2004.9.30

突発的に忙しくなってから、先約がある日以外は22時までの残業コースが続いているのだけれど、疲れているからといって、ましてや台風が近づいてきているからといって、友達との約束をキャンセルする気はさらさらなく、雨の叩きつける中はるばる呑みに行ってきた。でも定時に終わるためにはかなりのフル回転で働かねばならず、会社を出たときはぐったりしていて「体調がよくないし、今日は控えめにしておこう」と思っていた。――のに、気付くと「どなん! ロックで!」と言っていました。お店の人が「どなんってかなり強いんですが、だいじょ……」と言いかけるのにおっかぶせて「知ってます! 大丈夫です!」とか言ってるし。昭和初期の生活雑貨で飾られたお店で気持ちよく酔って、爆睡しながら帰りました。親父街道まっしぐら。

*****

さて週末話の続き。水の中の私たちは、まず潜るのに苦労していた。いつもなら潜降ポイントで一息入れて、「さあ潜りますよん」となってからBDCの空気を抜いて潜るのだが、Sさんがロープの先を水深3mほどのところに結びつけていたため、ロープを手繰っていくと自然に少しずつ潜降してしまうコトになる。が、エントリー時に私は、セオリーどおりBCDに空気を入れていた。そのまま潜るのはキツイ。空気を抜かなくてはいけない。が、空気を抜くためにはロープから片手を放し、さらに体を捻らねばならない。がんがん潮が流れている状況で、これはキツイ。

それを何とかこなし、水深2〜3mのところで先行していた友人2人と落ち合ったが、そこでもロープに掴まっているのが大変である。鯉のぼり状態になってしまう。水面でもトラブっているので、残り1人の友人とSさんがなかなか降りてこない。必死でロープに捕まる私たち。「このロープから手を放したら終わりだ!」って心境である。やがて、Sさんと友人が降りてきた。が、Sさんは「もう少しだけ深く潜って待ってて」と合図をして、また浮上して行ってしまう。たぶんこの段階では、海面のMさんをロープに捕まらせて落ち着かせただけで、またボートに戻す面倒を見に潜っていったんだと思う。合図を受けたのは私だったので、私はロープの下にいる友人に“潜降”の合図と送った。

このとき、とにかく視界が悪かった。暗くて、濁ってて、更に下にいるダイバーの吐く泡が上にいるダイバーにまともに吹き寄せてくる状態。合図を送ってもなかなか通じない。私は“潜降”の合図をしてから、“ちょっとだけ”と付け加えるつもりだった。が、順番が悪かった。友人2人は“潜降”の合図をようやく読み取った段階で、“OK”を返してくるっと下を向いてしまったんである。“ちょっとだけ”と出した私の手は無視された形になった。5mを超えたくらいで(あ、やっぱり通じてない!)と思った私は、先にいる1人に追いつき“止まれ”の合図を送った。が、先にいるもう1人には届かない。彼女はどんどんどんどん潜って行ってしまった。

最初はすぐに気付くだろうと思って見ていた。なのにそんな様子はなく、彼女の姿は暗い海に遠くなってゆく。ヤバい! 何とか気付いてもらおうとロープを揺さぶったが、なんせこの潮の流れである。ロープの揺れになど気付くワケがない。(お、追いかけた方がイイのかしら…)。迷っているうちに、やっとSさんがやってきた。この時点でMさんのリタイアが判明し、私たち4人はロープを辿ってそろそろと深度を下げた。

海底近くは多少透明度がよくなっている。何も見えない、なんてコトはない。しかしとにかく暗い。それにやっぱり流れている。潜ってすぐにSさんが残圧を聞いてきた。異例のコトである。見てみると、ぎゃーっ、150になってるではないか。潜降だけでこんなに空気を使うなんて! 泳ぎ始めても苦労は続く。まず潮に逆らう方向に向かったので、全然進まないのである。私らのフィンはそんなに推進力のあるタイプじゃない。脚力もあんまりない。(落ち着けー落ち着けー、別に取り残されてるワケじゃないんだから大丈夫だー)と自分に言い聞かせながら泳ぐ。

魚も休んでいる。途中、タカノハダイが10匹くらい岩の上でぼーっと休んでいるのには笑った。あんな状態は初めて見た。泳がない魚は岩場の影とか隙間とか、潮の流れの影響がないところに上手く隠れて休んでいる。泳ぐ魚はがんがん泳いでいる。潮に向かって泳いでいて、同じ場所をキープするのが精一杯って感じのもいる。人間も大変だけど魚も大変だ。泳いで泳いで泳いである地点まで行ったら、あとは潮の流れに乗って帰ってくる。一応ドリフト? 行きは疲れたけど帰りはあっと言う間だった。いつもよりかなり浅い、なのに短いダイビング終了。「2本目の用意は休んでからにしよう?」とSさんが言ってくるのがおかしい。今にもキャンセルしそうに見えたのかしら……。

≪つづく≫

今回のログはコチラ。写真はかろうじて。

2004.9.28

9/23〜26の4日間はまた伊豆に行ってきた。東京を出発する頃は雨模様だったのに、伊豆につく頃にはかなりハッキリ日がさしてきて「おお、今回も晴れ女のパワー発揮か」と思った―――のだが、甘かった。秋雨前線は強力だった。24日、目覚めると宿泊所の周りは濃い霧に包まれている。が、山の上のこの場所は霧が出るコトが多いので、海にまでくだり、時間も経てば回復する……と期待していたのに、結局この日の天気はずっとどんよりしたまま。肌寒いくらいのままだった。くすん。

ショップで遅れて参加の2人と待ち合わせ、今日のダイブはショップの目の前のボート、3回目である。ただ状況はあまり期待できない、とのコト。前回来たときに「もし海況が良かったらボートで」とお願いしていたのだが、ショップのSさんが条件部分をすっかり忘れてしまっていて、「状況はあまり良くないけどリクエストされたから」と予約を入れてしまっていたのだ。ちょっと心配はあったもののショップから見る海はそんなに荒れていなかったので、「いいですよー」と快諾してしまったのだが、この判断も、甘かった。

この日潜ったのは、私ら4人と1人参加の男性Mさん、それにガイドのSさん。Mさんは今までロタと沖縄でしか潜った経験がない、「ぬわにぃ〜」というダインビングをしてきた人で、経験本数はまだ23本だそうである。「最初の伊豆がこれじゃあ……。懲りないでね」と思う。今回は私らのショップの人数が少ないので、他のショップと乗り合わせて出港する。いつもの港からいつものように用意をしていつものように出発し、穏やかな海に「状況が悪いなんて言ってもこないだよりはイイんじゃない〜」などとノンキに話していたら、潜降ポイント直前の岬を回った途端に、東からの風が吹きつけてきた。波も急に大きくなる。乗っているのは漁船なのだが、ほとんどバナナボート状態である。

ポイントにつくと漁師さんたちが「速い速い」と口々に言い始めた。何が速いのかと思えば潮がである。「うわーこりゃ速いよ、ホントに潜るの?」と何度も言われると不安になってしまうではないか。しかし他のショップのお客さんたちは、さっさと用意してどぼんどぼんと潜って行ってしまった(後から聞いたら、全員経験本数200本以上のベテラングループだそうな)。海面を覗き込んだSさんが「ああ速いなあ。ロープ流そうか」と、ボンテンにロープを結びに行ってくれる。これで私らはバックロールでエントリー後、ロープに掴まって潜降ポイントまで行けるのだ。助かる。

ロープの用意ができたトコロで、友達2人、Mさん、私と友達の順でエントリー。が、ロープを手繰り寄せるようにして進んでいくと、まだ浮かんでいるMさんがいた。おかしい。ブリーフィングでは「水面で集合するのは難しいから、エントリーした順に潜って3mの地点で合流」となっていたハズだ。「どうしたんですか?」と聞くと、なにやら叫んでいる。「・・がない! 落とした」。……何がない、と言っているのかが聞き取れない。が、ちゃんと浮かんでいるし、ロープにも掴まっているだろうし、後からSさんがついて来ていたしで、私は彼を見捨てて潜ってしまった(←ヒドい)。

これも後から聞いたのだが、Mさんはまず何も見えないコトに慌ててしまったらしい(伊豆の中でもヒドい状態だった)。そしてロープに足を絡めて、フィンが脱げてしまった。フィンが脱げた、と思って更に慌てたら、今度はレギュからマウスピースが外れてしまった。この時点でもう手はロープを放してしまっていたらしい。私の後から来た友達が見たときにはパニックを起こしかけていて、潮に流されてロープからどんどん離れていき、船の下に入り込みそうになっていたそうな。

私と違って友達はちゃんと助けようとしたのだが、彼女のやれるコトにも限界がある(でもエライ。私が溺れるときは彼女の前で溺れようと心を決めた)。とりあえずBCDに空気を入れてあげよう、ロープに掴まらせてあげよう、としたそうだが、とにかく流れていく彼を捕まえられない。んで手をこまねいているうちにSさんが来て場を引き受けてくれたそうな。結局、彼はこのポイントでは潜れなかった。可哀想に、私らが潜っている間、揺れる海面でひたすら待つ羽目になったのだ。濡れていたからさぞかし寒かったであろう。おまけに何と、カメラまで流してしまったという。踏んだり蹴ったりとはことコトだ。

さて海面でそんな大変なコトになっているとはいざ知らず、先に潜った私らもまた大変なコトになっていた……。

≪つづく≫

2004.9.27

(9/21の話)『バーン・ザ・フロア』の来日公演を観に行ってきた。各国から集まったダンサーによる、ダンス公演である。東京フォーラムAホールに友人が取ってくれたのは舞台からすぐの席で、ちょっと斜めからだったけど、ダンサーの表情や筋肉の動きまでハッキリ見える。もう大興奮大満足。始まる前はホールが広すぎて「ダンスなんてダンサーの熱を感じてなんぼなのに、大丈夫かなー。それにこうゆうトコって空調効かせすぎて興奮まで冷ましちゃうコトが多いんだよなあ」と不安だったのだけど、幕があがり、大勢のダンサーたちが通路を駆け巡って登場した途端、そんな不安は吹っ飛んでしまった。後ろの席や二階席はどうだか分からないけれど、少なくとも私らの席は暑かったよ!

とにかく豪華。ダンサーが。みんなキレイだしセクシーだしカッコいいし演技達者だし、舞台のどこを見てイイのか迷ってしまうくらいの贅沢な内容。ダンスの内容も盛りだくさんでしっとり見せるものから、こっちが椅子の中でじっとしていられないくらいアップテンポのものまで、飽きさせない。友達も私も座りながら踊ってしまったし、曲が終わるごとに拍手して口笛吹いてと大騒ぎしてしまった。最後にはもちろんスタンディングオベーションでアンコール。周囲もそんな感じで、楽しかった〜! 前の週に観た芝居のモヤモヤを吹っ飛ばしてくれる舞台だった。1万強のチケットだったけど、これだけやってもらったら惜しくないね。

ところで普段私はふくよかな胸の女のコが好きなんだけど、今回、ダンサーに限ってはAカップBカップくらいが一番キレイだと認識しました。それより大きいともう“余分なもの”って感じがしちゃうの。AカップBカップでも体が締まっていれば十分セクシーだし、かえってエロティック。あと女なら挑みかかるような目のできるダンサーが、男ならケレン味のあるダンサーが好きだってのも再認識した。……実力も欲しいから「ケレン味」ってのは違うかな? とにかく“魅せ方”を心得ているダンサーが。この日の舞台では、モヒカン頭の兄ちゃんとペアを組んでた金髪の女のコが一番のお気に入りでした。残念ながら舞台の反対側でばっかり踊ってたので、探すのが大変だったけど。

んで私の前で踊るのが多かったのは日本人ペアで、………日本からもダンサーが参加しているってのは嬉しかったんだけど………日本人としてあまり言いたくはないのだけど……もうちょっと若くて可愛いダンサーはいなかったのかしら……。いやもちろん踊れてはいましたよ。それは大前提。だけど他のダンサーに比べて、あまりに「おばさん」って感じがして、頭にリボンつけてたりするのがツラかった。日本にだって可愛いコはたくさんいるし、実際に若くなくっても、ダンサーなんて年齢不詳の人が多いじゃない。そうゆう人にやって欲しかった……なあ。メイクや髪型も下手すぎて、も少しなんとかならなかったのかしら、とそこだけがちょっと残念でした。

2004.9.22

(9/17の話)カムカムミニキーナの『超人』を観に行ってきた。久しぶりに八嶋さんが出る本公演で楽しみにしていたのだけど、結果、今まで観たカムカムのなかで、一番ツマラなかった

カムカムってもともとムラのある劇団だし、今までだって「あのシーンは長すぎる」だの「結局なんだったの?」だの「あの人の芝居が…」だのって不満は、あった。あったけど、でもそれを補って余りあるくらいの力強い場面や演技があった筈なのだ。いや。筈、じゃなくて確かにあった。それが今回は、ほとんど盛り上がりのないまま、何がなんだか分からないままに終わってしまった。しかも妄想オチ!? どうすりゃイイの、このやり場のないモヤモヤを。

八嶋さんが今回はチンピラ役。上手かった。怖いくらいだったけど、八嶋さんの持ち味である愛嬌が全然ない。好きになれない。作・演出の松村さんがキーマンとなって脈絡の見えない話をまとめあげてくれるのかと思ったら(過去、そうゆう役を何回もやってる)、それもない。女捨ててるトコロが大好きな藤田さんが、今回は捨てすぎ。行きすぎ。笑えるトコロを通り越して、見ていて恥ずかしくなるトコまで行っちゃった。長老もあまりに役者のキャラクターに合っていなくて、ツライ。ヒロインのお母さんとか、いい演技をしている役者さんはいるのに、それが全然絡み合ってない。何を創ろうとしたのだろう。何をいったい見せたかったのだろう。お父さんはいったいなぜ白のブリーフを晒したのだろう。

たぶん全てがヒロインの妄想の中で展開した物語なのだろうけど、妄想らしく突飛なワリに、ところどころ変に生々しくて恥ずかしい。みんな暗いし! 「妄想ならせめてイッちゃえばよかったのに」というのが私と友達共通の感想だ。出てくる人出てくる人みんな暗くて救いがない。痛々しい。どうせならもっとハッピーになりゃいいのに。シリアスで笑いのない芝居がダメだと言うのではもちろんないけれど、でもシリアスだと受け取るにはあまりに中途半端。

八嶋さんが出てない舞台は観てないから、これが今回のみスベっちゃったのか、最近の傾向なのかは分からない。どうか前者でありますように。数少ないお気に入りの劇団が無くなったり変わってしまうのは、あまりに寂しい。

2004.9.21

ちょっと前に、飯嶋和一『神無き月十番目の夜』読了。『雷電本紀』のときと同様、これから読む気のある方はネタバレ部分読まないようにお願いします。『雷電〜』がめちゃくちゃ面白かっただけに、今回は期待しすぎなくらい期待して読んだんですが、裏切られませんでした! 嬉し〜。『雷電〜』は物語の落ち着く先が全然読めなくて、だからクライマックスで「どうなっちゃうの〜」とハラハラしたんですが、この作品ではまず最初に結末が語られます。そこから過去に遡って「ナゼ」の部分が明かされる、と。このスタイル、トマス・H・クックの作品の感想には「飽きてきた」と書いたのですが、これには当てはまらない。私が気に喰わないのは、明かされ方が思わせぶりに小出しであるコトなんですわ。

(ネタバレ→)最初に悲劇が提示されるので、事件の前の村が豊かに描かれれば描かれるだけ、村人たちが魅力的であればあるだけ、ツライ。本当に痛くて痛くて堪りませんでした(イタい、じゃないよ)。結末がわかっているのに((どうにかして助かって欲しい)) と願ってしまいます。『雷電〜』と同様、この話にもカッコいい人たちがたくさん出てきます。その誰がどう悲劇の引き金を引いてしまうのか。最初((こいつか!))と思った人ではなく、あの彼が引き返せない道を歩いてしまうなんてー! ――ただ、ただね。惜しむらくは話が途中で終わってしまっています。あの人が死んでしまった段階で。ぎりぎりと引き絞られる弓の緊張は申し分ないのだけど、実際に矢が放たれて対象を射抜く段はあっさり流してしまっているって感じかな。だから『雷電〜』のときのような読後の余韻はありませんでした。

でも、それでもとても面白かったです。時代物の残りはあと2冊。読みたいけど読んじゃうのが惜しい気さえします。

2004.9.20

会社の隣の席の人が泣きの涙で部長と話していた。彼女は正社員で職種も違うので詳細はわからないながら、なにやら大変なプロジェクトに巻き込まれて、ムリのしわ寄せが全部彼女のところに来ているようで、毎日遅くまで残業して部長やら営業やらと切羽詰った様子で打ち合わせを繰り返していて、大変そうだなーと思っていただけに(ああとうとう)という感じ。

―――と、本心から彼女に同情していたワケでありますが、ナゼか脳はなんの脈絡もなく1年ほど前に見たお芝居のコトを思い出しておりました。ホントに全っ然関係のないのに。その芝居は基本的にシリアスなもので面白かったんだけど、終わったあとで、あるシーンの役者さんの演技がよくなかったよね、と友達と話した記憶が不意に蘇ってきてしまったのだ。「あそこで何に怯えてるのかがわからないと迫力ないのに、彼女は何に対して悲鳴をあげているのかわからなかった」と。んでTPOをわきまえない私の脳は勝手に、(じゃあどうゆう芝居なら具体的な対象が伝わるだろう)と考えを進めてしまった。

そこで思いついたのが、そのシーンにはぜーーーーったいそぐわない演技プランでありまして。そこでホントにその演技をしてしまったら舞台ぶち壊しなんだけど、でもその演技をしてるトコロが克明に浮かんでしまったら可笑しくて可笑しくて可笑しくてたまらなくなって、つい「ぷぷっ」と吹きだしてしまったのであります。深刻な話をしているすぐ隣で! んな事情で、涙に沈む女性の隣で何の理由もなく急に笑い出す女という図式ができあがってしまって……ああ、ゴメンなさいゴメンなさい。泣いてる貴女を笑ったワケじゃないのです。……と、釈明できないのももどかしい瞬間でありました。妄想女王って苦労が絶えませんわ。

2004.9.17

この間、とっても久しぶりな友人と電話で近況を報告しあっているときに、「今の仕事、もう飽きてるんでしょ」と言われてハッとした。思えば今年度に入ってちょっと忙しくなって、その分やり甲斐もでてきたかなーと思っていたら、6月頃には私のメインの仕事を取り上げられ(派遣じゃなくて社員がやらなくちゃいけないルールができてしまったので)、7〜8月はかなり暇な時間が多かったのである。そんなワケでけっこううんざりしていたのを、しかしもう惰性であんまり自覚してなかったのに、彼女の一言で「その通りだ!」と深く納得しちゃったんである。

それ以来「引越しもあるし、仕事場もいっそ変えるかなあ。来年度も派遣契約が続くとは限らないけど、もし向こうが続けたいと言っても私から切るのもアリか」とぼんやり考えていたら、また急に仕事が忙しくなってきた。(しかもちょっと面白い)。まあ今度の仕事は突発的で、忙しいのは今月と来月くらいまでだろうけど、その先に何か続かないとも限らない。続くとしたらちょっとやってみたい仕事ではある。……しかしナゼか、今の会社は私の辞める気を削ぐタイミングを掴むのが上手い気が。でなきゃ6年も続くものか。

ところでね。どうせ9月も暇だと思って予定をいろいろ入れちゃってたから、時間のやりくりがた〜いへ〜ん。来週出社するのは2日だけだし、夜も芝居が2回、飲み会が1回、研修が1回入ってて、残業できる数少ない日にしわ寄せが…! ま、これで沖縄行きの費用が楽になると思うとガンバれるけど。

2004.9.16

………今頃だけど週末日記………。えーん。

ダイビングに行く予定がない週末に限って天気が穏やかな気がする……と歯噛みしながら、日曜日はサプリメントの勉強会に行ってきた。今現在健康に不安はなく、サプリに興味もなかったんだけど、1,000円でけっこう詳しい血液測定をやってくれるというのに釣られてしまったのだ。健康に不安がないと言いながら、私は血液に自信がない。中学の頃にかなり悪質な鉄欠乏性貧血と診断されてしまったコトがあるのと、献血に行っても毎度断られるせいである。どうやら血管が細くて、おまけに血が薄い(赤血球だかなんだかの比重が軽い)らしいのだ。めまいや立ちくらみって自覚症状は全然ないのだけれど。

会場には漢方のK先生がいて、測定結果を見ながら簡単な健康指導をしてくれる。「血がドロドロです」とか言われてしまったらどうしよう、とドキドキしながら手足に電極(?)をつけ、測定を受ける。K先生の前に座って舌を見せると、結果のプリントもまだ出てきていないのに「あらー、血行が悪いでしょ」といきなりだ。そこにやってきたプリントの結果値を見ると、確かに数値も悪い。血圧が正常なのに血行が悪いタイプだそうである。やっぱり。「肩こりがひどいでしょ。それに緊張しやすい? 脈も典型的な緊張症だわ」。その通りである。しかし、そのタイプの症状であるという頭痛やめまいは出ていない。「じゃあ、問題はこりだけね」と緊張を和らげるサプリを勧められた。

ま、勧められるだけでムリヤリ買わされたりはしない。つか、そうゆう会だったら友人が私を連れて行くハズがない。その他の数値――体脂肪や血管の弾力性、心負担などには全然問題がなく、ほっとする。今の歳で問題あったらそれこそヤバいだろうけど。アドバイスとしては、中年太りになりやすい体質なので注意するコト。あとは今の生活を続ければいいそうである。中年太り……。なってたまるものか。

しかし私は、持っている体のワリに健康――というか、体と上手くつきあえているのかも、と思う。今回も肩こり以外の自覚症状はない。緊張症の人はストレスも溜まりやすく、眠れなかったりもするそうだが、それもない。以前に婦人科の検診で「あなたの体なら生理痛がキツいでしょ」と言われたが、私のは比較的軽いほうだ。診断があたらないのは、やはり万病の原因になるストレスの逃がし方が上手いおかげだろうか。それともただ単に体の不調に鈍感なだけ?

サプリの勉強会も思ってたより面白くて、3時間弱、退屈せずに過ごす。友人たちと軽く食事をしてから帰宅。近所の神社でやってるお祭りにゆく。引越し先によっては来年は来れないかもなー、と思うと寂しい。ちょっと特色があって好きな神社だったのだ。お祭りになると、素人目にも下手なお神楽やったりして。今年は大国主命の国譲りをやっていたので、妹と感想や推測を言い合いながら観る。劇場で芝居中に喋られるとムカつくけど、お祭りなら話は別だ。大衆演劇の大もとってこんなんだろなー。

帰宅後、翌日の弁当の仕込み。鰯を手開きして叩いてネギやショウガを混ぜ込み、レンコンに挟んで焼き上げる。さすがにこの手間を朝にはかけられない。ダイビング行っちゃうと月曜の弁当作りをサボりがちになるんだけど、行かないと1日でいろいろできるなぁ。出かける前には掃除と洗濯もしてるんだもの。(ああでも潜りてぇ!) やるだけやってぱったり就寝。ストレスで眠れない、なんて症状からもまだだいぶ遠そうだ。

2004.9.13

昨日、大瀬崎で女性ダイバーが亡くなったらしい。詳細を知りたいのだけど、ほんの簡単な記事しか見つけられなくて、TVでも事故のニュースが流れていなくて、不満だ。ダイビング関係の事故はちゃんと報道されない、というのはやはりホントなのかしら…。大瀬崎には、私も2回行ったコトがある。西伊豆ダイビングのメッカであり、滅多に荒れないポイントでもある。私が通ってるショップのガイドSさんは「大瀬は人が多すぎて好きじゃない」そうだが、台風やらなにやらの影響で、他のポイントで潜れない場合に行くのは大瀬である。昨日は天気も穏やかだったし、海が荒れていたワケではないだろう。

しかも、事故を起こしたのは、水深5〜6mから浮上する途中だったという。その浅さから直接浮上しても、体に悪影響が出る可能性は少ない。落ち着いてさえいれば、空気なしでも浮上できる距離である。記事には「パニックをおこして水を飲んでしまい」とあった。パニックって怖い、と心底思う。Cカードを取得するときに教わるのは、「パニックさえおこさなければ、たいていの状況で助かる」につきるのだ。簡単に誰でも始められるけど、ダイビングは実際、危ないスポーツだとは思う。だから、危険性を知るために、事故の詳細な情報をちゃんと得たい。

どこのショップが(実名はマズくても、都市型ショップなのか現地のショップなのかぐらいは)、ガイド1人当たり何人の客を連れていて、どうゆうスタイルで潜っていて、どうゆう状況で、何が起きて、どうゆう対応をして、どうなってしまったのか。ダイビング団体は、積極的にそうゆう情報を流すべきだと思う。事故に遭われた方がどうだったのかは分からないけれど、危険なスポーツを危険だと認識しないでするのは、とても危険だ。

……自分が潜った場所で事故が起きたのも、すごくショック。

ダイビング関係の掲示板を読みふけってしまった。土曜日には伊豆半島の先端、神子元でダイバー2人が行方不明になっているのね…。やっぱダイビング関係の事故は大きく報道されてない。PADIなど大手団体がダイバーのための正確な情報を流してくれればイイのに。つか、流すべきだと思うわ。

2004.9.11

ご覧になりゃわかると思いますが、すんご〜〜〜く久しぶりに、トップページの模様替えをしました。けっこうマメに更新してるおべんと日記ダイビングログ読書メモに、トップから直接飛べなかったりして不便だったので(←私が)。……ちょっと目に痛い? あんま見にくかったら言ってください。

「記憶の殿堂」コーナーは以後、更新アナウンスがなくなります。ダイビングログは潜りに行ってから1〜2週間のうちに、おべんと日記は週に1〜2回、読書メモは本を読み終わるごとに更新してます。ときどき遅れますが、いつかは更新します。読書メモは自分用の覚書で書評なんてもんじゃございません。ある程度長々と書きたいときは日記に書いてます。「たまにはこそっと」コーナーは更新したらトップでアナウンスします。「ドロ沼〜」は細々と更新するだろうけど、他のコーナーはどうだろう……? 作ってる本人にも分からないんですが、全然書きたくなくなったワケじゃないので、一応ページは残しておきます。

ま、大して変わってはいませんので、今後ともどうぞヨロシクお願いします。

2004.9.9

「もしも私が結婚してなくて子供も産んでなかったら、たぶんTo-koみたいな生活をしていたと思うんだよね。だからTo-koの日記を読むと、自分のも一つの人生を追体験してるみたいで面白い」と、ある人から言われたコトがあります。言われたときはぴんと来なかったのですが、最近その言葉をふと思い出して、私が結婚生活や子育てを楽しんでいる人の日記を読むのが好きなのは、それに近い感覚なのかなーと思いました。

自分が寂しいときは隣の芝生があまりにも青々として見えて余計に寂しくなったりもするんですが、それでも楽しんでいる人のでないとダメです。そゆときに結婚生活に悩んでいたり子育てに疲れていたりする人の日記を読んで、「ああ私はまだシアワセだわ。だってこんなに身軽なんだもの」と自分を慰める感覚は、残念ながら持ち合わせていないのです。(ああっ! 今思いついたけど「To-koの日記読むと自分のシアワセが再確認できるから楽しい」と言われてなくて良かった! ほんっと良かった!)

ちょっと話と関係ないけど少し前に、育児についていろいろと考えていました。考えるだけじゃなくてとうとう実践できるかなー、と。残念ながらその機会は先に伸びてしまったんですが、でも失われたワケじゃない。また巡ってくるかもしれない未来も、楽しみにしています。

お互いにそれぞれの人生を楽しんで「あなたも楽しい、私も楽しい。ハッピーハッピー」とやれればシアワセだなあ、楽しいなあ、と思えてならないのです。ばかっぽいけど(←私の書き方が)。

2004.9.8

書ききれなかったダイビング話をいくつか。

■なんとなく最近、潜降のコツがわかってきた気がする。「水面移動の気持ちを引きずっていたら、絶対潜れない!」。一番上手な友人に聞いてみたら、やっぱりそうだと言う。水面移動が大変でも、ポイントについたら気持ちを切り替えないといけない、と。ときどきポイントに着くまでが大変で、着いたら息が切れていたりもするんだけど、少し時間がかかっても深呼吸して心を静めないとダメ。んで1回潜れなくても慌てちゃダメ。……わかってるけど1回で潜れないと慌てちゃうのよねえ……。

■去年の秋くらいから「そろそろドライスーツ買えば?」と、SさんTさんに勧められている。欲しいのは山々なんだけど、置く場所と資金の目処がつかない。でも考えてみれば去年の春、今よりも全然下手くそで、でも気持ちばかりが先走って「ドライもやってみたいんですー」と能天気に夢を見ていたら、そのときSさんは止めたのだ。「ドライは難しいから、ウェットで完璧に潜れるようになってからじゃないとダメ」と。そゆトコも私たちがSさんを信用する理由の一つなのだが、そのSさんにドライを勧められるほど上手くなったと思うと、ちょっと嬉しい。……でも来年の私は引越し貧乏だし、ドライ購入はもうちょい待ってもらわねば。

■土曜日、他のお客さんを待つ間に「今日の海況は期待できない」とSさんTさんから聞いて、「もう! 誰の行いが悪いのよー」と責任を押し付けあっていたら、Tさんが「たしかに4人が潜るときってハードなダイビングが多い気がする」と言い出した。するとSさんが「違うよ!」とすかさず否定する。「この4人はキャンセルしないからだよ。予約入れたらどんな天気でも絶対来るから、だからハードなときの印象が強いんだよ」。た、たしかに…。私らだって「今日は何のストレスもないダイビング〜。最高〜」ってときもある。しかしハードなときにもぶち当たる。そっか……、普通はハードになりそうだったらキャンセルするのか。目から鱗。

■ダイビング後の夕食の席で「あの子たちさあ」という話になった。私たちがエントリーしようとしたときに、ちょうど海からあがってきたグループのコたちである。たまたまだと思うが、そのグループのメンバーはほとんど若い女のコだった。男はガイドと、客が1人2人いるくらいである。そのコたちが揃いも揃ってふらふらしていてトロくって、すぐに立ち止まるし転んだら助け起こされるのを待っているしフィンを脱げと言われても「……脱げない……」と弱々しく呟くしで、どうしようもなかったのだ。

「私らも最初の頃、あんなんだった?」「違うよ、確かによく転んだけど、這ってでもあがったもん」「それに待たせたら、すみませんって言ったよねー」「あのコら、すみませんって言った?」「言わない。挨拶したのはガイドだけだったよ」「ああいうコたちって、見えてないんだよ。待たせてるのに気付いてもないんだよね」「ガイドも甘いんじゃん?」「Sさんだったら怒鳴ってるよね。“波見て波!”とか“止まらない!”とか」。この後、こんなに逞しいから私らはモテないんだよねーあっはっは、という話に流れたんだけど、でもやっぱ自力で立てないダイバーはダイバーとしてどうかと思うよ私ゃ。

■基本的にダイビング中の残圧チェックは自己管理だが、ガイドさんは途中何度か、全員に残圧を聞いてくる。他のことに夢中になってゲージを見るのを忘れてしまう人がいるからである。が、最近私らと潜るとき、SさんもTさんも全員に残を聞いてこない。1人2人に聞いて止めてしまうんである。たいてい放っておかれる私ともう1人が「なんで私には聞いてくれないんですか? ゲージチェックして待ってるのに。私はどうでもイイんですか?」と文句を言ったら、2人は口を揃えてこう言った。「だって1人に聞くと皆ゲージを見るんだもん」。

誰か1人に聞くと皆が答える用意をするし、答えた人は他のメンバーがちゃんと答えるかチェックしてるし、ガイドを見てない人がいたら見るように注意を促すし、カメラに夢中になって遅れる人がいたら追いつくまで気をつけているし、ガイドするのがとっても楽、だそうである。「うちの店のお客さんの中で、グループとして一番まとまっているよね」とまで言われ一瞬胸を張ったが、「違いますよ。私ら、お互いに信用していないんです!」という友人の答えのが正解だわ。「誰かが何かをやらかすに違いないと思ってるから、監視してるんです!」。あははー確かにー。

……書ききれなかった話だけでもじゅうぶん長いわ。

2004.9.7

さて、土曜日のダイビング話。久しぶりに仲間4人が揃うとワクワクしながら早朝の電車に乗り込む……が、携帯に「寝坊した! 追いかけるから先に行ってて」とメールが入り、初っ端から大慌て。ショップからは車の移動になるので、指定の時間に遅れるとかなりの迷惑になるのだ。彼女の家は東海道線沿線にあるワケじゃないので、「いつ来れるんだろう…」と心配しながら熱海で乗り換えようとしているとき、聞こえるハズのない声が聞こえた。

「どうしてココにいるのーーーっ!?」。乗り換え先の電車には、遅れたはずの友人の姿があった。「えへへ。新幹線使って先回りしちゃった」。新幹線への乗り換え駅では20kg以上の荷物を担いで全力疾走し、「切符を窓口で買ってる時間がない」と駅員に泣きつき、10分かかる乗り換えを3分で済ませたらしい。スゴい、よくやるよ、と言ったけど、私も寝坊したときはその手を使おうっと。とにかく揃ってよかった。

「今日は午後から東風が吹く予報だから、西に行きましょう」。ガイドのSさん・Tさんに連れられて、約1年ぶりとなる西伊豆は安良里の黄金崎公園へ。遠いポイントなので、移動時間の1時間半強、車の中で爆睡してしまう。ショップを出るときは今にも降りだしそうだった空が、起きたら青くなっていた。気温はちょっと低めだけど、日差しが強いから暖かく嬉しい。「東よりは西のがイイけど、うねりが入ってるからあまり期待しないで」と言われたし、海を見るとちょっと波があってエントリーに苦労しそうだが、雨が降ってないだけで気分は浮き立つ。ちゃちゃっと用意を済ませ、タンクを背負って海へ。

黄金崎のエントリー口はエキジット口と共通である。私たちがエントリー口についたとき、他のグループがちょうど海からあがってくるところだった。この場合、あがってくる人優先である。私たちは脇によけ、大人しく待った。が、このグループ、遅い。たしかに波はある。ダイビング後に疲れるのもわかる。けど、トロすぎる。とろとろとろとろ上がってくる人たちを待っていると、沖にまた別のグループが浮上してきた。最初のグループがやっとあがりきったとき、次のグループがエキジット口に辿り着く。仕方なく、また待つ私たち。またトロいダイバーたち。また浮上してくる別グループ。……間が、悪かった。この日の私らは東伊豆を出るのも遅かったので、他のグループの1本目終了時間とエントリー時間がぶつかってしまったのである。

器材を背負って待つのはツライ。アルミタンクはスチールより多少軽いけど、その分ウエイトは多目につけている。ここで疲れ切ってしまいそうだ。ちんたらグループが3つ通り過ぎたところで、やっとエントリー。泳ぎだしてすぐの地形のせいで波にもまれたが、そこを超えればなんとかなる。沖に浮かぶブイ代わりの竹に集合して、いっせいに潜降する。うねりが少し入っていたので不安だったが、すとんと潜れた。この海況でこんなにスムーズに潜れるなら、もう少しウエイト減らしてもイイかもしれない。

が、自分が落ち着いたところで頭上を見ると、仲間の2人が潜れなくて苦労していた。しばらく努力していたがどうしても潜れなかったので、今日の担当ガイドのTさんが彼女らのBCDに、ウエイト代わりの石を詰め込みはじめた。最初は片手で持てるくらいのを。それでもダメだったのでどんどん大きな石を探し出し、最後には直径30cmのお皿みたいのを。石は見た目よりも軽いのは分かっているが、でも漬物石みたいなのがBCDのポケットからはみ出しているのは、ちょっと笑えた。

さて今日の海は……そんなに悪くはない。黄金崎の目玉はネジリンボウやハゼ系だが、台風の影響でだいぶ吹っ飛んでしまったそうで、この日はほとんど見つけられなかった。海は青いが、浮遊物が多くて透明度はあまりよくない。ちょっぴりうねりも入っている。しかし、ゴロタのあたりの群れがスゴかった。特にネンブツダイ。ネンブツダイなんて伊豆じゃちっとも珍しい魚じゃないし、小さな群れはしょっちゅう見ているのだけど、あれだけの大群に出会ったのは初めてだった。しかも全然逃げないの。見渡す限りネンブツダイで、私の手の先に群れがあって、振り向いてもまたネンブツダイで……。やっぱ映画なんか目じゃないよぉ〜。

コースはゴロタを通り過ぎて砂地へ。砂地の生き物は地味だけど、下が砂ってのは安心できるので、のんびり生き物を探すのも楽しい。ハナハゼやアオリイカ(yg)、頭だけ出してるハナアナゴ、砂に隠れたコウベダルマガレイ…。ひとしきり遊び、またゴロタを通って陸に戻る。潜降に手間取った2人の空気消費が早くって、浅めだったワリに少し短めのダイビングになった。お昼を食べ、まったり休憩。「時間が遅いから休憩は短めにしよう」と言っていたのに、11月に予定している沖縄旅行についてつい話し込んでしまった。今度はSさんTさんオススメのショップにガイドをお願いする予定なのだ。

結局いつもどおり1時間半くらい休憩して、2本目へ。1本目の最後、浅いところでもまだBCDに空気が残ってたので、イケるんじゃないかと思って、今度はウエイトを1kg減らしてみる。今回はすとんと沈みはしなかったが、苦労もしなかった。息を吐いて数秒たつとゆっくり沈む、教科書どおりの潜降ができたのだ。ふふふー、嬉しい。ゴロタを通り過ぎて砂地に入るとすぐ、ムレハタタテダイの幼魚の群れがすぐ傍を通り抜けていった。か、可愛すぎ…! ムレハタタテダイだって嬉しいのに、それが5cmもない幼魚となるともう堪らんよ〜。

今回は全員スムーズに潜れたし、うねりがなくなって落ち着けたので、かなり長めのダイビングができた。ワカメの中にメイチダイやアミメハギの幼魚も見つけた。コンクリ(わざと沈めたのかな?)やガイドロープの周りにはヒメテングハギの幼魚もいる。幼魚は何でも可愛いなあ。ときどき海面を見上げると、頭上を白く光る魚の群れが泳いでいる。最後の最後でまたネンブツダイの群れに囲まれ、しばしぼーっとしてしまう。ああ、なんでこんなコトがこんなに気持ちイイんだろう……!

浅めの海を堪能して、陸へ。片づけをしてショップに辿り着いたときには、もう7時で真っ暗になっていた。運転するSさんTさんには申し訳ないのだけど、もちろん帰路も爆睡。黄金崎はちょと遠いけど、うん。たまには行きたいな。今度こそネジリンボウに会ってみたい。

今回のログはコチラコチラ。写真アリ。

2004.9.6

土日はまた伊豆に行ってました。秋雨前線活発化で、小雨の中でのダイビングを覚悟していたんですが、ポイントに向かうあたりから晴れはじめ、風もなく暖かに過ごすコトができました。ときどき遊びの神様の愛を疑いたくもなりますが、たいていギリギリのところで救ってくださるので、崖っぷちの愛は抱かれているようです。いつものように土曜日はダイビング、日曜日はだらだらとゲームやったりお喋りしたり酒呑んだりして休養し、夜に東京に戻ってきました。熱海で止まっているときに電車がぐらぐら揺れたので、てっきり車両の連結でもやってるのかと思ったら、地震でビックリ。

今回ちょっとした騒ぎが仲間内であり、その中で一人が「それ、不愉快だから止めて」とぴしゃりと言ったのを聞いて、また「スゴいなあこの人」と惚れ直しました。私は心が狭いワリに身内びいきというか、一度心を許した人たちに対しては異様に寛容になってしまう傾向があります。他人がやっていたらムカつくようなコトを友達にやられても、「仕方ないなあ」と思ってしまうのです。「不愉快だけど友達だから許せる」じゃなくて、ホントに不愉快に感じなくなってしまうの(まあそれでも譲れない一線はあるので、それを越えられたらいきなり怒り出すという、極端で困った性格をしているんだけど)。だから今回も「あーあ、仕方ないなあ」としか思っていなかった。

不愉快なコトを面と向かって不愉快だと、ハッキリ言ってくれる友達は安心できます。私も何度か怒られたコトがあるけど、そのときは実際に私が悪かったし、お互いが了解に達すれば後を引かない。「この人があのときああ言ったのは、ホントは違う意味だったのだろうか」「怒ってないって言ったけど、実は怒っているのだろうか」と気をまわすのは、苦手だし好きでないです。“態度で察してくれ”タイプの人といると、妄想女王は疲れてしまうのです。私にはこの開けっぴろげの関係が、居心地イイ。ちょっと敵わないなあ、と思えるシアワセ。

今日は時間がないので、長くなるダイビング話はまた明日。

2004.9.3

映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』を観てきました。今回から監督が変わったそうで、賛否両論の評を聞いていたんですが、ワタシ的には「OK!」でした。つか、今までで一番楽しめました。まあ原作(1〜4作)の中でも、これが一番好きだからかもですが。今まで「ハリポタ映画は詰め込みすぎ」だと思ってましたけど、今回は「え? そんなに刈り込んじゃってイイの?」と思っちゃうくらい、ばっさりすっきりさせちゃってて、ちょっとビックリ。でも映画としてはその方が分かりやすかったんじゃないでしょうか。前に「ハリポタ映画は動く挿絵」と言いましたけど、今回は「ハイライトシーン中心の粗筋」って感じ、説明不足は感じつつもノれました。

しかし子供たちが大きくなりすぎてしまったコトよ。13歳にはちょっと見えないなぁ。ロンの顔はあまり変わってないけど体つきがもう男って感じだし、弱虫ネヴィルがあんなに大きくなっちゃうし、何よりあんなに可愛かったドラコ・マルフォイが……! あんなのドラコじゃないや…っ。ダンブルドア校長も……わかってたけど……。いや今の人がどうこうじゃなくて、イメージできちゃってるんですもん。あとハーマイオニー贔屓の私としては、ハーマイオニー関連のエピソードが削られちゃったのは残念でした。ま、あれもこれもだと「詰め込みすぎ」になるから仕方ないんですが。それから原作読んでるときからずっと思ってたけど、彼女がロンに惹かれる理由が全然わからん。ロンはもうちょい大人になるがイイと思います。あ、スネイプ先生は相変わらずグーでした。イジワルだけど、いざとゆうときはちゃんと子どもたちをかばうのよ。萌え萌え。

さて5作目の邦訳版も店頭に並びはじめましたね。また、期待しててイイ?>菊さん。

2004.9.2

「妹よ」「何?」「さっき大家さんに家賃を払いに行ったんだけど、困ったコト言われたの。何だと思う?」「“うるさい”?」「もっと悪い」「家賃の値上げ?」「もっと悪い」「もっと?……取り壊し?」「あたり」。

来月再来月に動く必要はないんですが、早くて来春、遅くても来秋には引っ越さなくてはいけなくなりました。6年間もずっと同じ住所・同じ職場で、それで生活のリズムが出来上がってしまっていたから、ちょい不安。今の家は古いけど地の利がよいし、収納スペースが大きめだし、古いなりに手を入れてあって、それなのに安くて気に入っていたので残念です。不動産屋の窓に貼ってある間取り図見るの好きなんですが、同じ条件じゃ3〜4万高いものなあ、相場は。妹は「まあ、自分の不動産運を信じるよ」と言ってました。「そだね。私ら、家探しで難航したコトないもんね」。だいたい最初は「そんな条件じゃムリムリ!」と言われるけど、2軒目3軒目の不動産屋で必ず見つかるんですよ。条件を落とさなくっても。今度もそうなるとイイなあ。

まぁでも、変化もイイかもしれない。通勤がキツくなれば、仕事も変えざるをえないかもだ。新しいリズムを掴んで家計のバランスを作り上げるまではかなり負担が増えるけど、何とかなるでしょう。……となると、今の調子じゃ遊べなくなるだろうと覚悟して来春までしっかり遊ばないと、と常に遊ぶ口実を探しているキリギリスTo-koなのでした。口実なんかなくったって遊ぶけど。

2004.9.1

トマス・H・クック『心の砕ける音』読了。うむー。全然面白くなかったワケじゃないけど、どうもすっきりしないなあ。“最初に悲劇が提示され、カットバックで過去が少しずつ明らかになってゆく”という書き方や、“静かな(淀んだ、停滞した)街に女がやってくる。街の雰囲気(枠)にはハマらない(ハマれない)女を、恐れ(警戒し)つつも惹かれる男。崩れるバランス。高まる緊張。やがて悲劇”というパターンに飽きてきたせいもあるんだけど、それだけかなあ。理性的で計画的で夢を見(られ)ない兄と、陽気で思いつくままに行動して心の中は理想と夢であふれている弟。全然タイプの違う2人なのにお互いに深い愛情を抱いていて、しかも兄は母の愛を一身に受ける弟に心の奥底で嫉妬してたりして、さらに実は愛を強く求めているのは兄の方だったりして……って設定は、私の萌えツボ直撃なハズなのに

中心人物の1人である弟に好意を持てない、のが、このモヤモヤの答えな気がする。この設定なら、弟はもっと魅力的でないと。現実も愛せる人でないと。彼が抱く夢や希望はただの妄想っぽいのよね。ときに現実に打ちのめされるコトがあっても決して「人生とはこうゆうもんさ」などと斜に構えず、日々の生活の中に喜びを見出すことができ、美しいものを夢み、求め、愛せる人ならば、ちょっと拗ねた兄が嫉妬してしまうのも、嫉妬しながら愛してしまうのも分かる。けどさー、この弟は現実を受け入れず、手前勝手な夢を抱き、現実を自分の妄想に当てはめようとしている困ったちゃんでしかない。それに嫉妬しちゃいかんよ兄ちゃん。

さてクックはこの弟をどう考えて創ったのだろう。彼をホントに魅力的だと思って創ったのなら、合わないなーと思う。けどラストの母親の言葉を考えると、わざと困ったちゃんに創ってるのかもしれない、と思う。『緋色の記憶』は面白かったし、あと何冊か読みたい作品もあるし、できたら後者であって欲しい。あーあとジョルジュ・サンドの『愛の妖精』を思い出しちゃった。ずいぶん昔に読んだけど、あっちのが好きだった気がするなぁ。

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