2006.6.29(Thu)

≪つづき:沖縄旅行記2日目≫

さて1本目のポイントは、嘉比島のブツブツサンゴ。ブロッコリーみたいなコモンシコロサンゴにいろんな種類の小魚が群れる、浅めののんびりポイントである。そういえば結局ウェットスーツをフルオーダーで作ったコトは書いたっけ? そう、買ってしまったのですよ新スーツ。伊豆ではまだ水温が低くて着れなかったので、今回が初お披露目である。……と言っても最初のに比べれば予算の関係で地味なんだけど、でも嬉しいもんは嬉しい。新しいスーツは浮力が強いのでウエイトは重めの6kg。

器材を背負って背中から水に落ちれば、そこは青、青、青の世界。あったか〜い! あっかる〜い! 気持ちいい〜っ! 日差しが強いので底まで明るく、自分の影が海底に映る。見ればあっちにも魚、こっちにも魚が。久しぶりだねーミスジリュウキュウスズメダイ、ロクセンヤッコ、メガネゴンベにフエヤッコダイ。早速写真を撮ろうとカメラの設定をいじっていたら、ここで突然のアクシデント。液晶に浮かぶ「カードに異常があります」の文字。なっなにこのエラーメッセージ? 見たことないよ?

慌ててあちこちのボタンを押しても、カードが正常に認識されない。ここまでに数枚の写真は撮っていたけど、それはあきらめてカードの初期化をかけようかと思っても、カードが認識されなきゃ初期化もできない。か、カードを差し直せば治るかしら。直らなかったらどうすればいいのかしら。ああ今すぐハウジングを開けて確かめたい(ムリムリ)。阿嘉島でSDカードは買えるかしら(買えるワケないよなー)。ダメならこの先写真はなし? まだ1本目なのに? うひーどうするよどうするよ。

このとき私らのチームのカメラで正常に動いているのは、Yのカメラだけだった。私はカード異常、UとKはハウジング内が曇ってしまってダメ。写真を撮らなくてもダイビングは楽しめるのだが、いやかえってカメラを持って入らない方がリラックスできるときもあるのだが、滅多に来れない阿嘉島である。撮りたい。後で写真を見ながら記憶を反芻してニヤニヤしたい。海はこんなに青いのに、私の心はブルー。(←青いじゃん!)。

もったいないが、正直この後はよく覚えていない。浅いトコロにやってきたらハウジング内の曇りが取れたらしく、Uがカメラを、Kがビデオを構えて撮影会をやっているのが羨ましい。ひとしきり遊んで、船に戻り港へ戻る。港で空になったタンクを降ろし、新しいタンクを積み込んだらまたすぐに出航なので、2本目もカメラは諦めた。始まったばかりでまだどの程度時間の余裕があるか分からなかったから、ハウジングを開けてカードを差し直すのが怖かったのだ。急いでやって水没なんかしたら目も当てられないしね。

さて空手でやってきた2本目は阿嘉島の北浜(ニシバマ)。アザハタののある、絶好の写真ポイントで―――いいんだ、アザハタは前回さんざん撮ったから! 「根までは距離があるので中層を泳ぐコト。ガイドより深くは潜らないでね」と念を押され、N山さん先頭で目的地へと向かう。透明度がいいと本当に空を飛んでいるようで、気持ちいいったらありゃしない。ふと横を見ると、深く潜りたがるYがTさんにタンクを掴まれて連行されていて、まるでヘリコプターからぶら下がった荷物のようになっていて、笑った。

アザハタの根は大盛況である。だいたい私らのグループだけで17人もいるのだ。根にはキンメモドキがスイミーと仲間たちのように一塊になって群れている。ケラマハナダイもひらひらしてる。その上を悠々と泳ぐは、2匹のアザハタ。黒や白に見えるけどフラッシュたくとキレイな赤なのよねー、なんて思いながら、カメラを持っていない私は遠慮して遠巻きに根全体を眺めていた。途中N山さんに呼ばれて、ホワイトソックスという足の先が白いエビなんかも観察したり。Kからビデオを向けられて暴れてみたり。

アザハタの根でしばらく遊んだあとは、帰り道途中の、もうちょっと浅い場所にある別の根へと行く。ここにもあっちこっちに魚がいて、観察対象にはこと欠かない。今回のダイビングは常にゲストが大勢で、ガイドさんからいちいち教えてもらうよりも、自分で岩やサンゴの下を覗いて隠れている魚を探す時間が多くて、それぞれが違った目線で撮った写真やビデオを後で見せあうのが面白かった。「え〜っこれ見てないよ〜教えてよ〜」ってコトも、たくさんあったけど。(←お互いさま)。

おっとそうだ。アザハタの根に行く前に、シュノーケリングもしたんだった。アンカリングポイントが2箇所しかないので、先客がいたら後から来た船はどちらかが開くまで待たなくちゃいけない。私らが行ったときは両方とも塞がっていたので、30分ほど待ち時間があり、その隙にシュノーケリングができたのだった。ロクセンスズメダイがたくさん群れていて、楽しかった〜。今度はウエイトを付けてスキンダイブの練習をしてみたいな。

今回のログはコチラ(159本目)とコチラ(160本目)。カメラトラブルのため、写真は1本目に少しだけ。

この日のダイビングは2本で終わり。器材はまた使うので船に積み込んだまま、辰登城に戻って着替えてビールを飲みながらテラスでくつろぐ。うーん最高! 日差しはキツイが日陰にいるといい風が入ってきて、とても気持ちいいのだ。18時半からが夕食で、少し疲れていた私はその後ちょっと一眠り。同室のKは浜まで散歩に行ったらしい。20時、やっと暗くなった道を歩いてショップへと向かう。これからログ付けがあるのだ。

阿嘉でログと言えば泡盛。でも次の日もあるので薄めに割ってもらって、それを呑みつつ、Yの撮った写真をTVに映して皆で見る。おかげでログブックの“見た魚”欄が埋まった。写真を見て「あ、これいたいた〜」とやらないと、全然思い出せないんだもの。「たくさん見たけど、何だっけ?」になってしまうのだ。同じ船の別グループにすごく写真の上手い人がいて、彼の撮った“作品”にも歓声をあげる。この人はガイドなのかと思うくらい、魚の名前にも詳しかった。いつかあんな写真が撮れるようになりたいなあ。

ログ付けを終え、「明日もよろしくお願いしま〜す」と宿に戻った後は、またビール片手に屋上へ。月のない時期だったし、陸上の灯りも数えるほどしかないので、星空が素晴らしくよく見えた。長く空を見上げているとだんだんと目が慣れてきて、最初は見えなかった小さな星も、天の川も見えてくる。ぽつぽつと話をしながら星を眺め、流れ星を見つけた回数を競ったり。よく流れるんだ、これが。大きな星が流れたのを契機に、この日はお開き。

ああ、シアワセだなあ……。

≪つづく≫

2006.6.28(Wed)

4泊5日(実質4日)の実り多き、素晴らしい旅をして無事に戻ってきました。2004年3月11月に続く、3度目の沖縄。2度目の阿嘉島。例によって例の如く、だらだら旅行記始まりま〜す。

*****

6月23日金曜日。「今日は残業はしませんからね!」と朝から周囲にアピールして、定時になった途端にロッカー室に隠しておいたダイビング器材を引っつかみ、即行会社を飛び出すワタクシ。集合時間の19時に羽田に集まったのは、伊豆のダイビングショップオーナーSさん、ガイドのTさん、馴染み客の橋さん、Sさんの奥さんのMieさん、Mieさんのお友達の原さん、私とダイビング仲間のK、Yの8名。「朝からの時間がもったいない!」と一足先に沖縄入りしているUも含め、9人での阿嘉島ツアーである。

初対面の橋さんと原さんに挨拶をし、乗り込むは20時発のANA。空弁を食べつつ2時間半弱のフライトで、辿りついた那覇はむわ〜んと暑く、南国の空気が流れていた。那覇空港からタクシーに分乗して、この日の宿、泊港に面した沖縄船員会館へ向かう。宿ではすでにUがくつろいでいた。1日観光をしていたUの話を聞いていると話は尽きないが、次の日からダイビングなので早めに切り上げ、それでも日付が変わってから就寝。沖縄地方は20日にもう梅雨明けをしているので、天気の不安はない。

明けて翌日、6月24日土曜日。起きたときにはもう夏の真っ青の空から、暴力的な日差しが降り注いでいた。朝食をとって、9時発の高速船“クイーンざまみ”で一路、阿嘉へ。海は凪いでいて船も全然揺れず、途中で座間味港に寄って、予定通り10:10に阿嘉島へ到着した。港には宿やダイビングサービスのお迎えがたくさん来ている。その中に、1年半ぶりのKimさんの懐かしい顔があった。今回お世話になるショップのガイドさんである。

「お久しぶりです〜。今回もお世話になります」と口を揃えてご挨拶。Tさんは以前阿嘉島のショップで働いていた経験があるだけに、Kimさんとの再会に盛り上がっている。ここから、後から参加を決めたので同じ宿が取れなかったMieさんと原さんが、Kimさんと一緒にペンションSへ。残りの面子は宿の迎えの軽トラックの荷台に乗り込み、民宿の辰登城(たつのじょう)に向かった。

宿について先に書いておくと、この民宿はなかなか良かった。前回泊まったシードルンの方が贅沢なのだが、ダイビング目的なら辰登城の方が便利かも。港にも近いし、海から帰ったら外階段で2階のテラスに直接入れ、シャワーが浴びられる。テラスにあるジャグジーも気持ち良かったし、3階のテラスや屋上からの眺めは最高。食事も朝食はあっさりめ、夕食は品数も多くて美味しい。沖縄料理満載のシードルンは量が多すぎて残すのがもったいなかったが、こっちはちゃんと食べきれる量だった。宿の1階が小さいスーパーになっているのもまた便利である。

「今日のダイビングは2本です。12:30に迎えに来て、その後2本続けて潜っちゃうから、それまでに昼食は済ませておいてね」とペンションSから回ってきたKimさんに言われ、「おなか空いてないよー」と悲鳴をあげながら、それでも買い込んでおいた弁当を完食してしまった。かなり体調はいいらしい。ダイビング参加申込書を書いたり器材を準備したりしている間に、阿嘉島のショップオーナーの海人、N山さんもやってくる。彼もちっとも変わらない。

12:30にKimさんが迎えにきてくれたが、全員は車に乗れなかったので器材だけ運んでもらい、私たちは歩いて港へ。5分もかからない距離なのだが、強烈な日差しが痛い。こりゃかなり焼けそうだ。港には新しくなったショップの船、Sil号が浮かんでいる。同行したゲストは私ら一行の他に、この日は6人いたっけな? シーズンだけあって船上はかなり混みあっていたが、順番に器材のセッティングを済ませたところで、出航。ここから3日間、9本のダイビングが始まるのである。始まっちゃえばあっと言う間の、バリエーションあるツアーが、こうして始まった……。

≪つづく≫

2006.6.23(Fri)

八百屋の店頭で箱売りされていた梅の実から、目眩がしそうなくらい強烈な香りがただよってきて、(ああ今年も梅もぎに行けなかったな〜)と寂しくなった。去年、6月のド真ん中にサイパン旅行を入れたときは(たぶん梅もぎに重なっちゃうな)と覚悟の上だったんだけど、今年は行けると思っていた。なのに梅の実がなるのが遅くて、沖縄旅行にぶつかるなんて……。今年も梅酒や梅ジャム、梅シロップを作れないのか。ガッカリ。

2006.6.22(Thu)

珍しく日記を書く気がしない。相変わらずダラダラ生活しているからなのか、物欲の神との対話に忙しいせいか、目前に迫った旅行の準備が楽しいからのか分からないが、どうせ沖縄から帰ったらだらだらと旅行記(つかダイビング日記?)を書くのには間違いないので、まぁ別にいいだろう。だいたい日記なんて義務感で書くもんじゃないもんね。―――つワケで、明日の仕事が終わったら夜の便で那覇に旅立ちます。以下、DVD感想3本分。

*****

『ホテル・ハイビスカス』。批判も告発もせずにただ淡々とあるものをあるままに、という世界の描き方はとても好き。だーけーどー。主人公の美恵子ちゃんがちょっとキツいところがあったかな。小利巧な子供時代を過ごした私の憧れの裏返しだろうけれども、ああいう元気な子供はちょと苦手。『ナビィの恋』ほどじゃないが、やっぱり生活に歌が溢れているところも、好き。あと登川誠仁さんがちょい役で出てて、この人の存在感がホント素晴らしい。ナビィのときも、なんでナビィがこの人を捨てて出て行ってしまうのか、もったいなさすぎる〜!って感じだったものなー。

『ゾンビ』。『ショーン・オブ・ザ・デッド』が見たかったので、パロディを見るならまず本家からだろう、と借りてきた。ホラーは一人で見られないので、同居中の妹を巻き込んでの鑑賞会にしたのだが……これって公開当初は怖かったのかなー? ショッキングな映像が溢れる時代に毒されているのか知らんが、あんま怖くなかったよ。見終わった妹が「えーっと……好意的に見るなら社会風刺?」と言うので「いやそれはそうらしいよ。大量消費社会への風刺がどうたらこうたらとか読んだ覚えが……」と答えておいたが、つい「でも風刺でもいいんだけどさあ、も少し本筋どうにかならなかったのかねー」と付け加えずにはいられなかった。だって登場人物たちが何をしたいんだか全然わからないんだものー。怖がることもできず、感情移入もできず、なんとももやもやした後味が残った。これがゾンビ映画の傑作とは! うーむ、わからん。

そして本題、『ショーン・オブ・ザ・デッド』。これは面白かった〜。主人公がぼんくらだという前情報があったんだけど、『ゾンビ』の主人公たちよりよっぽど頑張っていたよ。街にゾンビがうろうろしてるのに、全然気付かないトコロが上手くて笑った。気付けよーと思うんだけど、決まりきった日常だからこそ細部に目を配ったりしていないのね。ふざけているだけじゃなくて、ほろりとさせるシーンも辛いシーンもある。ラストもいい。ゾンビが怖くなくなってしまったとき、それをバラエティに使っちゃうってのは、いかにもテレビがやりそうだなーと思った。

どうでもイイけど楽しい旅行前に出す話題じゃありませんね。

2006.6.17(Sat)

思い立ったら吉日、というか忘れないうちに見ておかないとまた“気付けば公開終了”になってしまうので、『LIMIT OF LOVE 海猿』を観てきました。いつもは都心を離れたシネコンまで足を運ぶコトが多く、けっこう人気の映画でしかも安い日でも館内ガラガラな状態なのですけど、今回は都心部の映画館に行ったのでさすがに混んでました。時間ギリギリに行ってもちゃんと座れる全席指定で良かった。

さて感想。面白かったです。『海猿』のいつもの感想ですが、環菜ちゃんの部分はもうどうでもイイ。加藤あいはカワイイと思うけど、それだけならわざわざ観には行きません。ぐっとくるのであろうプロポーズのシーンも、長すぎると思います。そんな話は後でしろ!と言いたくなる。上層部の諦めが早すぎるだろーとか、なんで脱出口からそんなに遠いところで手当てをするのかとか、ツッコミどころも盛り沢山。

けど、もう一度言います。面白かった。私は“大勢の人が少数の人を一生懸命に救おうとする話”にとにかく弱いのです。『アポロ13』なんて何度も見ているのに、TVでやっているとついまた見入ってしまいます。今回もやっぱり船が沈んだ後、現場の人間達が即座に救出に向かおうとするシーン、続々と入る「潜水許可願います」の台詞の嵐にヤラれてしまいました。しかしさー、あの場面では仙崎の判断は妥当だと思うけど取り残される吉岡の立場には絶対なりたくない! 怖すぎるよー。佐藤隆太がずいぶんいい顔するようになったなぁとも、思いました。

弱いといえば、もう書いたかも知れないけど、手で指示を出す仕草にも弱いです。手話とはまたちょっと違うのです。軍隊ものとか特殊部隊ものとかでありますよね。潜伏しているときや突入直前、敵に気付かれないように手だけで指示を出し合うシーンが。作品が面白いかどうかに関係なく、そゆシーンがあると嬉しくなります。実は第一印象では「えっ」と思った映画版ファラミアを好きになれたきっかけも、ゴラムを射るかどうか部下たちに手で指示を出してるシーンでした。んでダイビングつのはもう、完璧ハンドシグナルの世界なのですねー。今回の作品では方向を指し示すくらいしかしてなかったけど、やっぱ嬉しかったです。あとハンドシグナルじゃないけど、手を握るシーンが多かったのも。

ところで。映画に感動はしたんですよ。したしうるうるしたんですけどね―――私の脳の裏側辺りに、妙なツッコミ入れてる人がいたのです。ウェットスーツを見れば「おっTUSA! そう言えば訓練時代にもTUSAのSF-5使ってる人がいたなー。伊豆のSさんが“いくら訓練生でも、あんな柔らかいフィンは履かないだろう”って言ってたっけ。TUSAって海上保安庁御用達なのか? それとも映画の協賛企業なのか? しかし海保のスーツにTUSAっていいのかなー。軍服に“NISSAN”とか“TOYOTA”とか入っているような違和感覚えるんだけど。あ、公告じゃなくてメーカーだから? パトカーにだってきっと企業の名前は入ってるだろうし……」。

レギュレーターを見れば「おっこれはMARES?(←器材を見ただけで全部分かるワケじゃありません。以前MARESの似たようなの見た記憶とリンクしちゃっただけで、ホントはMARESじゃないかも。SF-5は使ってるフィンだから分かっただけ) レギュはMARESのがTUSAよりもいいのかしら。そう言えば重器を買うとき店員さんもMARESはいいとか言ってた気がする…」。タンクを背負う潜水士たちを見れば「ああこんな風にタンクを軽々と扱えるようになりたいー!」。捜索活動を見れば「アドバンス講習のサーチ&リカバリー、こんな風にやるのかなー?」。ああもううるさいうるさい。

館内が明るくなったとき、席でハンカチを握りしめてるお嬢さんたちを見て、ちょっといたたまれないような気分になりました。結論。映画に没頭したいなら器材のコトは忘れましょう。それと船に何かがぶつかったら、とりあえず逃げやすい場所に出ておきましょう。そいえば、どうでもイイけど予告編では東京湾で豪華客船が沈んでいませんでしたっけ?

2006.6.14(Wed)

都民税が予想よりも高くてムキーッとなったり、新しい電子レンジの使い方迷ったり、ダイビング器材に小学生のように名前を書きまくって旅行の準備をしたり、妹に誕生日祝いの食事を奢ってもらったり、マンガを読みふけったりの、だーらだら。中野まで自転車で行きたいのですが、天気と気力が折り合いません。なので今日は書き溜めていたDVD感想を3本分蔵出し。DVDどころかTVも最近見てないんですけどねー。あ『海猿』だけは終わっちゃう前に見に行かなくちゃ!

*****

■『ジョゼと虎と魚たち』。ああ上手く映画化したなあ! 原作も良かったけど、原作とはちょっと雰囲気が違っていて――原作の方が泥臭いというか生々しい感じがする――それで良かったと思う。んで池脇千鶴ってこんな演技できたんだ!と、失礼にもビックリした。妻夫木くんはいつもの妻夫木くんで「ふつーの男の子」なのがいい感じだし。2人とも変にカッコつけたりとか虚勢はったりとかしないで、素直で、ぎゅっとなる。

■『アメリ』。―――なんか今更なものばかり見てる気がするけど、それを言うのこそ今更か。いやでも名前は聞けども見たことはなくって、だからもっと可愛い恋物語なのかと思い込んでいたよー。けっこうブラックなテイストが好みだわぁ。よく日本人はコミュニケーション能力が足りないと言われているし、海外では自分でもそう感じるコトもあるけれども、こうゆうの見るとそんなの世界共通なんじゃないかと思う。んでそうゆう人に向ける優しい目線を感じる物語は、好きにならずにいられない。

■『ディープエンド・オブ・オーシャン』。あーのーねー。以前からさんざん「英語をカタカナにしただけの邦題止めて!」と言ってきたけど、訂正するよ。「カタカナ表記でもいいから正しく書いて!」と。オブとオーシャンの間に何もないのがリズム的に気持ち悪くてどうしてないのか考えちゃったじゃん!(もともとは『The Deep End of the Ocean』)。そのワリに頭のTheが無いのを気にしなかった、「日本人のくせに文法を無視して喋る」と呆れられた、私が言うのもなんだけど!

内容はといえば、長男のビンセントを演じたジョナサン・ジャクソンがとにかく良かった。弟がいなくなっている間も見つかった後も自分より弟の方が愛されてると思い込んでて、でも弟の手を離してしまった自責の念から寂しいなんて感情をオープンにはできない。そんなヒネたナイーヴな子がちょっとした表情に見え隠れする。彼が母親に手を握られて泣くつもりもないのに思わずこぼしてしまった涙にはぐっときました。イヤほんときれいな涙で……ってなんかおばさんくさい感想でスミマセン。

んで弟のベン(ライアン・メリマン)はといえば、これがまたちゃっかりしているトコロがいかにも弟らしくって。いきなり家族だなんて言われても僕には育ててくれた父さんがいるんだ、でも君とは兄弟だ仲良くしよう、だもんね。いや彼も彼なりに苦悩してはいるんだけど、最後の最後に「あの時『消えちまえ』と言った」と白状する兄に向かって「気にするなよ」だから、いやーやっぱ弟だなあーと。この子役2人が印象に残るけど、両親はどっちも「うーむ?」だった。問題をない振りする父親ってのはいかにもいそうだけどね。彼の反省の弁は聞いて置くべきだったと思うよ。「いいのよ」と許してると、自分が反省した事実さえ無かったコトにするぞー。

2006.6.12(Mon)

最近、以前から読みたいなーと思っていたマンガが2つ、転がり込んできました。両方とも誰かからオススメされたのに、“読む本リスト”にずっと埋もれさせてしまっていたもので、片方は会社の人が、片方は田舎の友人が「読む?」と貸してくれました。待てば海路の日和あり。棚からボタ餅。魚心あれば水心。どれも違うなー。求めよ、さらば与えられん?

まずは榛野なな恵さんの『Papa told me』。「To-koが好きそう」と言ってもらったのを覚えていますが、残念、ちとズレました。なんつーか、絵が、ダメで。私の“ダメな絵”ってのは通常、汚い絵とか劇画チックな絵なんだけど、この作品はそれには全然当てはまらないです。女性らしい、淡々とした優しい絵―――なのに、でも、表情がダメ。なんでこの方の描く人たちはこんなに無表情なのですかー!? 笑っていても心から笑っていない感じがしちゃって、どうにも感情移入できませんでした。あ、主人公の知世ちゃんだけは、途中から表情が出てきますね。

私ね、逢坂みえこさん好きなんですが、彼女の作品にもときどき受け付けられない要素を感じるコトがあります。その要素を、『Papa told me』にはより強く感じる。なんと言えばいいのかなー。閉じてる、感じ。小さなキレイな世界を繭のようにそっとくるんで、大事に胸に抱えているような……薄〜いガラスの容器に閉じ込めて外からうっとりと眺めているだけのような……そんな感じ。上手く言えませんが。これを感じると、どうにももどかしくて堪らなくなるのです。とはいえ、私の読んだのは文庫版のシーズンセレクション4巻だけなので、機会があったらちゃんと読む気は、あります。(だから誰か、貸して?)

次はひぐちアサさんの『おおきく振りかぶって』。これは好き。かなり好き。絵でいえば人物の区別がつきにくかったりデッサンが狂ったりはあるんですが、そんなもの吹き飛ばす勢いがあります。何より作者の「描いてて楽しくて楽しくて仕方ない!」という気持ちが照れも臆面もなく発散されていて、こっちまで楽しくなってしまう。愛情を前面に押し出して、自分の好きなモノをキレイだと信じて、信じたままに描いてしまうこの作品も、女性ならではだなーと思いますが、この愛の押し売りタイプは大好きです。対象に興味を持っていない人でも、作者の「これが描きたい、楽しい」気持ちで巻き込んでしまう、いわば愛のブルドーザー。押しつぶされるのが快感です。この勢いのまま行ってくれ〜ってだけを、望みます。

2006.6.8(Thu)

電子レンジはSANYOのEMO-C1000Sに決めた。明日か明後日には届くだろう。鍋でご飯を炊くのは上手くなったが、やはりいちいち温めなおすのは面倒だったので待ち遠しい。あとはブレーカーが落ちないのを祈るだけだ。しかしこの製品、カタログには「どんなインテリアにも溶け込むスタイリッシュなデザイン」と書いてあったが、友達に「おばあちゃんちみたいで落ち着く」と言われる私の部屋じゃあ浮くコト請け合い。据え付けるのが、非常に楽しみである。

ところで、電子レンジ選びが一段落したところでまた、私のトコロにばっかりに来なくてもイイのに、物欲大魔神様がご降臨なさってしまった。―――ダイビング用のフィンを、買い換えたいんである。ちょーっと前までは、そんなコトは欠片も思っていなかった。いやそりゃ多少ないでもなかった。私が持っているのは、軽く扱いやすい初心者向けのフィンである。のーんびりダイブに不足はないものの、長い距離を泳ぐときはキツいな、とは思っていた。流れの速い場所には行けないな、とも思っていた。

でも、見捨てる気はなかったのである。私が田舎に帰っている間に三浦半島に潜りに行ったUが、ガイドさんにこう言われたと聞くまでは……。「そのフィン、軽すぎてドライには向かないんですよ」、と。目から鱗だった。私はただでさえ足が浮き気味なんである。ウェットのときでさえそうなのに、ドライのときは足を下にしておくのに苦労するほどだ。が、重めのフィンを使うコトでそれが解決できるとは、愚かにも思いつきもしていなかった。

「そっかー、重いフィンつければいいんだ!」と、私は言った。「でも私ウェット買ったばかりだからなー。それに沖縄から帰ったらウェットのシーズンになるし、とりあえずすぐには買わないよ。Uが買って使っての感想聞いてから考える」。……そこで、やめておけば良かったのだ(私の買い物日記はこんな記述ばっかりだ)。Uは、三浦のガイドさんからオススメのフィンを教えてもらってきていた。その名前を聞かなければ良かったのだ。どんなフィンなのかなーなんて、ネットで調べなければ良かったのだ。

先週まではフィンの買い替えなんて考えもしていなかった私。今週頭まではどんなフィンがいいのか具体的な考えなどなかった私。今は「買うならGULLのボニートかマンティス、もしくはダイブウェイズのトライスター」ってトコロまで詰めてきております。今使っているヤツは荷物の重量を軽くしなくちゃいけない海外とか用にしようかな、とまで……。明日は、どっちだ。

2006.6.7(Wed)

4日の日曜日は祖父の17回忌へ。最初は行かない予定だったのだが、最近全然親戚の顔を見ていないし、祖父の法要もブッチしてばかりなので「法事には間に合わないけど、お線香だけあげに行こうかな…」となったのである。その旨を連絡すると「法事の後の食事会には間に合うの? だったら食事においでよ。ほとんどの親戚はそこで帰っちゃうから」と誘われた。一応「それじゃご飯食べに行くみたいじゃん」と遠慮したのに、「いいからいいから」と押し切られ、食事会の行われている中華料理屋へ直行。

ええ、言われましたとも。食事をしている最中に「今日はこのまま帰るの?」と。お線香をあげに行く、と確かに言ったハズだが、やはり皆の中では私はご飯を食べに来たコトになっていた。いいけどねー。そこで帰る人たちと別れた後、祖母宅で祖父と叔母(彼女の法事も一緒だった)にお線香をあげて、そして出てくる例の話題。「早く結婚しなさいよ」。私の親戚は全然ウルサイくはないのだが、祖母だけはまだ諦めていないらしい(私も諦めているワケではない!)。「誰かが結婚するときに着ようと思って作ってあるのに……」と、自分で編んだというキレイなピンクの上着を出されたときはちょっと申し訳ないような気になったが、「これ、この前のパーティーで着たの」と写真を見せられたので、「着てるじゃん!」とツッコんでしまった。着る機会があるなら、年下の従兄弟たちの結婚までガマンして待ってもらおう。辛抱辛抱。

2006.6.5(Mon)

3日の土曜日はmy誕生日ダイブで伊豆へ行ってきた。久々にダイビング仲間U、Y、K、私の4人が揃ったのだが、誕生日だから集まってくれたワケではなく、沖縄行きの前に潜って勘を取り戻しておきたいだけだったという、うるわしい友情が涙をそそる。そそった涙が雲を呼んだのか、晴れだった予報は前日になって「関東だけが雨」に変わってしまった。

どーんより低く垂れ込める雲の中、伊豆のいつもの駅に到着。と、ここでトラブル発生。Uがドライスーツを電車に置き忘れてしまったのだ。大慌てで駅員さんに対処を頼んだが、この駅員さんの対応がひどく悪かったコトを、ここに恨みを込めて記しておく。結局この日のうちにスーツを取り戻すのはムリという話になり、Uはドライをショップで借りるハメになった。なかなかサイズが合わず大変そうだったが、なんとかいけそうなのがあったので、それを積み込んで西伊豆、安良里へと向かう。「雲が低いときは西伊豆は晴れている場合がある」というSさんの言葉を信じて……。

ドライスーツ騒動で出発が遅れ、安良里・黄金崎に着いたのはもう昼に近かった。途中、修善寺の辺りでは雨が降り出しガッカリしたものの、到着時点での天気はSさんの読みどおり、晴れ。東では波立っていた海もベタ凪である。「西まで来て良かった〜」と言いながら、大急ぎで用意をする。おっとこの日のゲストは私たちの他にTaji嬢とKO氏。お2人とも何度かショップで会った顔なじみである。UとYは久しぶりのビーチダイブなので、私たち4人はSさんとリハビリダイブをするコトになった。Taji嬢たちはTさんに連れられての“ガッチリ写真撮るぜ”ダイブである。

さて海に入ると、うーむ、妙な濁り具合である。ばっちり春濁り透明度は3mくらいなのに、明るい。そして青い。普通こんなに視界が悪いときは陽の光が遮られて、暗くどよーんとしているのに。間を空けずに潜っていたKと私はSさんの近くをUとYに譲ったので、ほとんどSさんのフィンしか見えないくらいだったが、明るくうねりや流れが全然なかったおかげで怖さは感じなかった。遠くを見ても何も見えないので、半年ぶりのUやYの泳ぎを眺めながら後に続いていく。それなりに楽しい。

コノハガニやヒフキヨウジなんかを見ながらの、浅めの砂地探索。最後の最後、5m辺りで安全停止をしている最中にYが浮き上がって行ってしまった。私は最近重めにつけているウエイトに、浅めの安良里だから更に1kg足していたのでかなり安定していたが、浮上の合図が出たのでSlow表示を出さないように垂直浮上。しかし4mを切っているというのに水面のYが見えないとは……ホントに透明度が無いんだなぁ。明るいのでどうもそこまで見えないという気にならんよ。海面に着くとYはちょっと離れてしまっていた。

お昼を食べての2本目は、少〜しだけマシだという砂地と岩場の境目へと泳ぐ。やっぱりドライが体に合わなかったUは、残念ながらリタイアだった。15時近いエントリーだったから、1本目よりは日差しが弱くなっていて、ちょっと暗く、冷たく感じた。この回の目玉はマトウダイの幼魚かなー。普通はもっと深場にいるそうで、けっこうレアらしい。小さいのにおなかの的はちゃんとあるのがカワイイ。ホシノハゼやサビハゼは珍しくもないけれど、ひしめき合っているのは初めて見たかも。あとはハナハゼの幼魚とか。

2本目が終わって器材を片付け、撤収に入る頃にはかなり陽が傾いていた。黄金崎の名は、夕日が岬に、黄金色に映えるからだという。いつもはもっと早くに引き上げるのでその由来を実感したコトはなかったのだけれど、この日の帰り際に見た岬はかすかに金色で、キレイだった。私らが引き上げる頃になってもまだかなりのダイバーが残っている。どうやらナイト待ちらしい。黄金崎だったらナイトでも安心して潜れそうな、気がする。

今回のログはコチラ(157本目)とコチラ(158本目)。写真は暗いけど、少しだけ。

ショップに戻ってログを付け、夕食を食べて、お泊り組のTaji嬢とKO氏と別れ、帰宅。自宅の最寄駅に着いたときには0時を回っていて、さすがに疲れた。半年ぶりに持ち帰った器材もそのままに布団に倒れ込み、意識を失う。このハードな1日が新しい年齢での1年を象徴しているんじゃなければイイのだけれど―――。いくら楽しくても、さすがにもたんわ。

2006.6.1(Thu)

何があったというワケではないんだけど、なんだかいろいろ疲れていたので、5日ほど田舎に戻ってぼーっとしてきた。久しぶりの運転だというのに豪雨の中の山道を走ってみたり、高校時代の友達と会ってお喋りしたり、何十年ぶりに田植えを手伝ったり、んで数時間の田植えで筋肉痛になって親にバカにされたり、酔っ払ったり、わんこと田んぼ道を散歩したり、近頃部落にやってきたという機織りの方に紹介してもらって突発紡ぎ教室をやってもらったり(綿の紡ぎが面白かった!)、久しぶりの人たちに会ったり、心配な話を聞いたり、年に1度の道路際のゴミ拾い活動を手伝ったり、そんな感じの5日間。まぁ実質は3日であっという間すぎて、もうちょっと長くいたかったなーと後ろ髪を引かれつつ、でもちょっぴり気分は上向きで帰ってきた。今の仕事を辞めたら次までに最低1ヶ月は空けて、数週間単位で田舎に戻ろうとずっと前から考えているのに、腐れ縁なのかなかなか辞める状況にはならんようです。

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