2004.6.30

伊豆日記続き。1本目終了後、たっぷり休憩。ハードなダイブだとぐったり疲れてしまうのだけど、今回は全然ツラくない。が、久々ダイブの友人は「疲れた〜」を連発していて、やっぱダイビングも慣れだなーと思う。2本目は砂地へ。透明度は1本目よりもあがっているが、水に入った瞬間に冷たくなっているのを感じる。今回は耳抜きも問題なし。ゴロタ石をぐんぐん降りて行く途中で、ワカメの森の下にタコが隠れているのを発見。「墨を吐いたりしないでよー」と思いながら逃げるタコにカメラを向け、こっちを睨んでいる写真を撮る。タコの目ってちょっと怖い。

友達が50本目だったので、砂地についてすぐに記念撮影。節目として私もやっておけば良かったなあ、と、ちょと後悔。ま、次があるや。砂地の生き物には地味なのが多いので、皆で散開して生き物探しにいそしむ。スジコウイカやコウベダルマガレイはお約束だけど、見つけると嬉しい。と、ここで50本目の友人が「エアの残りが少ない」の合図を出してくる。えー? 私はまだまだ余裕なのに。さては記念撮影で興奮しすぎたか? Sさんが慌てて皆を浅瀬に移動させる。浅瀬の方がエアの消費量が少なくて済むのだ。エアが少ない彼女がゴロタ石でできた壁をあがっていったので、その後に続こうとしたとき、私の視界の隅でぬぼーーーっと移動する影があった。そっちを向くと、巨大な魚が壁を降りてくるではないか。うわ、見て!

誰かに合図して教えようとするが、あいにく私の回りには人がいなかった。ナイフ(タンクを叩いて合図できる)かベルがあるとイイのに!と、初めて思う。とにかくその場で「見て!見て!」と大げさな身振りで魚を指差す。私の左手にいたSさんも自力で気付いて、「見て!」と合図を送ってきた。2人が一箇所を指して「見て見て」ポーズをしているので、この辺でやっと他の面子も魚に気付く。1人で深度をあげていた友人は、角度が違って見えづらかったらしく、30cmくらいの魚を指して「これ?」とやってきた。「違うよ!あっち!」。ああもどかしい。1m強のホウキハタ(後で教えてもらった)は、その後すぐにゴロタ石の間に姿を消してしまったが、それまでに全員がその姿を確認できた。ホウキハタは普段もっと深い場所にいるそうなので、見れてラッキー。

あとはしばらく浅瀬で遊びエキジット。浅い方が温かくて魚も多いけど、少し揺れるし浮き上がらないように気を遣う。エキジット後は器材を片付けシャワーを浴びてショップに帰る。風も温度も湿度もちょうどで気持ちが良かったので、庭のテーブルを囲んでゆっくりログ付け。Sさんのショップが好きな理由はいろいろあるが、このゆったり感もその一つだ。定番の魚もだいぶ覚えてきて楽しいしね。ログ付けが終わっても、そこに座ったまま30分以上だらだら話す。Sさんも私たちとの再会を喜んでいるみたいで、嬉しい。海外のダイビングスタイルの話とか、Sさんが参加したダイビングクルーズの話とか、ダイビングに対する心構えとか、魚の話とか。うふふ。

自覚症状はなかったんだけど、水の中に入るのはやはり疲れるみたいで、宿泊所に帰りついて夕食を済ませたら、揃って沈没してしまう。ちょっと休んでから片付けよう……と思ったのに、気付いたら24時近くになっているんだもの。それだけ休んだのに復活できず、気力を振り絞って片付けだけして就寝。窓から入ってくる風が気持ちいい。シアワセ。次の日は庭の手入れをして昼風呂入って…と、これまたまったり過ごす。楽しい時間はあっという間に過ぎてゆくね。でも次も次もあるから問題なし。夕方頃、蒸し暑い東京に戻ったところで、今回の伊豆日記は終了です。

2004.6.29

伊豆日記〜。金曜日に張り切って出発。心とは裏腹に、天気はざざ降り。途中の電車では「この先の電車が豪雨のため止まりました」というアナウンスがひっきりなしに流れ、次の日のダイビングが心配になる。梅雨中だし、雨は覚悟の上だけど、梅雨の雨ってもっと静かに降るもんじゃなかったっけ? 昼には現地に着き、山のような食料と酒を買いこみ、宿泊地へ。雨が時折激しく降るので散歩もできず、ゲームなどしてまったり過ごす。夕食前に遅れて1人合流して、ダイビング仲間4人が揃う。天気を気にしつつ、食ったり飲んだり喋ったり温泉を楽しんだり。空気が気持ちいい〜。

土曜日は6時起床。遊びのためなら早起きだって……苦、なんだけどね。耐える。雨は上がっているが、どんより。しかし前日の大雨を考えるとありがたいくらいだ。「降らなければイイねえ」と言いながら、ショップに向かう。なのに、ショップで他のお客さんを待っている間に、伊豆は海洋公園に向かっている間に、天気はどんどん好転する。海洋公園で器材のセッティングをする頃には、日差しが痛いくらいになっていた。風も西風で、海洋公園で潜るにはベストなコンディションだ。期待していなかっただけに嬉しいぞー! こんなコトがよくあるから、仲間の晴れ女信仰をつい信仰してしまうのよねー。

私を含む3人はあまり間を空けずに潜っているのだけど、仲間の1人は半年ぶりだった。器材のセッティングから何から全て忘れていて「ああ、忘れるもんなんだなー」と感心する…が、久しぶりにガイドをしてくれるSさんは「俺のショップに来て3年目に入るのに、器材のセッティングもできないなんて許さないぜ」と言わんばかりの態度である。最初の頃は、間違ったコトをやっていると「それは違うよ」と声をかけてきたのに、今回は彼女が間違っても腕組みをしたまま無言で見ているのだ。昔の話をして「あのときは厳しかったですよねー」と言うと「え? 俺そんなコトしたっけ?」とかトボけるけど、やっぱ体育会系だと思う。(そしてその扱われ方が心地いいと感じる私たち)。

仕方ないので、私たちが「違うよ、反対」だの「ゲージ見なくちゃダメだよ」だのと声をかけ、何とかセッティングを済ませる。……あ、そうだ。私たち4人と、100本以上潜ってる男のコ1人が一緒のグループだったのだけど、彼が私のセッティングを手伝ってくれたので、おかえしに「手伝いましょうか?」と声をかけてみた。すると「重器しょってる女の人に手伝ってもらおうなんて思いませんよ〜!」と返されて、「おお!」と思った。私はガタイのせいか性格のせいか女扱いされるコトがほとんどないので、たまにされると新鮮でビックリするのだ。でも、仲間うちでは重器背負ったまま手助けするなんてしょっちゅうなんだけどねー。筋肉もずいぶんついたよ!

さて。ロープに沿ってエントリーすると、海の状態は春にしちゃかなりイイ。澄んでいる。ウェットスーツスチールタンクの組み合わせは久しぶりだったので、ウエイトは去年より1kg多い3kgにしてみたが、これが正解。やっぱ1本目は少し緊張してるみたいで、2kgだと潜れなかったかも。おまけに耳抜きが上手くいかないー。つばを飲むだけで耳が抜ける人が羨ましくて仕方ないよ。耳さえ抜けたら、ダイビングはもっと楽になるのに。んでも何とか騙して宥めて、ダイビング開始。去年の初海洋公園は8月だったので、6月のこの海の様子を見るのは初めてだ。ワカメが多くてビックリする。2月にも同じ場所に潜っているのだけど、あのときはドライ講習でいっぱいっぱいで、全然周りを見る余裕がなかったのだ。……あ、2月じゃまだワカメはないか。

だから今回は、久しぶりの伊豆って感じがする。珍しくもないシラコダイやクロホシイシモチやキンチャクダイやキタマクラまで嬉しい。キタマクラはまだ赤ちゃんが多くって、ホントに可愛かった。途中からは耳も抜けるようになって、あまりストレスなく1本目終了。深いトコロに行くとちょっと寒いが、もうウェットでも全然問題なしだ。いよいよシーズンが始まった!って気がする。

続く。ログ更新してます。59本目60本目。写真もちょんびり。

2004.6.24

“積極的に有給取るぞ”を早速実行し、明日っから伊豆行きます。久しぶりに馴染みのDSのSさん・Tさんに会えるので浮かれてますよ。海に入れるならもう天気なんてどうでもイイってくらいの浮かれっぷり。どうせ濡れるんだし―――いや、どうでもイイってのは嘘。でも晴れてて潜れないより、雨が降っていても潜れる方がイイです。キタマクラやミギマキ(←必ず見られると言っていいほど、よくいる魚たち)でも、会えるのは嬉しい!

…という話とは全然関係なく、今年もいできた梅の始末の記録をば。去年より欲張って分捕ってきたので、今年は梅ジャム・梅酒・梅サワー・梅味噌・梅の蜂蜜漬けを、たーっぷり作れました。特に梅ジャムは「食べきれないよ!」ってくらい。ついでに田舎からもらった苺もジャムにしちゃったんで、しばらくはジャムに困りません。去年作ったのよりちょっと酸味がキツいのは、なった梅の違いかな? 砂糖の量は同じか多いくらいなんだから。あ、苺は蜂蜜だけで甘みをつけました。ホントはもっと若い苺を使った方がいいんだけど、ウチにきた時点でもうかなり熟してしまっていたのが残念。

梅でこんなの作ってみました後ろの2L瓶が梅酒。前列は左から、梅の蜂蜜漬け、梅サワー、苺ジャム、梅ジャム。苺ジャムはごろんと実が残ってるのを作りたかったのに、熟れててほとんど潰れてしまったよ。梅味噌の写真はナシ。外から見たらただの味噌の瓶詰めだから。

梅酒は、去年の反省をいかしてホワイトラムで。うっかりブランデーで漬けてしまった去年のは、好みの味には仕上がったんだけど、色がついていく様子がわからなくてツマラなかったの。梅サワー(リンゴ酢漬け)は、有里さんの日記にあったレシピに従い、冷凍した梅を使ってみました。しわしわにならないし味も良くなるんだって。梅酒にも応用できるのかな?と思ったけど、とりあえず今年は梅サワーの分だけ。梅味噌は、今年も一緒に梅もぎをしてくれた師匠に教えてもらったレシピ。味噌と梅と氷砂糖を重ねて漬け込み、冷蔵庫で保存。1ヶ月くらいで食べられるようになるそうです。ほんのり甘くて梅の香りのする味噌は、魚に塗って焼いたり生野菜につけて囓ったりすると美味しいんだって。手元に味噌が少なかったので、これはちょんびりしか作れなかった。美味しくできるようなら、来年は味噌をたっぷり用意しておかなくちゃ。

用意しておかなくちゃなのは、小さな瓶。今年は手ごろな空き容器が2つしかなかったから、瓶の使いまわしが大変だった。小さなのがいくつかあったら、ジャムとか小分けにして、友達にお裾分けできたのにー。蜂蜜漬けも保存容器に入れたかったんだけど、結局ピクルスの瓶に収まるハメになってしまった。蜂蜜につけるとあっと言う間に梅ってしぼむのね! 詰めたときは「“最初の1ヶ月は毎日底からかきまぜる”ってあるけど、できるかなー」と不安になるくらい梅が瓶にびっしりだったのに、次の日にはもうしわしわになっていたもの。ところで、この蜂蜜漬け、発酵してるような気がしてどうも心配。冷暗所に置いてないのがマズいのかしら。でもでも! ウチの中に冷暗所ってないんだもの!(夏は。) 冷蔵庫には背が高すぎて入らないしさー。

去年漬けた果実酒・薬草酒の結果も書いておきましょう。これまた何の関係もないけど、ついでなので。にんにく酒とローズマリー酒は◎。にんにく酒は金色のとろんとしたお酒になりました。口に入れるとにんにくの旨みがふわんと広がるの。でもにんにくの匂いもぶわんと広がるので、飲むタイミングが難しいかも。ローズマリー酒も、ほろ苦く甘いお酒になりました。これはホントに体によさそうだった。寝る前に小さなグラスで飲むと、ちょっぴり贅沢な気分になれました。セロリ酒は、飲むのが早すぎたかなー。一応「飲み頃」と本に書いてあった時期までは待ったんだけど、風味が十分とは言えなかったです。酒に負けてた。くこ酒は私の好みからすると甘過ぎ。色はキレイだったんだけどねぇ。写真がないのはお察しの通り、全部呑んでしまったからです。今空いてる瓶が2つあるので、今年は何を作ろうかと計画中。

2004.6.22

□どんな大型台風も関東付近までくれば大人しくなるコトが多いもんだから、ついのんきに構えてしまいがちだけど……すんごい台風だったのねー。荒れ狂う海に挑んでいくサーファーがTVに写っていて、呆れる。私も台風接近中の海に潜ったコトがあったけど、あのときとは海況が全然違う(私の潜った海は、台風の影響を受けていなかった)。サーフィンやったコトないし、サーファーにはサーファーの常識があるのかも知れんが、四国のあれは見るからにヤバい状況だと思うんだけどなあ。陸にサポートがいるワケじゃないんだよね? つか、なまじっかのサポートじゃあの波の中では無力でしょうに。

□vさんの日記で「面白そうだなー」と思って“読む本リスト”に入れていた『沈夫人の料理人』、妹がもう買っていたよ。ラッキー。料理の描写も美味しそうで面白いんだけど、奥様のイジメっぷり……というか、李三のイジメられっぷりがイイなあ。あんな反応見せられちゃ、誰だってイジメたくなりますよ(え? ならない? またまた嘘ばっか)! イヤな気持ちになるどころか、にやにや笑いながら読めるんだけど、でも李三の立場になるのはゴメン蒙る、絶対ヤだ。

2004.6.21

自分でも病気だと思う。もう何度も書いたけれども。ダイビングってのは、習慣性のある麻薬のようなスポーツ(?)に違いない。青空を見ればダイビング日和なのに、と悔しくなる。海を見れば「潜ったらどんな感じかな」と想像する。川を見てさえ「ここは果たして潜れるのか」と考える。こんな台風の最中であっても、「さすがにこの波じゃ潜れないなー。でもこれで潮が入れかわっていればイイけど」としか思えない。全てが、海に繋がっている。

先日、ちょっと用事があって去年の今頃の日記をチェックしていて、ついでに近い日付の日記を読んだら面白くて、つい何ヶ月分も読んでしまった――と言っても、ダイビング関係の話題だけを拾い読みしたんだけど。去年はずいぶん潜りに行って、最後の方では多少上達している感覚はあったものの、ゆーーっくり少しずつの前進だったから、1年でどれだけ上手くなったかって実感はなかった。うひゃー、重器買ったのって、たった1年前だっけ? うわ、潜降で今以上に苦労している! ぎゃー、Sさんが教官っぽい! そうそう、あの頃は毎回毎回課題を出されたりもしていたなあ。「自力で潜れるまで待ってる」とか言われてさ。おお、この頃になるとだいぶ余裕が出てきてるかな――なんて、思い出しているとキリがない。

たった1年でいろいろあったもんだなあ。そして1年で成長したもんだわあ。今年3月の沖縄ではベテラン扱いされたもんねー。うふふ。勢いに乗って更に昔に遡ると…あはは、自分でも笑っちゃうくらいのヘタレ&ビビりっぷり。ああ、日記つけてて良かった。今年も、読み返して楽しいコトをいっぱいやろう〜っと。それで1年後に今年の日記を読み返して「あの頃はこんなコトもできなかったのかー、うぷぷ」と思えるとイイなあ。それにしても、継続的にダイビングやり始めてからの記録って、全部このサイトでカバーできてるのね…。困ったなあ。ダイビング関係も独立させて、ダイビングサイト作りたくなってきちゃった…。だって、ダイビング仲間が欲しいんだもの!

これだけダイビングの魅力を語ってる(つもりな)のに、「To-koの日記を読んでダイビング始めました!」って人がいないのはナゼだ。(←単に読んでくれている人が少ないだけであろう)。まだ語りが足りないのか? 伝道師の如く、押し売りの如く、海の魔力を伝えたいと思っているのに。ダイビングオフなぞやれたら楽しそうだなぁと思っているのに。私、初めて潜ったとき、本気で「世界が広がった!」と思ったのよ? なのに潜ってみたい人は、いないのか?

2004.6.20

『カレンダー・ガールズ』観てきました。おばちゃんたちがヌードカレンダー作る→家族大反対→でも頑張って作る→売れてびっくりおめでとー! というだけの話かと思っていたら、実は売れてからの方が大変って展開でちょっとビックリ。後半は主にそっちの話で、それも悪くはなかったんだけど、正直、前半部分だけでも良かったな。前半部分は客席からクスクス笑いの漏れる、ときおりホロリと泣ける、いい感じでした。おばちゃんたちが可愛いしねー。

しっかしおばちゃんパワーに翻弄される男性陣は、可哀想なくらい。パブに集まったダンナたちが、「おいおい、ホントにやるのかよ」「いや途中で止めるだろ」「……止めねえよどうする!?」って感じで、笑っちゃった。おじちゃんの集団にはあのパワーはないもんね。うふふ。あ、でも息子さんは気の毒だったな。多感な年頃の内気な男のコにあれはキツかろう。あと裸のおばちゃん連中の中に、たった一人でいなくちゃいけなかったカメラマンも。混浴風呂でおばちゃんの集団と遭遇しちゃった男性の心境って、あんな感じ?

おばちゃんたちの台詞にも名台詞が多くて、良かった。これは女友達と観にいきたい映画ね。私は友達にフラれて一人で行ったので、終わったあとちょっと寂しかったです。一人でもOKな映画もあるんだけど、これは終わったあとにハグし合いたくなる。だから、あんなに女性客ばっかりだったのかなー? 男性連れはほとんどいませんでしたよ。

2004.6.18

≪続き。景気の悪い話でスミマセン。≫

「いやいやいや、そんなコトはないから! もう絶対絶対絶対!」 上司はすんごい勢いで否定します。……怪しい。「ホントですか?」「うん、僕、To-koさんは初めてだけど(彼は今年の4月から私の上司になりました)、できるんでビックリしたし!」 (…この人の前で感心されるようなコトをしでかした覚えはないんだけどなあ…?) 「僕はねー、いっそのこと社員にしたらどうかって言ったんだよ、派遣じゃマズいなら社員に、正社員はムリでも契約とかにしたらどうかって。でもそれも難しいらしくて」 (…この言い方はホントっぽいな。でもそれは私も二の足踏む提案ですぜ)。

全部を全部本気で受け取ってはいませんが、彼はどうやら「ちょっと」じゃなくて、「かなり」踏ん張ってくれたようです。とりあえず7月末とか9月末で契約を切られるコトはなさそうな感じ。でも現場の彼とその上の人たちとの間には、やっぱりかなりの温度差を感じるし、会議で私の時給が問題として取り上げられたってのも以前ちょっと触れた通りだし、来年度の契約は危ないかも知れません。まぁイイや。いつ契約を切られてもいいように、有給はあまり溜めないようにしなくっちゃ。下手に遠慮なんかしてたら、バカを見るだけですもん。せっせと海に行かなくっちゃ。

しかし今回またもや自分のキリギリスっぷりに呆れました。だって仕事探しにもう少し不安を持ってもイイと思うのですよ。職種によってはもう年齢制限に引っかかっちゃうし。若いコの方がありがたがられる職場は、決して少なくないし(だからいっそチームリーダーとか狙おうかと思ってた。経験は一応あるから)。それなのに、私が考えていたのは「仕事をやめたら次を見つけるまでの間に何をするか」ばっかりでした。全然不安がなかったワケじゃもちろんありませんが、「まあそっちは何とかなるだろー」とのんきなモンです。つか、1人だと実際に何とかなるもんなんです。今の年齢なら、まだ。

(最高なのは、次が決まってる状態で休めるコトだよなー。そしたら久しぶりに1人で海外行っちゃうかな。1週間とか10日とか。仕事でも辞めないと、そんなにまとめて休めないもんなー。でも次が決まってなくても、とりあえずどっかに行っちゃうってのもアリか。先に派遣会社数件に登録して、何月からって条件で探してもらって。それだと連絡がついた方がいいから、国内旅行かしら。田舎でのんびりするか、沖縄でダイビング三昧か。9月末で切られるとすると、沖縄あたり台風シーズンだから行き先としては向かないかしら。海に入れなかったらちょっと悲しいもんなあ……)。んなコトばっかり考えてました。切られるのが楽しみになってきたくらい。

いつかきっと、泣きを見るか、路頭に迷いそうな気もします。でも、他のキリギリスたちと暖めあって、ずっーと行けそうな気もするんです。行けそうな気がしちゃうトコロが、きっとキリギリスたる所以なんでしょうね。

2004.6.17

私は小心者っつーか計画好きっつーか、何かコトを起こす前には必ず頭の中で予行演習をするクセがあります。アドリブでぺらぺら喋れる能力を持ち合わせていないせいでもあり、あんまメチャクチャなコトを言って、後で恥ずかしい思いをしたくないせいでもあります。頭に血がのぼると「ばーかばーか」レベルの台詞しか吐けなく言えなくなるんですよ。だからケンカなどを仕掛ける前には、自分の言い分と相手の言い分(推測)を考え、頭の中でシミュレーションするワケです。「向こうは××と言ってくるかもしれないけど、でも私は○○なんだから同意できないし、それはムチャな意見じゃないよな…?」とか考えるワケです。我ながら可愛げがなくてキライな性分なんですが。

もちろん今回も、いろいろ考えてから打ち合わせに臨みました。私はもうてっきり契約の終了を(例えそれが今年度いっぱいという先の話であろうと)告げられるものだと思っていたので、詰めたいのは「いかに辞めるか」という話でした。一番気になっていたのは有給のコトです。たまたま1年分の有給が発生したばかりで、しかも珍しいコトに前年度分の有給を消化しきってきなかったので、私の有給は20日以上残っているのでした。次の仕事は、今の派遣会社で見つけてもらえるとは限りません。もし別の派遣会社が紹介する仕事をするなら、この有給は消滅してしまいます。それは余りにももったいない。もともと派遣にはたいした保障はないのだから、もらえるモノはがっちりもらっておかないと、というのは私の持論です。

「しかし20日以上って言ったら、1ヶ月分の勤務日になる。1ヶ月丸々休むってコトになるよな。7月末で辞めさせる気だったら、今から休まなきゃじゃん。そりゃさすがに無理だろうから、契約は8月までにしてもらえないかしら。んで実質7末までの勤務ってコトで、8月丸ごと休んでも派遣先には請求いかないんだから迷惑かかんないハズだし。んー、それとも2週間くらい休んで、ちょっと出て、最後また2週間くらい休む方が仕事の引継ぎには都合がいいかしらん? どっちにしろ、この有給は確保するぞー。6年も勤めたんだから、そのくらい融通きかせてもらったってイイはずだ! 困るとか言われたってガンバろう!」 そうゆう決意を抱いて、私は上司を呼び出しました。

めざましTVも「今日一番ラッキーなのは双子座のあなた。自信をもって進めば道は開ける」と言っていたので、心はすっかりファイティングモードです。「まず、今の状況を教えてもらえます?」だの、「そもそも何が問題だっていうんですか?」だのって辺りから話を始めました。答えを聞くと、まだ決定は下されていないようです。……困ったなあ。昨日の会議で決まると言っていたから、今日の話し合いにしたのに。「じゃあ、どうゆう方向で話が進んでいるんですか? どの辺に着地しそうです?」 あれだけ話し合いを重ねているんだから、流れもわかんないってコトはないでしょう。

上司は、彼が推すつもりの案を教えてくれました。それを見ると、私の担当している仕事で削られる分は、思ったより多くはないようです。……あれ? でも私は安心しませんでした。だって昨日は自分のやっている仕事の一覧を提出させられて、直属上司とそのまた上司がその一覧を見ながら、「この仕事はSさんができないか?」「これはホントにやらなきゃいけない業務なのか?」とやっているのを見ているのです。しかしひょっとすると、直属上司とその上の意見には相違があるのかも知れません。「これは、Iさんの意見ですよね? これって受け入れられそうなんですか?」 更に聞いてみましたが、「たぶん」という返答しか得られませんでした。仕方ないなー。

向こうが言わないなら、こっちから聞くしかありません。「ハッキリ言って欲しいんですけど、私の契約を切る方向で話が進んでいるんですか?」「…えっ?」 上司が言葉につまった――ような、気がしました。

≪続く。転職サイト見たり派遣会社の情報調べたり有給とれたら何するか考えたり沖縄もイイなーとか思ったり旅の予算を調べたりいや次の仕事も決まってないのに遊べないかじゃあ久しぶりにゆっくり実家に帰ろうかと計画したりするのに忙しくて日記終わらせられませんでした。ゴメンなさい。≫

2004.6.15

楽しめるうちに楽しまなくちゃ、なんて書いた次の日、この言葉が現実味を帯びてきましたよ。いや環境の話じゃなくて仕事の話なんですが。何度かここに「そろそろヤバいかも」とか「辞めたい」とか書きながら、なんとなく同会社に居座ってきた私ですが、今度こそホントにヤバいかも。なんせ社長が口挟んできたんですもん(けっこう大きな会社なんで、直接の接点はほとんどない)。私が今メインでやっている仕事を、「そんな責任の重い業務を派遣にやらすのは如何なものか」と言い出したらしいです。はあ?

実際の上司は「いやでも彼女にやってもらわないと…」と、ちょっとは踏ん張ってくれてますが、上司の上司・上級管理職らは、社長の意向に沿った方針をいかに打ち出すかって方向で一生懸命になっているので、たぶんその業務は私の手から取り上げられるコトになるでしょう。となると、じゃあ私の仕事はなくなるんじゃないの?ってコトになります。

日常的にサブでやってる業務はおまけみたいなもんだし(ホントは他の人がやらなくちゃいけない仕事なんだけど、時間がかかって面倒なので私がやっている)、も1つの仕事は忙しい時期と忙しくない時期の落差が大きく、忙しい時期だけ人を雇えば済むと言われればその通りなのです。まあちょっと特殊な業務なんで、社員にかかる負担はかーなり増えるでしょうけどね。いちいち教えなきゃいけないし。そっちの仕事が忙しいのが10月〜来年1月の下半期なので、それを私にやらせるつもりなら、私のこの会社での寿命は今年度いっぱい。そうでないなら7月ないし9月末まで、って感じでしょうか。

今の会社には6年もいて慣れきっちゃってるし、自分のペースで仕事ができるし、文句も言えるし、家から近いし……と、とにかくぬるい職場なので、この話を漏れ聞いたときはさすがに胃の底がすーっと冷え、「どうしよう。次の仕事見つかるかな。条件は絶対に悪くなるよな」と不安に駆られましたが、半日経ったら「イイか、辞めても」に変わってきました。「ヤバいかも」と思うたびに、不安から開き直りへという、この心の変化を体験してる気がします。同じトコロにずっと居たくないって気持ちが、どっか根っこにあるのかも。

私そっちのけで上司たちが首を突き合わせてヒソヒソやっているのがイヤーんな感じで、ハッキリ言うとかなり気分を害しているせいもあり。派遣の保障なんかあってなきが如しってのは分かってますけど、こないだまで仕事を回せるだけ回しておきながら、社長の一声でコロっと態度を変える彼らには愛想もつきるってもんです。ま、とりあえず、どういう方向に話が進んでるのかってのが具体的に分からなくちゃどうしようもないので、明日中に上司を捉まえて話を聞き、私の意向を伝えるつもり。だってこの話は全部“漏れ聞いた”ものなのよ。オープンに直接話してくれればイイのになあ。そうした方が断然話が早いのに。(言いにくいコトをお互いに伝えるために、派遣会社が間に入るってシステムはあるんですが、私はそのシステムに利点を見出したコトはありません。間に人が入れば、話は必ず歪むもんです)。

あー、でも次は見つかるかなー。仕事探すのなんて久しぶりだなー。条件はどのくらい悪くなるかしら。これからダイビングシーズン本番だから、秋が終わってからの方が嬉しいんだけどなー。

2004.6.14

私の生活の年中行事、2件をこなした週末。土曜日はミニチュアショーに行ってきた。友人が出展しているため、ここんとこ毎年行っているのだ。ドールハウスや、個々のミニチュアパーツをたっぷり1年分は拝める。楽しいし、うちいくつかは細部まで細か〜く見てしまうし、作った人の苦労談を聞くのも面白い(どうやって作ったのかを微に入り細に入って話してくれる作家さんが多い。さすがミニチュア好き)。が、1周するとグッタリ疲れてしまうのもまた事実である。ガサツな人間は細かな可愛らしいモノに取り囲まれると緊張してしまうのだ。4時間近く会場にいたんだから当然かもしれんが。

その後、ショーに一緒に行った友人2人と食事。16時を回った頃だったので、入った店では生ビールやワインが半額になるタイムサービスの真っ最中で、つい調子に乗って呑んで呑んで呑まれて呑んで。2時間半くらい呑んで食べて話していたら盛り上がってしまって、そのままカラオケに雪崩れ込む。ちょうどイイ具合にエンジンがかかっていたのか、3人ともいつも以上のテンションでハジケてしまい、「明日があるから2時間だけ」と言っていたのに、つい30分延長してしまう。つい、ですよ、つい。んでもまだまだ満足はできず、「早くオールやろうよ」と言いながら帰った。オールの話はしばらく前から出てるのだが、みんな忙しくてなかなか日程が合わないのだ。

1人とは駅で分かれ、私ともう1人はウチでまた呑みなおし喋り倒す。が、日曜の梅もぎのため、朝の5時半起きを予定していたので、1時前くらいにさくっと寝る。起きてみるとすごい雨だった。ばらばらという雨音を聞きながら、それでも雨天決行なので用意を進めていると、迎えにくるハズだった父から電話が入る。「雨がひどいから、出発遅らそう。8時に迎えにいくから」「……いいけどさ、起きてしまった私たちにどうしろと?」。ええ、寝なおしましたさ。7時半頃にまた起きて、コンビニ朝食。朝食はもともと途中のどっかで食べるハズだったし、父が田舎から野菜を持ってきてくれる予定だったので、冷蔵庫がすっからかんだったのだ。こないだ朝食を褒めてもらっておいてコンビニのお握りを食わせるなんて、“To-ko一生の不覚”である。ウチで食べると分かっていたら、何か用意しておいたのにー。

毎年梅をいただいているのは、父の同級生の家。寺。いっつも一番実をつけている木に実がほとんど生っていなくて、必要な分だけ取れるか心配になったが、他の木にガンバってるのがいて何とか最低量+α(30kgの米袋5つ分)はかき集められた。どんどん実が少なくなっているわ、枯れるハズのない木が枯れてしまうわで、そこんちのおばあさまは環境破壊を憂えている。「この家に嫁いできて六十何年になりますけど、こんなのは初めてです」だそうだ。寂しい話。いつまで梅もぎできるかな、と思いつつ、今年も3kgほどの梅を抱えて帰る。友人にも同じくらいの梅をお土産に。

さあ、梅酒と梅ジャムと……今年は何を作ろうか。いつまでもは続かないかもだけど、楽しめるうちは楽しまなくっちゃ。

2004.6.11

昨日の日記で1コ自慢し忘れた。どうも私は米を磨ぐのが上手いんじゃないかと自負しております。同じ米を使った場合、人が炊くより私が炊いた方が美味しい気がするんですよ。炊飯器で炊いてるんだから、違いが出る原因は磨ぎ方くらいしかないと思うんですよねー。友達の食が進むのも、ご飯の美味しさが原因じゃないかと。日本人としては嬉しい才能です。むふふー。

さて昨晩は、少し遅れの誕生日プレゼントとして、妹のおごりで近所の店で食事をしました。最近コースを食べる自信がなくなっているので、豆腐や湯葉中心の和食メニューから数品選び、あとはお酒を呑みつつと、結局ちょいと豪華な飲み会って感じになりました。店はまあまあだったのですが、ここのフロアを仕切っているおじさんが味のある人で、ふと思いついて「竹中直人が演技でやってるのを地でいってる感じ」と妹に耳打ちしたら、それが彼女のツボにハマったらしく、彼がテーブルにくるたびに「竹中直人きたよ竹中直人」と言っては笑いあってしまいました。歩き方も、角でキュッとターンしそうな感じなんですよ。『Shall We Dance?』で竹中直人がやっていたみたいに。人を楽しくさせるって、いいキャラだなあ。

話はころころ飛びますが、TONOさんの『黄色い海岸』を買いました。しんみりありホラーありギャグありエッセイ風作品ありの短編マンガ集。やっぱTONOさん好きだなあ。特に『ブンタ』がよかった。ラストページでほろんときました。あとエッセイ風作品の中の『私は知らない、ケモノの気持ち』と『本日の大妄想』が好き。『本日の〜』は「洗い物やりたくないなぁ」から妄想が始まって、妄想の結果洗い物を始めるまでの話(2P)ですが、ホントにこんな妄想してるとしたらスゴい。アライグマに洗い物やらせる辺りまでは思いついても、アカギレは絶対にムリです! 私もたいがい妄想たくましいけどTONOさんには適わんわー、妄想女王の名を返上して献上しなくっちゃ、と思いましたけど、自分がただの妄想女になるのはイヤなので(別のニュアンス感じるから)、TONOさんは妄想大女王ってコトにしておこうと思います。……いや、大妄想女王かしらん?…と、どうでもイイことを考えてしまう辺りが妄想女王。

2004.6.10

掲示板に、「『女たちのジハード』、私は違う読み方をしました」、という書き込みをいただく。ついこないだ、とあるマンガ家さんの描写に関して「受け取り方が違うね」というメールのやり取りを、別の人としたばかり。こういうのを話せるのって、なんか嬉しい。正直言って、そう言われたから別の読み方ができるってコトはあんまりないんだけど、でもいろんな目線が、受け止め方があるんだなーと再発見するのは面白くって好き。でも極端な曲解や誤読だとしか思えなかったら「あんたはちっとも分かってない!」と暴れだす辺り、まだまだ修行が足りません。

話は変わって、この前友達たちと話していたときのコト。何の流れか私の作る朝食の話になって、何回かウチに来て泊まった2人が泊まったコトのない人に「To-koんちで出してくれる朝食って豪華で量が多いんだよ」と説明しているのを聞きながら、(そりゃーリキ入れてるもん。たいてい逆に歓待される側だし、人が泊まるって滅多にないし)と思っていたのだが、そのうち出てきた「あたし、普段はそんなに朝食べないんだけどさー、To-koの家だと食べちゃうんだよね」という、特に変わったトコのない台詞にピクッと反応してしまった。「そうだよね。ウチだとよく野菜食べるよね」と念を押し、「うん。だって美味しいもん」と返ってきた答えに、心の中で(よっしゃあ!)とコブシを握る。顔もにまにま笑ってしまう。なぜなら、私はこれを言った彼女に野菜を食べさせるコトを狙って朝食を作っていたからだ。ふっふっふ。大成功。

彼女はかなりの偏食で野菜ギライなんである。が、今までさんざん一緒に食事をして観察してきた結果、私は彼女の偏食は「食わず嫌い」か「思い込み」なんじゃないかと疑っているんである。ところで、すりつぶしたり他のもので味をゴマかして、キライなものを食べさせるってやり方は、私はあまり好きじゃない。「うわあ、セロリの味がしない!」なんてのは邪道である。味を感じないくらいなら食わなきゃイイのだ。ま、子供相手なら仕方ない場合もあるかもしれないが、成人した人間相手にそこまでして苦手なモノを食わそうとは思わない。それくらいなら私が美味しくいただいた方がいい。でも、その美味しさを知らないだけなら。美味しく食べられる料理法を知らないだけなら。「あっ、これなら食べられる。美味しい!」と言ってもらえるのは、大いなる喜びである。「勝った!」という気分になる。何に対してというワケではないが。

んなコトがあって思いがけなく満足感を味わい、今度は何を食わしてやろうかと企んでいる私ではあるんだが、ちーっとも満足できないのはおべんと日記の写真である。なんでこんなに下手なのー。つか、どうしてお弁当サイトやってる皆さんって、そんなにキレイな写真を撮れるのーっ? 今日の弁当なんか赤白黄緑茶がほどよく配置されて、(うむ、私ってば天才かも)と思える会心の出来だったのに、写真に撮ると全然ダメだもんなー。ちっ、悔しいぜ。負けた。これも何に対してというワケではないけどさ。

2004.6.7

(2004.6.8ちょと加筆修正)

篠田節子の『女たちのジハード』を読了。保険会社で働く20〜30代の女5人が、それぞれに迷ったり悩んだり失敗したりしながら、自分の居場所orやりたいコトを見つけるまでの物語……なんだけど、すっっっっっごーーーーーく、ツマりませんでした。私は一度手をつけた本を途中で止めるってほとんどないですが、ちょうど半分くらい読んだ時点であんまりにもツマンナイことばっかり書いてあるので、止めようかどうしようかかなり悩みました。「ひょっとしてラストは面白いのかも」って期待でつい読んじゃったけどね! 失敗したよ!

個性がある風に書いてあるけど、この5人、結局は一緒って気がする。「ここは自分のいる場所じゃない。私はもっとできるコトがあるハズ。やりたいコトが見つけられるハズ」とばかり思っていて、男の中に探すのはまず逃げ道で、だから男に対する態度が計算高くて、お互いに対して陰湿。言えよ! 最後にはみんな何かを見つけるんだけど、「よかったねぇ」と祝福する気には欠片もなれませんでした。寛大になっても「ふーん、よかったんじゃなーい?」と鼻クソほじりながら言ってあげられる程度かしら。読み終わってから氷室冴子さんの『いっぱしの女』を読んじゃいましたよ。口直しに。

女のイヤな部分を思いっきり書いていても、それが不快感を与えない作家さんもいます。それは作者が基本的に女を愛しているからだと思う。「いろいろイヤな部分があるけれど、でも可愛げだってあるんだよ。どうしようもない女もいっぱいいるけれど、でももそうじゃない女もいるんだよ」と、最後の最後で優しい。「でも」の後の部分が強い描き方をなさる。私だって「ああ女のこうゆう部分がイヤ」と思うコトもあるけれど、「女のこうゆう部分が好き」って方が強い。自分が女でよかったと思うし、いい女友達に恵まれてシアワセだと思う。けどもし『女たちのジハード』にでてくる女が、女というものの本質なんだったら、私は女でいたくないと思うね。

つかさ。これ読んで共感できる女性っているの? 賞に疎い私は後書きで初めて知ったけど、直木賞の受賞作なのね? 後書きで田辺聖子さんが褒めてらしたけど、本気? 私はレディースコミック読むのとおんなじくらい恥ずかしかったんだけど。「女のイヤな部分ってこうだなー。でもこんなにネガティブな部分だけ書き出さなくても」って意味で拒否感を持ったり怒ったりしたワケじゃなくて、「どこにいるんだ、こんな女」と呆れた。これ読んで、たとえフィクショナルな存在としてでも、この登場人物たちに心を寄り添わせられる女って、いるの? どこに? それが不思議。ホントにマジで。

でもなー。作者が女性なのを考えると、きっと彼女にとってはこの女たちがリアルなのでしょう。ホントに不思議だけど、「女のこうゆう弱さが可愛い」とさえ思っているのかも。だってタイトルに「ジハード」とつけているんだものね。うーん。「話が通じない」として避けてきた人たちの中に、こうゆうタイプの女たちがいるのかしら。そうでもなきゃ、30数年生きてきて私の周囲にこの手の考え方する人がいない説明がつかないわ。まぁ向こうから見れば私は「情のない、冷たい人」なんだろうけど。知ったこっちゃないや(←ほーら、冷たい)。本への感想もほぼ同じで「知ったこっちゃないや」。ちっとも感情を動かされません。だから腹が立つような本よりもツマラなかった。

2004.6.6

昨日、友達を誘って森公美子さんのコンサートに行ってきた。もともと森クミが好きだし、以前コンサートに行った知人が「オペラありミュージカルありポップスありでスゴく楽しかった」と言っていたので、以前から狙っていたのである。蒲田駅近くのホールに集まった客は、おやじダンサーズのときより更に年齢層高め。えーっ? ミュージカル好きの女のコが来てるかと思ったのに。でも森さん本人が言っているように、彼女は主役張ってるワケじゃないからなぁ。彼女目当てってのは、相当シブいのかしらん。

でもね、コンサート自体はとっても面白かった! どっちかってーとミュージカル寄りだったのだけど、メジャーなトコロを押さえてきたので、ほとんどが知ってる曲。それをマジメに歌ったり替え歌で歌ったり。生で聞くとホントにスゴい声で、マイクいらないんじゃないかって思っちゃった。途中、セリーヌ・ディオンの『My heart will go on』を歌ったんだけど、彼女が歌うとめっちゃ迫力で、この人ならたとえ乗ってた船が沈んでも、自力で目的地まで泳いでいけるんじゃないかと思わせる力があった。話も面白いし、演技力はある。表情も豊か。客をウマーくノセて湧かせてたよ。もちろん私もノリました。

森クミが泣いちゃうハプニングも。なんかちょっと大変なコトが身近であるらしく、しかも歌ってたのが『コーラスライン』の『愛した日々に悔いはない』で、ああそりゃ感極まっちゃうよなーといったトコロ。彼女は謝ってから「皆さんにもイロイロあると思いますが、私にもイロイロあって…」と言ったんだけど、それを聞いて不意にじーんときてしまった。シンミリさせちゃいけないと思ったらしく、森クミが笑わせてくるからすぐに笑い声が会場に満ちてたけどね。

森クミの言葉を聞いた瞬間私の脳裏に浮かんだのは、「生きてる限り誰だってイロイロあって、でもそれでも笑っている人が私は好きだなあ」という強い愛情のようなモノ(特定の誰に対してと言うワケではないんだけど)で、それでじーんときてしまったのです。勝手にね。「自殺するか笑い飛ばすかしかない状況に追い込まれりゃ、タマ無しでもない限り、誰だって笑い飛ばす方を選ぶわよ」と言ったのは、伸たまきの『青また青』のヒロインの姉さんだったと記憶しているけど、まあ、そんな風な人に対してね。

コンサート見に行って、ますます森クミ好きになったよ。彼女は笑い方が素晴らしい。聞いた人が思わずつられて笑っちゃうような、ステキな笑い方をする。イロイロあっても、その笑い声で乗り切っていってくれるとイイなー、と他人ゴトながらかなり真剣にそう思っちゃって、自分でもちょと笑った。

2004.6.3

いくつになればこの日が憂鬱な日になるのかしら、と思いながらはや幾年。なにかで年齢を書くときに「えーっと、今私はいくつなんだっけ?」としばらくマジで考えてしまう記憶力のなさが救いなのかもしれません。それともひょっとしてボケはじめているのか。まあイイや。とにかく、せっかくの誕生日なのだからなにか楽しい話題でも、と思ったんですが、結局今日も残業で文章を書く暇がないー。こばやしさんではないけれど、「わたくしのくせに忙しい(この言い方すごく好き)」です。心を亡くすぞまったく。何も書かないのもツマんないので書いてはみたけど、あらら、余裕がなくていけませんわね。ま、この歳も楽しく生きていこうと思います、と決意表明だけしておきましょう。ハッピーバースデートゥミー。ついでに2日違いで同じ誕生日になりそこねた友人のお嬢さんにも(ついででゴメン)。あなたに会えるのを楽しみにしているよ。

2004.6.1

今度こそ! 行ってきました、土曜日葉山。7時に目覚ましをセットしたハズなのに、なぜか起きたのは7:30。超ダッシュで朝食を取り、担当ガイド・Kさんの迎えの車に乗ってショップへ。予報を裏切って、真夏のようなキツい日差しの上天気だったが、風がごうごうと吹いているのがちと心配。ドライスーツを着るのは2度目で、1度目のときはぐったり疲れ果ててしまったので、不安も少しある。今回がドライ初挑戦の友達もいたので「ドライは大変だよー」と脅かして、自分の不安を軽減しようと図る私&もう1人。ドライスーツを半分着込んで、葉山のポイントへ。おお、白波が立っている。

葉山に潜るのは初めてだったが、今回の連れの友人2人は何回か潜っているので、「葉山はタンク背負って歩かなきゃいけない距離が長くて疲れる。しかも足元が岩でゴロゴロしてるから、すんごい大変だよ」とは聞いていた。覚悟もしていたつもりだった。しかしドライのときは、いつもよりも余計にウエイトをつけるってのを、考慮に入れるのは忘れていた。スチールタンクだってのに、ウエイトはなんと6kg!(通常は2kg) タンクを背負ったフル装備でしかも腰に6kgをぶら下げて、岩場を歩くのは苦行である。しかしまだまだ甘かった。岩場はまだマシだったんである。さらに海に入っても歩かなきゃいけなかったんである。膝くらいまで海に浸かって、岩を足で探りながら歩くのは……苦行の上はなんと言えばいいんだろう?……とにかくえらく大変だったのである。

ところで、ノン・ダイバーからされる質問は同じようなものが多い。「どこで潜るの?」「どのくらい深く潜るの?」「どのくらい長く?」「いくらくらいかかる?」。どれも、一言では答えがたい質問である。条件によって答えが変わってくるからだ。が、だいたいの答えを出すコトはできる。「この場合はこうで、あの場合はああで」と時間をかければ、ある程度正確な答えを返すコトもできる。しかし、時間をかけても上手く答えられない質問も存在する。それは「海の中で何するの?」「何のために潜るの?」である。これを聞かれると、私は答えに窮してしまうのだ。(あっさり答えられるダイバーもいると思います)。

土曜日の葉山の条件はあまり良くなかった。波がある。海の中にはウネリがある。春の濁りが入って透明度は5mくらいしかない。ワカメの森をかきわけて泳ぐと、砂地には地味な魚がひっそりと隠れている。そんな海に潜りながら、私はぼんやり考えていた。「なんで潜るんだろうなー。写真も撮るけど、写真を撮るためじゃないし(この日は期待してなかったので、そもそカメラを持ってこなかったし)、魚に会えるのは嬉しいし大物見たら大感激だけど、じゃあ魚がいなけりゃ楽しくないかと言えばそうでもないし、海の中から海面を見上げるのも好きだけど、今日ぐらいの透明度じゃ海面なんか見えないし、浮遊感を楽しむほどの地形でもないし……。でも、こんな条件が悪くても、なーんか楽しいんだよなあ。どうしてだろ……」。

ダイビングは大変である。金はかかるし、体力は必要だし、怖い思いもするし、腰に負担がかかる。土曜に潜って火曜の今日まで腰の痛みは続いている。しかしそれでも止められないのが、ダイビングなんである。ナゼかなんて自分でもよく分かってないんだから、人に説明しようがないのである。私に言えるのは「やってみて。そしたら分かるかもよ」ってだけだ。(しかし私のダイビング経験談を聞いた素人は、「自分にはムリだなー」と、ほとんどビビる。そんなにネガティブなコトばっか言ってるだろうか。本人はとても楽しんでいるんだが。話に愛が足りんかしらん?)。

まあ、そんなワケで、条件のよろしくない(初ドライの友人は波酔いして1本目でリタイアしてしまった)海で、でも「やってよかった」のダイビングは終了した。苦手意識のあったドライスーツにも慣れてきて、Kさんにもおだててもらって、「いけるかも」って気になれた。6月後半に予定している次のダイブでは、もうウェットでいけるだろうけど。「今年中に100本いけるかなー」などととんでもないコトを言い出す友人たちと、この先の予定をたてつつニマニマしてしまうダイビングジャンキー・To-koなのであった。今年もやるぜ!

今回のログはコチラコチラ。写真ナシ。

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