2010.9.26(Sun)

22日の水曜日の検査でまた事態は悪化してしまったのだけど、それはそれとして置いておいて、木曜日から今日まで、父母と東北の田舎に帰ってました。田舎で暮らしたのは10歳からの8年間だけで、東京で暮らしている時間のほうがもうずっと長いのだけれども、でもやっぱ田舎への思い入れは強いです。特に今年に入ってからは、田舎を見る目線もちょっと変わってしまいました。

緑の草むらで寝そべるヨノの白い姿がないのは寂しいし、夜明けに鶏の鳴き声がしないのも違和感だし、今回はあまり天気にも恵まれなかったのだけれど、できるだけ田舎を楽しんできました。

田舎の景色田舎の景色

今年の初秋刀魚。薪ストーブで焼いた秋刀魚は、余分な脂が全部落ちて、格別の味です

田舎の景色

溝蕎麦(ミゾソバ)の向こうには、父の建てた我が家

田舎の景色田舎の景色

左:赤まんま……と言いたいトコだけど、正式名称は犬蓼(イヌタデ)/右:ベランダの下には薪がぎっしり

田舎の景色

現の証拠(ゲンノショウコ)もたくさん咲いてました

田舎の景色

薊(アザミ)の向こうは、これまた父の建てた風呂場(そろそろ寿命)

田舎の景色田舎の景色

今年は休まざるをえなかった畑と田んぼ。誰か有効利用してくれる人が見つかればイイんだけどなあ……

田舎の景色

敷地内に流れる川は岩魚や山女がいる清流として釣り人に人気です(←ちょっと迷惑)

やっぱ好きだな、my田舎。ここで暮らせるとは思わないけど。

2010.9.15(Wed)_2

オースン・スコット・カード『消えた少年たち』を読了。タイトルとプロローグで内容が予測できるような気になりますが、いやいや全然違ってました。下巻のさらに後半になるまで、“消えた少年たち”の事件はときどきちょろっと触れられるだけ。なのに物語は冒頭から悲劇の予感に満ち満ちていて、いつ来るか今来るかと緊張しながらの読書を強いられます。私は毎章の最後をチラ見して「ここまではまだ生きている…」と確かめながらじゃなきゃ、その緊張に耐えられませんでしたもん。

事件が起きないのになんでそんなに緊張するかっていうと、あれです。主人公の家族の周りに悪意や危険が溢れ、それに対する不安が膨れ上がるばかりだからです。新しい仕事を得て新しい町にやってきたものの、ローンに追われていつ破産してもおかしくない経済状態だし、なのに新しい仕事場は問題ばかり。子どもも学校で上手くいかないし、家には虫が異常発生。家族でゆっくり過ごす時間も、教会の仕事に割かなくてはならない……。

そう、主人公一家(ステップとディアンヌの夫婦と3人の子どもたち)はモルモン教徒なんですが、その信仰生活の描写も面白かったです。『赤毛のアン』とか読むと、奉仕活動とか教会のバザーだのなんだのの催しとか出てきて、でも時代が違うからそんなものかと別世界の話として読んでいたんだけど(←アンはモルモン教徒ではないですよ)、この話は1980年代で、生活は現代とそんなに変わりません。なのに、これだけの時間と労力を信仰のために割くのかモルモン教徒は……と、感心しちゃいました。

へえ〜と面白かった……つか、理解しがたいところも、いっぱいです。そもそもまず、何でそんなに破産寸前の生活になっちゃったのか、から。欧米人は貯金をあまりしないそうですが、ローンをめいっぱい組んで小切手どんどん振り出して、銀行口座は自転車操業ってのはワリとありふれた話なのかな。サブプライムローンで大騒ぎしてた頃、似たような話を聞いたコトがある気がするんだけど。あとコンピュータの黎明期なんて全然知らないから、その辺の話もよく分からないながら、面白かった(メモリ少なっ、とか)。

夫婦間の会話も、微妙だなあ〜。海外でちょっと生活してたとき、なんでこの人たちはこんなに強い口調で言い合うんだろ、言いたいコトを言えないのもヤだけど、この会話は私にはキツすぎる……と何度も思ったんだけど、そんな感じ。とことん話し合うのに、なにもヒステリックにならなくてもイイじゃない? 怒って泣いて後悔して抱き合って和解のキス―――ってプロセスが早すぎて、ついていけません。それだけエネルギー費やしたくせに、結論は先送りだったりするしね。

家族を守る気持ちが強いばかりに、周囲に牙むき出してしゅーしゅー言ってる感じなのも、何だかなあ〜です。敷地に人が侵入しただけで撃ち殺しちゃうような土壌もある国では、これも当たり前の感情なのかなあ。でもディアンヌの心配性にはときどきイラっとしました。ステップも過保護だけど、ディアンヌは心配しなくていいコトまで心配して勝手に傷ついたり聞くべきコトを聞かなかったりするトコロがイヤん。これは作者も、どっしり構える友人ジェニーを出してきて一言言わせてますけどね。

でもジェニー、引っ越してしまうんですよ。唯一の魅力的な脇役だったのに。うん、この話、学校でも職場でも嫌な人の描写はたっぷり詳細なのに、人間の好ましい部分の描写はあまりありません。教会でも問題ある人の話ばかりで、最後にほかの皆がすごく親切にサポートしてくれたりはするんだけど、その善良な人たちの個々の顔が見えてこない。だから信仰にも(大変そうだな〜)って感想ばかりが勝ってしまうし、最後に定住を決められても(それでイイの?)と不思議になってしまう。

と、文句ばっかり言ってますが、面白かったのです。信仰も含め、いろいろ理解できないからこその面白さ、ってヤツかしら。ぐいぐい読まされたし、一家がどうなるのか気になって先へ先へと読まされたし、最後のアレにはビックリした。そうゆう話だったのかー。(これミステリだと思って読んだ人は怒るんじゃ……)と思いながら、やっぱ泣いてしまいました。でも、肝心なコトを話さないのは親に習わなくてイイと思うよ>スティーヴィ。

2010.9.15(Wed)_1

そろそろ公開が終わりそうな『インセプション』見てきました。かなり評判良いし、渡辺謙がどんな風に出てるんだかも気になったしで、久しぶりに映画館での鑑賞です。―――うん、面白かった。面白かったんだけど、疲れました。夢が多重構造になっていて、深く潜れば潜るほど時間を長く感じる(使える?)ようになっているから、後半で車が落ちる間にその下ではあれやって、そのまた下ではこれやって―――って辺りはすごく好きでした。

残念だったのは、せっかくの夢なのに世界が殺伐としすぎているトコ。殺伐というより、理路整然としすぎてるというか。物理法則をちょっと無視したくらいで不安定になるんじゃないよーと、長いストーリー性のある夢をみる人間としては思います。設計士だの偽造士だのが“頭で”作り上げてるから仕方ないのかなー。でも夢の中の景色があれじゃ、足りない。清水玲子の『秘密』の夢のシーンのほうが、もっとずっと受け入れられる景色でした。

殺伐としすぎてるといえば、意識を防御するためにすぐ銃を持ち出すのもツマラない。とにかく銃撃戦とカーチェイスが多すぎて、もういいよ……と言いたくなります。疲れたのは、そのせい。だから無重力空間で独り頑張るアーサーは良かったな。クールな頭脳派なのかと思いきや、やるじゃん!、て。「無重力でどうやって落とす……?」と呟く顔と、皆をぐるぐる巻きにしてエレベーターに運ぶ手際に、グッときました。

コブは―――ごめん、あまり結末に興味はないや。最後のコマ、バランス崩してたよね? ね? ね?と言いたくなるのは、ただただサイトーに無事に帰っていて欲しいからです。

2010.9.12(Sun)

年を重ねるに従って涙もろくなるとはよく言われるし、私も例外ではないのですが、もう1つ……怒りっぽくなりました。ちょっとしたコトですぐむきーっとなって、不機嫌になります。これはちっとも嬉しくない。普通さー、いろんな経験積んだら、もっとどっしり構えていられるようになるんじゃないの?

こないだポメラが壊れてしまったのだけれども、「壊れない文房具なんじゃなかったのか!」とむかむか、保証期限が切れているコトにむかむか、修理センターに送ったら見積出してくれるって話だったのに、送って10日経っても何の音沙汰もないコトにむかむか。そりゃ忙しいのかも知れないけど、時間がかかるならかかるで一言の断りがあってもよかろうとむかむか。

んで電話して進捗聞いたら「修理終わって今日発送です」とか言うわけですよ。はあ? 事前に見積出すって話はどうなったの? むきーっとなって「事前に見積出していただけると聞いていたんですけど!?」と思いっきり不機嫌な声で言ったのに、「あ、今回は無償で修理させていただきました」と答えが返ってきたその途端。ころっと態度が変わって「あ、そうなんですかー。ありがとうございますー」とか言ってる自分が、つくづく、つくっづくおばさんだなあと、電話切ってから後悔の嵐で沈みました。

そんな悲しい今日この頃。この週末は久しぶりのホントの休養日で、ごろごろしてぐだぐだして、家の用事もちょっとはして。昼過ぎに買い物に出かけたら近所の神社のお祭りで神輿が出ていて、通りが股引・鯉口シャツ・腹掛け・半纏姿の子供や兄ちゃん姉ちゃんおじさんおばさんでいっぱいで、笛や太鼓の音が聞こえてきて、天狗さまが腰掛けて休んでいたりして、ちょっと楽しい風景になってました。今住んでいる辺り、こうゆう行事が盛んみたいで嬉しいです。

2010.9.6(Mon)

病院通い生活、ひとまず終了。今日は久しぶりに会社からまっすぐウチに帰ってきました。ああ〜やっぱ楽だわあ。今回はどのくらい、続くかな。なるべくなるべく長く、続きますように。田舎でのんびり暮らせますように。元気になりますように。

2010.9.4(Sat)

すっかり月イチになってしまったダイビングのため、伊豆入り。今回は残念ながら仲間全員がNGだったのですが、もうそろそろ窒素を吸わないと体が限界です。この暑さなら、さぞかし海も気持ちいいでしょう。いつもの時間にいつもの駅に着くと、ガイドのTさんが迎えに来てくれていました。今日のゲストは他に、以前一度ご一緒したコトのある(たぶん)O林さん。彼も単独での参加です。

(土曜日なのに2人は寂しいなあ)と思ったけど、翌日の日曜は予約でもういっぱいだとかでビックリしました。いつもは土曜日のほうが混むのにね。今年は珍しく東がベタ凪続きなので、ポイントは久しぶりのI.O.P.をリクエストします。嬉しいけど、これも異常気象の一端なのかなあ。Sさんはお留守番なので、途中でお昼を買い込み、3人でI.O.P.に乗り込みました。混雑する休憩スペースの中に、空きテーブルを1つ見つけて場所を確保し、用意をします。

「1本目は1のに行って、こう回って……」と事前ブリーフィングがありましたが、セッティングポイントに行った途端、Tさんが「2の根に行きませんか?」と言ってきます。どうやらエントリー口に並ぶ列を見て、なるべく空いてる場所に行きたくなった模様です。私も混んでるのはイヤなので、もちろんOKしました。しかしショップは空いていても、I.O.P.は混んでいるんですねぇ?

さて海は―――とにかく温かいです。海面近くだと26℃もあるみたい。まるで南国ですね。天気もいいので海中にも陽光が降り注いでいますが、透明度はちょっと今イチ。10mってトコでしょうか。ま、この時期の海としては平均的な透明度なんだけど、今年は春濁りの時期に当たりすぎたからなあ〜。そして入ってみると、けっこうウネリがあります。海面近くではオヤビッチャが群れているのを眺めながら、水深を保って平行移動でさあ行きましょう。

透明度が10では“飛ぶような感覚”とまではいきませんでしたが、それなりに気持ちよく移動をして、2の根到着〜。で、根の上に着底しようとするといきなり、強い流れに気付きます。岩をしっかり掴まないと体を安定させられないくらい。あ〜やけに早く2の根に着いたと思ったら、この流れに乗ってたからか〜。落ち着かないので根の上のミナミゴンベを横目に、キンギョハナダイ、サクラダイ、スジハナダイの群を突っ切り、さっさと深場に移動です。深場は暗く、かなり水温が低く感じました。20℃以上はあるのにね。

2の根近くの深場にも、残念ながら他のグループがいます。ので、さっさとオクリダシの入江に戻ってきました。ここでトウシマコケギンポやミニサイズの可愛いイロケロを教えてもらって遊びます。ブチススキベラなんかのひらひら系も目につきましたが、自分もウネリで揺れてるし相手も波に合わせて行ったり来たりなんで、写真は無理でした。浅場に戻るとぬるいと感じるほどの水温なので寒さを感じるコトもなく1時間以上潜って、エキジット。2本目のセッティングを済ませて、お昼休憩に入ります。

I.O.P.

一番混み合う休憩ポイント

……が、さすがの異常気象。いつもはいくら天気が良くても風が気持ちよくて「やっぱ都内とは違うねえ」という感じなのに、この日は伊豆も暑かった。むわん、とする空気が動きません。一番賑やかなエリアにテーブルを取ってしまったコトもあり、なんだか落ち着かずにだらだらぐだぐだ休憩時間を過ごしました。2本目は砂地から1の根の先を巡り、混んでいそうなクエ穴はパスして、やっぱオクリダシの入江でいろいろ探すコトにします。さあ海へ!

I.O.P.

I.O.P.  右の奥辺りから海に入ります

混みあう人気ルートからちょっと外れて、ぐんぐん深度を下げ、砂地へ向かいます。しばらく前にこの砂地でメガネウオが出たそうな。ずっと見たくて見たくてたまらない魚なので、ゼヒ今日も出てきて欲しいもんです。まずはフタイロハナゴイとテンスモドキを見せてもらいましたが、どっちも近寄ろうとした途端に引っ込んでしまいました。くぅー、けちっ。

そしてダメ元でちょっとだけ、メガネウオを探します。普段は砂に埋もれているそうだから、よっぽど運が良くなきゃ遭遇できないんですよねー。今日ももちろん見つけられなかったけど、ま、思い続けていればいつかは逢えるでしょう。移動した1の根の先の深場では、オイランヨウジを見せてもらいます。これも岩の隙間の奥にいたので、ちらっと見るだけで精一杯。珍しいらしいんだけど、深場なんで長居はできないし、写真なんか撮れません。

その後もうちょい上がったトコロの岩の割れ目に、何かを見つけるTさん。「2種類、いるよー」と合図をされて覗いてみるも、奥の奥にハコフグの幼魚がいるのしか分かりませんでした。2つめが何かは分からなかったけど、そろそろDECOが出そうだったので、粘りません。O林さんに場所を譲って、私は少し深度を上げて待ちます。

Tさんに「ちゃんと2種類、見た?」と呼ばれましたが、DECO出る〜と合図をして断ります。これですんごいレアモノを見逃したんだったら悔しかったんですけど、後から聞いたらもう1匹はマツカサウオでした。マツカサよりハコフグのほうが私は嬉しいんで、良かった良かった。そっからぐんぐん深度を上げます。途中でノコギリヨウジを自力で見つけましたけど、これもちらっと見ただけでスルー。尾びれの団扇模様が好きなんですが、こっちはオイランと違って普通によくいますから。

帰る途中のカミソリウオのペアも、すごい人数に囲まれていて待ち時間が長そうだったので、パス。さっさとオクリダシの入江に帰って、最近山のようにいる(←大げさ)というヒメテグリを教えてもらって遊びます。地味だけど一人前に背鰭をたてててカワイイのぅ。私がチビ相手に写真を撮りまくっている傍らで、O林さんはマスクに侵入してきた水相手に戦っていました。どうやら何度マスククリアをしても、水が入ってきてしまうようです。

Tさんが一生懸命指導をしてましたが上手く行かず、エキジットも近いしもうイイや、と途中で諦められてしまっていました。O林さんはマスクの半分まで水が入ったまま、岩の隙間のフトスジイレズミハゼを見せてもらったトコロで、本日のダイブは終了〜。陸に戻ってからO林さんとTさんでマスクを調べていましたが、結局、ストラップの締めすぎが原因だったみたい。パニくる人じゃなくて、良かったなあ。

器材を片付けショップに戻り、今日ばかりはさっさとログ付けを済ませて、帰路につきます。途中駅でU、Yと合流。魚の美味しい店で飲んで、そこから移動したスタバで閉店時間まで、次の連休の打ち合わせ〜。久しぶりの4人での旅行です。た・の・し・み♪

宴宴

カサゴのお造りと秋野菜の天ぷら(蹂躙後)

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