイカを見るときは這いつくばらなくてはいけないので、ウエイトは重めの6kg。透明度は、うーん、8mくらい? 水は意外と温かい。石垣を超えてしばらく行くと、アオリイカの産卵のために沈めてある木がぼーんやり見えてきた。
今まで何度かアオリイカの産卵は見ている。が、アオリイカの産卵時期はまだ春濁りが抜けきっていない時期。ぼーんやりした水を通して、何だか白いものがひらひらしているのを、かろうじて見たコトしかなかった。“当り続き”というこの日はどうだったか? 産卵床をしばらく眺めていると、ぼーんやりした水を通して、何だか白いものがひらひらしているのが見えた。しかし目を凝らすとすぐに分からなくなってしまう。そして辛抱強く待っていると、また何だか白いものがひらひらと……。
うーむ、これは“当り”とは言えないなあ。こりゃ上がったら私らのせいにされるなあ。などと考えていると、Tさんがちょっと先から手招きをしている。言われたとおりに匍匐前進して回り込むと、おおっ! 何ペアいるんだろう……10杯以上は、間違いなくいる。たぶんその倍くらい。そーっと寄って行っても逃げもせず、(なんじゃこの大きな生き物たちは)という感じで、カメラを構えた私らの方にひらひらやってきては、産卵床にまたひらひら戻っていく。夢中で写真を撮って、満足した後はその動きを眺めて楽しむ。初めてこんなにちゃんと見たよ、アオリイカ。
アオリイカでのんびりしたので、他にはあまり魚は見なかった。潜降してすぐに見たメイチダイくらいかな。タカノハダイやキタマクラ、シラコダイ辺りの“いつもの魚”はいたけれども。上がって2本目のセットをし、食事。太陽が出ていないので、しばらくじっとしていると肌寒くなってきた。1時間ちょっと休んだところで、さあ2本目だ。
今回のログはコチラ(168本目)。写真ちょっぴり。
≪つづく。毎度毎度、話が長くてすみません。≫
前回の粗筋。To-koと仲間たちは、紐の壊れた財布を持って山の店にやってきました。山の店には馴染みのおいちゃんが待ち構えているのです……。
店に入ると早速、いつものおいちゃんに捕まってしまう(今まで知らなかったがこのおいちゃんもSさんというそうだ。伊豆のダイビングショップのSさんといい、Sって名前の人は私たちにモノを教えるのが好きなんだろうか……? 区別をつけるため、これからはおいちゃんを山Sさんとする)。そして、山Sさんのいつもの質問がやってきた。「山、行ってる?」。
いつもならココでNoの答えをして怒られるのであるが、この日はちゃんと胸を張って答えられる。「再来週、瑞牆山に行くんです」。「へえ〜いいじゃん」「それで9月には燕に行く予定なんです!」「―――ずいぶん差があるね」。そう、私の行きたい山は燕岳。北アルプスの三大急登らしいっすよ。瑞牆とはずいぶん差があるらしいっすよあはははは。Uのちょっと冷たい視線に耐えつつ、笑ってごまかすワタクシ。槍、なんて言ったら……無謀だよね? でも縦走で表銀座の途中くらいまでなら―――?
まあ夢を見るのはその辺にして、今はお買い物に集中しよう。ちゃんとした登山靴を持っていないKに、山Sさんがついてフィッティングをさせてくれる。自分の靴には満足しているが、やっぱり技術は進歩してるのねー。見ていると羨ましくなってくる。それからつい1ヶ月前に、私はサポートウェアのCW-Xを買ったのだが、なんと、この買い物日の数日前にCW-Xの山用モデルが出たというではないか。その場で試着をしてお買い上げを決定したUを見ながら、「ついこないだ買っちゃったのに〜」と嘆いていると、山Sさんが「俺も買っちゃったのよ。でもプロモデルもいいモデルだよー」と慰めてくれた。でも悔しい。
ガッカリしたことに、買う気満々だった軽量ダウンジャケットがない。mont-bellのウルトラライトならあるのだが、あれはフロントがスナップ止めなのだ。山Sさんが「俺はファスナーを薦めるね」と言うのを押して買う気はしない。しかし確かこの店のWebショップで、MOONSTONEのが安く載ってたような気が……。仕方なく、カラビナやホイッスル、下着&靴下、携帯座布団などを買って購買欲をごまかす。登山ナイフの定番のVICTORINOXも、やっぱり買ってしまった。悩んだ末に、結局たぶん前に持っていたのと同じ、ツーリスト。ちょっと余分な機能もついているんだが、やっぱコルク抜きは捨てがたい(意外と使うんだ、これが)。
この店だけで3時間近く粘り、出る頃には小腹がすいてきたのだが、mont-bellショップもたぶん20時くらいには閉まってしまう。この時点ですでに18時は回っていて、移動の時間を考えると……。結局途中のドトールで10分だけ、急いで水分補給。そして初めて行った、みなとみらいのmont-bellは―――これがまた購買意欲をそそるのだ。山の店で欲しいもののほとんどは買ったのに、ここでもウロチョロしてYに呆れられる。普段の買い物は素早いんだけどー。で、ダウンジャケットを買えなかった反動で、ピークシェルを、お買い上げ〜。どうせそのうちダウンも買うんだけどさ……ああ財布の紐が壊れてるともさ!
その後食事をしたり、久しぶりにKの家に転がり込んで山の予定を立てたり、次の日はこれまた久しぶりに塊魂にハマったり、Kのダンナさんに美味しいものを食べに連れて行ってもらったり、したのだが、いい加減長くなりすぎたのでこの辺で止める。ああ、買い物って楽しいなあ……。
ストレス発散に買い物をする、という悪しき習慣が身についてしまったワタクシ。税金だー旅行だーの大口出費が続き、財布の紐が壊れてしまったワタクシ。何かを始めるときはまず道具から!のワタクシが、2週間後に迫った登山のためという言い訳をひっさげ、7月8日、いつもの仲間を誘って山の店へと行ってきた。―――散財しないワケがない。つか、集合前から散財する気満々だった。とりあえず買うと決めているのは薄手のダウンジャケット。小さく丸めてザックの底に入れておいて、山頂でビールを飲むときにさっと着るのだ!
あとはね〜軽量のレインウェア。ゴアテックスの上下はもっているんだけど、ゴアテックスとはいえやっぱり蒸れる。土砂降りのときはゴアテックスじゃなきゃムリにしても、軽い雨のときにさっとはおれる薄いレインウェアが欲しいな〜と、しばらく前から考えていた。大好きなネット検索で目をつけたのがコレ。mont-bell のピークシェル。ゴアテックスより通気性があるというのがイイではないか。これの実物を見たかったので、もしいつも行く山の店に置いてなかったら、mont-bellショップにも行くんである。でもこれは高いので、とりあえず見るだけのつもり。
それから山用の下着が欲しいでしょ。靴下も欲しいでしょ。それからしばらく前になくしてしまったナイフ。単機能の小さいナイフにしてコルク抜きは別に持つべきか、それとも以前のように両方組み込まれたタイプにするべきか……なぞと楽しく思い悩みながら山の店に行くと、店はいつになく混んでいた。この日は週末、しかも夏山フェア中だったのだ。
ところで、この日記はもうずいぶん長くつけているが、気付いた方はいるだろか。「こいつ、山の買い物ばっかりして、ちっとも山に行ってやしねえ」。―――その通りである。山登りらしい山登りをしたのはこのサイトを始める前、2000年、たった一度なんだもの。それまでも(といきなり昔話が始まる)ハイキングに毛が生えた程度の山登り(トレッキングって言えばいいの?)はやっていた。しかし2000年、ミレニアム記念に何かやろうとした私たちは、いきなり決めたんである。富士山に登ろう!と。
私らにも、何の経験もなしにいきなり富士山に登るのは無謀だ、という程度の常識はあった。だから富士山の前には丹沢にでも登って訓練をするつもりだったのである。が、明日は丹沢だ、と山の最寄の友人宅に集まった6月のその日。関東地方を思いっきり台風が通過した。次の日は一応台風は去っている。しかし山道は荒れているかも知れない……。考えた私たちはどうしたか。丹沢は諦め、湘南の海岸を、たしか江ノ島から鎌倉までとにかくひたすら歩いたのである。
台風一過で晴天。そして蒸し暑い。海では台風後の高い波に大喜びのサーファーたちが遊んでいる。その炎天下を、潮風に吹かれつつ、完全山装備でひたすら歩く私たち。ザックに登山靴だ。―――怪しい。おもいっきり怪しい。しかし私たちは黙々と歩いた。そして訓練はそれだけで終わり、次に山装備を身につけたのは富士登山の当日だった。登頂には成功したが、仲間の1人は高山病でヒドい目にあった。それ以来、私たちは“ハイキングに毛が生えた程度の山登り”に戻ってしまっていたんである。
しかし今年は違う。こないだ見つけた“登りたい山”に、秋には行くつもりなんである。勝算もある。富士でKが高山病になったのは八合目。2,800m付近である。登りたい山は2,700mだから大丈夫!(なハズ)。そしてその前の訓練は、今月中に行く2,230mである。
買い物日記を書くつもりだったのに思い出話をして長くなってしまった。私の日記はいっつもこうだ。実際話をしててもクドいしさー。―――つワケで、明日に続きます。
3年前に買って以来がんばってくれていた弁当箱が、かなりくたびれてきてしまった(←私の手入れが悪かった)。しかし今の弁当箱の型が気に入っていて、できるなら同じモノが欲しい。しかし、3年前に買った店ではもう扱っていないようだ。製造元のHPを見ても同じ商品は見当たらない。でもなー、やっぱり木のがイイよなー、んで木のだと、他に惹かれるヤツは桁違いで高いんだよなー弁当箱に1万は出せないよーなどと迷っているうち、たしか中野の店に同じ弁当箱があったと思い出した。問い合わせてみるとまだ在庫はあるらしい。
とゆうワケで7月頭の土曜日に、中野までチャリ走らせて買いに行って来ました。往復3時間くらい。雨がときおりパラつくあいにくの天気だったけど、暑すぎるよりは良かったかも。その天候でさえ坂道登ってるときはぼーっとのぼせかけたくらいだったから。んで己の脚力の無さに情けなくもなった。チャリにはまだ余力があるのに私に余力がなくて、ときどき坂道に耐えられなくなるんだもの。平地や下り坂はもう最高気持ちいいのになあ。やっぱも少し頻繁に乗ってやらんといかんかしら。目指せ黄金の太もも。
やっと手に入れた弁当箱は、前のの方がしっかり嵌った気はするものの、やっぱりキレイな白木だった。比べて見てみると、前のは使い込まれたいい飴色になっていて、処分するのがもったいなかったです。今度のはもうちょっとちゃんと手入れをして、も少し長持ちさせてあげたいと思う。
さあ7月頭からの日記が溜まっているぞー。順々に行きます。まず今月から、時給が上がりました。書いたかどうか忘れたんだけど、今年4月に仕事場の部署再編成があり、すんごく働きにくくなってしまったのですね。んで、またかなり真剣に辞めるコトを考えていまして。ちょうど派遣元の担当が来る予定があったので「今の状況が改善されないなら辞めます」という話をしようと思ったその途端。担当者の前に座るやいなや「聞いてるかも知れませんが7月から時給があがります」と言われました。えっ聞いてない聞いてないですよ。ちなみに5月半ばの話です。
「今の段階でいくらになる、とは言えないんですが、私がTo-koさんなら逆立ちしてこの部屋回っちゃいますね」と聞き、とりあえず就業状況の改善は訴えたものの「辞める」という言葉を口に出すのは延期しました。しかしね、担当者の話を鵜呑みにして舞い上がる気にはなれませんでした。だって今の私の時給は事務作業員にしてはかなりいいのです。これにいくらも上乗せできるとは思えません。「逆立ちする」というからには10円20円ではないだろうけど、技術職もしくはフロアレディ並みにならないと逆立ちはできません。どう考えてもそれは無いだろう。
んでこの話はあんまり人にはしませんでした。ぬか喜びすんのもイヤだし。5月末に田舎に帰って友達に会ったときに「とりあえず7月までは様子見ようと思ってる」って話はして、「んで予想より上がらなかったら“ふーん、この人はこの程度で逆立ちするワケね”と思えるじゃん」と笑いあって帰ってきたのですが、まあどう考えても50円が限度だろう常識的に、と思っていました。あ、もし今の仕事を辞めた場合、どちらにしても私の収入は激減します。でもねー月給10万が8万になるのは覚悟できても、月給12万が8万になるとしたら、そりゃ考えも変わりますわな。
んで結果。70円でした。逆立ちはできないけど、今の職種でこれ以上は上がらないだろうからと諦めて、数年前から賃上げ交渉もしていなかったので、それなりには嬉しいです。スキップで部屋一周くらいならしてもイイ。んで状況も2ヶ月の間に変わってきたし、辞める件はしばらく棚上げするコトにしました。んなコトやってるうちに年くって、新しい職を探すのが大変になるんだろうなーと思いつつ、先のコトは今から悩まないキリギリスです相変わらず。ああ、なるべく長く夏が続きますように。
≪つづき:沖縄旅行記5日目≫
とうとう……というか、あっという間というか、阿嘉島を去る日がやってきてしまいました。とはいえクイーンざまみの出港は10:20。7:30からの朝食を終えてもまだたっぷり時間はあります。まずは前日干しておいた器材をパッキングし、家に送りつけるように手配をしました。それが終わった頃がちょうど1本目のダイビングの出発時間。N山さんとはもう会えないかも知れないので、お別れの挨拶がてら出発を見送りに行きました。
今日潜るお客さんはたった1人。N山さんとツーショットというのは少々緊張するシチュエーションですが、昨日までの船の混雑ぶりを考えるとやはり羨ましい面もあります。その幸運なお客さんはたぶんもうリタイア後の、白髪の男性。遊び方知ってるな〜という感じですね。別れを惜しんで一生懸命手を振ったのですが、N山さんとはこの後ももう1度会えたのでした(なーんだ)。
左:阿嘉大橋から見た港。ダイビングで使う港とは別です。前日パーラーに行ったときには、この港で子どもたちが次々に海に飛び込んで遊んでいました。いい環境だなー。/右:阿嘉大橋から見た佐久原。この下のポイントが面白いのです。
その後、眺めがいいと勧められ、阿嘉島と慶留間島を結ぶ阿嘉大橋に景色を見に行きます。左はそこから見た慶留間島。早朝にはよく慶良間鹿が来ているそうです。皆は日差しにヤラれて、早々に宿に引き上げてしまったのですが、私はそこから浜に散歩に行きました。ちょうどいい東屋があってそこでしばらくのーんびり。日陰に入りさえすれば、吹きぬける風も気持ちいいのです。
左:ハマヒルガオかな?/右:東屋からの景色。ちょうど額縁みたい。
ぼーっと、いくらでも海を見ていられそうでしたが、適当に切り上げて宿に戻ると、ちょうどKimさんが「ちょっと時間あるから北浜(ニシバマ)行きませんかー?」とお誘いにきてくれました。荷物もまとまっていたので、二つ返事で宿を飛び出し、車で10分弱のニシバマへ。3度も潜ったポイントなのに浜を歩いたのは初めてでした。白い砂浜が広がって、すぐ近くにリーフがあって、シュノーケリングとかには最高なんじゃないでしょうか。沖にはN山さんのボートがいたのですが、手を振っても気付いてくれませんでした。
--海を見ているうち、あまりにキレイな水色にガマンしきれず、靴を脱いで水に入ってしまったのですが、その様子をKimさんが写真に撮ってくれていました。家に帰ってからその写真を見てみたら、自分がびっくりするほど“いい顔”してて、すごく嬉しくなりました。Kimさん、ありがとー!
ニシバマから港へ直行してしばらく待つと、クイーンざまみが入ってきます。一足先にニシバマから戻っていたN山さんも、見送りに来てくれました。唯一のゲストはアザハタの根を独り占めだったそうですが、バッテリー切れで写真があんまり撮れなかったとか。もったいな〜い。辰登城の従業員の皆さんも総出でお見送りに(兼:この船で着く客の出迎えに)来てくれていました。調理担当だった2人の兄ちゃんは、ちょっと離れた突堤にいます。「見送りに飛び込みますって言ってたよ」とYが言うので、冗談だろうなーと思いつつもちょと期待。
「さようなら〜」「また来ますね〜」と叫びながら、船が港を離れます。N山さんやKimさんに、今度はいつ会えるかなぁ。また来たい思いはもちろんあるのだけど、石垣島や与那国にも浮気をしたいのです。阿嘉島はまたちょっと先になるかも知れないけど、それまで元気でショップを続けてくださいねー。船が港内を出るか出ないかのとき、突堤にいた兄ちゃんの1人が、すぱーんとキレイに海に飛び込んでくれました。うわー慣れてるなあ。毎回やってるのかしら。思わず拍手をしてしまいました。
しばらくデッキで海を眺めていましたが、日差しに耐え切れなくなったところで船内に避難。デッキで温まったからか、強すぎる冷房にガマンできなくなる前に、船は那覇に戻ってきました。さてここからが大変(Sさんが)。那覇から遠〜く離れた美ら海水族館まで、レンタカーを借りて行くのです。飛行機の出発時間が20時とはいえ、かなりの強行スケジュール。昼食を買い込み、沖縄自動車道にのって2時間ちょっとのドライブです。
水族館に着いたのは14時頃だったでしょうか。2時間かけてやってきて、滞在できるのはやっぱり2時間。噂どおり大きな水族館でしたので、2時間ってのは本館を見るだけで精一杯でした。目玉の大水槽の前にカフェがあったので、もし時間があったらここで水槽を眺めつつ、の〜んびりお茶したかったです。マナティ館・ウミガメ館・イルカのプールなんかは、とても回れませんでした。でも今回は“とりあえず見てみる”のが目的だったのでOKです。今度来るときは1日かけるつもりで来たいですね。
美ら海目玉の大水槽。ジンベエザメとマンタの競演は、さすがの迫力でございました。いつかは海で直接……。
--ジンベエとマンタのツーショットを撮ろうとかなり頑張ったのですが、難しかった〜。両方とも大きすぎます。
まだ2時間をかけて那覇へと戻り、空港へ。今までお土産を買う時間がなかったので(美ら海でマンタの柄の和手拭いは自分土産に買いました)、ここでお土産を漁ります。義理土産のほかは、ほとんど自分のばっか買っていましたが―――まあいつものコトですね。
そして20時の飛行機で、東京へ。飛行機の中でSさんとTさんは、“やっと眠れる”という感じで爆睡していました。お世話になりました。羽田に着いたときはかなり遅かったので、あっさり解散。次の日からは仕事ですもんね。馴染みの面子と、違う海へ。安心できてでも新鮮で。旅は個人旅行が好きだけど、ダイビングのツアーはちょっと一味違ってて、別の魅力があります。旅行が終わってしばらくは、目を瞑ると阿嘉の海が浮かんでくるくらいでした。
≪終わり。おつきあい、ありがとうございました。≫
≪つづき:沖縄旅行記4日目-2≫
何となく沖縄チックな冷やし中華をお昼にいただき、体力回復のため、昼寝。またもや爆睡しかかったトコロで携帯に起こされ、とうとう最後のダイビングへ出発となりました。行ったのは平瀬(ひらじ)。島で言うと安室島? 座間味島? ――どっちかです。連日続けて潜っているせいか、ダイコンの残留窒素量を示すバーグラフもなかなか短くなってくれませんが、N山さんはその辺ちゃんと考えていてくれて、ここも浅めのポイントです。
水に入ってほわわ〜んと進みつつ横を見ると、オヤビッチャが群れています。(ちょうどオヤビッチャの産卵時期だって言ってたからな〜。オヤビッチャ天国かな、このポイントは)なぞと、ほのぼのとした気持ちになりましたが、私たちはこの後恐ろしい光景を見ることになるのでした……。それはさておき、このポイントはサンゴも見事。特に重なるように広がったテーブルサンゴは絵になる姿で、万が一にも折っちゃいけないとドキドキしました。
そしてその向こうに広がるのが“恐ろしい光景”です。いや最初は恐ろしいなんて思いませんでした。何種類いるか分からないくらい、色とりどりのチョウチョウウオがある1箇所に集中して群がっているのです。まず(うわぁこんなに色んな種類が! すごーい!)と喜びました。しかししばらく見ていると、魚たちの様子が何だか殺気だっているような……? するとN山さんがスレートに「オヤビッチャの卵を食べてる」と書いてきました。
そうゆう目線でよく見ると、確かに! ただ入り乱れているように見えた魚たちは、2つに分かれているのです。なんとか卵を食べようとしている魚たちと、それを必死で追い払おうとするオヤビッチャたちに……。オヤビッチャたちも頑張っていましたが、しかし多勢に無勢。うひゃあ、これを生き残ったのだけが大人になれるのか。なんて少ない確率なんだ! それ以外は、のーんびりダイビングでした。ずっと浅瀬にいたので窒素量もあまり増えず、一安心です。ゴンベ系の魚も多く、いい被写体になってくれました。
今回のログはコチラ(167本目)。写真アリ。
これが最後なので器材を宿まで運んでもらい、洗ってテラスに干しておきます。そして昨日はできなかった、のんびりビールタイム。ひと段落ついたところで、夕食まであと30分ちょっとしかないと言うのに、島唯一のパーラーに行きました。一度は行っておきたかったんですよねー。ここで私はブルーシールの黒糖アイスを海を見ながら食します。YとKが頼んだ冷やしぜんざいは豆がとっても美味しかったので、次回、夕食までにもうちょい間があるときには食べたいなー。Sさんには「夕食前に!」と呆れられましたが、ちゃーんと夕食も完食したからいいんです。
左:豆が美味しいひやしぜんざい/右:パーラーからの風景
辰登城の夕食はボリュームたっぷり。若い兄ちゃんたちが作ってくれるのですが、とても美味しいです。更にこの日は生ビールを飲み(私はね、ログ付けがあるから飲まないと言ったのですよ? でも皆が…皆が…!)、一休みしてからショップへ向かいました。
初日はメモリカードの異常で写真がほとんど撮れず、2日目はナイトがあったのでショップでのログ付けができず、この日初めて自分の撮った写真をショップで披露するコトができました。前に来たときは古いデジカメだったので、私だけTVで画像を確認できずに悲しかったのですが、今回は大丈夫! 前のときは「1つの被写体を1回しか撮らないようじゃダメだ」とか「砂粒が1粒でも写りこんだらダメだ」とかもうダメ出しの嵐だったのですが、今回は「おっこれはイイね〜」「上手くなったね!」とお褒めの言葉もいただけました。ふっふっふ。リベンジ成功!
次の日は潜らないので泡盛もロックで飲めるし、後は他の人の撮った写真やビデオを見ての〜んびり。でもN山さんやKimさんには次の日も仕事があるので、適当なトコロで切り上げて宿に戻ります。この日はかーなり飲んでいたので、阿嘉島最後の夜も気持ちよく爆睡。ホントに楽しい島滞在でした。
≪つづく≫
≪つづき:沖縄旅行記4日目-1≫
沖縄旅行4日目、6月26日月曜日。この日も暴力的な日差しの快晴です(でもKimさんに言わせれば、6月の日差しは“優しい”んだとか……嘘でしょ〜)。前日と同じように7時半朝食、8時半に港に―――行くと、N山さんとKimさんに「早すぎるよ〜。まだ燃料も積んでないのに」と文句を言われました。どうやら集合は8:50だったようです。屋根も何もない港にぼーっと立っているのは自殺行為なので、船の近くに飛び込んで涼んでみたり。港でも充分キレイだからできるコトですねぇ。羨ましい。ヨダレカケがぴょんぴょん飛び上がって来ていたので「陸にあがりたいのか〜? 肺呼吸覚えないとダメだぞ〜」と話しかけたりもしてみます。
さて荷物を積み終え、やってきた1本目は座間味島の灯台下。船の片側にはポイント名どおり座間味島の灯台が、もう片側、はるか沖には男岩(おがん)が見えます。男岩はダイナミックなドリフトダイビングができるポイントだそうですが、N山さん曰く「今は潮が早すぎるからダメ」だそうな。私らはのんびりと穏やかなポイントを潜ります。ところでワタクシ、前日の1本目を終えた段階でカメラの電池を交換しておりました。未だに新しい電池がどのくらいもつか把握していない私ですが、ケアンズのときは10本潜る間ほとんど替えなかったハズ。だから今回はもう変えなくて大丈夫だなー、と安心しきっていたのです。
ところが、ところが! 1本目に潜ってすぐに液晶画面に出てくる「バッテリー切れ間近」の表示。そんなー。念のため替え電池は充電してありますが、陸上に戻らなくては替えようがありません。節約節約騙し騙しでホソガラスハゼやイシガキカエルウオの写真は何とか撮りましたが、色鮮やかなイロブダイ幼魚もヤミスズキも岩場に隠れた大ダコも黒地に白い斑点のウツボも縦に群れてるキンメモドキ幼魚も撮れませんでした。がっくり。
このポイントも変化のあるポイントです。潜ってすぐは平坦な岩場。そこから泳いで亀裂の谷間に入ります。洞窟のようになったちょっと薄暗い空間を抜けると両側に岩が切り立ち、隙間にはキンメモドキが地形の関係で縦に群れています。そこを上がって通ってきたトコロをふり返ると、ダイバーの吐いた泡が岩の隙間を通ってこぽこぽこぽと立ちのぼっているのです。この現象、サイパンで教えてもらったなあ。何て言うんだっけ。エアーカーテン?
港に戻ってN山さんたちがタンクを積み替えている隙に、トイレ&電池の入れ替え。トイレにはスーツを脱がなきゃ入れないし、電池の入れ替えは水没を避けるため慎重にやらなきゃならないしで、けっこう慌しいのですが、が、しかし。ここで電池の入れ替えをしておいたのは大正解でした。2本目のポイントはなんと、嘉比島の海底砂漠だったのです(初めて行くポイントなので名前を聞いたときは「ステキな名前だね〜」くらいの反応だったのですが、潜ってみるととっておきの写真ポイントなのでした)。
<嘉比島。近くの島のホテルでやってる無人島ツアーが人気だそうで、浜には人がたくさんいました。お弁当まで持ってきてもらって“無人島”はないだろうに……。>
「海底砂漠は文字どおり白い砂地です。ここでは思いっきりマイナス浮力とって、お尻で座っちゃって大丈夫だから。誰か1人にモデルになってもらって、海面とダイバーの写真を撮るといいよ。太陽に重ねるのがベストショットのコツ」とN山さんのブリーフィングがあったので、Tさんにモデル役をお願いして海に入ります。あと「ここはヤシャハゼも多いよ。ハゼが尾びれを穴に突っ込んだら警戒してる状態だから近づいちゃダメ。安心してホバリングしてるときに距離を詰めるといい」ってアドバイスも、事前にもらいました。
ヤシャハゼには以前一度会ったコトもありますが、あのときは「ああなんかそれらしきモノがいる……」って程度までしか近寄れませんでした。アドバイスを糧に、今回はどこまで近づけるでしょうか? 潜ってしばらく行くと、ヤシャハゼポイントにやってきました。N山さんが指し示す方向を見ると、発見! ヤシャハゼ! 早速その場でカメラを構えるとN山さんが「遠すぎる! もっと近づけ!」と言ってきます。わかってるよー。とりあえず証拠写真をゲットしてから近づいて行くつもりなんだよー。だいたい他の人も狙ってるのに、私が驚かして逃がしちゃったら申し訳ないじゃんかー。
が。最初のうちは確かに同じヤシャハゼの周りに人が群がっていたのです。が、ヤシャハゼがホバリングを始めたらじりじりと近づき写真を撮る→尾びれを穴に入れたら止まる→の“達磨さんが転んだ”をやっているうちに、気付くとヤシャハゼを撮っているのは私1人になっていました。あれ? 他の人は何をやっているの? 見回すと、他の人は他のヤシャハゼを狙って……ってコトはこのヤシャハゼは私のヤシャハゼ! 引っ込ませても他の人に迷惑はかからない〜!とじりじりじりじり……。結局50cmくらいまで近づいて、ハッキリした写真も撮れました。やほー。でも後から反省したんだけど、露出を下げるべきでしたね。白い砂浜ではその方が色がよく出た気がします。
ヤシャハゼの近くにはガーデンイールもいます。そこでも同様にじりじりじり……と近づいて、顔のわかる写真をゲット。そこからしばらく行った終点が、目的の海底砂漠です。白〜い、何もない砂浜。ちょっと先は落ち込んでいるようですが、本当にキレイ。隠れる場所がないからか魚の姿もありません。ここで打合せどおりTさんが深度を上げ、しばらくは撮影会が続きました。Mieさんが「原ちゃんの方がいい〜」と言ったので、原さんもモデルになってくれます。Tさんを撮ってるつもりがいつの間にか原さんの写真になっていて、Tさん曰く「主役の座を奪われた!」。
撮影会が一段落したところで、Kが見つけたハダカハオコゼを見に行きました。緑色の哲学者。その後、私は砂糖菓子みたいな可愛いウミウシを発見。ハダカハオコゼのお礼にKに教えてあげましたが、後でウミウシ好きのTさんから「私も見たかったのにー」と文句を言われてしまいました。色んなものをたっぷり観察できたわ、地形は面白いはで大満足して、2本目終了。残りはとうとう後1本だけになってしまいました。早いな〜。
今回のログはコチラ(165本目)とコチラ(166本目)。写真たっぷり。
≪つづく≫
≪つづき:沖縄旅行記3日目-2≫
本格的に寝かかったトコロで無情な携帯のアラームに起こされ、支度をしてまた港へ。今日の3本目は久場島の久場東って、これまた初めてのポイントです。最後の方に行く浅場には大好きなカエルウオがたくさんいると聞いて期待に胸が躍ります。「浅場の水深は5mにもならないし、波の影響もあるだろうから、カエルウオの写真を撮りたい人はウエイトを重めにつけた方がいい」とアドバイスされ、1kg重りを増やしました。
前半は起伏のある地形で、壁につくウミウチワ(orイソバナ。どう違うの?)を見たり、深い方を泳いでいくヤッコエイを見たり。ムチカラマツがあったので、ガラスハゼがいないかな〜と探してみたら、案の定。初めてガラスハゼをキレイに撮れました。青い水と、画面を横切るムチカラマツと、誰かの吐いた泡と、ガラスハゼ。プリントアウトしたくなる出来の写真で嬉しい〜。
後半は浅い岩場でカエルウオを探して遊びました。……と言っても自分で見つけるのは難しい。N山さんにモンツキカエルウオを教えてもらい、これは写真にゲット成功です。ウエイトを重めにつけているので浮く感じは全然しないのだけど、足だけが落ち着かなくて、やっぱ重めのフィンが欲しい〜と思わされました。
1匹見つけると目が慣れるのか、2匹目は自分で発見。淡い、色のハッキリしない、名前の分からないカエルウオ。警戒心が強くて、カメラを構えるだけで引っ込んでしまうので、証拠写真も撮れませんでした。くそー。粘っていたらSさんがやってきます。自分がガイドをしているんじゃないからか、阿嘉島でのSさんはリラックスしまくりで、水中でもニコニコしっぱなし。目が合って、ニヤけきってる顔を見ると、こっちまで楽しい気分になります。
3本目のダイビングを終える頃は、まだまだ明るい時間帯です。17時18時になっていても、感覚としてはまだ15時くらい。……つまり、とってもビールの欲しくなるような空気の温度なのです(この「つまり」に納得できない方もいらっしゃるでしょうが、苦情は受け付けません)。前日と同じようにテラスに集まり、「ビール飲みたい〜」と叫ぶは橋さん、K、私。でもダイビング前には飲めない〜。この日はショップに行ってログ付けをする時間などなさそうだったので、この夕食前の時間に自主的にログを付け始めました。私とKが書いていたら、何となく皆も集まってきて。
ウミウシには詳しいTさんも、南国のチョウチョウウオには詳しくない―――つか、興味がないようです。写真を見せながら「これは何ですか?」と聞いて返ってくる答えが半分くらい間違っている。「Tさん、この島で働いていたんですよね?」「もう忘れちゃいましたよ」「何か覚えてるコトってあるんですかぁ?」なーんて、いつもさっくり刺されているお返しに、ちくちくイジメながらログを付けていきます。透明度も、だいたい20mくらいまでは感覚的に見当がつくようになってきたんですが、20mを超えると分かりません。Sさんに聞いても「30くらい……かな?」と心もとない。まぁ伊豆じゃ20あれば御の字ですもんねえ。
港での待ち合わせが19時半だったので、18時半に食堂が開くのと同時に夕食を食べ始めます。その後まだ潜るのだと分かっていても、残すのはもったいなくて、つい食べ過ぎてしまいました。食事を終え、身支度をして、港に向かったのは伊豆からのツアー9名だけ。さすがにナイトにノってくる、他のお客さんはいませんでした。ポイントに着いたときにはまだ空に夕焼けの色が残っていて、準備をしているうちに、い〜い感じの墨色になってきます。持ってくるつもりだったライトを忘れてしまった私は、ナイト用の大型ライトをレンタルしました。
さて潜ったポイントは、慶留間島のウンザ。一番深いトコロでも10mもない浅〜いポイントなので、ウエイトは1kg重いままです。「マイナーで他のショップが来るようなポイントじゃない」そうですが、私らはN山さんたちに前回も連れてきてもらっています。水に入った瞬間はひやっとしましたが、N山さんを先頭に進んでいくと、あれ? なーんか水が、ぬるい。冷たくもなく、流れもなく、本当に水の中にいるのを忘れるくらいリラックスできるダイビングでした。後でダイコンを見てみたら、水温は今回のツアー9本で最高の28度でした。
さて見たモノ。魚じゃないけど、まずはバイカナマコ(……と聞いたけど、オオイカリナマコじゃないか?)。長くて半透明で口?には触手みたいなのがついていて、キモい。これはケアンズのナイトでも会っています。それから、岩場から垂れ下がっている紐みたいな虫(?)。前日Kがビデオに撮っていたのですが、その画像を見ながらKimさんが「これは××(名前忘れた)って虫(?)で、この上に本体があります。紐みたいなのは触手で、これで餌を取るんですよ」と説明してくれました。これが夜だからか活発に動いていて、やっぱり気持ち悪かった〜。
それから寝ているブダイが2匹。1匹は岩場の隙間から、ガッチリした歯の突き出した口を覗かせているだけでしたが、2匹目は岩の壁にまるで標本か壁掛けのように全身を晒して寝ていて、ちょと笑える姿です。ブダイは寝るとき体の周りに膜を張るそうですが、膜はよく分かりませんでした。後はアカモンガニ。背中の模様が鮮やかな、かなり大きなカニでした。海底の石の間には小さなキリンミノ。やっぱり毒はあるのでしょうが、4cmくらいだととてもカワイイです。もともとミノカサゴ系は華やかですもんね。
あとキレイだったのは夜光虫。ケアンズのときと違ってライトを消すと真っ暗になるので、夜光虫がよ〜く見えました。刺激を受けると発光するそうで、目の前の海水を手で揺らしただけでもキラキラ光ります。N山さんがナイフで岩を叩いて夜光虫を発光させて、そのたくさんの小さな光が海面めがけてゆらゆらと昇っていく光景は幻想的なものでした。透明度がよいのでライトの光が遠くまで届き、さっきも書いたように水の中にいるのを忘れるくらいで、夜の、誰もいないデパートを探検しているような、そんな童心にかえるダイビング。とても楽しかったです。
今回のログはコチラ(163本目)とコチラ(164本目)。写真アリ。
潜った後は真っ暗になった空を見上げながら港へ戻ります。ちょっと雲が出てきて、あまり星が見えないのが残念でした。それから待ちに待ったビールタイム。さすがに疲れていて屋上で夜更かしする元気はなかったのですが、テラスで「ぷっっは〜! うっま〜!」と橋さんやKと飲むビールは最高でした。私はまだ元気があったので、Kの撮ったビデオを見たりしていたのですが、UやYはあっと言う間に沈没しちゃったみたい。私もビデオを観ているうちに睡魔に襲われ、何度か意識を失いました。………寝ろよ!
≪つづく≫
旅行記を書きかけるたびに忙しくなるのはナゼだー!と思ってたけど、忙しい時期を避けて旅行に行ってるんだから、帰るなり忙しくなるのは当たり前っちゃ当たり前でした。あははのは。写真の整理に時間がかかるので、この先のログの整理は後回しにして、とりあえず旅行記だけ再開します。
≪つづき:沖縄旅行記3日目-1≫
6月25日、日曜日。部屋のエアコンの調子が悪く、数時間おきに止まってしまう。暑さに弱いKがその度に起きてリセットをしてくれるのをいいコトに、私は布団を巻いたり剥がしたりしながら爆睡してしまった(←Kがエアコンを効かせるときは、私は冬布団をかぶって過ごしました。外はムシムシ暑いのにー)。7時前にぼちぼち起き出し、7時半から朝食。8時40分〜50分には港で待ち合わせ、出航。おっとSDカードは3日目から、何事もなかったかのように正常に働いてくれました。急に暑くなってビックリしたのか?
この日の船上は前日よりも混んでいた。ゲストだけで20人いたから、たぶん制限目いっぱいだったんじゃなかろうか。平均年齢が高めで(私らが一番若いくらい)、私の母くらいの年代の人や、白髪のおじいちゃんもいる。うーん、まだまだ先は長いなあ〜。そんな面子で向かった1本目のポイントは阿嘉島、佐久原(さくばる)。行く前から「佐久原好きなんですよー、佐久原行きたい〜」とうるさく言っていたので、N山さんの口から「佐久原」って名が飛び出した途端に、Tさんから「よかったね〜」と声がかかる。
そして久しぶりに潜った佐久原の隠れ根は、やっぱり面白いポイントなのだった。地形が変化に富んでいて、いろんな表情を見せてくれる。海底まで行けば30mくらいあるんだけど、私らはそこまで行かないで、根の中腹くらいで遊んだ。中腹には各種チョウチョウウオ、紫がキレイなクレナイニセスズメ、ハナゴンベにヤミスズキ。深〜い方にはヨスジフエダイが群れているのが見える。その後根の頭に登って、N山さんがサザナミフグと遊ぶのを見たり、ハタタテハゼをカメラで狙ったり。
初めて潜ったというMieさんと原さんが「面白いねー」と言うのに、ナゼか「そうでしょう〜面白いでしょう〜」と自慢する私。あんたの所有ポイントじゃないっつーの。でも自分が好きなポイントを褒められると、嬉しくなっちゃうんだよねぇ。あれを見たこれを見たと報告(自慢?)しあいながら港へ戻り、タンクを積みなおしての2本目は同じく阿嘉島、儀名。ポイント近くでシュノーケリングしてる人たちがいたのだけど、どうやら航路でやっていたらしくN山さんに怒られていた。本島のショップの客らしい。あーあ。
「ここはカメがよくいるポイントなんだけど、他の船が2隻もいるからもう逃げちゃってるかも」だそうなので、あまり期待をせずにエントリー。そりゃカメに出会えれば嬉しいけれど、カメがいなくても他の魚がたくさんいるからイイのだ。キレイなブルーのオグロクロユリハゼ、コントラストが鮮やかなセナキルリスズメ、それぞれのお気に入りのイソギンチャクについているセジロクマノミ、ハナビラクマノミ、カクレクマノミ。気持ちよさそうだなー。最後の方にツバメウオに似ている、アカククリって魚を初めて見る。岩場の暗がりに隠れていた。あとこのポイント、イバラカンザシがすごくキレイでカワイかった。私らがあがる頃には他の船はいなくなっていたが、結局カメには出会えなかったのだけ、残念。
今回のログはコチラ(161本目)とコチラ(162本目)。写真アリアリ。
2本が終わったトコロで、ちょっと長めの昼休み。戻った辰登城のテラスで昼食(タコライス)をいただき、3本目までにまだ1時間近くあったので、私とKは着替えて部屋に戻って昼寝。他の面子はテラスでお喋りしているようだけど、昼寝をしておくと後が楽なのよねー、と眠りかけた頃。Uがやって来て「昨日は2本しか潜れなくて、このままじゃ予定の9本がこなせないから、良かったら今日ナイトをやりませんか?って話があるんだけど、どうする?」と聞いてきた。もちろん「やる」と即答して、眠りに戻る。それならなおさら寝なくっちゃ!
≪つづく≫