2015.10.24(Sun)

Yと一緒に、私の「心のミュージカル」を観てきました。心のミュージカルなのに、観るのは十数年ぶり。十数年ぶりだけど内容はしっかり覚えていて、やっぱり「心のミュージカル」でした。以下、内容を知らない方にはちんぷんかんぷんです。

こんなに間が空いてしまったのは―――松たか子のアルドンザを見たくなかったから……。いや別に松たか子が嫌いなワケじゃないんですよ? 彼女の演技力や歌唱力に文句があるワケでもございません。彼女がアントニアを演っている分には、全然オッケーだった。でもさー私が最初に見たアルドンザは上月晃だよ? 次は鳳蘭だよ? 映画じゃソフィア・ローレンだよ? ―――松たか子じゃ、ないだろう! 演技じゃどうにもカバーできないキャラクターってもんがあると思うんですよ。彼女じゃ若すぎるし可愛すぎる。ラマ追いの男たちとのシーンが、彼女だと痛々しすぎて違うものになってしまう。

さて松たか子が卒業(?)し、今回のアルドンザは霧矢大夢。彼女も細すぎるキライはあるんですが、でもさすがに宝塚の男役だっただけあって動きには迫力がありました。ただ退団後そんなに経っていないからか、高音が惜しい。上がりきっていない箇所が数か所ありました。あと最後の「男が死んだ」はああもキッパリ言い切らないで欲しかったな。まぁ今後に期待です(←偉そう)。同じく新キャストのアントニア役、ラフルアー宮澤エマのソプラノは、ホントにキレイでした。上條恒彦もこの芝居をずいぶん長く演っているハズで安定してましたけど、ナゼか見せ場のソロ「憂い顔の騎士」だけ声が割れていた〜。もったいない! 駒田一のサンチョは体型的に損してましたが(太らせてるのがワザとらしくて)、コミカルで可愛かったです。主役の松本幸四郎については、私が産まれる前から同じ役を演じてる人です。こんな若輩者が何を言えましょう。

「もう70歳過ぎてるでしょ? よく声が出てるよね〜」「動きはさすがに少なくなってる感じするけどね〜」「初演のときのポスター見た?」「見た! 足長いよね! カッコいい!」「こうやって見ると体型は変わったね……。でも初演の頃って30歳くらい? メイクに違和感ないよね」「老け顔なんじゃない?」(←じゅうぶん言ってる)。

前回観たのが十数年前なので記憶が定かでないのですが、ちょこちょこ演出が変わったりカットされて芝居が短くなってたりした気がします。ペドロがアルドンザを自分の寝床に誘うシーン、金を出してなかったっけ? でその金の入った袋を取って「台所仕事が終わったら」と答えるんじゃなかったけ? じゃないとなんでアルドンザが約束をしたのかわからないじゃないのよぅ。それからサンチョが病床の旦那に、周りの目を気にしながら冒険の話をするところ、もっと長かった気がするんだけど。あとアロンソ・キハーナはちゃんと遺言を残してた気がするんだけど。家政婦にこれだけ、サンチョにこれだけ、残りは姪にって。今回のあれじゃ、アルドンザのせいで家族は遺言聞けなかったコトになっちゃうよねー。

そんな話をYにすると、やはり十数年ぶりにラ・マンチャを観たYも「私もこんなに短かったっけ、って思った! 前は途中で休憩挟んだよね(今回は休憩なしで2H15Mでした)!」と即答。人のこと言えないけど、意外と覚えてるもんですね。んで2人の結論は「松本幸四郎の体力考えたんじゃない?」「……70過ぎだもんね……」(←じゅうぶん過ぎるくらい言ってる)。でもあんなに長くカーテンコールやるんなら、カットを少なくして欲しかったな。この芝居に限っては拍手を惜しむものじゃございませんが。それにカーテンコールで英語版「見果てぬ夢」を歌ってくれたのがすごく嬉しかったです。

外に出るとラ・マンチャ柄の和手拭いを「リピーターチケットを買ってくれた方にプレゼント」とやっていて、ついグラっと来そうになりました。……数年後、次回の上演にはまた行きたいけど、それじゃダメ……だろうなあ。スペイン舞台の芝居ってコトで、Yとスペインワインやサングリアを飲んで帰りました。

2015.10.4(Sun)

週末は妹と田舎に帰ってました。日曜の昼には東京に戻ってなきゃならない妹の都合で、金曜夜に東京を出発。日付の変わる頃に田舎の家に到着して爆睡。夜の闇の中で車のライトに照らされると、田舎の集落の荒みっぷりがよくわかって悲しい。けど田舎の風は相変わらず気持ちいい。肌寒いくらいです。土曜日は2人でないとできないコトを、と家の前に植えてある木の伐採。原発事故の影響で樹木の伸びるスピードが早い(放射性物質を栄養素と勘違いして樹木が取り込むのだとかいう説なのか?)と、敷地内に住むボーが口にしてましたが、ホントにそうなのかと思っちゃうほど成長しすぎで、半分くらいの高さで切らなくちゃいけない勢いです。

20151003の田舎20151003の田舎

左:伐採後の木。切る前に撮っとかなきゃ違いがわかりませんね/右:でも切った枝の山が、木と同じくらいの大きさになってました

太さも相当だったので枝切り鋏では歯がたたず、鋸で切りまくりました。最初は「こんなに葉がある時期に切ってしまっていいのかなあ」と恐る恐るだったのに、途中からどうでも良くなってきて、切り方がどんどん大胆に。出来上がりをよくみると最初に手をつけた左側と、最後のほうに切った右側で全然バランスが違います……。てへ。あと2本切らなきゃいけないんだけど、今回は1本で精一杯。あとは年末の宿題に残しておきましょう。午後はいつもの散歩道へぷらぷらと。30分くらいのショートコースを久しぶりに歩きましたが、意外にも踏み跡はしっかり残っておりました。私ら以外に歩く人もいないだろうに、けっこうしぶといもんですね。

20151004の田舎20151004の田舎

左:散歩道の入り口にマユミの木/右:出口近くの渓流はいつもより水量が多かった

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これも田舎の散歩道。木漏れ日の気持ちいい森です

土曜の夜はまったり過ごし、日曜は早くに田舎を出て、昼前に妹を職場の近くで下ろしたその足でお墓参りに行ってきました。もうすぐ5年。もう5年。まだ5年。私が田舎にせっせと通うのは、田舎に行けばまだ両親に会えるような気がするからかもしれません。……今でもやっぱり寂しいです。

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