2014.4.29(Tue)

美術好きのUを誘って、上野の国立博物館に特別展の『栄西と建仁寺』、『キトラ古墳壁画』を見に行ってきました。上野ランチ12時に待ち合わせて、まずはUおすすめの店でランチをし、重いおなかを抱えて国立博物館に向かいます。上野公園の木々はすっかり色が濃くなっていて、もう初夏の色合いです。入口まで行くと「キトラは110分待ちで〜す」の声が聞こえました。GWだから混んでいるとは思ったけど、2時間待ち……。

続いて聞こえてきたのが「栄西はすぐ入れま〜す」の声。迷わずそちらを先にします。やはり大多数の皆さんのお目当てはキトラなのか、『栄西と建仁寺』はかなり空いていました。展示の一つ一つをちゃんと見られるのはいいですねー。私は書はあまり良し悪しが分からないのですが、工芸や絵画がゆっくり見られて満足(肖像彫刻はリアルすぎてちょっと怖かった)。こちらの特別展の一番の目玉は国宝の「風神雷神図屏風」でしょう。でも私もUも、一番だと思ったのは重要文化財の「雲龍図」でした。

GW期間中は全8幅が見られるので、迫力はかなりのものです。これは2匹揃ってのものでしょう。展示室の真ん中に置いてあるソファに座って全体を眺め、あそこの力の抜き方がカッコいいの、ここの手の形が迫力あるの、雲で隠して描いてないところを想像させるのと、鑑賞するのもまた楽し。墨の濃淡が美しく、立体感があります。そのあと近くで細部を確認して、ホントじっくり見られました。そんなこんなで、こちらの特別展だけで2時間くらいかかり、外に出たのは16時頃でした。ヤバ、時間が!

キトラの行列は50分待ちでだいぶ短くなっています。閉館時間が気になったので「最後尾」の看板を持った係員さんに聞いてみると、「今並んだ方はちゃんと見られます」と言われ一安心。たぶん実際は50分もかからなかったと思いますが、やはり行列は行列で、こちらはゆっくり見るというワケにはいきませんでした。残念だけどこの人気じゃ仕方ない。全然予習しないで行ったんですが、石室天井の「天文図・日月像」が良かったです。

バーチャルリアリティのキトラ古墳にも興味があったし、時間があったら常設展も見たいねーと話してたんですが、とても時間が足りません。キトラを見終わったらもう閉館時間になっちゃってました。特別展と常設展両方見ようと思ったら、丸1日はかかりますね。歩き疲れたので駅ナカのカフェで軽く飲んで、Uとはお別れ。上野に来たのはずいぶん久しぶりだったけど、たまにはこんな休日もいいもんです。

2014.4.25(Fri)

桜海老のなかの仲間はずれ

シラスや桜海老のなかに違う種類の小魚等が混ざってるのはよくあるコトですが、これはちょっと嬉しい。タツです♪ まわりの桜海老と比べると小ささがよくわかるでしょう? こんなに小さくてもちゃんとタツの形してるんですねえ。

2014.4.20(Sun)

頻繁に覗きに行っているたけさんちの掲示板に、高尾山お花見オフの話が出たのは、まだ1月の頃でした。たけ小屋に集う皆さんとは掲示板でも、各自のブログのコメント欄でもお話しをもうずっとしていて、一度は実際にお会いしたいなーと思っていました。でも偶然のばったりを期待しても、くじ運が悪いからか(?)なかなかそんな機会が訪れない!(後から「すれ違った」とか「同じバスに乗った」と判明したコトはあるんですが…)。が、1月に4月の予定は立てられず、その時点で参加表明はできません。ですのでスケジューラーに「お花見オフかも?」とメモをして、うっかり違う予定を入れちゃわないようには、していました。

んで月日は流れ。先週、改めてお花見オフのご案内がありました。おおーホントにやるんだー。しかし私はまだ半信半疑でした。だって20日の天気予報はその時点で曇/雨。日曜日は広い範囲で雨が降るでしょう、だったんですもん。ですので、人見知りのくせに珍しく逡巡せず「参加します」と書き込みをしました。正直いうと(たぶん雨で中止だろうなー)と思っていたから、迷わなかったのです。……それと、歳くって図太くなってきたせいも、あるかも。そしたらいつの間にか予報から雨のマークが消え、金曜日にはオフの開催が決定されました。ええーホントにやるのかー。

とは言え、緊張の反面楽しみだったのもまた事実。土曜日の観劇から帰ったあとに、遅くまでかかって準備します。そして今日、当日。ホントなら日影からゆるゆる城山に登って集合場所の一丁平まで行こう、そしたらきっとスミレも楽しめるし静かだし、と思っていたのですが、前日の夜更かしがたたって布団から離れられませんん。……いいや高尾山口からで……そしたらあと1時間は寝られる……ぐぅ。そんなこんなで、すっかり明るくなってからの出発です。空気は冷たく寒い1日になりそうですが、雲は高くてなんとかもってくれるかな?

さて参加の皆さんはどうやって集合場所までいらっしゃるのでしょう? 幹事のぜいぜいさんが高尾山口から、というコト以外は何もわかりません。ですので途中の電車でも登山姿の人を見かけるたびに「ひょっとするとたけ小屋の常連さんかも……」と、ドキドキしていました。しかし皆さん、ザックが小さすぎます。参加メンバーならきっとザックが大きいハズ!と決めつけて、ひそかに周囲を観察します。(だって私のザックにも大きめのタッパーを詰め込んでいたんですもん。あともちろん、ワインも1本)。

高尾山口には8:15頃に到着し、トイレによって靴ひもを締め直し、8:30頃に歩き始めます。駅に着くまでは(びわ滝を通る6号路かな〜)と思っていたんですが、ケーブルカー駅の周りの新緑の淡い色合いを見た途端に気が変わり、稲荷山コースを歩くコトにします。登山口近くにさっそくニリンソウが咲いていて、まだ今年は山で春を実感していなかったTo-ko、テンションあがります。ちょっと登るとヤマブキとツツジの競演、足元にはチゴユリ、そしてスミレ。空はどんよりだけど、気温は低いけれど、春!です。

高尾山

華やかな、高尾山口駅近くの「しだれもも」

高尾山

曇天で色が冴えませんが、肉眼で見る新緑の色は柔らかでした

高尾山高尾山

左:二輪草(ニリンソウ)。登山口すぐすぎるからか、私以外誰もカメラも向けず……/右:稚児百合(チゴユリ)は山歩きはじめてからしばらく出会えなくて「いつか会いたい花」でした。だからか好きな花の一つです。高尾にこんなにわさわさ咲いていたのね〜

高尾山

高尾山

三つ葉躑躅(ミツバツツジ)ですかねー

10:30くらいに一丁平に着きたかったので、花の写真を撮りながらのんびりと歩きます……歩きます……歩きたい、のですが、やはりここは高尾。人が多いです。写真を撮るにもタイミングを見計らわないといけないし、前後する人とうまく離れないと追い立てられたりもします。あと稲荷山コースを歩いたのはほぼ1年半ぶりなんですが、雨の後で道がつるつるだったせいもあるかもなんですが、だいぶ道が荒廃してる気がしました。土の流出が加速してるような……。前回もこんなだったっけ? 自分も山に入っているのだから矛盾もいいとこですが、ちょっと悲しくなりますね。

高尾山

高尾山

高尾山

相変わらずスミレの同定できません。ぜんぶ立壺菫(タチツボスミレ)?

高尾山

青空じゃないのは残念だけど、やっぱ新緑はいいなあ♪

高尾山

紅葉苺(モミジイチゴ)。花びらが雨に濡れて透けています

まぁとにかくゆっくりと歩を進め、高尾山頂直下の階段下までやってきました。これを登れば山頂ですが―――今日はいいか。たぶん景色も見えないし。というワケで巻き道を選び、もみじ台を抜けて一丁平に向かいます。雲がだいぶ低くかかっていて、ときおり登山道にも霧が流れます。前日の雨で道はぬかるみ、滑りやすくなっていて、普段は気にならないアップダウンがけっこうメンドい。桜ももうちょい残っているかな〜と期待していましたが、もう終わりですね。ただ、途中にツツジの見事な群生がありました。そして10:20頃、一丁平に到着です。

高尾山高尾山

左:射干(シャガ)/右:さあ奥高尾へ。もうちょっとだ

高尾山

最後の山桜(ヤマザクラ)

高尾山

もみじ台

高尾山

桜は残っているところでこんな感じ

高尾山

ツツジのほうが目立ってました(^^

……そしてその景色を見た途端、To-koの顔に立て線が入りました。この日の天気は曇り。しかも1週間前までは雨の予報だった。気温だって10度をちょっと上回るくらい。高尾の花見がすごい人ごみなのは知っているけど、桜の盛りはすぎているし山頂じゃないし、もうそんなに人はいなくってたけ小屋のグループはすぐにわかるだろう。そーんな甘い目論見は、トイレのある広場から高台の展望台にかけて、登山道脇にいくつもいくつもあるテーブルと、それを埋め尽くす宴会グループの数々に打ち砕かれました。ええええっこんなに人がいるの? どーするTo-ko。

やばいやばいやばい。これじゃわからないかも。なにせ私は参加者のだーれにも会ったコトがないのです。なのになんで目印くらい聞いておかなかったのか。せめてぜいぜいさんの携帯番号くらい教えてもらっておけばよかった(←聞いてても結局圏外だったようですが)。ばかばかばか私のばか。しかし何を後悔しても今さらです。片っ端から声をかけていく前に、せめて当たりをつけよう。参加者の何人かは、写真で何となくイメージができています。そゆ人たちが集まっているテーブルはないかしら。

とりあえず展望台まで行って休憩グループの分布を確かめ、皆さんを探しながらトイレの辺りまで下りていきます。……ぜんっぜん、わからない……。もう一度、より注意をしながら展望台まで登ります。……やっぱり、わからない……。集合時間は10時〜11時とアバウトだったから、全員は揃っていないだろう(つか、何人集まるかもよく分かっていなかった)けど、たぶん10人足らずだろう。しかし見かけるグループはもっと大人数だったり、若すぎたり、ご年配すぎたり。なかなか条件に合いません。

高尾山

一丁平展望台からの景色はこんな。丹沢も見えません

高尾山

……あのグループは……たぶん違う……

……このまま見つからなかったらどうしよう。余分に作ってきたお弁当を1人で食べるのは悲しいなあ。展望台から「たけさあああああ〜ん」と叫んだら、誰か答えてくれるかしら。んなコトを考えながらあてもなくまたトイレのほうに下ろうとしたとき、単独の男性が「ひょっとしてたけ小屋の……」と声をかけてきてくれました。「そうですそうです!」。もう人見知りとか言ってる場合じゃありません。声をかけてくれたのは、くらさんでした。これで誰にも会えないって事態は回避された、とホッとします。見つけてくれて、ありがとうございました。

しかし聞けば、くらさんもk林さん以外とは面識がないとのコト。「たぶんもう来てると思うんですけどねえ〜」「おかしいですねえ〜」と言い合いながら、またトイレと展望台をひと往復。くらさんが怪しいとにらんだグループに声をかけてくれましたが、撃沈。展望台で「もう1回、もうちょっと下まで探して、見つからなかったら城山まで行ってみましょうか」と話していると、また下から登ってきた男性が「ひょっとして……」と声をかけてきてくれました。2番目にお会いできたのはGPさん。

GPさんは数人の顔がわかる、とおっしゃってくれたので、これで心配はほぼなくなりました。展望台の辺りでしばらくお喋りをしていましたが、下のほうが間違いがないかも……とまたトイレのある広場まで下ります。するとここで更にもう一方、声をかけてきてくれました。つばささんです。仲間が徐々に増えてきて心強い限りです。勇者の気持ちがわかります。しばらくすると、電車が遅れたり目覚ましが止まったりで到着が遅れたたけさん、ぜいぜいさん、山猫さんが姿を現しました。やった〜。ちなみにぜいぜいさんは、ホントにぜいぜいされてました。

はじめましてのご挨拶をして、つばささんが確保しておいてくれたテーブルに移ったら、すぐさまテーブルにご馳走が並びます。なかでも見事だったのは、写真でしか見たことのなかった、たけさんの三段重ねのお重! すごい女子力! 私もお握りとスパニッシュオムレツ作ったんですけど、普段つくらない量だったのでいろいろ失敗…(でももったいないから持っていく)。たけさんの足元にも及びません。ほかにもあちらこちらからタッパーが出てきて、お酒がでてきて、あっという間にテーブルが埋まりました。すごい。

高尾山

この後もどんどん出てきました。皆さん、ご馳走さまでした! えーっと……次回はガンバります!

最初の乾杯に遅れてやって来たのが、k林さんとU太くん、まきくまさん、そしてサプライズ登場のアランチャさん。新しい人が来るたびに乾杯をして、話が広がって、ホント楽しかったです。どなたかのブログで読んだコトのある話も、本人の口から直接聞くとまた新鮮で面白いし、知らない話もたくさんだし、皆さんとにかくあちこちに行ってらっしゃるので話題が豊富。最初のビールが空く前に山猫さんがホットワインを作ってくれて、それが無くなる頃にはたけさんが熱燗を入れてくれて、最後にはまきくまさんが甘酒を作ってくれました。寒い日は温かいものがいいですねえ〜。

というワケで、つい飲みすぎました。初対面の皆さんの前だったので猫かぶってましたけど、たぶん時間が経つにつれてどんどんボロが出てましたよね……。「前より飲まなくなった」と皆さんおっしゃってましたが、誰も顔色さえ変わらず、私とは肝臓の出来が違うみたい。気付けば机の上に並んだ容器がみな空になり、まきくまさんがその場で作ってくれたやきそばもあっという間になくなり、ビールが無くなり、ワインが空き、日本酒が空き、あんなに周囲にいた宴会グループがいなくなっていました。あら。時計を見ればもう15時過ぎです。あらら。さすがにそろそろ帰らなきゃ。

そこからゆるゆるケーブルカー駅まで歩き(当然のように高尾山頂はスルー)、ケーブルカーで下山して、高尾山口で電車に乗り込みます。下山口の違うくらさんとGPさんとは山中で別れ、他のメンバーもそこここの駅でお別れです。んで終点まで乗ってく私は隣の席に人がいなくなった途端に意識を無くしました。次に目を開けたらもう終点が近くて、一緒にいた筈のお一人がもういなくなって―――うひー、すみません〜!

高尾山

これは何スミレ…?

高尾山

薬王院 御本社

高尾山

石楠花(シャクナゲ)

オフ会なんてすんごく久しぶりだったし、山のオフ会は初体験でした。やっぱり直接お目にかかれるのはいいですねえ。イメージどおりだった方も、イメージとはちょっと違った方もいて、とてもとても楽しかった。たけさん、幹事のぜいぜいさんはじめ参加の皆さま、ホントありがとうございました。またどこかのお山でお逢いしましょう!

*****

■高尾山口駅(8:29)→一丁平(10:20-15:30くらい?)→ケーブルカー高尾山駅(17:05くらい?)

上:mizuno速乾長T+mizuno山シャツ+サンダーパスジャケット。下:スーパーメリノウール L.W.タイツ+mammutパンツ。綿手袋、タオルマフラー。休憩時・下山のみ:cloudveilフリース。携行のみ:PuroMonteフリース手袋、クリマプラス帽子、Foxfireゴアレインハット、サンダーパスパンツ、mont-bellダウンジャケット。カメラ:Powershot S100

2014.4.19(Sat)

Yがチケットを取ってくれたので(いつもありがとう!)、『オペラ座の怪人』の続編ミュージカル、『Love Never Dies』の夜の回を観てきました。キャストはファントム=市村正親、クリスティーヌ=濱田めぐみ、ラウル・シャニュイ子爵=橘慶太、メグ・ジリー=彩吹真央、マダム・ジリー=香寿たつき、グスタフ(クリスティーヌの息子)=山田瑛瑠。私が四季の『オペラ座の怪人』を観たときにはもう市村さんは四季を辞めていたので、評判の高い市村ファントムを観るのは初めてです。

さてこの先、ネタばらします。知りたくない人は読んじゃダメ。

第一幕がおりて休憩に入ったとたん、私の口から出たのは「いつの間に!?」でした。鹿賀ファントムを観るためすでに一度この作品を観ているYはニヤニヤして「でしょ〜?」とナゼか得意げです。だって、だってですよ皆さん。『オペラ座〜』のラストを思い出してくださよ。クリスティーヌをラウルの手に渡し、怪人は姿を消しましたよね。悲しい純愛でしたよね。まぁ冒頭の老ラウルの様子から「まるで怪人にクリスティーヌを取られてしまって、彼女が忘れられぬ永遠の人になってしまったかのよう」だと、私は確かに書きました。でもそれは心の問題だと思っていたんですよ。なのになのに。

まず今回の作品の舞台はアメリカ、コニーアイランド。あれから10年の時が流れています。怪人はマダム・ジリーとメグの母娘の助けでこの地に渡り(←え?)、見世物小屋(?)をやっています。しかし忘れられないのはクリスティーヌの歌声……。もう一度彼女に自分の曲を歌ってほしい! というワケで策をめぐらせて彼女をパリから呼び寄せ、もう一度自分のために歌わせようとします。クリスティイーヌがナゼはるばるアメリカまでやって来たかと言いと、なんとダンナのラウルがギャンブルでこしらえた借金を返済するため!(←ええっ?)。しかもラウル、酒浸り……。

安全パイだったハズのラウルの落ち目っぷりにもびっくりですが、それでも2人の間には可愛い1人息子グスタフくんがいます。母譲りで音楽の才能があるみたい。という感じで物語は始まるんですが、ワリと早いうちに怪人はクリスティーヌの前に姿を現します。オペラ座は離れても神出鬼没っぷりは相変わらずです。見世物小屋で手品でも覚えたんでしょうか。そして2人でデュエット―――なんですが、いきなりなんだか2人でエロティックなムードを漂わせ、思わせぶりに「2人の夜」を歌い上げています。

そのまま物語は進み、そして明らかになる衝撃の事実。グスタフくんの父親はラウルではなく、怪人だった…(←ええええっ!)。もうこれこそ「いつの間に?」ですよ。いったいそんな暇が「最後の夜」のどこにあったの? 幕間の休憩ではあちこちから同じような会話が聞こえてきます。「びっくりだよねえ。だいたいクリスティーヌって怪人に亡き父親を重ねていたんじゃなかったっけ」とはYの言。ねえ。まさか「ただの男と女」(←そうゆう歌詞があるのです)になっていようとは。

グスタフが自分の息子だと知った途端、妙に強気になる怪人さん。グスタフには本当の父親を告げるなとクリスティーヌに言っておきながら、ラウルには「彼はおまえより私に似ている」とか挑発するし、「クリスティーヌを賭けて勝負だ!」とか言っちゃうし。舞い上がってるもんだから後ろで怒ってる人がいますよ、ほらジリー母娘が。そして物語はラストの悲劇と救済に向かってひた走る……と。ふんふん、やっぱそうだったか。Yと一致した感想は「面白かったし観て良かったけど、作品としては『オペラ座〜』のほうが良かったね」。

あとはですね、ラウル若すぎ。まぁあれから10年とは思えないほど皆若いんですけど、考えてみれば10年経ってもクリスティーヌは27ですもんね。髪を上げて服を変えた様は、メグよりも年上に見えます(つか遠目には矢代亜紀に見えて困った)。メグも同じくらいの年齢の設定なのかな。でもステージで歌い踊っているんだから若く保っているんでしょう。だから女性陣はいいんだけど、ラウルの若さはねえ……。若造にしか、見えません。どう見てもクリスティーヌより年下。んでクリスティーヌ挟んで争いあう怪人は年寄り(ごめん市村さん)だから、どうもバランスが取れません。

Yが「アンドリュー・ロイド=ウェーバーがインタビューで、オペラ座の怪人は私だ、って言ってた。だから怪人に感情移入しすぎて、幸せにしてやりたくなっちゃったんじゃないの?」と言ってました。なるほど。だから怪人、モテモテなんですね。Wキャストでは、鳳蘭のマダム・ジリー(←絶対に復讐しそう)と加藤清史郎くんのグスタフが見たかったな〜。『オペラ座〜』のメロディがあちこちに差し挟まれるのも嬉しかったです。ま、前作あっての作品ですね。でも久々のミュージカル、楽しんできました。

劇場を出て、Yとステキなワインバーでお食事。次の舞台のチケットもお願いしておきました。

2014.4.12(Sat)

やっとのコトで伊豆に潜りに行きました。前回行ったのは1月25日だから、2月3月と一度も潜っていません。3月は行こうとしたら受付終了になってたからなんですが、こんなに空けちゃったのは久しぶりです。仲間たちに総フラれ、それでも暖かくなってきたし天気もいいし、行けば他のゲストがいるだろう……と思ったのに、いつもの駅でガイドのTさんの迎えを受けたのは私だけ。えー、前回に引き続き1人ですか。さすがにちょっと寂しいなあ。

Tさんに聞くと、春濁りはもうしっかり来てるそうです。春濁りが本格化する前に一度来たかったけど、そりゃ4月ですもんねえ。遅すぎたか。「それで透明度はどのくらいですか?」「う〜ん、5mくらいですかねえ〜」。……えっ……そ、それは厳しい。ここ数年、春濁りの時期にきても「この時期にしては悪くない」くらいの状況で済んでたんだけどなあ。潜るポイントを選ぶのにも、「すごく濁ってるのと、ゲロ濁りと、どっちがいいですか?」です。えーっと、それはどっちがマシなんでしょう?

というワケで、“すごく濁っている”I.O.P.に行くコトになりました。ショップオーナーのSさんは花粉症でお留守番ですので、Tさんと2人だけです。それで着いたI.O.P.は―――めちゃくちゃ空いていました。少し風があって波がたっていたので「もしかすると荒れているんじゃ?」と、荷物を下ろす前に様子を見に行ったくらいです。Tさんとエントリー口を見下ろし、しばし波を眺めて、「……普通ですよねえ」「普通ですねえ」。いくらシーズン前だと言ってもこの空きっぷりはなんでしょう。消費税上がったからでしょうか。

I.O.P.I.O.P.

左:海洋公園50周年だそうです/右:空には大きな鯉のぼりが翻ってました。翻りすぎて絵にならない…

2人だけなのでさくさく用意してさくさくエントリー、と言いたいトコですが、やっぱ間が空くと手順を忘れます。BCDにエアを繋ぐの忘れたり、首も通していないのにドライの背中のチャックを閉めてもらおうとしたり。おまけにエントリーしてから「……あれ、ドライにホース繋いだ記憶が無い」と思いだし、探ってみると案の定ホースがぷらぷらしています。Tさんに待って、の合図を出して、水中で装着。やっと落ち着いて周りを見回すと、うっ……く、暗い。透明度3mもありません。ちょっと離れるとはぐれるぞ、これ。

しかし本数を重ね、だいぶ図太くなっているTo-koさん。初心者の頃ならガイドのフィンばっかり見て周りの生物をなんにも覚えてなかったりもしたのですが、今回はTさんにのんびりついていきます。Tさんも一生懸命、小さなウミウシやら岩場の間の巨大イセエビやらヒメセミエビやらを見つけ出して教えてくれました。で、自力でもウミウシらしき緑の生き物を見つけます。うーん名前なんだったかな、これ。後で同定するためにも写真を撮っておかなくちゃ。が、Tさんは私が生き物を見つけたのに気付かず離れていくところです。初心者の頃なら慌てて追いかけますが……。

……私がついてこないのに気付いたら戻ってきてくれるだろう。図々しくもそう判断し、生き物(あとで聞いたらハナミドリガイでした)の写真を数枚撮ります。そして振りかえると―――はい。周囲には誰も、いませんでした。緑の味噌汁の海にぽつんと1人。ありゃー、Tさん、どこまで行っちゃったんだろう? Tさんの行ったほうに目を凝らすと、ダイバーの吐く泡が見えました。いたいた、とそちらに近づいてみると、見えてきたのは黒いフィンをはいたダイバーです。Tさんのフィンはオレンジ色……。これは下手に動いちゃいけません。おとなしくTさんが戻ってくるのを待ちましょう。

さっき写真を撮っていた岩まで戻ってしばらくすると、深いほうから水中ライトが点滅するのが見えました。そっちに行ってみると、今度こそTさんです。良かった良かった。積極的にはぐれちゃってスミマセン。この後、またもや自力でユビウミウシ(けっこうレアらしいのに、写真がピンボケで残念)を見つけてTさんに喜んでもらい、ハナタツ探しでも先に私が気が付いて、となかなか楽しい1本でした。しかし深場でも透明度は上がらず、今自分がどこにいるのかはたまにしか認識できません。この状態でセルフナビはまだできないなあ。

お昼休憩に入っても相変わらず休憩スペースはがらがらです。こんなに陽射しが暖かいのに(まぁまだ空気はちょっと冷たいですが)。お昼を食べてのんびり休んで、2本目も1本目と同じ1のを、ちょっとだけコースを変えて回るコトにしました。この透明度じゃ砂地に行っても面白くないですもんねえ〜。2本目もイシダイとかメイチダイとかオトメウミウシとかいろいろいましたが、1本目に比べるとこれ!といった目玉はいませんでした。そして帰り道で通った場所に生えている海藻がぐわんぐわん揺れて、ちょっと酔いそうになってしまいます。これ、苦手なんですよ……。

春濁り堪能の1日を終え、ショップに戻ってログ付けをしても16時ちょい過ぎ。日も長くなってきたので、やけに早く終わった気がします。早起きして海に入って超眠たかったのですが、やっぱり読み始めてしまった『指輪物語』が寝かせてくれず、東京に戻る長い道中ずっと『二つの塔』に読みふけってしまいました。指輪はあちこちで涙腺を刺激されるので、外で読むには向かないんですけどね……でも指輪の幽鬼には我慢できないの。あ、ダイビングのほうは次はこんなに間を空けずに行きたいっす。

今回のログはコチラ(427本目)とコチラ(428本目)。

Copyright© 2001- To-ko.All Rights Reserved.