2009.1.24(Sat)_2

≪つづき≫

ヤダ、と思ってしまうのはダメでしょうか。いや別に彼がどうこうと言うのではなく(感じのいい方でした)、歩くペースも何もわからない人に気を遣いながら歩くのはイヤだ……。瞬時にそう思ったのですが、ここでキッパリ断れないのが――いや「歩きませんか?」なら断れたと思うんですが、あまりに当然のように言われてしまったのでキッカケを逸して「あはは」と笑ってごまかそうとしたのが、やっぱり日本人なのでしょうか。

とりあえず聞かなかったコトにして写真を撮ったり水分を取ったり、この先は尾根を下っていくだけなので寒いだろうと上着を着込んだりします。雪はチラチラですが展望を覆い隠してしまうには十分らしく、近くの山さえよく見えません。展望……!と身悶えしたくなりますが、こんなコトもあるさと気を取り直して、ふと気付くと―――すっかり身支度を整えたおじさんが待っています。え……。

笹尾根笹尾根

左:ぽこんと出たのがたぶん大岳山。空はどんより
/右:この辺では雪が降ったり止んだり

というコトで、なんとなく一緒に歩くことになってしまいました。友達と一緒=楽しくて楽しい。単独=気楽で楽しい。他人と一緒=どうしよう……。ぽつぽつとお話をしながら西原峠に戻り笹尾根へ。しばらくは彼のペースを気にしながら歩いていたのですが、そのうちバカらしくなってきました。だってこれじゃ楽しくないんだもん。せっかく来たのにモヤモヤしたまま終わるのはイヤだったので、その後は気にしないコトにしました。自分のペースで歩いて、離れちゃったら離れちゃったで仕方ないや、と。

そう決めた後は、あんまり気になりませんでした。ポイントポイントの途中は黙々と歩いて、標識のあるところで私が一休みしてるときに彼が追いついてきてちょっと喋って、という感じで。もともと歩くペースが同じくらいだったのか、それとも彼のほうが私に合わせていたのか分かりませんけど、結局そんな感じで最後まで一緒に歩きました。向こうは「せっかく一緒に歩いているのにツマラナイ」と思ったかもしれませんが、すみません、私はこれが精一杯です。それでも思うように写真が撮れなかったり、休憩を入れられなかったりはしたんですよね。ただ、天気が変わった後も、彼がいるおかげで心細い思いはしなくて済みました。

笹尾根

落ち葉がふわふわで気持ちよく、晩秋みたい

おっと話が先走った。えーっと笹尾根に戻った辺りか。その頃の雪はチラついたり止んだりで、私はまだ回復の望みは捨てていませんでした。残雪がないので、場所に寄ってはまるで秋のように落ち葉を踏んで歩けます。途中のベンチで反対方向から来たカップルに出会いました。そこから南方向が開けているんですが、ちょっと遠くの山も見えるようになっていて、遠くに天使の梯子がかかっています。人間とは幸福な未来を信じるもの。そのうちあの光の筋がこっちにも……と甘い期待を抱きます。

笹尾根

結局これが、この日一番の展望だったかな

道はすんごく歩きやすくて楽でした。槇寄山が本日の最高到達地点なので、後は下るだけ。まぁときどきちょっとした小ピークはありますが、登り返しもキツくないです。道も標識もはっきりしていました。山と高原地図には茶色の薄い点線で記されてるルートにも、ちゃんと矢印が向かっていました。麓でおじいさんから教えられた近道もそのうちの1本だと思うんですが、こうゆう道はどうなんでしょうね? ちょっとチャレンジしてみたくなります。しかしてこの辺りの地名は面白いのがいっぱい。笛吹→うずしき。人里→へんぼり。最初、人里は一般名詞の「ひとざと」と勘違いして、「そりゃ下山すりゃ人里になるだろうけどさー」と思ってしまいました。

笹尾根笹尾根

左:“笹尾根”らしい?/右:変化のある尾根歩き

笹尾根笹尾根

笛吹峠

さてそんなこんな(どんな?)で地図には載っていない田和分岐等いくつかの分岐、これは地図に載っている笛吹峠と通り過ぎ、丸山の山頂にやってきました。ちょっと前から気付いていたんですが、雪、本気で降るつもりのようです。ここも展望のよい山だそうですけど、この日は何にも見えず。この頃には地面もうっすら白くなっていました。展望がいいだけあって山頂はもろに雪が吹きつけてきますので、お昼はどこか雪が遮られそうなところでと、休憩もそこそこに歩き始めます。

笹尾根笹尾根

丸山。おじさんに写真撮ってもらってます

んで、あんまいい場所もないまま、小棡峠(こゆずりとうげ)に到着です。もうどこでもあんまり変わらなそうだし、おなかもグーグー言い始めてるしで、太目の木の陰にシートを敷いてご飯にするコトにしました。が、私、ホントにこの日はこうゆう天気を予測していなかったのですよねー。悪くて曇だと思っていた。だから丸山の山頂辺りで景色を眺めながら温かい食事を作り、ゆっくりお昼休憩をするつもりだったのです。……雪が吹きつける中の調理はちょっと大変。

まぁでもワタワタしながらもキツネ蕎麦(シメジと長ネギたっぷり)を作り、おなかから温まるコトができました。でも雨だったら料理は無理だったかも……と思うと、予備として火を通さないでも食べられるお握りの一つも持ってくるべきだったのかもしれません。ふむ、次回は考えよう。コンビニ弁当だったおじさんはさっさと食べてしまって私を待っているので、食事をしたらすぐに出発です。いや「良かったら先に出発してください」とは言ったんですけどねー。なんだか悲しそうな目をされてしまったので……。

笹尾根

かなりしっかり雪景色

小棡峠の後は土俵岳、日原峠と通過して浅間峠から上川乗への下山路をくだります。この頃になるといつの間にやらすっかり雪景色。積もったのは2cm強でしたが、白く染まった世界はなかなかキレイでした。自慢の展望を得られなかったのは残念だけど、これもまた貴重な体験かも知れんわ〜とウキウキします。道がわからなくなったり危険を感じたりする程じゃありませんでしたしね。

笹尾根笹尾根

左:土俵岳/右:「日本山岳耐久レース25km地点」。
“ハセツネ”ですね? ここ、走るのか……

笹尾根

雪景色その2

笹尾根笹尾根

左:お地蔵さまも寒そうな…/右:難読地名たち

食後の再出発時に、メモってきたバスの時間を確認すると、ちゃんとCTどおりに歩ければ、予定していた1本前の14:48のバスに乗れそうでした。ですので、小棡峠からは意識してペースを落とさないようにします。浅間峠には立派な東屋がありました。ここからは樹林帯に入って風もなくなるので、東屋で雪を避けつつ、装備をちょっとだけ見直しました。そして下る下るがんばって下る。かなり歩きやすい道だったと思います。最後に車道歩きがちょっとだけあって、バス停に着いたのは14:41。いい時間じゃないですか。私たちより前に来てバスを待っていた人たちは「寒い、死んじゃう」を連発してました。

笹尾根

雪景色その3

笹尾根笹尾根

浅間峠には小さな祠と東屋が

笹尾根

浅間峠からの下山路。ガスがかかっていい雰囲気

暖かいバスに揺られ、武蔵五日市の駅に戻り、途中駅でおじさんとお別れをし、帰宅。思いがけない展開が2つ(雪と、予想外の道連れ)あったけれど、結果としてはなかなか楽しい初歩きになりました。翌日曜日は快晴で降ったばかりの雪がキラキラしてキレイだろうな〜という思いは、ぐっと心の奥底に押し込めて。……いいんだ、雪の中を歩くのだって、楽しかったもん……!

笹尾根笹尾根

左:上川乗バス停/右:バス停向かいの立派な民家。
下界も雪が降っていた

■数馬バス停(8:52)→西原峠(10:16)→槇寄山(10:22)→西原峠→田和峠→笛吹峠(11:29)→丸山(11:45)→小棡峠(12:05-12:40)→土俵岳(13:06)→日原峠(13:19)→浅間峠(13:57)→上川乗バス停(14:41)

2009.1.24(Sat)_1

今年初めての山歩き、奥多摩の笹尾根へ行ってきました。せっかくの冬なんだから展望が楽しめるところがイイな〜。んで久しぶりだからあんまりキツくないのがイイな〜。でもそれなりの距離は歩きたいな〜。んでちょこっと雪が期待できるとイイな〜(こないだ買ったアイゼン試したい!)。でも雪がありすぎるのも怖いな〜。てコトで、標高が1,000m前後で、富士山を見ながら尾根歩きができるという笹尾根が選ばれたワケです。

週の後半には崩れていた天気も土曜日には持ち直すという予報。天気図を見ると日曜なら間違いなく晴れそうだけど、土曜の天気は微妙なような気もしました。が、この天気図で「晴れときどき曇」の予報を出すってコトは、プロの気象予報士さんには何か考えがあるのでしょう。金曜日になると「山沿いでは雪がチラつくかも…」なんて予防線も張られましたが、天気は回復傾向なんだしできたら日曜は休みたいし、よし土曜にGO!だ。

久しぶりなので気合が入ったのか、寒さにも暗さにも負けず当日の朝は予定どおりに早起きできました。6時前の電車に乗って、乗り継ぎ乗り継ぎ(途中の立川駅のトイレがすんごくキレイにできあがっていてビックリ! 嬉しいなあ)、武蔵五日市駅に着いたのは7:34です。駅構内にある登山ポストに登山届を提出し、7:40の数馬行きのバスに乗ります。乗り継ぎいいのも嬉しいわ。乗客はほとんどが登山者でした。渓谷沿いの景色のいい道をバスは進み、途中途中で登山者を降ろし、終点の数馬に着いたのは8:40くらいだったかな? 最後まで残ったのは私以外に1人だけでした。

とはいえ、数馬の1つ手前の仲ノ平で数人が降りていましたから、笹尾根に行く人はもうちょっといそうです。仲ノ平のほうが登山口に近くはあるのですが、私はトイレに寄っておきたかったので数馬まで行きました。バスの運転手さんの「行ってらっしゃ〜い」の声に送られて歩き出したバス停にも簡易トイレがあります(汲取式、紙あり。汚くはない)が、少し下った駐車場にあるほうが立派です(泡で流す方式、紙あり)。

笹尾根笹尾根

左:数馬バス停の待合室/右:立派な方、駐車場のトイレ

仲ノ平バス停のすぐ近くでバス道路を離れ、しばし舗装道を歩きます。私が数馬でストレッチをしたりスパッツつけたりトイレに寄ったりしている間に他の人はさっさと歩いて行ってしまったので、しばらくは1人です。舗装道の先で工事をしているらしく、工事のおじさんに「今通れないからこっちから行って」と民家の私有地に入りそうな坂を示されました。ここ? ここでいいの? と登ってゆくと、民家の前にいたおじいさんから「ちょっと! ちょっとお客さん!」と声がかかります。

笹尾根笹尾根

左:この標識に従って(下の標識に「西原峠、槇寄山」)
/右:バス道路を離れて左の道へ。このときは晴れていた

笹尾根笹尾根

しばらく、集落の中を歩いていく

あっやっぱり入っちゃいけないところだったのかなごめんなさい! ととっさに思ったのですが、どうやらそうではないご様子。「どこに登るの?」と聞かれました。あ、ひょっとしてここからじゃ登山道に出られないのかな? 槇寄山に登って笹尾根を歩くつもりです、と答えると、おじいさんは山を指差して説明を始めました。「あれが槇寄山だから。で、そっちに見えているのが笹尾根。もし急ぐならこっちの道を行けば直接笹尾根に出られるから」。

えーっと。予定どおりのバスで来たし歩き始めたばかりだし、急ぐも何もないんですが。やっぱり槇寄山方面に行くつもりですと伝え、この道で登山道に出られますよね?と確認して、お礼を言って歩き始めると後ろからおじいさんがトドメを刺してくれました。「もう雪はすっかり消えたからね!」。―――そ、そうですか。ちょっと残念。雪解けで道がぬかるんでないといいけど……。

民家の裏を抜けてもうしばらく舗装道路を歩き、またもや私有地にしか思えない民家の脇の道を通ると、やっと山道らしくなってきました。足もとはちょっと緩んでいますが、ぬかるみってほどじゃありません。ここからはひたすら登る―――とは言っても、斜面はゆるやか。樹林帯で風がないので、次第に暖かくなってきます。上着を脱ぎ帽子を脱ぎ手袋を脱ぎ……。30分ごとに小休止を入れて水分補給をしながら、歩きます。

笹尾根笹尾根

左:雰囲気のある日本家屋もちらほらと/
右:「西原峠 2.1km」の標識が指しているその先は―――

笹尾根笹尾根

左:どう見ても私道にしか見えないけど、そこを入って
この家の裏を回ると/右:やっと山道らしくなってくる

笹尾根笹尾根

樹林帯を登る。暗い辺りと明るい辺り

笹尾根笹尾根

左:「国定忠治が遠見した木」って標識があったんだけど、この木?
ここで何したの?/右:左側は樹林帯、右側は雑木林

標高1,000m近くになると、やっと白いものがちらほら見えてきました。凍りついているような箇所はありませんけど、ときどき霜柱を踏み抜きます。霜柱が地面を押し上げているんですねー。けっこう足がずっぽり埋まるのでビックリします。久しぶりなのに急斜面じゃないからか調子よく歩け、ほぼCTどおりで西原峠に到着しました(私にとってはCTどおりはいいペースなのです)。ここから本日の最高峰、1,188mの槇寄山にちょっと寄り道します。

笹尾根笹尾根

うっすらと雪が残っていた

笹尾根笹尾根

左:西原峠/右:槇寄山山頂にて

ところで天気なのですが―――。武蔵五日市の駅に着いたときには、かなり重たそうな雲が空を覆っておりました。ほ〜らやっぱりすっきりとは晴れない! 予想していたのでOKです。数馬バス停から歩き始める頃には、雲の切れ間からときおり青空が見えていました。民家の裏を通る頃には日が差しはじめ、日焼け止めを塗りなおしたくらいです。が、西原峠に着いたとき、雪がチラチラ舞い始めました。一応そうゆう予報も出てたけど―――これ、すぐ止むよね。天気は回復傾向のハズだから!

笹尾根笹尾根

左:西原峠手前で。まだ稜線が見えている/
右:山頂から。展望が良いという南側…(-ω-;)ゞ

西原峠からちょっと登るとすぐに槇寄山山頂です。山頂には先行者のおじさんが1人いました。挨拶をして話してみると、同じバスで来たみたい。ああ仲ノ平で降りてさっさと歩き出した方のうちのお1人ですね? どこに行くのか聞かれたので、笹尾根を歩いて上川乗バス停に下りると答えると、彼はほがらかにこう言いきりました。「なんだ、同じだね! じゃあ一緒に歩こう!」。……えっ?

≪つづく≫

2009.1.17(Sat)

父方の祖母の七回忌があり、久しぶりに親族が集まりました。毎度思うけど、この親族、うるせぇ……。親族が、というより父の世代が、ですね。兄弟妹5人がみな声が大きくてよく喋る。あと共通点は食べ物に対する執着心が強いこと(これは私世代の一部にも受け継がれています)。お寺でお経あげてからお墓に移動したのですが、お墓についてまず、移動中に食べたお握りの話で盛り上がるのが、すごくウチの親族らしいです。

喪主の伯父さんの家に戻ってから夕食の時間までしばらくあったのですが、伯父さんが甕入りの焼酎を出してくれました。そしたら皆、呑むわ呑むわ。最近、父の体調があまり良くないと聞いていたので、父があまり呑み過ぎないように(←ホントですって)、父のグラスからはほとんど私が呑みました。食事に出てからも、ビール、ワイン、焼酎とちゃんぽんで呑み、皆と別れて家に辿りつく頃には、かなり本格的な千鳥足でしたよ私。あんなに呑んだの、久しぶりな気がするなー。

私はこの親族たちが、かなり好きです。

2009.1.13(Tue)_2

≪つづき≫

爪木崎では水仙まつりが開催中。駐車場は有料でしたが、入場は無料でした。ポスターに景色は写っていたものの、実際に水仙の群生を目にしたときは思わず「うわーすごーいっ」と叫んでしまいました。ここ、ホントに気持ちよかった〜。砂浜が白いからか海がすんごくキレイに見えます。寝姿山の上から「あの辺の海は特にキレイ」と眺めていたの、この辺りじゃないのかしら。そのエメラルドグリーンの海をバックに白と黄色の水仙が広がり、アロエの赤が彩りを添えます。

爪木崎

アロエの赤と

爪木崎

主役の水仙

爪木崎

伊豆とは思えない(笑)この海の色

爪木崎ちょっと視線をあげると、岬の先には灯台がありました。うわ〜うわ〜うわ〜。青い空をバックにした白い灯台って、なんでこう絵になるのでしょう。「灯台までは行こうよ」と、群生地の間を縫うように作られている遊歩道を歩き岬の先端を目指します。岬の先の海は深くなっているからか、いつもの伊豆の海らしい色をしていました。景色も水仙も堪能して、さすがにそろそろグーグー鳴り始めたおなかをかかえ、下田市街に戻りました。さあ金目鯛だ!

爪木崎爪木崎

左:こちらは見慣れた伊豆の海/右:灯台を振り返る。
左の山の上に灯台があるの、わかります?

前日晩に食べた炙り金目の美味さにすっかりヤラれてしまった私たち。下田の街といえば金目鯛らしく、あちらこちらのメニューの一番上に“金目鯛”の文字が踊っています。朝、観光案内所でもらったグルメマップを片手に、ついでになまこ壁の建物を見物しながら街を歩き、とある定食屋さんに行きました。時間は15時。昼には遅い時間ですが、営業時間内で暖簾もかかっていましたので、なんの心配もせず店に入ります。

下田の街下田の街

なまこ壁の建物。右の建物は中も見学できるそうです。
この日は残念ながら定休日でした。

―――誰も、出てきません。「すいませーん」。……。「すいませーん」。……。何度も何度も声をかけました。中に、人の気配はあります。Uは調理場の人と目も合ったらしいです。なのに、誰も出てきません。だんだんと腹がたってきた私たち。「他の店にしよう!」と扉を出ました。「営業してないなら出てきてそう言えばいいじゃん!」「つか、昼と夜とで営業時間わけろよ!」とぷりぷり怒りながら開いてる店を探します。時間が時間ですのでうろちょろと迷った挙げ句、結局今度は寿司屋に入りました。暖簾はかかっていましたが、引き戸を開けると照明は落としてあります。

しかし今度は人がいました。もう終わっちゃいましたか?と尋ねると、「いいよいいよー入って!」と電気を点けてくれます。町のお寿司屋さん、といった雰囲気の店でしたけど、ここはホントに感じのいい店でした。頼んだ地魚握り(もちろん金目鯛も入ってます)も美味しかった〜。おなか空き空きの私たちを哀れんでくれたのか、イカを1貫おまけしてくれ、さらに「デザート」と言ってみかんをぽん、と出してくれました。握りを出した後は、他にお客もいなくて暇だったのか、下田の観光案内もしてくれます。

お昼ご飯

私たちを救ってくれた、地魚握り

お昼ご飯お昼ご飯

おまけのイカ(塩味)とアラ汁

これですっかり機嫌を直した私たち。店を出て私の好きなペリーロードへ向かいました。短い区間なのですが、石畳の道の中央を小川が流れ、両岸には風情のある古い建物が残っていて、雰囲気がとってもいいのです。お店を冷やかして、古い蔵を改装したアクセサリーショップで見つけたトルコ石のリングを衝動買い。最初はもうちょうカワイイのに惹かれたのですけど、Uが薦めてくれたトルコ石のほうが指にしっくり馴染みました。魔除けの石ってのも、ちょっと嬉しいかも。

ペリーロード

ペリーロードペリーロード

ペリーロード

この雰囲気が、好きなのです。

ペリー上陸の碑まで足を伸ばしたところで、今日の散策は終了です。最後に寿司屋さんで教えてもらった足湯に寄り、駅に戻って帰路の長いドライブに。途中、昇りかけの月が不気味に赤くてぞぞっとしましたが、さすがに平日。いつも必ず渋滞する区間も順調に抜け、無事にUんちの近くまで戻ってきました。「意外にあっさり食べられるから」とUおススメの広島風お好み焼きの店に連れて行ってもらい(美味でオシャレなお店。デザートはシナモンをふりかけたりんごの鉄板焼きでした)、下田旅行の終了です。

ペリーの碑遊覧船

左:ペリーの碑/右:これは石廊崎へ行く観光船みたいです

下田の足湯夕食のデザート

左:寿司屋で教えてもらった足湯。ぬるめでした/右:夕食のデザート、りんごの鉄板焼き。飢えていて、広島焼きは撮り忘れ…

―――えーっと、風邪はどうなったんだかな。これだけ食べれば風邪も吹き飛んでしまった感じがします。

2009.1.13(Tue)_1

“外せない所用”ついでに遊ぼうと、Uの運転ではるばる下田入りしました。ちょっと風が強いけど天気も良くて行楽日和。まずは私が“所用”を済ませている間に、Uが駅の観光案内でいろいろと情報を仕入れておいてくれました。行きたいところをほとんどカバーするバスツアーもあったのだけれど「この時間でこれだけ回るってのは絶対弾丸ツアーだよね」と敬遠しておきます。急かされるの、ダメ。それに今回はSの車があるので、ちょっと遠目のところも自分たちで回れるのが嬉しいところです。

観光案内所ではロープウェイと下田港内を巡る遊覧船サスケハナ号がセットになったチケット(1,500円也)を購入しました。まず向かったロープウェイ乗場は駅の目の前。人数が集まったら出発なのか時間が決まっているのかわかりませんが、平日なのにけっこう観光客がいました。寝姿山山頂駅から遊歩道を歩きだせば、そこはもう春の雰囲気でした。寒桜や蝋梅があり、足元にはキレイに手入れをされた花々が咲いています。

寝姿山寝姿山

寝姿山寝姿山

キレイにお手入れされた“春”がお出迎え

寝姿展望台から一望できる海と島々に歓声をあげ、写真を撮りまくっていたときです。後ろから「あれが大島、あれが新島、三宅島―――神子元島も」という声が聞こえました。一応Uも私もダイバーの端くれです。一度は行ってみたい神子元島の名前に反応して振り返ると、上品そうな老婦人が立っておられました。たぶん案内板に書かれた島の名前を読み上げただけなんだろうなーと思っていると、老婦人は私たちを見てにっこり笑っていいました。「潜りたいわよね?」

寝姿山

海の色が、ひときわキレイに見えた辺り

寝姿山

これは大島だったかな?

ええっこの人、ダイバー? ビックリして「潜る人なんですか!?」(←もう少し言いようは無いのか…)と聞くと、またもや彼女はにっこり笑って「潜る人なのよー」と答えました。うわ、すごい! お話を伺うと、彼女はいつも下田のショップを利用して潜っているとのこと。行くのは雲見が多いけど、たまに神子元のツアーがあること、を話してくれました。彼女の年齢になるまで私が無事に潜っていられるとしたら―――。ふふ、いい趣味見つけたなあ。

寝姿山

下田港も一望。水面の文様が日本庭園の砂紋のよう

寝姿山

ほらね? これから乗るサスケハナ号も

寝姿山寝姿山

左:蝋梅/右:石割楠

山頂の愛染堂の裏手、五島記念碑からは下田の市街が一望できます。ここ、すごく風が強かったです。それまではぽかぽか陽気だったのに、一気に冷えてしまいそうで、写真だけ撮って早々に退散しました。少し戻ると嘘みたいに風もおさまります。ただし頭上の木々をごうごうと揺らす音はしていました。黒船見張所を通って山頂駅に戻り、またロープウェイに乗って下界に下ります。この山って歩いては登れないのかな? ともあれ、天気のよい日に登れてラッキーでした。

寝姿山

山頂で唐突に現れる愛染堂。ナゼ、ここに?

寝姿山寝姿山

左:黒船見張所の大砲。役に立たなさそう…/右:下田の街へ一気に下りる

さてお次は遊覧船。なんとなく乗場がすぐ近くにあるような気がして歩き始めたら、い、意外に遠いな……! しかも次の出港時間が迫っています。急ぎ足で歩いて最後は走って、船に乗り込んだときには2人ともぜぇぜぇ息を切らせていました。すぐに黒船サスケハナ号は出港。1階(というのか?)の甲板は燃料の匂いがするので、空気も眺めも良さそうな2階に移動しようと思ったら階段の前にロープが張っていあります。なんと、2階席に登るには追加料金が必要とのこと。セコっ! 意地でも1階で楽しんでやるー!

下田港クルーズ

さっき上から眺めていた場所を、今度は海から

客室内では周囲の案内ガイドが流れていましたが、甲板にいるとほとんど聞こえません。それでもこんないい天気なのに、曇ったガラス越しにしか景色を眺められないんじゃ船に乗ってる意味がない!と、ずーっと外にいました。カモメに餌をやっている人がいましたが、カモメとトンビがヒッチコックの『鳥』のように餌をめがけて飛んでくるので、ちょっと怖いくらい迫力でした。あ、匂いは船が走っている間はあんまり気になりませんでしたよ。前回の下田訪問時に散歩した犬走島の近くも通りました。

下田港クルーズ

下田港クルーズ

襲いくる(?)鳥たち。怖っ!

下田港クルーズ下田港クルーズ

左:海から見た寝姿山。寝姿に、見える?/右:サスケハナ号

1周20分というのはあっという間ですね。でもなかなか楽しかったです。乗るときには急いでいて気付かなかったのですが、遊覧船乗り場でみかんジュースを売っていました。その場で絞ってくれる生ジュースで、すんごく甘くて美味しかった〜。乗り場のすぐ近くが道の駅になっているので土産売場を冷やかして(下田バーガーってのが、すごく気になった…)、また駅に戻ります。この時点でもう12時は回っていたのですが、来る途中にファミレスで取った朝食がまだこなれていなかったので(時間が遅かったワケでも食べ過ぎたワケでもないのになぁ?)、先に爪木崎に向かうことにしました。今度はちゃんと車を使います。

≪つづく≫

2009.1.12(Mon)

UとYのダイビングが終わる頃を見計らって、午後になってから伊豆入りしました。午前中はずっと寝ていたおかげかやっと熱が下がって、「これなら潜れたかも……」と思いながら馴染みのショップまで来てみれば、伊豆ではこの季節しか出会えない40m級の透明度だったそうな。悔しさ倍増です。なんで私が潜らないときに限って! Uたちと一緒に潜っていたNご夫妻ともしばらくお喋りをしてゆっくりしてから、Uの車で伊東に出ました。

街をぷらぷら歩いて、狙いをつけたお店で夕食。風邪も重症ではなかったので、今回はちっとも食欲が落ちませんでした。つか、栄養つけなくちゃ!と思って、いつもより余分に食べていたかもしれません。伊東でご飯この日もお刺身や焼き魚やお刺身をたーっぷり食べて(写真はお通しの揚げ物)、伊東を満喫しました。2月のスキーの予定をたてたところで、Yが戦線離脱。1人で自宅に帰ってゆきます。私とUはダイビングショップに戻り、温泉につかってゆっくりしてから、就寝。この日は海側の部屋じゃなかったので、波の音が聞こえないのが残念でした。

伊東でご飯伊東でご飯

地魚のお刺身と焼き魚(カマスだったっけな?)

伊東でご飯伊東でご飯

温野菜サラダとお刺身その2

伊東でご飯伊東でご飯

ホタテとじゃが芋の土鍋蒸しとウナギ茶漬け
選んだお店は大正解だったなー。

2009.1.11(Sun)

ああ低鱈苦…。

正月休みが明けまして最初の休み、しかも三連休です。一年の計は元旦にあり―――って元旦ではないけど、要は最初が肝心ってコトでしょ?と、この連休は有意義に過ごすつもりでした。10日の土曜日はモロモロの溜まった仕事を片付けます。なんで年明け早々溜まってるのかと言うと、年末からの持ち越し(←もうダメじゃん!)、正月休みに発生したイロイロ&この時期やんなきゃいけないアレコレが重なったからです。そして11日はすっきりした気持ちで今年始めのTOEICを受けに行き、12日はダイビング。ああなんて有意義な連休なの?……となる、ハズでした。

でもですね〜。7日の水曜日辺りから、ヤバいな、とは思っていたのです。年明けの職場はまるで風邪のウィルスの培養シャーレ。「いや〜正月ずっとインフルエンザで寝てたよ〜」なんて人が複数いて、赤い顔をしてゴホゴホやってる人もゾンビのようにうろついています。止めて〜うつさないで〜と願ってはいたのですけれど、どうやら誰かからもらってしまったようだと思ったのは前述の通り水曜日。んでも鼻水と微熱なのでインフルエンザではありません。脳みその半分くらいが出てしまったのではないかと思うくらい鼻水を流しながら、それでも私はまだ諦めてませんでした。遊びの予定があるときは気合で治るハズ!

―――負けました。これが老化ってヤツでしょうか。それとも仕事が忙しくて、ヤバいと思った時点で休めなかったのが敗因でしょうか。夕方になると目が潤んで「ああ熱……」といった顔になる状態で残業を続け、土曜は寝込んで様子を見ていましたが、土曜の夜に諦めました。ショップと、一緒に行くはずだったSとYとにゴメンなさいの連絡をして、撃沈。日曜日も1日寝て過ごします。TOEIC? もちろんパスですよ!(ああ試験の費用がもったいない……)。でもね、正直、行かないで良かったかもと思っています。例によって例のごとく、ちっとも勉強しておりません。これじゃ結果も出るワケない。漫然とルーティンワークのように受けるのを一旦やめて、次回はちゃんと勉強してから受けようと思っています。

13日は伊豆半島の先端で外せない所用があるし、12日のダイビングは私が誘ってのものなので、応じてくれたUとYを放っておくワケにはいきませんし(や、さすがに私はダイビングはできませんけど)。どうぞ熱が下がりますように……と、夕方になると出てくる微熱を抱えながら、早めの眠りについたのでした。

2009.1.4(Sun)_2

2009年最初の日記は正月休みの記録から。12月26日(←あ…2009年じゃなかった…)は久しぶり(ひょっとして初めて?)会社の納会に。ん〜タダだから文句言う筋合いじゃないけど、さして面白いもんじゃないですわね。んで27日の土曜日は父と伊豆ヶ岳へ(これは別記録で)。んで28日は例年通り親戚行事で餅つき。今年は日曜日だったので、いつも参加できない年下の従兄弟の顔を見られて嬉しかったなあ。しかも嫁と子供連れ。年上の従兄弟たちには縁遠い連中ばかりなので(女の筆頭はこの私)、こうして一族は増えていくのね、と初めて実感。

餅つきにはここ何年か正月休みを一緒に過ごしているMapと、その姉のMiも参加。Miはやっぱり子連れ。従兄弟の子供と年が近いコトもあって、なんだかにこやかにやっていました。Miには久しぶりに会ったけれど、美人になっていて嬉しい限り。ええ、相変わらず可愛い女のコは大好きです。餅つき後はそのまま実家へ。去年に引き続き高速は私が運転を担当したけれど、餅でおなかがいっぱいになっているうえにぽかぽかの日差しで眠くてたまらなかった(運転中に眠くなれるなんて、私も成長したもんです)。

田舎の風景田舎の風景

田舎の風景田舎の風景

12月29日。近所をお散歩。雪が無いよぅ!

1日ゆっくりしての30日は、高校時代の友人、春日ちゃん・驚子ちゃん・ミスリルちゃんとデート(←勝手に仮名つけてゴメンよ。変更希望があったら受け付けます)。海の近くで美味しいカレーを食べた後は、最近Skypeを導入したという驚子ちゃんの家に移動して、今回の会合には不参加だった華ちゃんも交えてお喋りです。Skypeってスゴいね!? だって華ちゃん、信越地方にいるんだよ? なのに東北で集合している私らと、リアルタイムで喋れるなんてー! 映像も音声も、思っていたよりずっとクリアでビックリしました。

海辺の風景海辺の風景

お昼を食べた海辺の風景。この日もいい天気。

明けて正月はひたすらだらだらと過ごしましたよ。正月ってのはダラけるためにあるもんです。風邪っぴきがいたので(私も怪しかった…)お散歩も軽め。散歩コースに別荘を構えるS夫妻が今年は来ていなかったのは、ちょっと寂しかったです。最後の日になってやっとロングの散歩コースを歩けました。けど今年は本当に雪が少ないなあ。これも寂しいもんです。

田舎の風景田舎の風景

元旦のお散歩風景。つるつるに凍った橋と、春っぽい繭と。

田舎の風景田舎の風景

田舎の風景田舎の風景

1月3日のロングコースお散歩。なかなかいい林でしょ?

田舎の風景今年はカレンダーどおりの仕事始めなので(仕事始めが月曜ってイヤだなぁ)4日ぎりぎりまで田舎に粘ってました。帰宅してからは年末にビデオ録画しておいた全日本フィギュアを一気見。全日本はいつも見られない(国際大会の常連じゃない)選手が見られるのが楽しいですよね〜。武田奈也の顔は相変わらず好みだったけど、今回特にいいなーと思ったのは、鈴木明子と村上佳奈子。鈴木明子の雰囲気の作り方はスゴいです。特にタンゴ! あれ、エキシビションのプログラムにしておくのもったいない〜。村上佳奈子も可愛い。あの年頃のときの浅田真央より、演技力あるんじゃない? 今はすんごく魅力的な演技だと思ってる真央ちゃんだけど、最初の頃は演技力があるとは言えなかったもんねぇ。

男子のほうでは、やっぱり織田信成の復活でしょう。やっと大きな大会で見られるようになって嬉しいよぅ! 私はやっぱり彼の演技が、とても好きです。小塚崇彦は、グランプリのときの勢いはどうしちゃったの?ってくらい、精気がなかった……。まだ出来にムラがあるのかなぁ? でも滑れる人なので、これからは楽しみです。ただ男子の場合、そこに続く人があんまりいないのよねえ。女子は国際大会常連以外でも見応えある人が多かったのに。今はぱっとしない選手たちの中から、小塚崇彦のように大化けしてくれる人が現れてくれるのを期待してます。

こうゆう、だらだら休暇で英気を養って「よぅし、ドンと来い!」な気分になれるといいのになあ。私は体も心も弛みきって、日常に戻るのがツラくなるばかりです。

2009.1.4(Sun)_1

明けましておめでとうございます。物好きな皆さまは、今年もよろしくお願いします。m(__)m

正月休みは喰っちゃー寝、読み、飲み、な自堕落な日々でございました。ま、いつものコトでございます。その辺の記録はまた後で。と言いつつ、1月はたぶん残業三昧。更新が滞るのは目に見えているのではありますが、物好きな皆さまはその辺はご存知でございますよね。――と、新年早々甘えに入る。どうか今年も世間の水が私にとって甘くありますように。

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