2004.8.31

やー凄かった、台風16号。台風が通ったのは日本海側だというのに、関東であの風とは。中心部ではさぞかし………。

昨日は会社の飲み会で酔っぱらって帰ったので、早々に、23時ごろには就寝した。が、1時過ぎに、吼える風音と異様な水音で目が覚める。水音が気になって調べてみたら、なんと雨漏りでビックリ。引っ越してきてから初めてだ。5分ほどしたら、外では雨が相変わらず降っているのに雨漏りは止まった。2階の人が窓でも開けっぱなしにしてたのかしら……。水滴の始末をしていると「こ、怖かった…」と言いながら妹が帰宅。外では風と雨のピークだったらしいけど、私ゃ台所の暗がりで濡れそぼって立っているアンタの方がよっぽど怖かったよ。

気がつくと海に向かう道を歩いていた。舗装されていない道。誰かと一緒で、どうやら荒れ狂う海を見物に来たらしい。「堤防に出るのは危険だからやめよう」と、浜辺に建てられた、海を見下ろせる櫓に登ろうとする。そこに大波がきた。櫓を越えて道にまで波がかかり、櫓で砕けた波が水となって階段を落ちてくる。「こりゃムリだ帰ろう」。来た道を戻ろうとする。と、道の向こうからも大波が! ぎゃーっと引き返し、まだ水量の少ない反対側に走る。そこに襲いかかる波、波、波。必死になって逃げ惑う……夢を見た。

眠ったり起きたりを繰り返して朝を迎えたら、ニュースに夢以上に現実ばなれした映像が流れていた。住宅地に直接打ち寄せる波。窓の高さで波が砕ける。……映画みたいだけど、そこに実際に住んでいる人たちがいるんだよなあ……。なんか今年は「これ、日本?」って映像ばっかり見てる気がする。

2004.8.30

ダイビングログ(67本目〜)更新。67・68本目は海がキレイだったので、けっこう写真撮れました。次の日は打ってかわって海況悪し。途中で写真は諦めましたん。

今週末はダイビングの予定が入ってなくてよかったって空模様だったけど、もしも予約を入れていてショップのSさんが「潜れる」と言ったなら、出かけていったであろう己が怖い。でもあのう……来週末にもまた新しい台風が来そうなんですけど……。天気もよく波もない週末を望むのはムチャなんだろうか。なんかダイビングに行く度に台風話と絡めて日記書いてる気がするよ。

んで暇だった今週末は掃除。たまった封書を整理しデジカメの写真を処理し買い物リストのネット注文を済ませ……。日常の雑務(デジカメは違うか)ってなキリがありませんな。何とかぎりぎり掃除まで済ませてすっきりしたトコロで、友人宅で行われるホームエステに押しかけていく。1時間以上かかるフェイシャルで、日ごろお手入れしてない肌にたまの贅沢。でも夏中陽にさらしていたワリに、前回よりも肌の状態がイイと褒められたので良かった〜。前回怒られたから、以前よりも洗顔には時間をかけているもんね。おまけにペディキュアを塗ってもらったんだけど、見慣れないもんで未だに自分のつま先見るたびに「ぎゃっ血豆が!」とビックリします。色気もへったくれもありゃしない。

2004.8.28

飯嶋和一『雷電本紀』読了。すーーーごく面白かったです。もし私の感想を読んだだけで触手を伸ばす気になる奇特な方がいらっしゃったら、ぜひ。以下の反転表示にしてあるネタバレ部分は読まないようにお願いします。私も内容には全然触れていない激賞を読んで注文したんですが、それで良かったと思います。いや最初はゲッと思いましたよ? 図書館で辞書のような分厚い本を渡されたときは。んでパラパラとめくってみて(げ。時代物かー。んなモードじゃないんだよなー、今。しかも相撲?)とちょっぴりげんなりさえしたんですが、30頁も読まないうちにぐぐんと引き込まれてしまいました。“雷電”とタイトルにあるのを知っていながら相撲モノだと思わないくらいの相撲音痴なのに。

なんつうか、カッッッコいい男たちの物語です。惚れるよ。みんな高潔で。気は優しくて力持ち、弱きを助け、強きにも屈しない。こんな人間現実味がないかもしれませんが、現実がなに? 例えば浅田次郎の書く“男”ってダメなんですよ私。“男”を書こうとしているのは分かるだけど、でもどこか“自分に酔ってる”匂いを感じてしまって、白けてしまいます。でも他の男性作家さんでもそうゆう“男”を書く人は少なくありません。現実にもたくさんいますよ。分かりやすくいうと、政界の人たち。騒動があったときのニュースを見ると、自分に酔った人が次々に出てきます。本人は気持ちよく酔ってるんだろうし、たぶんそれを見る人もその人の“男ぶり”に酔うに違いない、と無意識のうちにも思いこんでるに違いありませんが、見てる方は冷静で「何やってんだこの人」と思うだけです。そんな現実よりも、私は理想のある絵空事の方を選びます。

(ネタバレ→)主役の雷電もすごくすごくすごくいいんですが、それを取り巻く人々も魅力的です。助五郎に麻吉っつぁん。千田川をはじめとする雷電王朝の相撲人たち。ときどき「えーっ、そこんとこの心情を書いてよう!」と思うところもあるのですが(仲間の一人が東方に回ってしまったときとか、雷電が負けて他の力士たちがムキになって闘ったトコロとか)、その辺は勝手に想像した方がいいのかなあ…。後半まではわりと淡々と、でもそれでも充分に面白く進み、そのまま終わるのかと思ったらのあの最後の事件が……。そっからは先が気になって気になって本を置けず、一気に読み終えてしまいました。一言言ってイイですか? ぼっっつぁーーーーん! もっとハッピーエンドな結末を予想してただけに涙が止まりませんでした。分かっててもただ呑み込まれるしかないのね…

普段は面白い本を読んでも「ああ面白かった! さあ次」と次の本を手に取れるのに、これを読み終わったときには気持ちが切り替えられなくて、意味もなく立ったり座ったり歩いたりしちゃってビックリでした。

2004.8.27

少し前に図書館で借りてきて読んだ青木るえかさんの『主婦は踊る』……の中の『主婦と情熱』の章がナゼだかふと気を抜いた拍子に蘇ってきて、「ああ私もガクガクブルブルと体が震えるほどの恋がしたい!」と悶えております。私もたいがい思いこみが激しいと思うけど、好きな人を主人公に小説書くくらいじゃないとムリかしら。さすがにそれはなぁ…。手元にないんで正確な引用はできませんが、「この場合の人目とは、自分が自分を見る目のコトである」 とか「色と欲の前にはライフスタイルなんざショボいもんだ」 という記述には、分かる分かるそうだよなあと頷いてしまいました。確としたライフスタイルの美学を持っている方もカッコいいと思いますが、色と欲が服着て歩いているような私にはムリな生き方よなー。

ところで全然知らなかったのだけど『笑の大学』が映画化されたそうですね。私は舞台で観ています。傑作でした。内容を考えキャストを考えると、やっぱり舞台には敵いそうもありません。だから、見るとしてもビデオになってから。

昨日久しぶりに新体操を見ました。日本の選手は村田由香里さん1人だそうだけど、日本人の体型ってホント欧米人に近づいてきてますね〜。彼女は膝から下の足の反り方がとてもキレイ。でも昨日見た中では、ウクライナのアンナ・ベッソノバ選手の演技が一番好きでした。彼女の演技にはストーリーがあります。そうゆう演技は断然色っぽいのです。

2004.8.26

映画『ディープ・ブルー』を見てきました。ああいう、生き物観察系の映像って大好きなんです。陸のものにしろ海のものにしろ。TVでやっているとついぼーっと見てしまいます。…という私の好みを踏まえて受け取っていただきたい映画の感想なんですが―――言ってイイ? 言ってイイ? 優越感に満ち満ちた台詞を発してイイ? あのですね。

映像なんかより、実際に潜る方が10倍も100倍も良かったわ! おほほほほほほっ!

やー、実際に潜る快楽を知っていると、キレイな映像見ても「あの中に入りてぇ!」 としか思わないもんですねー。あるいは「この中には絶対に入りたくない」 か。演出のせいもありますが、ナイトはまだまだ怖いなあ。あんなにサメがうようよしてるトコに潜ったりはしないと思うけど。イルカやマンタや鯨やマンボウやジンベエ様にはいつかどこかで遭遇してみたいですけど、シャチやハンマーヘッドシャーク、ホオジロザメなんかは怖い。伊豆にもハンマーヘッドの群れと遭遇しやすいポイントってのがあるんです。実際見ると迫力もので感動するらしいんですが、いやー、まだまだ私には……。

でも、潜らない人にとっても、この映画ってどうなんでしょ? 期待しすぎたのかもしれませんが、どうも焦点がボケてた気がします。海なら海だけに絞った方がよかったんじゃないかしら。陸の風景もそりゃ面白いんですけど、あっちもこっちもって欲張りすぎのような……。常にカメラは海の中にあるくらいで良かったと思います。BGMもうるさすぎ。ポイントだけで使ったらもっと効果的になったのに。ナレーションも、するなら詳しくする、しないなら一切しない、が良かったなー。映像だけで分かるコトを言われると、ウザったいです。最後の一言も唐突すぎるし……。お約束の台詞?

すんごい迫力モノの映像ももちろんあったんですけどね。子鯨のシーンとか白熊のシーンはせつなくなりました。狩るほうも命がけなのは分かっているけど、つい狩られる方に感情移入してしまいます。深海魚なんてもちろんナマじゃ見られないし、サンゴなんかはズームして見るとけっこう怖い。あと私の苦手な、前に歩くカニの群れが……! どっかの外国の海岸であの群れに遭遇したの思い出しちゃいました。気持ち悪かったなぁ!

しかしですね、今書いた感想のどのくらいが「自分が水の中にいない」という不満に影響されてるのかってのが、自分でもよく分からないのですよ。ノンダイバーの方から見るとどうですか? 感想を聞いてみたい。……というワケで、期待してます>シロツグさん。

2004.8.25

≪つづき≫

10時間の睡眠を貪り、窓からの日差しの眩しさに目覚める日曜日。この日もオリンピック番組を見たり、温泉に行ったりしてまーったり過ごす。オリンピックのときくらいしか見ないスポーツが多いから、「こうなったら点が入るんじゃない?」「ちょっと待て、コースの全体像を見せてよ」とルールを推測し合いながら見てるんだけど、それもまたお祭り気分で楽しいね。夜は雨になると言っていたので、いつもより早めに伊豆出発。

さすがシーズン(?)で、いつになく帰りの電車は混んでいた。空いているシートが見つからず、4人掛けの向かい合わせのシートに女性の2人組が座っていたので、「空いてますか?」と声をかけ、詰めて座らせてもらう。そして、先客たちが荷物を網棚にあげようとしたのを手伝ったのがキッカケで、思いがけずにその2人と話し込むコトになったのであった。

最初、向こうから「富士登山してきたの?」と聞かれた。……ナゼいきなり富士登山? 私らのどこをどう見れば富士登山に見えるのだ。そんなにアウトドアな外見してるのか?(確かに登ったコトはあるが)。だいたい熱海から乗り込んできてなんで富士登山なのだ。ワケがわからなかったが、私らは無難に答えた。「いえ、ちょっと海で遊んできただけなんです」。

と、向こうは「あらー、じゃあ私たちと一緒ね。私たちはねえ、ダイビングしてきたのよ」と言うではないか。ギョッとした。思わず本音も出る。「お、お元気ですねー」。笑われたので、慌てて言い添える。「だってタンクとか重たいじゃないですか。私らだってキツいのに…」。そう、このお二人連れはどう若く見ても60代後半、ひょっとすると70代のご婦人方だったのである。

実は私たちもダイビングしてきたんです、というトコロから自然に話が弾んだ。今まで行った国内・海外のポイントの話、海でひやっとした体験談、失敗談、感動体験。特に彼女らの失敗談は面白かった。やはり高齢でダイビングを始めたというコトで、周囲が気を使って、かなり手取り足取りのお姫様ダイブをしてきたようなのだ。「でもね、××しなくちゃいけないのが最近分かってきたのよ〜」という話を聞くとホントに初歩の初歩の技術だったりして、でもそれでも続けて少しずつ上手くなっていくんだなーと思うと、微笑ましい。

ダイビング歴もほぼ同じで、都内or神奈川から静岡に通っているというのも同じでは、盛り上がるなと言っても無理である。熱海から横浜まで1時間以上、ずーっと喋りっぱなし。「お話しできて楽しかったですー」と言って極めて友好的に別れる。しかしね。「もっと若い頃からやらなかったのが悔しくて。機会はあったのに」というのには(うふふー。今からやっててよかったー)と思えたからイイとして、若くて60代の人の口から出た「もうねー、この遊びを始めたら、他の遊びはできないわねー」という台詞を聞いたときには、一瞬目の前が暗くなりましたよ。

………ちょっと待て。あと30年も潜るのかよオレ………。

2004.8.24

≪つづき≫

夜中に肌寒さを覚えてふと目覚めてしまった。寝る前、風の吹き込んでくる方の窓をほんの少し開け、風が出てゆく反対側を全開にしておいたのだが、どうやら風向きが180度変わってしまったらしい。全開にしておいた東向きの窓から風がびゅーびゅー吹き込んできている。東風はあまり歓迎できないのに……。窓を閉め、予報どおりになってしまったな、と、心配しながらまた眠りにつく。次に起きると空の大半を雲が覆い、気温も前日からずいぶんと下がってしまっていた。風は相変わらず東からだが、でも一応潜れるようだ。今日の客は私たち3人とガイドのSさんの奥さん、奥さんのご友人のF夫妻の6人である。SさんTさんが3人ずつをガイドしてくれる。

土曜日潜ったのは、前回の伊豆ダイブと同じポイントである。前回が良かったのでつい期待が高まってしまうが、この日はあいにく東伊豆のダイビングには向かない東風。ちょっと荒めの波を乗り越え、潜降ポイントに向かう。ポイントについてすぐ、Sさんが率先して海に飛び込む。え? 今回はSさんグループとTさんグループが船の前後に分かれて座っていたので、Sさんが飛び込んでしまったら、舳先側に残っているのは私ら3人だけなんである。……え、Sさん……そりゃ信頼の証ですか? イチイチ面倒見なくても平気だって? 置いていかれた私らは一瞬顔を見合わせてしまった。

と、途方に暮れていても仕方ないので、お互いに装備のチェックをし合い、たぶんこの日潜った3人の中では一番余裕のある私が、「ゲージとオクト前に抱えて。マスク押さえて。海面クリア。いいよー!」と、他の2人に「GO!」の指示を出す。順々に2人が飛び込んで泳ぎだしたのを確認してから、私も自分で器材をチェックし、海面を確認して海に転がり込む。ひーん、1人でやるとちょっと不安だよぅ。この日参加してなかったKが、私らのダイビング仲間内じゃ一番海に強いのにー。K〜、カ〜ムバ〜ック!

この日の透明度は今三つ。おまけに残念ながら魚も少ない。こないだは群れががんがん出てきたのに、今日は大人しいもんである。相変わらずハナハゼは群れている。ネコザメも2匹見られた。あと楽しませてくれたのはクロダイの幼魚である。クロダイの幼魚は自分よりも大きな魚について泳ぐ習性があるそうで、アンカーロープで出会ってから1ダイブの間ずっと、SさんのBCDに潜りこんで泳いでくれたのだ。Sさんが浮上しても潜降しても止まっても進んでも一生懸命ついてくる5cmほどの幼魚が可愛くて、笑わせてもらった。アンカーロープに戻ったトコロで幼魚とはサヨナラ。上を見るとさらに海況が悪化していて、波立っているのが分かる。うひー、出たくないー。

海面が一番酔いやすい。私は“弱い”というほどでもないが、強くもない。友人らを優先させて船に戻らせたので、一番長く海面で待つコトになってしまい、「うーんヤバいかも」って状態になる。そこをグッと堪えて、船に戻ってすぐにスーツの喉元を緩めて、深呼吸を繰り返す。Tさんグループの妻Fさんは、ゲロゲロに酔ってしまって真っ白な顔になっている。結局、妻Fさんは1本目でリタイア。私も念のため、友人に酔い止めをもらって飲んでおく。10分くらいの船なら普通平気なんだけど、この日はちょっとキツかった。予報によると徐々に風がおさまってくるハズだったので、少し長めの休憩を取り、残り5人+ガイド2人で2本目に挑む。

波は、少し静かになっていた。しかし透明度は逆に悪くなっている。こりゃもう中性浮力の練習だと思おう。常にSさんと深度をあわせ、浮上と潜降も呼吸だけで調節するよう心がける。水さえ静かならかなりパーフェクトにできるようになってきた気がする。ふふ。1本目のダイブで友人の1人がDECOマークをだしてしまっていたので(彼女は人より深い場所を好む傾向があるので、ちょと危険)、2本目は中層を泳ぐ浅めのダイビング。しかし透明度がよけりゃイイけど、この日の透明度じゃ浮遊感があまり感じられない。ま、海が相手じゃ文句も言えない。「残念」で済ませるしかないや。

ダイブ終了後、元気になった妻Fさんも交えて遅めの食事に行く。以前一度会ったコトのあるFさん夫妻はとても面白い人で、妻Sさんと妻Fさんのやり取りは完璧ボケとツッコミになっていて、聞いているだけで面白い。SさんTさんも気心しれた客ばかりだったからか、いつもよりクダけて話していた。Sさんの厳しさはダイビングガイドとしてどうなのよ?とか、そんな話もSさんの耳を盗んでしてみたり。たしかに大声出されたら萎縮しちゃうお客さんもいるだろうなー。「波見て波!」とか怒鳴られて「はいっすみませんっ」とついていける、ある意味マゾな私たちはそこが気に入って通っているんだけど。

食後はショップの庭でのーんびりログ付けをして、解散。金曜夜から参加のいつも忙しい友人は帰路に、最初からいる私ともう1人はいつもの宿泊所に。オリンピックの前半ハイライトの番組を見ている途中で睡魔に襲われ、ふと気付くと友人も椅子の上で襲われて降伏していて、「ダメだ、もう今日は終わりにしようよ」と布団にもぐりこむ。3時間番組の最初の1時間しか覚えてないよちくしょう。窓から入ってくる風はもう秋の気配。

(今回のログはコチラコチラ。写真少々。)

≪さらにつづく≫

2004.8.23

さーて今週も“海へのいざない”日記なり。日本海を通過していった台風15号の影響か、ごうごうと吹きすさぶ風がうるさくて眠れず、睡眠時間3時間ほどで迎えた金曜日。会社に行くときには決して見せない寝起きのよさを発揮して起床。早朝の、人もまばらな電車に乗って西へと向かう。快晴なれど風強し。途中で友人と落ち合い、いつもの駅のいつもの場所で待っていたショップのTさんに拾われ、ショップを経由して、「今日は海洋公園は潜水注意が出てるので」と富戸へ。海洋公園は風が強くなるとすぐにクローズしてしまうポイントなのだ。富戸はどっちかというと初心者向けの楽なポイントで、こういう天気のときには安心感がある。

平日なので、客は私たち2人の他は一人参加のOさん(女性)だけ。これにガイドのSさんTさん2人がついてくれ、5人で一緒に潜る。私たちも富戸は約1年ぶりで、Oさんに到っては10数年ぶり、SさんTさんもしばらく潜っていないとのコトで、「久しぶりだー、どうなっているかな」と言いながらちゃっちゃか用意を済ませる。海は表面を見る限り、とっても穏やかだ。さて中はどうなってるかなーとエントリーして見るとあらビックリ。海が青く(伊豆は緑のときが多い)澄んでいて、透明度20mくらいありそうだ。潜降ポイントで潜ってみると、中はそれほど澄んでもいなかったが、それでも15mくらいはありそう(後でSさんに訂正された。強い光が差し込んでいたからの錯覚で、透明度はせいぜい10mだったそうな)。おまけに流れもうねりもなく静かなもんである。嬉しい。

「水が冷たい」と海から出てくるダイバーたちが口々に言っていたので、1本目は浅場を遊びながら移動し、折り返し地点で一気に深場に潜降。寒くならない程度に深場を楽しみ、また浅場に戻ってゆっくり戻ってくるコースとなった。浅場の深度はだいたい5m〜7mくらい。この日はどこを見ていいんだかってくらい魚影も濃く、視界は明るく、水は静かで、リラックスしたダイビングができた。散々遊んだあと、27m強まで深度を下げる。うーん? 水が冷たいっても、ガマンできないほどじゃないなあ。急勾配の地形に弱い我が友人が中性浮力を取り損ねて、でかいウツボをもろに踏んづけてしまう。幸いウツボはビックリして逃げていったが、後ろで見ていて(止められるような距離じゃなかった)ハラハラした。

深場から浅場に戻る途中、ダイコンSlow表示が出てしまい、慌てて浮上速度を緩める。地形に沿って浮上していたから、うっかりしていた。行きと同じように帰りも浅場で遊び、かなり長めの1時間を越えるダイブになった。が。海からあがってふと気付くと、両手がびりびり痺れていてぎょっとする。減圧症の症状の一つに「痺れ」があるのだ。ええっひょっとして減圧症? 手が痺れるなんて今までなかったし。でもまて。今日のダイブでなるか? あんなに浅場で長く遊んでいたのに。ああでも昨日の夜は3時間しか寝ていないんだった。それにさっきのSlow表示! ああ減圧症だったらどうしよう……!! でも減圧症だったら「両手」に同じ症状は出ないよね…?

体のどこかが痛いとすぐに大病を疑うチキンな私の頭の中はぐるぐるである。と、とりあえず様子を見よう。今まで読んだ減圧症経験者の話によると、症状は徐々に悪化するハズだ。休憩中に治るなかったらSさんに言わなきゃ。と、どきどきしながら弁当を食べていたら(←食うのかよ!)、30分が過ぎ体が温まった頃に手の痺れはなくなった。減圧症ではなく、ただ単に寒さのせいでかじかんでしまっていただけらしい。そんなに寒いとは思わなかったんだけどなー。でもとりあえず減圧症でなくてよかった、と心の底からホッとする。潜れなくなる病気が一番怖い。

2本目も1本目とほぼ同じ。ちょっと透明度は落ちてしまったが、浅場で長く遊び、途中で深場の砂地へ。1本目はあまり自覚しなかったが、2本目の砂地は寒かった。寒いなーと思いつつ、やっぱりガマンできないほどではなかったし、一番寒がりのSさんが帰ろうと言わないので、けっこう長く砂地で遊ぶ。後からSさんに聞いたら、「お客さんが寒いって言ってくれなきゃ帰れないよ!」と言っていた。相当ガマンしていたらしい。あはは、すみません。2本目は短く、40分程度のダイブにしようと言っていたのに、やっぱり50分以上潜ってしまった。浅場ってつい長居してしまうなー。

ダイビング終了後、土曜のダイブのために駆けつけてきた友人もう1人が加わり、この日はショップに泊まる。アテネの柔道最終日だったので、その結果だけ見て(金2つ!)、気持ちよく眠りにつく。海に面した部屋なので、窓からは波の音が聞こえてくる。まだ少し風も強そうだ。次の日はショップのすぐ前の海に潜る予定なのだ。明日の海はどんなかな…。

(今回のログはコチラコチラ。写真あり。)

≪つづく≫

2004.8.19

だーーっ、キライだ、Windows XP! 気を使ってやってくれるコトがことごとくツボから外れていてありがた迷惑にしかならない醜女のようだ。自分でカスタマイズさせてくれよう。なんで「こうもできるけど、どうする?」とも聞かないで勝手に気を利かせてくれるのよう。ウザったいったら!……たぶん実際に役立つコトもやってくれてるんだろうけど、それがちっともコチラに伝わってこない辺りもまた報われない日陰の身よのう。

昨日は父と飲んできた。私のごくごく軽症な水恐怖症はどこから来たのかっつーと、やっぱり父かららしい。そうだよなー。母は元・水泳部員で遠泳もできて、子供の頃に一緒に海に行くと1人で沖の方まで泳ぎにいっちゃったりしてたもの。んで、父の「足のつかない水場恐怖症」は祖母から伝わってきたらしい。ちっ、余計なモノを受け継がせてくれたもんだわ。

自然を甘く見るのも怖いけど、恐怖症ってパニックを招くから余計に危険だと思う。ワインを飲みながら、お互いの海でのパニック体験談を披露してどっちが死に近かったか競ってみたり。いや私のは客観的に見れば全然死には近くなかったんだけど(ダイビングの講習中でインストラクターがぴったりついていたんだから)、主観的には死にかけたんだっての。あんなとき、周囲に人がいるかいないかなんて認識してないっつの。

明日は海に潜るのに(から?)、気分はちょっと浮上中。

2004.8.17

うぬー。貧乏な身としては水曜のレディースデーに映画を観に行きたいのだけど、なんで水曜日を狙って予定が入るのだ。明日は暇だから『ディープ・ブルー』にしようか『シュレック2』にしようか『ハリポタ』にしようかと迷っていたら、今朝になって父から「明日行くから」のTELが入る。……いや、ホントは「週末行くから」の電話に「週末? いないよ!」と返した結果なのだが……。ぬぬー。どこかでレイトショーでも狙うかな。

特に何があったというワケではないのだが、何となくパッとしない日々。体温調節も上手くいっていない感じで、この頃妙に体が熱い。女子バレーも連敗しちゃうし、眠りは浅いし、天気は悪いし、こないだ友人と明け方まで語りあったコトを考えこんでしまうし。先週末ダレダレしすぎちゃったからかなー。今週末は2日連続ダイブだから、それで盛り返せるとイイな。とか思いつつ、お喋りでもして盛り上がろうと友人にTELをしたら、とても残念なニュースが飛び込んできて、ちょっと泣く。―――まあ、こんな日もあるさ。―――あるけど、ちょっとツライよね。

2004.8.16

ここ何年か毎月通っている店があるのだけど、そこに行くたびにそのとき読んでいる本の話になる。こないだ行ったとき読んでいたのは、川路明『江戸前にぎり こだわり日記―鮨職人の系譜―』。「鮨を食べ歩いてるじいちゃんの日記なんですよー。1日に2回も3回も鮨喰ってて、だんだんハマってく様子が面白いんです」と内容を説明したら、「○○様ってば、ホントに何でも読むんですねー、ぷぷっ」と笑われた。文字どおり「ぷぷっ」と。そういえば『江戸前にぎり〜』の後に読んだのは、冲方丁『マルドゥック・スクランブル』→ジム・シュッツ『なぜ、いじめっ子は殺されたのか?』→小林信也『恋するカツラ』→青木るえか『主婦は踊る』→ジョン・ディクスン・カー『喉切り隊長』だ。……手当たり次第、としか言えないね。我ながら。笑われても仕方ないか。

さてそんな無節操To-koが子供の頃から愛読している『赤毛のアン』シリーズを、ドロ沼劇場にUPしました。『ツバメ号』シリーズが私の冒険心をかき立てるとしたら、『赤毛のアン』シリーズは私の乙女心を刺激する。そしてこの両方の作品に共通する理念・倫理観ってのが、私はとても好きなのです。

2004.8.15

金曜日はどうしてもどうしてもどうしても会社に行きたくなくて、特に急ぎの仕事もなかったし、休んでしまった。そしてあの蒸し暑さの中、クーラーもない部屋で暑い暑いとボヤきながら爆睡。土曜日も。ちょいと体調を崩していたのかも。さすがに今日は起き出して、部屋と風呂と台所とトイレを念入りに掃除。週末のたびに出かけてばかりいて、それはとても楽しいのだけれど、部屋はどんどん汚れていって気になっていたので、やっとスッキリした。久しぶりに読書三昧もできたし、見たかったビデオも見られた。『人間風車』。

三上さんの新作を読んで以来、見たくて見たくて堪らなかったのだ。とは言っても、共通点は“口に虫が入ってくる”ってトコしかないんだけど。あ、あとホラーってトコロか。まあとにかく見たくって、でも2時間半もある舞台のビデオで、ながら見できるもんでもなし、なかなか時間が取れなかった。ぽっかり空いたこの週末、久しぶりに見るコトができたのだけど、ああやっぱ舞台のビデオって当日の臨場感の1/100も再現できないんだなーと改めて思った。舞台のビデオとしてはとても出来がイイのに。変な演出も入ってない、カットもされてない、客の目線にかなり忠実に舞台を追っている……のに、このビデオだけで当日のあの興奮を呼び覚ますのは難しい。

ほのぼの……というか、とぼけた雰囲気で楽しく始まったこの話が急展開するのは、開始後1時間半くらい経ってから。それまで人のいい童話作家を演じていた生瀬さんが、全てに裏切られ(たと思いこみ)絶望してキレる。あのとき、私は劇場の椅子の中で身を竦ませて怯えた。そしてその怒りを全て吸収してしまう阿部サダヲ演じるサム。彼が暗がりから現れるたび、悲鳴をあげたくなるくらいの恐怖を感じた。けど、ビデオじゃそれが分からないもんなー。やっぱ舞台の魅力は、ナマモノであるコトに尽きると思う。後でビデオで見りゃイイや、とか絶対にできない。実際観に行ったとしても、日ごとに出来が違うしね。気を惹かれる芝居には億劫がらず足を運ばなきゃダメだ。

2004.8.11

2本目も潜る場所は同じである。朝より少し波が出ているが、酔うほど長く乗っているワケではないので、問題なし。調子に乗ってまたウエイトを1kg減らし、2kgにしてみる。アンカーロープがあるから潜降にも問題なしだ。今度は潜降途中から中性浮力を取るように心がける。こうゆう余裕がいつも持てるとイイのだけれど。2本目で見たい、と言っていたのはネコザメである。今までは100%の確率で見られたそうなのだが、1本目には出会えなかったのだ。ここで会っとかないと、誰かの行いが悪いせいになってしまうではないか。

1本目と同じようにゆっくりまったりの時間を過ごす。水面の波は、水中までは届いていない。静かだ。Tさんがまたトビエイを見つけてくれた。1本目に見たのよりも大きい。トビエイを見てすぐに、Tさんが「驚かさないで」とスレートに書いて岩陰を指差した。岩を回り込むように静かに近づいてみると、ネコザメが腹ばいになって休んでいる。遠巻きにそっと眺め、満足して進行方向に戻ろうとすると、そっちにも一回り小さいネコザメが休んでいた。うひひ。上がり際にはイワシの大群にも出会う。1本目よりも全体的に透明度が落ちてはいたが、それでも十分楽しんでアンカーロープ沿いに浮上を開始。

5m付近でまた3分間の安全停止……をしようとしたのだが、ここで失敗。海面の波が更に高くなっていたせいなのか、それともロープに掴まった人間がプラス浮力気味だったせいか、一気に2mくらいまで吹き上げられてしまう。ヤバい! 慌ててもう1度潜降し、5mをキープしようと思うがロープが上下して上手くいかない。ロープに掴まる人数が多すぎたのも悪かったんだと思う。途中「ロープから離れた方が深度キープできるんじゃないかしら」とも考えたが、一応事前に「ロープに掴まって浮上」という指示が出ていたし、今イチ自信が持てずに手を離せなかった。後から考えれば、やはりロープを放すべきだったと思う。流れがあったワケではなく、ロープを放したからといって、遠くに持っていかれる心配はなかったのだから。

それでもなんとか3分間の安全停止を済ませ、水面まで浮上すると、波がかなり高くなっていた。「うひゃー、船にあがるのに手間取ったらこりゃ酔うわー」と思ったが、海水をしこたま飲んだりして慌てていたので、酔う暇はなかった。水面でシュノーケルを咥えて呼吸をしていたのだが、掴まっていたロープがぐっと下に引っ張られ、一瞬海に引きずりこまれてしまったのだ。ちょうど息を吸いかけていたときだったから、シュノーケルから海水が入ってきてちょっと焦った。結果的には漁師さんたちに助けられ、全員無事に船に乗り込む。最後が「うひゃあ」って感じだったけど、とても楽しいダイビングだった。2本終わってからダイバー定食を出してくれる店で昼食。ボリュームたっぷりの食事をペロリと平らげる。

(今回のログはコチラ。写真少々。)

その後はいつもどおりの楽しい伊豆滞在って感じだったのだけど、夜の2時頃、寝る直前にうっかりまじめな話を始めてしまって、布団に入ってからも話す話す4時まで話す。ダイビング後は疲れてすぐに沈没しちゃうのに、この日は異様に元気だったらしい。それでもさすがに眠くて眠くて、話しながら聞きながらすーっと何度か眠りかけてしまった。次の日は昼過ぎまで使い物にならず、「動くのが億劫だー」と言いながらも頑張って温泉にだけは行く。温泉でまた話し込んでしまい、2時間近くの長風呂。毎週のように会っているのに、私たち、何をこんなに話しているんだろう。夜、涼しくなりかけてから東京に戻る。なんだかココのトコ、これが日常になってる感がある。

2004.8.9

先週に引き続き、またもや行ってきました伊豆ダイブ。金曜夜に現地入りし、土曜は朝から馴染みのショップへ。「今日はボート行けますよ」というガイドTさんの言葉に歓声をあげる。海況さえよかったら、今年からオープンした新しいボートポイントに連れて行ってくれるというので、天気予報と睨めっこしながら楽しみにしていたのだ。「今はまだオープンしたてだから、荒れてません。ずっと今のままっていうのはどうしても無理なんだけど、でも今の手付かずの状態をなるべく長く残したいから、写真を撮るときにカメラごと突っ込んでいって脅かしたりしないように」と注意を受けながら用意をする。ウエイトは迷ったけれど3kg。潜降場所にはロープがあるというので。

漁港につくと、漁師さんたちが愛想よく迎えてくれた。「まだサービスに馴れてないから(不手際があるかも)」とショップオーナーのSさんが言っていたが、全然問題なし。ダイバーと漁業関係者の間では、あちこちで問題が持ち上がっているというが、上手く共存できる方法が見つけられるとイイな、と思う。そのためにはもちろんダイバーの側にも教育が必要で、DSやダイバーをターゲットにした商売をする民宿・漁業関係者なんかが、客寄せのために妙なサービスをしないで逆にマナーを徹底させるように導いてくれたら、と思う。「ウチだったら、他では行けない(=漁業関係者たちが許可していない)ポイントに潜れるよ」とか「ウチなら餌付けもできるよ」とかやるのはごく一部なのだろうけど、それでダイビングが全面禁止になったりしたら、他のダイバーも、そんなサービスした人たちだって困るのだ。

一般のファンダイバーである私が会うのは、ダイビングに協力的な漁師さんたちばかりだから、今までイヤな思いをしたコトは一度もない。どころか、皆さんとても優しくて、もともと漁師という職業についてる人に妙なプラスの思い入れがある私の中では、更に株が上がりまくりなのだ。この日私たちを乗せてくれた漁師のおじさんたちも、重たい器材を背負ってよろよろと漁船に乗り込もうとする私たちを、「俺の手にさわらせてあげるよー」と笑いながら助けてくれたりして、すごく感じがよかった。お金を払っているんだからもちろん商売でやってくれてるコトなんだけど、でもそのサービスの仕方が気持ちいいのだ。彼らのテリトリにいるのだから、頼りになるしね。

出港して10分も走ればもう潜降ポイントの真上である。波もなく静かな海面にシッティング・バックでエントリーして、ロープを軽く触りながら水中に沈む。水中に入ってすぐは視界が濁っていて「え? ハズレ?」と落胆しかけたが、アンカーの打ってある16mくらいまで下りると透明度もあがり、ムツの大群も出迎えてくれた。全員揃ったところで周囲を見回すと………うわあ! 手付かずのポイントってこんなにキレイなの!? 残念ながらこの日の透明度は10mくらいでちょっと濁っていたのだけど、それでもコーラルの鮮やかさがハッキリわかる。魚影もすごい。タカノハダイやイラなんてお馴染みの魚まで、くっきりはっきり見える気がする。

うひゃー、スゴイ。これでもうちょっとだけ透明度がよくてブルーが強くなったら、完璧南国だよー。イサキの群れ、スズメダイの群れが、いくつもいくつもいる。砂地ではブルーの長い尾が美しいハナハゼが、ゆらゆらとたゆたっている。個体を見られるだけでも嬉しいハナハゼを、一度にこんなに見たのは初めてだー。Tさんが大きく手を振って指差す方向を見てみると、おお、90%の確率で見られると言っていたトビエイが優雅に泳いでゆくではないか。嬉しい〜。温かく流れもなくストレスを全然感じない海だったので、中性浮力をキープするのも余裕だ。海底から2〜3m浮かび上がり、ときどき引っくり返って頭上を見ながら泳ぐ。濁りはあるものの、頭上の1点には海面が太陽の光を浴びてできる網目模様も見えている。

とにかくどこを見ても魚の姿がある。地形も面白いし、コーラルも美しい。こんな風では海底にへばりつくように泳ぐ気にはなれず、かといってワイドで風景を撮るには透明度が悪い。ので早々にカメラは諦め、目に入る景色をぼーっと楽しみながらの水中散歩モードに切り替える。……このモードが、私は一番好きなのかもしれない。海況がよくないと、このまったりモードには入れないのだけれども。35分くらいの散歩のあと、潜降に使ったロープを使って浮上。5mで3分間の安全停止。海上で待ち構えてくれていた漁師さんに手伝ってもらって船に乗り込み、漁港に帰る。ホント、ボートって楽だ。陽当たりのよい場所でゆったりと休憩をする。

(今回のログはコチラ。写真少々。)

≪つづく≫

2004.8.6

湯山玲子さんの『女ひとり寿司』読了。タイトルどおり「一人でお寿司を食べに行こう!」って企画モノで、しかも行くのは高級寿司屋ばかり。寿司の味の感想よりも、一人で行っても居心地よくいられるかとか、他はどんな客層だとか、職人さんはどんな感じなのかとか、雰囲気の方に比重を置いていて、そこが面白かった。美味しそうな寿司屋も多くて、ちょっとやってみたくなるくらい……だけど、私にはできそうにないなあ……。残念。

一人で行動するのは平気だ。一人で映画を見に行ったり、芝居を観に行ったりもする。食事も平気。カフェやファミレスはもちろん、吉野家やラーメン屋やチェーン系の居酒屋だったら全然気にならない。「恥ずかしい」とか「寂しい」って感覚はあまりないのだ(いやそりゃ常に一人だったら寂しいだろうけど)。私が一人で入れない理由はただ一つ、「間がもたない」である。だから文庫本片手にねばれるような場所や、かっこみ系の店なら平気なのだ。高級寿司やコース料理はキツイと思う。初対面の人とにこやかに打ち解けられる方じゃないから、職人さんと話すのに労力使って疲れてしまいそう。構えずふらっと行動できる人に憧れはするんだけどなー(つか、できないから憧れる)。

ところで常々疑問なんですが、「えーっ、一人で食事なんかできなーい」って方は、残業でヘトヘトでおなかペコペコで自力で何か作る気力もなく、「えーいイイや、今日は贅沢しちゃえ!」って日はどうしてるんですかね? コンビニ弁当じゃ侘しいだろうし、いちいち人を呼び出すの?

2004.8.5

『スパイダーマン2』を見てきました。噂に違わず面白かった! 彼が手から手へと運ばれる場面では思わずほろりときてしまいましたよあはは。

しかしなぜダンスト? 2を見る前に、見逃してしまった1のDVDを借りてきて見たんですが、そのときからこの疑問が消えません。『チアーズ!』のときみたいに、元気がウリのちょっと可愛い女のコってなら違和感ないんですが、皆に崇め奉られる女神となると無理がありすぎますよー。性格だってそんなにイイとは思えないから「女は顔じゃない」とも言えないし。(ネタバレ→)スパイダーマンの正体を知ってそれでも婚約者のもとに戻っていくのを見て「なんだよMJ! あんたはピーターが大事なコトを隠していていっかな打ち明けてくれないから踏み込めなくて疎外されたような気がしてて寂しくてツラかったんじゃないのかよ。隠し事の正体が分かったらOKなんじゃないの? 苦悩する孤高のヒーローにステディがいちゃマズいってコトか?」とムカつき、ラストの行動では「もう少し覚悟決めてから行動しろよ! ブサイクのくせに!とムチャなツッコミを入れてしまったくらいです。美人でもダメだっつーの。

このシリーズ、毎回ツボにはまるシーンがあります。1ではピーターがアマレスの大会に出るトコロ。一生懸命にコスチュームデザインをするピーターがまず可笑しかったんですが、実際に出来上がった衣装を見て、そのあまりのギャップに大笑いしました。そして今回はエレベーターのシーン。両方とも「そりゃそうだよねー」と妙に納得しちゃうトコロがツボです。次回は花形満くんが父の跡を継ぐのかなー。それにしてもピーター、普通あの高さから落ちたら駄洒落言ってる場合じゃないって

2004.8.4

うーんうーん。見たいような見たくないような町山智浩アメリカ日記)。この映画の元になったという実話、なんとなーく聞いた覚えもあるんだけどハッキリ思い出せない。1998年と言ったら、おりしもN.Z.でCカード取ってた頃だから、事件が起きたとき日本にいなくてテレビを見ていなかっただけか? それとも業界(の一部)で問題にされているように、ダイビング関係の事故は詳細が報道されないから?

さて続き。昼食休憩を取っている間中、太陽にじりじりと炙られる。普段はそう混むポイントではないそうなのだが、潜れるポイントが限られていたこの日はダイバーが施設に溢れていて、到着が遅かった私たちは屋内の席を取りはぐれてしまったのだ。日焼け止めの重ね塗りで対抗しようとしたが、水着のあとがハッキリついてしまった。くすん。1時間強の休憩をしてから、器材を背負って桟橋に向かう。だいぶ潮が満ちてきていて、桟橋と水面の高さはほぼ同じになっていた。今度はちゃんとレギュを咥えてエントリー。1本目で自信を喪失したので、ウエイトは1kg増やしている。おかげで自力潜降はできたけど、でも調子がいいときの2倍つけてるなんて、悔しすぎ。

2本目は更に透明度が落ちていた。ちょっと余所見をしているとガイドの姿を見失いそうになるほどだ。リベンジ、ジョーフィッシュ!というワケで1本目と同じポイントを辿るも、さっきより深場が暗く、体(つかウエイト)は重く、怖い。しかも流れが! ドリフトですかい?ってくらい流れている。流れと同じ方向に進む分には楽だが、戻ろうとすると進むのがエラク大変だ。なんとなく深みの方向に流れているから、キックを止めたら引き込まれそうで、ふと怖くなってしまった。足が攣りそう。でも必死で泳ぐ。泳ぐしかないのだ。おまけにジョーフィッシュは巣穴に引っ込んでしまっていて、ガッカリだ。浅瀬に戻ると、さっきの(?)イワシの大群がまた頭上を通過してくれた。うう、君たちが今回のダイビングの救いだよ…。水の中から水面を見るのが好きなので、ときどきひっくり返って泳いでみたり。

そういえば、こないだSさんに聞いた話。ベタ凪の海に潜って見上げると、水の中から空の雲が見えるそうだ。それはホントにホントに綺麗な光景だという。運がよければ、すーーーっと海鳥が視界を横切ったりもするらしい。私はまだ雲も見たコトがない。この日も水面は白く光っているだけだったし、運が良くても光の網目模様が見えるところまでだ。いや網目模様も大好きなんだけど。その更に上を見るには、波も、風もなく、文字通りにフラットな水面じゃなきゃダメだそうで、伊豆では滅多に見られないという。職業ダイバーでない私がその海に巡り合える確率がどのくらいだか知らないが、いつかはぜひ見てみたい。鳥まで望みはしないから。……嘘。どうせなら鳥も。

2本目はハシゴを掴むのも大変だった。私はハシゴより浜よりでフィンを脱いだのでそんなに苦労はしなかったけど、沖よりで脱いだ人たちはフィンを脱いだ途端に流されてしまっている。友人の1人は自力で戻れず、Tさんに救助されていた。攣りそうな足を騙し騙し戻ってきた私は、陸にあがってみると筋を違えたみたいになってしまっていた。うひー、もっとフィンキックを上手にできるようにならなきゃだ。4人グループの1人はこの日が初のファンダイブだったそうだけど、初めがこれじゃ可哀想だなぁ。でも全然メゲてる様子はなかったから、度胸をつけるのにはかえって良かったのかしら……?

(今回のログはコチラ。写真少々。)

その日は疲れ果てて早寝。次の日は悔しくなるくらいのいい天気だったので、近くのプールに泳ぎにゆく。最近ダイビングばっかりしてるので、水の中で息ができないのが不便で仕方ない……つか、泳げなくなってるよ私! 100m泳いだら息があがっている。やば。御蔵島に行ってイルカと泳ぐのが夢なのに! そのために素潜りができるようになりたいと思っているのに!(←ダイビングでもイルカと泳ぐのは可能なんだけど、ゴボゴボ音を立てるのがウルサイせいか、素潜りみたいにはイルカが遊んでくれないんだって)。しかし海の近くに行けばダイビングをしたくなるし……うーん。悩む。

プールで冷えたあとは温泉に入って、夕方になってから伊豆を離れる。電車の窓から見たまだ低い位置の月が、やけに赤くて気持ち悪かった。

2004.8.3

さて。台風10号が四国に上陸せんとしている土曜日、ジャンキーTo-koはまたまたダイビングに行ってきた。朝早くの電車に乗って伊豆に向かっている途中も、天気はめまぐるしく変わる。キツい日差しにセミの声がうるさいほどだったり、豪雨と言っていいくらいの土砂降りになったり。でも台風が遠いし気温も高いせいか、電車の中はダイビングバッグを持った人がぞろぞろいて、「今日は潜れるのかしら…」という不安はない。まあ馴染みガイドのSさんによると、よっぽどのコトがない限り伊豆のどっかでは潜れるそうだけど。

ショップの車で出迎えられたのは、私たち3人の他、4人グループと1人参加の男性2名。4人グループのうち2人は去年一緒に潜ったコトのある人たちで、威勢のいい彼女たちには好印象を抱いていたから、再会が嬉しい。向こうも私たちを覚えていて「あーっ」と指さし合ってしまった。ショップに着くと、そこにも1人参加の女性がいて、この日の客は全部で10人。ガイド2人で切り回しているショップにしては、珍しく混み合っている。つか、だんだん人気が出てきてるんでないかしら。リピーター率高そうだもの。再会した2人も、去年一緒に潜ったのが初の来店で、すっかり気に入って常連になっているみたいだし。Sさんの好みが好みだからあまり大規模なショップにはならないだろうけど、今のままの小ぢんまりしたショップでいて欲しいと思う。

「今日は潜れるポイントがホントに限られていて、その中でとにかく波がないってだけで選んだから、透明度は期待しないで」と連れていかれたのは、初めて行く“獅子浜”というポイント。西伊豆である。天気が良ければ富士山が大きく見えるらしいが、土曜日は残念ながらダメだった。でも「波がない」というのはホントで、海は凪いでいてとても静かに見える。器材をセッティングする場所のすぐ近くに壊れた桟橋があって(今はダイビングにしか使われていない浜のようだ)、そこからジャイアントストライドでエントリーするという。一応ハシゴもついているのだが、エキジットする人で混んでて使えない。しかしこの桟橋、1本目のエントリー時には海水面から1m以上高くなっていて、こんなに高い場所からジャイアントで入ったコトがなかったので、少しドキドキした。もともとジャイアントは高い場所から飛び込むためのエントリー方法で、『海猿』ではもっともっと高い場所から飛び込んでいたんだけどさ。

レギュを咥え忘れたままドボンと飛び込み、「あら? 何で私は息ができないのかしら?」と思いついた頃にはエントリーポイント到着(ほんの5mくらいしか離れていないのだ)。さあ潜降……と思ったら何と! 久しぶりに全然潜れない! 最近潜降の調子が良くウエイト3kgでは重いくらいになっていたので、2本目は2kgにしようと思っていたのに! こうゆう場合、焦って暴れるとよけいに潜れないと分かってはいても、バディが待っていると思うと焦ってしまう。何度か試したけど全然潜れなかったので、やむなくボンテンから海底に伸びたロープに掴まってムリヤリ潜降。くくくくくくやしい〜〜。

後から考えるに、潜れなかった原因は流れがあったせいだと思う。何人かは同じように潜降失敗していたし、潜降得意な人も「潜りにくかった」と言っていたし、海底についてからも浮き上がりそうになるのを堪えるので必死だった。普通だったら、4mも潜れば水圧かかって安定するハズなのだ。隣では我が友人のBCDのポケットに、ガイドのTさんが石を詰め込んでいる。彼女も最近潜降の調子がよかったので1kg減らしてみたら、この潜りにくい海にぶつかってしまったというワケだ。後でやっぱり「すっげー悔しい!」と歯噛みしていて笑った。いや私も悔しかったし気持ちは分かるのだが。

透明度は、悪かった。獅子浜は沖に向かって急角度で落ち込んでいる、井田のようなポイントなのだが、そこを降りていくのが怖い。下の方が真っ暗なのだ。体感傾斜は40度くらいで、ちょっと浮力の調整を間違えるとすーーっと吸い込まれてしまいそうである。サクラダイの群もいたのだが、明るい海で見るのとは大違いでぱっとしない。あんなにキレイな魚なのに。26m付近にジョーフィッシュがいると聞いてしばらく探したが、残念ながら見つからなかった。その深さだと長居して探すワケにもいかず、浮上して7〜8m付近でちょっと遊ぶ。その深さだとまだ海も明るい。Tさんんが指差す方向を見たら、頭上をイワシ系の魚の大群が延々と横切っていった。白く光ってキレイだ。深度が4〜5mになると、潮の流れを感じる。が、このときはまだそれほど強くなく、桟橋まで難なく戻って1本目終了。

(今回のログはコチラ。写真なし。)

≪つづく≫

2004.8.2

数日前に書いた心配事の詳細がやっと判明した。ある意味、私の妄想力も及ばないほどの一大事で、当事者は不安で落ち込んだりもしているようだけど、でも心配していた“破綻に向かって突き進むしかない事件”勃発ではなかったので、私としてはホッと一息である。不安も確かに大きいけど、上手くやれば得るものはもっと大きいに違いない。とにかく私は当事者が押し潰されてしまわないよう、できる限りのバックアップをするつもり。問題は、人に甘えるのが下手な彼女が私たちの助力を受け付けてくれるかだけで、そこを説得さえできれば未来は明るい、と信じている。

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