2011.12.31(Sat)

生まれてから今までずっと、お正月というのは家族で過ごすものでした。他の家族と一緒だったり、友人も交えてってコトはあったけど、両親と妹の顔を見ない正月は、私が海外に長めに行っていた1回だけだと思います。今年の正月だって、もう母はいなかったけど、父と妹と田舎に帰りました。……今度のお正月は? 父母のいない田舎で迎えるのは、余計に喪失感が強まりそうで、あまりに寂しすぎる。妹と2人でおせちだのお雑煮だのってのも、なんだか虚しいし……。

というワケで妹と相談の結果、今年はそれぞれ別々にお正月を迎えるコトにしました。私は、年越し登山もいいなあ〜と思っていたんですが、今回は馴染みのダイビングショップに行こうと決めました。そう、年に一度、大晦日だけ潜れるI.O.P.のナイトダイビング狙いです。昼間に2本潜っている皆が一度ショップに戻る時間帯を狙い、お昼過ぎに東京から伊豆に向かいます。ショップにいたのは顔見知りのshinoさん。毎年来ると聞いていたabさんは震災で里心が募ったのか、今年は帰省しているとの話でした。

しかしナイトは……いったい何時以来だったでしょう? 思い出そうとしてもはっきり思い出せないくらい久しぶりで、ちょっと緊張してしまいます。shinoさんは昼も潜っていて準備は万端なので、少し待ってもらって身支度をし、Sさん、Tさんに連れられてI.O.P.に向かいました。今回はSさんの奥方のMieさんも見えてましたけど、ナイトには参加しないそうです。I.O.P.に着くと―――「空いてる!」。年に一度のイベントなのに、こんなでイイんでしょうか。

I.O.P.ナイトI.O.P.ナイト

左:休憩テーブルから。ダイバーたちがセッティングをしているのが見えます/右:海の中で光っているのはダイバーたちが持つライト

家族の時間を大事にする人が増えたのならいいけど、不況だったら困るなあ。そんなSさんたちのボヤキを聞きながら準備を進めます。もう潜っているグループもいて、水の中でライトが光っている光景が幻想的でした。波はほとんど無いと言っていいくらいで、怖い思いはしなくて済みそうです。そしてドキドキしながら海に―――。潜降をしてドライに空気を入れようとしたら、ぎゃっ、ホースを付け忘れているじゃないですか。緊張しすぎだっつーの。

まぁ同じ失敗は3回くらいしているので、誰にも気付かれずにこっそりホースを繋ぎ、エアを入れます。真っ暗な海を、他のダイバーの持ったライトの青い光が、幾筋も幾筋も切り裂いているこの風景……どこかで見たような……。しばらく考えて、あっ深海探査の映像だ、と思い当たります。ああホントに、深い深い海の底にいるみたい。光の伸びる様子からして、透明度もかなりいいみたいでした。

I.O.P.ナイトI.O.P.ナイト

I.O.P.ナイトI.O.P.ナイト

写真じゃ分かりづらいけど、ライトがホントにキレイで魚そっちのけでライトばっかり見てました。最後のは深海探査というにはちょっと明るすぎ。派手な宇宙船が下りてきたようです

ナイトダイビングは生き物たちの昼とは違う姿を見るのが目的(色が変わっていたり、岩陰で寝ていたり、逆に外に出ているのもいたり)なんですけど、この日はなんと! 黒のクマドリケロを見せてもらえました。カエルアンコウの中でクマドリが一番可愛い! 見るのも久しぶりです。うふふ〜嬉しい〜♪ あと砂地では、これまた久しぶりにメイチダイのチビを見ました。水の中はウネリも流れもなく、水は17度で外気温より温かく、最初の緊張も忘れてすっかりリラックスしちゃいました。

I.O.P.ナイト

何を見ているんでしょうね?

水から上がって「ナイト、楽しい〜」と叫ぶと、Tさんに「これだけ条件がいいのは珍しいんですよ」と言われます。えっそうなの? 聞くと、ここ数年で一番のコンディションだそうで、思わず日ごろの自分の行いに感謝!です(それか、毎年来ていたabさんがバッドコンディションの元凶か、どっちかだ)。濡れた体で外にいるのはさすがに寒かったですが、風が無いのが救いで、サービスの豚汁を食べてお喋りする間くらいは、なんとかガマンできました。この天気も、珍しいらしいです。

I.O.P.ナイトI.O.P.ナイト

左:豚汁サービスの屋台/右:I.O.P.のサービスセンターにも正月飾り

ショップに戻って温泉に入ってログ付けをして、その後はMieさんも交えての年越し宴会。お寿司とちょっとしたおつまみ、おかずを出してくれました。久しぶりに紅白なんて見て、日付が変わったところで新年の挨拶を交わし、就寝です。abさんに会えなかったのは残念だったけど、波の音を聞きながらの年越し、いいなあ……ぐぅ……。

≪つづく≫

2011.12.27(Fri)

村上春樹の、地下鉄サリン事件の被害者たちに対するインタビュー集、『アンダーグラウンド』読了。まきくまさんがブログに書かれたコトから関心を持って、「いつか読むリスト」に放り込んでおいた本なのだけれど、最近、鴻上尚史さんの「阪神大震災と地下鉄サリン事件の起きた1995年から、日本人は“わかりやすい物語”を求めるようになってしまった」という内容の文章を読む機会があって、そう言えば……と思い出して読んでみました。

阪神大震災や9.11や、大きな災害とか事件を伝えるニュースをいつどうやって聞いたのかってのは、記憶力の乏しい私でも忘れられないものだけれど、サリン事件のときのも覚えています。あの頃私は新宿の小さな設計事務所で派遣事務員として働いていて、顧客のおばさまから「会社の皆さん大丈夫? 被害者にあってない?」って電話がかかってきて初めて事件を知ったのでした。他のときと同じように、その後しばらくはTVに貼りついて報道を漁っていたのを思い出します。

……が、折に触れて思うコトではあるんだけど、この本を読んでもつくづく(報道されるのって、ホントにホントの一部だけなんだなあ)と思い知りました。事件からもう15年以上が経って忘れてしまったコトも多いけど、でも当時だって何もわかってはいなかったと思う。“わかりやすい物語”を求めないように心がけているつもりでも、私もやっぱり“わかりやすい物語”で納得しちゃってたんじゃないか。読んでいる間中ずっと、そう感じていました。知らないコトがいっぱいあって、全てを理解するコトなんかできないんだと、私は忘れないようにしなくちゃいけない。

ぐっときたのは、小伝馬町駅で救急車がなかなか来なかったので、被害にあった人たちや手助けをした人たちが通りかかる車をどんどん停めて、被害者を病院に運んでもらった、という話。断る車はいなかった、とありました。地下鉄には乗っていなかったのに、手助けをしようと思って駅に近寄ったせいでサリンを吸い込んでしまった人なんかもインタビューを受けていたんだけど、「自分は下町気質なんで素通りできなかった」という言葉に、あああの辺りの土地柄はそうだよなーと思い、小伝馬町ってのもいかにもそんな感じだ、と思いました。

警察や消防には不手際がいっぱいあったんだろうし、それを怒るのも改善しようとするのも必要なんだろうけれども、たとえどんなに公的機関が素晴らしく機能する世界になったとしても、個人として手を差し伸べる、差し伸べられる気持ちは、無くなって欲しくないなあと切に思います(そして差し伸べた結果、被害に遭うなんてコトが無くなるように、と)。

あと良かったのは、村上春樹が「インタビューする全員を好きになるように務めた」って姿勢です。被害者だからって全員が全員とも曇りない善人ってワケじゃないのは重々承知で、でも人間なんだから全員良い部分も持っているハズで、そこを見ようとしている姿勢はすごく好みでした。だから余計に、被害に遭った人たちの≪普通さ≫が際立った気がします。

うん、サリン事件のインタビュー本第二弾、『約束された場所で』も読んでみよう。

2011.12.21(Wed)

ポール・アンダースンの『折れた魔剣』読了。冒頭の数行を読んだだけで(おおおお〜、この手の本は久しぶり!)と心躍る、がっつりしたファンタジー。その後も期待は裏切られず、最後の最後まで楽しませてもらいました。剣と魔法、エルフにトロールにドワーフ。気まぐれで残酷な古い神々と、秩序をもたらす冷酷な新しい神。回避できない、悲劇の予言。絡み合う運命の糸。う〜ん、いいなあ。スカフロクとヴァルガルドの設定も、超ツボです。フリーダの最後の行動も好き。王道の物語なんだけど、全然古く感じません。

この作品、なんと『指輪物語』と発表された年が同じだそうです。北欧神話に影響されているなどの共通項もあり、解説によると『指輪物語』の双子と呼ばれているとか。確かに共通部分は多いのだけど、でもこれを読んで読み返したくなったのは『指輪』ではなく、M.Z.ブラッドリーの『アヴァロンの霧』シリーズでした。両方とも舞台がイングランドだからか、雰囲気としてはこっちのほうが近くない? 暗い岸壁に波頭が打ちつけられ砕ける沈鬱な絵が、どちらも頭に浮かびます。

ちょっとだけ文句をつけるなら。エルフがナゼ人間の子供を育てたがるのか、最後まで読んでもよく分かりませんでした。そうゆう伝承があるのかな? あと訳者に注文なんだけど、ファンタジーで「田楽刺し」は止めて欲しかったです。この言葉が出てくるたびに、大根とこんにゃくが頭に浮かぶんだもの……。

2011.12.18(Sun)

この週末は毎年恒例のようになっている某イベントのお手伝いへ。最近はこのイベントでしか顔を合わせる機会がなくて、1年ご無沙汰な人もたくさんいるんだけど、毎回毎回笑いっぱなしで時間が過ぎてゆきます。今回はタイムスケジュールがタイトだったんで、私はボケボケしっぱなし。毎度人に「スタンバイの時間です!」と急かさせる始末でした。面目ない……。今週末はこの冬一番の冷え込みだったそうだけど、これだけ楽しければ寒空の下で何時間か作業しなくちゃいけないコトなんか―――つ、辛くなんて無かったってばっ!

でもあの寒さで風邪一つひかなかったってコトは、もしかすると息ができないくらいに笑って免疫力が上がっているからかもね。

2011.12.14(Wed)

NHK杯の録画の残り、アイスダンスとペアとエキシビションを見ました。今シーズン初めてシングル以外の競技を見たワケですが―――やっぱ面白いようおうおう! 贅沢は言いません。上位選手だけでいいです。だからお願い放映して……!

まずはアイスダンスのリード姉弟から。プログラムが始まる瞬間のクリスくんの顔がめちゃくちゃマヌケで、「君のインドに対する認識は何か違うんじゃないのか」と問い詰めたくなります。「さあいよいよ、自信を持っているリフトです!」と解説されたリフトも、え、これが?って感じで、今回の彼らには、ごめん、あまり魅力を感じませんでした。直前練習で怪我をしていたそうだから、そのせいもあるかも知れません。

シブタニ兄妹のプログラムは良かったですね〜。楽しそうで、彼らの雰囲気に合っていて。でも私としては、カナダのケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェの大人な演技に軍配をあげたかったです。実際、リフトの減点さえ無かったらの僅差でしたもんねえ。あれだけぐるぐる回ったり持ち上げたり持ち上げられたりしながら、よくもあんな濃い演技ができるもんだと思います。

ペアでは鉄壁のドイツ、アリオナ・サフチェンコ&ロビン・ゾルコーヴィが珍しく崩れていてビックリしました。そして川口悠子&アレクサンドル・スミルノフの優勝にもビックリ。ショート5位からの逆転はスゴいです。でも何より驚いてそして嬉しかったのは、高橋成美&マーヴィン・トランが銀メダルを取ったコト。いやジュニアではファイナルで優勝もしているんだけど、昨シーズンよりずいぶん存在感が増してませんか。

なるちゃん、演技のときはパートナーとの体格差で小学生みたいにさえ見えるのに、演技以外のときの動作のいちいちが「おっとこまえ!」と感嘆の声をあげたくなる風で、めちゃくちゃ好みなんですよね〜。なんとファイナル出場だそうだから期待!……なんだけど、放映、してくれたのかな? 日本のペアとして初めてファイナルに出るんだから、してくれたよね?

あ〜楽しかった〜と今度はエキシビションを見始めると、これまた楽しい! 試合の後のお祭りなんだから、やっぱり毎回放映して欲しいものです。……ななな、なるちゃん! あ〜去年と同じプログラム『アイ・ウィル・サヴァイヴ』だ、と喜んだのも束の間、なるちゃんのあまりのハジケっぷりに唖然呆然。リフトが持ち上がらなかったのは「やっぱこうゆうコトもあるんだー」と、申し訳ないけど面白かったです。そしてアンコールがかかった後のなるちゃんの暴走に大笑い。マーヴィンくん、大変だなあ〜。

川口悠子ペアの『黒い瞳』もすごく良かった! このペアの、今まで見たプログラムのなかで一番好きかもしれません。川口悠子の挑発的な笑みを浮かべた表情がめちゃくちゃハマっていて、こうゆう役似合うじゃ〜ん、と1人で興奮してました。スロージャンプから始まる構成もカッコいいし、これはぜひ試合でやって欲しいくらいだけど、試合じゃできない演出が多すぎるかな。いやでも即座に巻き戻して見返してしまったくらい、カッコいいプログラムでした。

そして大好き、あっこちゃん。前半がおとなしめだったので、今回は正統派で行くのかな〜と思っていたら、途中で上着を脱ぎ捨ててテンポアップ。軽くて楽しそうで、ホント彼女の演技は大好きです。膝で回って会場を沸かせたり、いや〜日本の選手のエキシビションも楽しくなりましたよねー。昔は「もっと遊べばいいのに」と物足りなかったものなあ。嬉しいです。印象的だったのは今書いた3組だけど、他の選手のも楽しかった。満喫しました♡

2011.12.11(Sun)

グランプリファイナルまでに撮ってあるNHK杯を見なくっちゃと思いつつ、NHK杯は放映時間が長かったからダラダラと先延ばしにしているうちに(放映時間が短いと物足りないし、長いとなかなか見られない。葛藤)、浅田真央選手のお母さんの訃報が飛び込んできました。ああ……。ただでさえ肉親との別れは辛いのだから、真央ちゃんがトップスケーターであることや、ファイナル目前の時期であることが理由で、真央ちゃんに余計な負担がかからないのを祈るばかりです。もちろん舞ちゃんにも。

さてNHK杯の、とりあえず男女シングルの演技を見ました。上位選手がどの人もいい出来で、見ていて楽しい試合でしたね。ファイナル出場は逃してしまったけど、今シーズンのアシュリー・ワグナーの演技はいいです。ショートもいいし、フリーのブラックスワンはホントに嵌ってますもん。真央ちゃんも楽しそうで良かった。フリーが終わって何度も小さく肯く姿に、こっちまで嬉しくなってしまいました。レオノアのプログラムも好きです。ショートはどの場面の表情も見逃せないくらい、面白い。特にラストは絶対に撮らなくちゃの、い〜い顔してます。フリーもがらっと雰囲気が変わって、ひき込まれる演技です。

そして、ショートが圧巻だったあっこちゃん。初めてのトリプルトリプルの成功おめでとう! 初優勝おめでとう! どんどん早くなる音楽に乗って軽〜くステップを踏むあっこちゃん、ショートが終わってぴょんぴょん飛び跳ねるあっこちゃんに、じんわりしてしまいました。今シーズンのあっこちゃんの成績がいいのは、「音楽を表現する」ことに重点的に点数がつけられるようになっているからなのかしら? フリーはミスもあったけど、でもいい出来でした。あっこちゃんに優勝して欲しかったから、ホントに嬉しかった。

町田樹もガンバりましたね〜。決めポーズがキレイだし、ジャンプも決まると迫力なので応援したいんだけど……顔が大写しになるとつい「プロアクティブ! プロアクティブ! ガチンスキーと一緒にプロアクティブ!」と脳内で小人が騒いで演技に集中できなくなるのが残念です。ロシアのコンスタンチン・メンショフの演技はなかなか面白かった。表現力は年の功でしょうか? アメリカのアーミン・マーバヌーザデーは指先が美しい。ただプログラムがツマラなかったので、別ので上位に食い込んでくるのを期待します(しかし今シーズンの上位選手には日本人には覚えにくい名前が多いような……。解説者も大変ですね)。

ショートの小塚くんは、お尻がもったりしていたので(ひょっとして太った?)と心配していたのですが、フリーではそんな風には見えなかったから、衣装のせいだったようです。ホッとした。大きなお世話ですかそうですか。フリーは昨シーズンとは打って変わった分かりやすい曲(なんせナウシカ)で、かなりいい出来でした。これで3位との間に20点以上の差をつけたのに、さらに高橋くんはその20点以上上を行くんだものなあ。強すぎです。高橋大輔はとにかく“魅せる”のが上手いですね。羽入くんとはタイプが違うけど、やっぱナルシーっぽくてステキです。

さて、あとはアイスダンスとペアとエキシビションだー。

2011.12.10(Sat)

YとKと伊豆に行ってきました。木曜日の夜に皆にお誘いメールを出したのですが、おりしも外は冷た〜い雨。この気温で海に入りたいなんて考える人間がいたらよっぽどのマゾだよな〜と思いつつも、土日は晴れの予報に背中を押されてメールを送信すると、珍しくも(!)全員から即座に返事が戻り、うち2人をゲット。どうやら、今年最後のダイビングを狙っていたみたい。やった!

雨は金曜日まで残ってヒヤヒヤしましたけど、当日の今日は予報どおりの快晴です。なのに12月に入っていきなり寒くなったせいなのか、ゲストは私たち3人だけ。場所は久しぶりのI.O.P.をYがリクエストしました。部品が無くなってオーバーホールできなくなったオクトを、ネットで購入しておいた新品(アクアラングのオクトパスABS)に変えてもらい、さあ出発。半年ぶりのダイビングになるKがやたらナーバスになっています。

I.O.P.は混み混みでした。エントリー口に近いベンチがいっぱいだったので奥に行くと、なにやら一角が仕切られて入れないようになっていて、警備員まで立っています。何事?と思ったのですが、セットが組み立ててあって、どうやら何かの撮影に使われているみたいです。そう言えばショップの近くにもセットの建物が作られていて、某ドラマの撮影が2ヶ月ほど行われるとのことでしたけど、関係あるのかな。でもなにも土日にやらなくてもねぇ。

クリスマスなI.O.P.

I.O.P.はすっかりクリスマス仕様。
シャワー室の上にもサンタが出現してました

波が少しありましたが「音のワリに力のない波だから」というSさんの言葉を信じて、波の隙を狙ってエントリーします。この季節、海の中にはツリーが飾られているのですが、「たぶん混んでいるので、近くに行ってみて空いていたら降りましょう」という事前ブリーフィングのとおり、水深5〜6mを保って泳ぎます。ところで今日の透明度は20mオーバー。海底が岩場から砂地に変わると、下まですこーんと抜けていてめちゃくちゃ気持ちいい。

うひょー飛んでるよー、と一気にテンションが上がります。水に入った途端に感覚を取り戻したらしく、入るまでナーバスだったKも気持ち良さそうに泳いでいました(まぁもともと海人なんで全然心配していなかったけど)。しばらくすると遠くにツリーが見えてきました。ラッキー、誰もいない。ですのでツリーの上に降下して写真を撮って遊んだんですが、後で写真を見てみたらYの吐く泡で私の顔がほとんど隠れてしまっていました。途中で気がついて、避けてるつもりだったのに……orz

しばらくすると別のグループがやってきたので、場所を譲って1の方向に移動―――しようとすると、ムレハタタテダイの群もやってきました。青い海にムレハタタテダイってのは、いかにも“秋の海”って感じで大好き。しばらくその景色を楽しんでから1の根に行くと、今度はTさんがピカチュウを見つけてくれます。大喜びで写真を撮っているうちに、ハッと気付くとダイコンDECOが出そうになっていました。うわ〜明るいから油断しちゃうなあ〜。

その後、浅場でしばらく遊んでエキジット。かなり着込んでいたので最後まで寒くなく、外に出ても陽射しがぽかぽかです。海に向かったベンチに座っての昼食休憩も、ちっとも寒くはありませんでした。空気がホントに澄んでいて、目の前の伊豆大島がくっきりはっきり見えていたのも、また気持ちいい。こんな透明度なのだから……と、2本目は2の根に行くコトにしました。1本目に比べるとちょっと透明度は落ちていますが、それでも砂地の上では飛んでる感覚を楽しめます。

I.O.P.からは伊豆大島がくっきり

(水滴が邪魔ですが、)エントリー口からの眺め

2の根で遊んでいたのはレンテンヤッコ。ヒラマサやサクラハナダイも見られました。帰り道もただただの〜んびり。水温は19度と外気温よりも暖かいので、まだ海の中は秋の雰囲気で賑やかです。それでもさすがに45分を越えると寒くなってきましたけど。最後の最後、YやKがSさんに連れられてエキジット口に向かってしまってから、Tさんがオビテンスモドキを見つけて教えてくれました。浅場にはオヤビッチャ(←ログ付けのときにYがこれをオワビッチャと言い間違えて大ウケ)の幼魚も群れています。

ショップのツリー大満足のダイビングができたので、皆もテンション上がりっぱなしだったのですが、ショップ近くまで戻った時点でYがI.O.P.にダイコンとカメラを忘れてきたのに気付き、大凹み。忘れ物はちゃんと見つかりましたが、その後グローブの片方も忘れたようだと気付いてガックリきてました。写真のツリーの傍らでゆっくりログ付けをして、解散駅まで戻ってさんざ飲み食いしてお別れしたんですが、久々のダイビングでテンションが上がりっぱなしのKと、忘れもので凹んだYの言動がすごく面白くて、げらげら笑いっぱなしでした。

皆と別れて自宅の最寄り駅まで帰ると、道行く人がやけに空を見上げています。そうだ、今日は皆既月蝕だった。さっきから何度か思い出していたのに、空を見るのを忘れてた!

皆既月蝕皆既月蝕皆既月蝕

23:15(赤くぼんやり翳った月が、肉眼ではもうちょっとハッキリ見えていました)→23:57(そろそろ終わりかな?)→0:24(おお、月ってこんなに明るかったんだ!)

皆との今年のダイビングはこれで終了ですが、私は単独であともう1回行きますよー。

2011.12.5(Mon)

『THE LAST MESSAGE 海猿』を見ました。週末は出かけていたので、撮っておいたのです。だってやっぱり海猿は見ておかなきゃ……とは言っても公開時は見逃したのですが。途中までは(え〜今回は潜らないの〜? 最初のゲージだけでガマンしろと?)と不満でしたが、ちゃんと潜水用具が出てきてヨシヨシ、となりました。しかしドリルシップに最初に乗り込む際のタンクはいったいどこから出てきたんでしょうね? 持っていた黒いバッグから? あれ、せいぜい器材しか入ってなさそうに見えるんですけど。

それにしても私の涙腺はいったいどうなってるんだ。仙崎と服部が手を取り合うシーンでも「Tusaじゃあね〜」(←映画1作目の感想をダイバー仲間で語ってたときに流行った言葉)を思い出して笑っているし、クライマックスでも「いくら何でも『LIMIT OF LOVE』と同じすぎないか。船が天然ガスプラントに変わっただけで、取り残される人数もほぼ同じだし、やっぱ語るし。まぁリアルタイムで語ってるんじゃないだけマシだけど」と思っているのに、涙だけはぼろぼろ出てくるんだものなあ。不思議です。

あとは台風が通り過ぎたばかりなのにこのベタ凪かよ!とか、どうしようもない箇所はまだまだあるんですけど、次回作もきっと見ちゃうんだろうな。場所が飛行機になっただけかよ!とか文句つけながら。だって服部が頭越しにタンクを背負う姿があっただけで(見た甲斐あった!)と思っちゃうんだもの仕方ない。

2011.12.4(Sun)

≪つづき≫

さて2日目。1日ごとに男湯と女湯が入れ替わるので「ご飯前に朝風呂に入ろうね」と予定していたのに、私が寝坊したせいでハッと気付くともう朝ご飯の時間。華ちゃんは早起きしてたのに、じっとお茶を飲んで待っていてくれたのが大人です。いつもの面子だったら叩き起こされてるよ……。たっぷりの朝ご飯を食べ、それでもやっぱりもう片方のお湯も見てみたかったので、軽くお風呂に入りました。昨夜は暗くてよく見えなかったけど、今日のほうが開放感があっていい雰囲気な気がします。

温泉旅館の朝ご飯

朝からがっつり

温泉旅館

いい時間を過ごさせてもらいました

天気は予報どおり好転していました。でも宿が山間にあるので、駐車場には出発時間になってもまだ陽がさしてきません。白く凍りついたフロントガラスに「長野だねえ〜」と感嘆しちゃいました。華ちゃんによると、私らが高校に通った東北の地より、こっちのほうが寒さが厳しいんですって。窓が溶けたところで、まず向かうのは塩尻のワイナリー。運転手の華ちゃんは自分が飲めないのに「ここは外せないでしょ」と立ち寄ってくれたのです。

五一ワイン最初に行ったのが井筒ワイン。それからすぐ近くの五一ワイン。どちらも小ぢんまりしたショップで、数種類のワインを試飲できました。私は普段は辛口を好むのですけど、このときは甘口が妙に美味しく感じて、それぞれで1本ずつ甘口ワインを買いました。ひょっとすると辛口より、すっきりした甘口が好きなのかもな〜私(と、この歳になって新発見)。近くに信濃ワインってのもあるよ、とオススメしてもらったのですけど、もうすでにいい色になっていた私は2軒でギブアップ。もう1軒は次回に取っておきましょう。

次は観光のメイン、国宝松本城です。うちの父が城好きで、病気がなかったら次の父母の旅行先は松本城になる予定だったので、私もちょっと興味があったのでした。そのくせちっとも予習はしていなかったTo-ko、よくある小高い丘や山の上につくられた城を想像していました。だからナビが「すぐ近くにあるよ」と示しているにもかかわらず、なかなか見えないお城が予想外で、こんな住宅地にあるのかよ〜ってナビを疑ってしまいましたよ。松本城って平地に作られているんですねー(とか父の前で言ったら「そんなコトも知らんのか」と呆れられそうだ)。

松本城

堀と朱塗りの橋とお城。遠いお山と青い空。これでビルがなければなぁ

平城だからか、色が黒で締まって見えるからかわかりませんが、天守閣自体もなんだか小ぢんまり、可愛らしく見えました。堀の外をぐるっと回ってお庭に入り、観覧料600円を払って城に入ります。城の中には展示物は少ししかなくて、窓から入る明かりで城の構造を楽しむ感じ。暗くて狭くて急な階段を登ったり降りたりするのは、なかなか楽しいです(華ちゃんは翌日筋肉痛になったそうな)。天辺からは、アルプスの山々が眺められました。「あの辺は歩いたよ〜」なんて華ちゃんに説明していたら、後で「いつまで見てる気かと思った」と笑われちゃいました。

松本城

この角度からもいいですね。右にちらっと赤く見えているのが、月見櫓の朱塗りの回廊

松本城松本城

左:お堀には鯉がいっぱい/右:黒門(1990年復元の二の門)

松本城

黒門(1960年復興の一の門)。立派ですねー

松本城

最上階の天守六階から。ホントに平地にあるんだなあ

面白かったのが、コースの最後にある月見櫓。こうゆうの見たコトないな〜と思いましたが、それもそのハズ。天守閣と一体となった月見櫓を持つのは、松本城だけだそうです。城に風雅な建造物がくっついているのは、平和な感じがしていいですよね。すっかり気に入ってしまいました。お城の観覧料には隣接する市立博物館の入場料も含まれているので、今度はそっちに入ります。……が、ハッと気付くと華ちゃん、もう時間がないよ!

松本城松本城

左:最上階の天井に祀られているのは松本城を守る二十六夜神/右:月見櫓。「舞良戸を外すと、三方がふきぬけに」なるそうです。ここで月見の宴をしてみたい!

松本城

お庭から。武者姿のお二人(一人は女性)がポーズを決めてくれました

松本城

真ん中に一番高く見えるのが常念岳、その右の白いのが大天井岳

松本市内私は16時〜17時くらいの電車に乗りたい。で、これからお昼を食べて、もう一箇所どうしても行きたいナワテ通りを歩けば、もうギリだよ! というワケで、博物館の半分はダッシュで見学。企画展の「松本城主水野家と菩提所玄向寺」、もうちょっとゆっくり見たかったな〜。後ろ髪をひかれつつ次に行くのは、シンボルキャラクターがカエルなナワテ通り。カエラーとしては外せません。(写真は移動途中で気になった店。ビルに挟まれたお城は、古本屋さんかな?)

しかし、まずは昼ごはんでしょう。いくらガッツリ朝ご飯を食べたとは言ってもそろそろおなかが空いてきたねと、入ったのはナワテ通りにある「弁天本店」。歴史のあるお店だそうで、店構えもそんな感じですが、入ってみると庶民的な食堂って雰囲気です。華ちゃんは「天つきざる」を、私は「なめこざる」を頼みました(各1,000円)。お蕎麦の味は癖なくあっさり目で、さらっと食べられます。これでおなかが落ち着いたので、ゆっくりナワテ通りを見物するといたしましょう。

ナワテ通りなめこざる

左:ナワテ通り入口/右:やっとお昼〜♪

どのお店にもカエルグッズがいろいろ置いてあるから、目移りしてしまう〜。でもうちもいい加減カエルグッズが溢れていて、よっぽど強く“出会って”しまわないと買わない、と決めているワタクシです。この日は結局、迷いに迷ってハンカチ2枚だけに止めました。記念に華ちゃんもカエルハンカチ1枚をお買い上げ〜。買ったのは少なかったけど、見て歩くだけで楽しかったです。最後に「ふるさと」で鯛焼きとホットドリンクを買って(セットで\400)、道端のベンチで齧りました。ここの鯛焼き、あんこがぎっしりで食べきるのが大変なくらいだった!

ナワテ通りナワテ通り

左:貼ってあるのは「ケロスマスコンサート」のポスターです/右:一本焼きで有名な「ふるさと」

ナワテ通り

今回は無難にあんこにしてしまったんだけど、ウィンナー鯛焼きってのがあったから、次はそっちにトライしてみたい!

四柱神社

四柱神社。すべての願いごとが相叶う「願いごとむすびの神」だそうで、しっかりお願いしてきました

ナワテ通り

これもナワテ通り入口に。インパクトあります(^^

最後に松本城に戻って、今度は二の丸御殿跡を通って駐車場へ。二の丸御殿跡は遺構が平面表示されているのだけれど、当時の建物の知識に乏しい私には、かつての御殿の姿をはっきり思い浮かべるのは難しかったです。部屋数がたくさんあるのだけはよく分かったけど。で、ここで残念ながら時間切れです。華ちゃんに松本駅まで送ってもらって、改札に行ってビックリ。電車が、1時間近く無い……。あずさって、意外に本数少ないんですね。ちゃんと事前に調べていたら、も少しゆっくりできたのに!

松本城

太鼓門。1999年復元だそうだから、まだ新しいですね

と、最後の最後で失敗したけどこれは私のミス。華ちゃんは地元民として素晴らしいツアープランナーっぷりを発揮してくれたのでした。ありがとう! ところで旅が終わって華ちゃんからメールが来たのだけれど、「2人で出かけたんだから、1枚くらい一緒に写真撮れば良かったね」とありました。―――ああっ! うっかりしてたーそうだよねー。私も華ちゃんとの写真、欲しかったよ。次は絶対撮りましょう。いや、次は他のメンバーも一緒に集合写真か。長野温泉旅行、絶対実現させましょう>S会の皆。

松本城

今回の収穫。ワイン2本とカエル柄のハンカチ2枚♥

2011.12.3(Sat)

高校時代からの友人、華ちゃんと温泉旅行に行ってきました。ホントは地元で集まるもう何人かとも一緒に行きたかったんだけど、この冬の旅行は難しいって人も多く、結局華ちゃんと私だけで「いつか皆で行くときのための下見旅行」と称して、出かけてきました。行く先は華ちゃんの住む長野県。……せっかく長野まで行くのなら、山の一つも登りたいな〜。温泉旅行なのに、そんな欲望がむくむくと頭をもたげます。ですので、私が土曜早朝長野入り。午前中に一座登って、お昼頃に華ちゃんと合流でプランを立ててもらいました。

が、欲張ったバチが当たったのか。12月に入った途端に気温ががっくり冷え込み、長野では雪も降ってしまいました。私の車、まだ夏タイヤなんですけど……。それでも積雪は大したコトなかったので、3日の天気が良ければ予定どおりに行動したでしょう。ええ、「全国的に雨または雪。海や山は大荒れ」なんて予報が出なければ―――。そこまで言われて突っ込むほど無謀じゃないTo-koは、華ちゃんに泣きついて車を出してもらうコトにしました。山に近い温泉宿まで探してもらってたのに、おんぶに抱っこでゴメンよ>華ちゃん。

特急あずさ、松本行きさて本日。出発がのんびりでよくなったので、洗濯をしてから家を出ます。特急あずさの車内で軽くお昼を食べ、13時過ぎに茅野駅で華ちゃんと落ち合いました。数えてみるともうずいぶん長く会ってなかったんだけど、全然そんな風には感じません。華ちゃんの運転する車に乗り込み、さっそく宿を目指して出発です。天気が良ければ諏訪湖周辺を散策しても良かったんだけど、どんよりと冷たい空に、もう今日は宿にさっさと入って温泉浸かってのんびりしよう、と。ただ、チェックインにはさすがにまだ早すぎる。

ですので、途中でやっと見つけたカフェでお茶するコトにしました。ハーブティーとスコーンを頼んだのですが、呼んでもなかなか出てこない、やる気のなさそな営業態度にもかかわらず、ここが当たり! ハーブティーがホントに美味しくて、おまけのスウィーツも出してくれ、ハッと気付くともうとっくにチェックインできる時間になっていたのでレジに向かうと「お帰りですか。長くなりそうだから、今お茶を入れようと思ってたのに……」と言われました。お茶で商売してるんじゃないのかよー!(笑)

カフェでお茶

小ぶりなスコーンにはクロテッドクリームとイチジクのソース(ウマ〜)。ミニケーキはサービスでした

本日の宿泊は華ちゃんが予約してくれた横谷温泉旅館。渓谷沿いにあってとっても静か、お風呂は源泉掛け流し、14畳のお部屋は広々、馬刺し・利き酒セット付プランでなんと8,500円のお値打ち価格! 伊勢に行ったときは同じくらいの値段でガッカリな宿だったんで、「うわ〜広〜い、きれ〜い。こんなまともな宿に泊まるの、久しぶり!」と大喜びしちゃいました。後はお風呂に入って、美味しいご飯を食べて、またお風呂に入って、その間もずーっと喋りっぱなし。お互い読書好きなので本の話、華ちゃんの子供の話、仕事の話、長野の生活の話……。

温泉旅館温泉旅館

左:旅館入口では薪ストーブをがんがん焚いていました/右:広々お部屋。大きな窓の外は山肌と渓谷。紅葉の時期はキレイだろうなあ

温泉旅館温泉旅館の夕ご飯

左:食堂には八ヶ岳の峰の名前がついていました/右:利き酒セット。どれもなかなか美味でした(名前覚えてないけど)

温泉旅館の夕ご飯

美味しそう〜。楽しみだった馬刺、激ウマでした

温泉旅館の夕ご飯温泉旅館の夕ご飯

左:揚げたて天ぷら/右:お鍋も。食べきれるかなー

温泉旅館の夕ご飯

長野といえばお蕎麦! もちろんこの他にご飯も出てきました

宿を満喫ですね。さあ、明日は晴れるといいねえ〜。

≪つづく≫

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