2011.6.28(Mon)

「今はそんな事をやっている場合じゃない、もっと大事な事がある」ってよく言われるけれど、「今やらなきゃいけない事は全然なくて、未来だけを考えていればいい時」なんて瞬間はいつまで待っても来ないと、私は思う。未来を変えたかったら、今を変えなくちゃいけない。何かしなくちゃいけないの。≪未来≫と≪今≫は別じゃなくって、今が一つずつ一つずつ積み重なって未来になるんだと、思わない?

2011.6.27(Mon)

車の買い替えに伴うモロモロでしばらく休日が埋まってしまうその前にと、急遽、田舎へ行ってきました。たぶん今回でアルト君は乗り納めです。土曜日、祖母宅に泊まって、日曜日早朝に1人ハンドルを握って出発します。去年まで「東京で運転なんかできない」を通していたのになあ〜。途中で休憩を取りながら、昼前に友人の驚子ちゃんの住む街に到着です。この海の街に来るのは震災後初めてで、信号機が止まっていたり、フェンスや建物がなぎ倒されていたりの風景に、胸が痛くなりました。もうちょっと、復興してるかと甘く考えてた。

海の街の今海の街の今

建物の壁は抜け、広い駐車場にはコンクリート片が散らばる

海の街の今海の街の今

魚市場はがらんとしていて、あっちもこっちも「立入禁止」

海の街の今海の街の今

信号は故障中で、何年か前に友達と食事をした場所の扉には「またここで、笑顔で」の文字。……泣きそうに、なった。

驚子ちゃんと会うのも、震災後初めてです。海の見下ろせるカフェに連れていってもらってランチを食べ、その後彼女の家にお邪魔して、彼女が最近ハマっている趣味についてたっぷり話を聞きました。彼女に関してはあまり心配はしていなかったんだけど、でも元気そうな顔を見られてやっぱり嬉しかったです。残念ながら雨模様で、暗い山道は走りたくなかったから、夕方には彼女んちを辞して家に向かいます。急いでいるけど、やっぱり顔が見たかったので、途中の春日ちゃんちも寄り道しちゃった。今度はゆっくり逢おうねえ〜。

ランチランチ

驚子ちゃんとのランチ。アボカドと生ハムのパニーニと、シェアして食べた塩キャラメルのワッフル

我が田舎には今、古くからの居候のボーと原発からの避難民チーとパートナーのNaoちゃんの3人が住んでいます。今回はNaoちゃんが留守で会えずに残念だったんだけど、ボーとチー(←並べて書くと猫の兄弟の名前みたい)とは久々にゆっくり話せました。震災後一度も薪ストーブに火を入れていない我が家の一階はちょっとかび臭くなっていて、人が住まない家は荒れてしまうというから多少は仕方ないとはいえ、やっぱり切ないものがあります。まだ片付けなくちゃいけないトコロも多いし、次はも少し時間を取って家をキレイにしたいなあ。

月曜日は嬉しいコトに雨が上がってくれたので、敷地内を見て回ります。放射性物質が溜まりやすそうなトコロばっかりだけど、土と水と生きてきた場所なんだから、それを避けるのは無理な話。せめて少しでも除染になれば、と5月に蒔いたヒマワリもひょろひょろと伸びていました。ただどう見ても、雑草に負けているなあ〜。田んぼに蒔いた分は次の日にはイノシシに食われたというし(人の気も知らないで!>イノシシめ)、次は菜種を蒔きたいと思ってたんだけど、もうどうしてくれよう。

我が田舎

我が田舎

草の色が濃くてわっさわさで、すっかり夏。ボーたちが刈ってくれていなかったら、道も残らないくらい雑草が生い茂るんだろうな

お昼頃に家を出て、数時間かけて東京に戻りました。だいぶ慣れてきたとは言っても、連日の長距離運転はやっぱり疲れる。山登らーは往復長距離運転して更に目的地で山に登ったりしてるんだから、スゴいなあ。私ゃまだまだ修行が足りません。

*****

今の車には東北のナンバーがついているんで、高速降りるときに料金所の人に「被災証明持ってっけ? ないの? 役所行って何か壊れたって言えば出してくれるから、もらったほうがいいよ」とアドバイスされました。いや住民票が無いんで無理なんです、と説明するのも面倒なので、はいはいと聞きながらも「やっぱ田舎の人は優しいなあ〜」と思っていたんですけど、東京に戻ってきたときもやっぱり料金所で「被災証明ないの? ホントに払うんでいいの?」と念押しされました。ああもう皆、いい人たちだ!

2011.6.24(Fri)

何ヶ月か前にたまたまTVでやってた『プリティ・ウーマン』を見て、そう言えばこれの元ネタの原作ってちゃんと読んでなかったな〜とジョージ・バーナード・ショーの『ピグマリオン』読んで、その流れで(ちょっと間が空いちゃったけど)今日は『マイ・フェア・レディ』のDVDを借りてきました。有名な場面場面を見たことがあったから見た気でいたけど、通してちゃんと見たのは初めてかも。結末以外は、かなり原作に忠実なんですね〜。

嬉しかったのは、舞台的な演出をそのまま映画でやっていたコト。私は舞台大好き人間なので、舞台を想像できる絵が好きです。ミュージカルもちゃんと通してみたい気持ちになったけど、アスコット競馬場のシーンなんかスタイルいい人を集めないと見応えないでしょうねえ。オードリー・ヘップバーン演じるイライザ・ドゥーリトルが表情豊かで可愛いのはもちろんだったけど、父親のアルフレッド・ドゥーリトルが可愛くて好きだった!(←とか言うと、またYに「To-koはオヤジが好きだから…」と言われそう。) 「ほんの少し運があれば」の歌は耳に残ります。

で。結末は知っていたこの話ですけれど、ヒギンズがああまで甘えんぼだとは知りませんでした。原作には、フレディと結婚して苦労するイライザの後日談があったけど、ヒギンズを選んでもやっぱりずるずる寄りかかられて苦労しそうなラストで、それでイイのかイライザっとツッコミたくなります。ガンバレ〜!

2011.6.19(Sun)

梅雨の最中の今日、3ヶ月ぶりのお山に行ってきました。足慣らしは高尾か丹沢か、とぼんやり考えていたのですが、そう言えば父と歩く予定の山リストにちょうどいいのがあったなあ〜と引っ張りだしてきたのが今日のルート。それを図らずも、父の日に歩くコトになりました。土曜日に小田急線沿線の祖母宅に用事があったから、起点駅が鶴巻温泉なのも都合がいい。数日前まで晴れマークの出ていた予報が曇りのち雨に変わってしまったのは残念ですが、まぁ何とかなるでしょう。

土曜日は予想以上にしっかり雨が降っていましたが、目覚めたときにはなんとか雨は上がっていました。あまり長いコースでもないので、祖母と朝食を取ってから出発します。鶴巻温泉駅に着いたときにも、空はまだどんより。駅から見える山の頂も雲に隠れていました。あ〜あ。とりあえず、出発点の写真を撮ろうとカメラの電源を入れると、モニタに「カードが入っていません」と出てきます。ぎゃっ! 絶対に何か忘れると思ってたけど、これかよ。

ただの重しになってしまったカメラが悲しいですが、気を取り直して歩き出します。日帰り温泉施設「弘法の里湯」を過ぎ、緑に囲まれた陣屋旅館を過ぎ、高速道路をくぐってやってきた登山口は、民家の裏山に通じる小道といった雰囲気です。前日までの雨で道が滑りやすそうになっていますし、今日はスニーカーなので、気をつけて歩き始めました。最初のうちは両脇に畑が見えたり、紫陽花が植えてあったりして人の気配が濃厚です。

高取山高取山

今日の写真は携帯で。左:駅前の……ヤドカリ? ナゼ?/右:駅前から始まり、ちょこちょこと標識あり。これを辿るだけで大丈夫ってほど充実はしてませんが、道を間違えていない目安にはなります。

高取山高速道路が近くを走っているので、山に入っても車の音は絶えません。気持ちのいい広葉樹の林に深呼吸をすると、ほんのり堆肥のにおいが飛び込んできます。う〜ん、里山! だいぶ緑の濃くなった緑を見上げながら、もうちょっと前、新緑の頃に来てもよかったなあ〜と思いながら歩きます。紅葉の頃も気持ち良さそう。最初の坂を登った後は平坦な道を辿り、登山道に入ってから30分弱で吾妻山に到着しました。東屋やベンチがあり、木々の間から街並みが見下ろせます。

高取山高取山

吾妻山。吾妻神社と刻まれた石碑もあります。日本武尊が弟橘姫を悼み「吾妻はや(わが妻よ)」と嘆いた地である、と案内板に書いてありました。そうゆう地、あちこちにありそうね?

まだ歩き始めたばかりなので、ずんずん先に進みましょう。次のポイントは善波峠(ぜんばとうげ)です。あまりアップダウンのない道をのんびり歩いていくと、やがて分岐に出ました。右側には「大山」、左には「弘法山」とあります。大山ってケーブルカーのある丹沢のだよね? こんなトコから登る物好きな人いるのかなー、なんて考えながら左の道を進みました(後でググってみたら、けっこういるみたい>物好き)。ちょっと登って下って下って……うわ、湿った道が滑りそう!

途中で道は舗装された山道(?)に変わり、やがて開けた場所に辿りつきます。そこには「秦野国際乗馬クラブ」の看板が―――あれ? ここでやっと、これでイイんだっけ?という疑念がわき、地図を広げました(←遅い!)。……あ、さっきの大山のルートに入らなきゃいけないんだった。途中で分岐があるのはわかっていたのに、何を考えていたんだか……。もうこのまま弘法山に登っちゃおうかな〜なんて考えも頭を過ぎりますが、いやいやここで日和ってはダメ、と来た道をひき帰します。

そう言えば今日は、登山届けを出していないんだった。たとえ低山でも、特に単独の場合は妹にルートを伝えてくる主義だったのに、すっかり忘れていました。3ヶ月でこう何もかも忘れてしまって、いいんだろうか>私。どんよりした空は更に黒さを増し、今にも雨が降り出しそうで、ちょっと悲しくなってきます。滑りやすい道をぽそぽそ登り、戻った分岐から「大山」方面に道を取り、ほんの少し歩くとすぐに道標が見えました。

別の道と合流するそこには石のお地蔵さんが並び、「善波峠御夜燈」の矢印もあります。てコトは、この合流地点が善波峠になるのかな。矢印に従って道をはずれ、ちょっと登ると小さな古い石灯篭がありました。この峠はかつての矢倉沢往還上にあり、説明文によると灯篭は旅人の峠越えの安全のために道標として建てられたそうです。小山の上まで登ると何かあるのかな?ともうちょっと登ってみましたが、何にもなかったので道に戻り、今度こそ念仏山方面を目指します。

高取山高取山

左:善波峠の石仏。頭が落ちてしまっているのが残念です/右:御夜灯(おんやとう)。ここに灯りをともして、目立ったのかな〜?

ここから、道はちょっと傾斜を増します。血管みたいに入り組んだ木の根がむき出しになった道をゆっくり登っていると、後ろから10人くらいのトレランチームがやってきて追い抜いていきました。元気だなあ〜。峠から30分もかからずに到着した念仏山山頂にはベンチがあり、南西方面が開けていて秦野の念仏山山頂から街がよく見えました。ここにはお地蔵さんたちがいたらしいのですが、先行のトレランチームで混んでいたせいか、気がつきませんでした。

ちょっと休んでトレランチームを見送り、今度は高取山に向かって再出発します。念仏〜高取間にはいくつかのアップダウンがあり、久しぶりの身には堪えます。里山だし最後に温泉入れるし、父と歩くには適当なんじゃないかと思っていたコースだけど、こりゃ父にはキツかったかもしれん―――と考えてしまうのは、ホントにキツいからなのか、私の体がなまっているからなのか……。たぶん、後者ですね。ふぅふぅと登った高取山山頂にもベンチがあり、行く先には変電所のような施設が見えました。

先ほどから声が聞こえていた先客3人のうち1人は地元の方で、今日は登山道を整備しながら登ってきたそうです。「この辺りは蛭が多いからね〜」と言いながらズボンの裾をまくると、なんと、靴下の上に茶色い生き物がころっと付いています。「あっいた、これが蛭だよ〜」なんて言いつつ慣れた手つきで蛭を始末するのを横目で見ながら、私も慌てて自分の靴をチェックします。靴下OK、ちょっと捲ってみてもOK。よしいない。

ところが先客の2人は「あっ、いた」「オレも」と声を上げています。「あなたもしっかり見たほうがいいよ」と言われ、靴を脱ぐと―――ぎゃーっ! 靴の底に茶色いのがころっと……! 「うわぁ、いたー」と情けない声を上げると、おじさんが「貸して」と始末をつけてくれました。うわわあ、ありがとうございます。吸いつかれる前で良かったぁ〜。しばらく蛭談議を聞いていると、後から続々と人が登ってきました。意外に人気の山なんでしょか?

おじさんが後から来た人たちに「蛭チェックしたほうがいいよ〜」と声をかけると、あちこちから悲鳴が上がります。うひー、こんなにたくさんいるんだ! この山頂で昼食にするつもりでしたが、蛭の話で食欲萎えたし、混んできたし、期待していたほど展望もないしで、聖峰まで進むコトにしました。何となく他の3人と連れ立って山頂を後にし、来た道を少し戻ります。分岐点で私と逆コースで歩いている2人とお別れし、ピストンで歩いているというおじさんと聖峰へのコースに入りました。

分岐から聖峰までは、かなりぐぐぐーっと下ります。おじさんに「あなたとはどこかで、たぶん丹沢で会っていると思うんだけど」と言われたんですが、人の顔を覚えるのが苦手な私はちーっとも思い出せませんでした。ゴメンなさい。かなりゆっくりのペースで30分ほど下ると、小さなお堂のある聖峰です。思わず歓声をあげてしまうくらい、いきなり目の前が開ける場所でした。今日は遠望がききませんが、空気が澄んでいたらさぞや、と思わされます。案内板には、横浜のランドマークや江ノ島、伊豆大島なんて名前が記されていました。

高取山高取山

聖峰より。左:もうちょっと気持ちいい展望だったんだけど、写真でみるとホントどんよ〜りだなあ/右:聖峰不動堂

気持ちがいいので、ここでお昼にしましょう。先を急ぐおじさんに別れを告げ、ベンチに座って、まずは蛭チェック。と、やはり靴下の足首辺りに茶色い姿が……。うわーん、こんなに簡単にひっつかれてしまうと、ローカットのスニーカーを履いてきたのを、後悔してしまうじゃないですか。厚い山用靴下を履いてきたのがせめてもです。恐る恐る蛭をつまんで放り出し、なんとか始末をしました(これがまた大変だった…。なんであんなに丈夫なんだあの生き物は!)。

高取山

不動堂前の石仏さんたち

また食欲を無くすトコでしたが、眺めを楽しんだりお堂の周りの石仏たちに挨拶をしたり花を見たりして気分を変え、コンビニお握りをパクつきます。すかーんと空が澄んだ時期に、ここはまた来てみたいなあ。でも、気分を変えたつもりでもやはり、足元が気になって仕方ありません。落ち着かないので30分ほどで、聖峰に別れを告げます。ここから道は九十九曲の道と女坂に分かれるのですが、私はおじさんお勧めの女坂のほうを下りました。

高取山

名前はわからないけど、可愛い花に慰められます
(追:庭石菖(ニワゼキショウ)のようです)。

下山はあっと言う間でした。少し下で九十九曲の道と合流し、もうしばらく行くと舗装道路に出ます。両側に畑が広がる道を歩くのも少しで、すぐに車道に出ました。ここからの車道歩きがちょっと長かった。バスもあるから時間が合えば利用できそうですが、それでも聖峰から1時間ちょっとで鶴巻温泉駅に戻ってきました。最後まで天気ももってくれて、良かった〜。風呂あがりには、レモンサワーと大山豆腐の冷奴最後にまたちょっと先の『弘法の里湯』(土日祝は2時間まで\1,000)に寄って帰りましょう。

さあ、低山はそろそろ厳しいシーズンです。次はどこに行きましょうね?(←てか、この体力で行けるのか>私)。

鶴巻温泉駅(8:39)→吾妻山125m(9:03)→道間違い→善波峠(10:00)→念仏山357m(10:24-10:30)→高取山556m(11:16-11:32)→聖峰分岐(11:36)→聖峰(12:00-12:30)→鶴巻温泉駅(13:35)

2011.6.12(Sun)

今日は美濃ちゃんと連れ立って渋谷へ、『100,000年後の安全』を見に行ってきた。もう公開を終了しちゃった映画館も多いので空いているかと思ったら、まだ人は入るみたい。でも、とにかくひたすら沈鬱な映画で、同じような映像が繰り返し繰り返し流れ、結論も無い。ホントになあ〜。なんでこんなどうしようもない廃棄物を作ってしまったんだろ、とただ暗澹とする。面白かったかどうかと聞かれればYesとは言えないけれど、知っておかなきゃいけない事実なんだろう。知らなきゃシアワセ…なの、か、な…?

ちなみに私は隠したほうがいいと思う>オンカロ。呪いの言葉を読んで発掘を中止した考古学者なんて聞いたコトないもの。で、見つかってしまったときの用心に、掘り出したときに必ず目につくトコロに警告を書いておく、と。あ〜、しかし100,000年後か……。「今、金が手に入るなら50年後に産まれる子供が片輪になっても構わない」なんて発言する人とは、想像力や共感力が全然違う。日本じゃここまでの議論は、まずされないんだろう。悲しい。

遅めの昼食の後は、場所を移動してまずはカー用品の店へ。目星をつけているナビを実際に触りに行ったのだけど(そしてちょっと触ったくらいじゃ分からないと思ったんだけど)、カー用品の店って入ったコトがなかったから、いろんな小物が面白くてついあれこれ買いたくなってしまう。……って、まだ車を決めてませんがなー。じゃあ、今度はスズキに移動しましょう。こないだは店に置いてなかったカラーのが見たくって、お願いしてあるのだ。

雨がパラパラ降ってきたので、担当のS石さんが最寄駅まで迎えに来てくれた。乗っているのはアロマティックアクアメタリック。この色を「昭和の冷蔵庫の色」と表現したら、「To-koさんの趣味がわからないよ…」と呆れられたけど、実際に見てみると美濃ちゃんも気に入ったみたいだった。でも、やっぱこないだ見たほうの色がイイかな〜。店に移動してもう一度細部をチェックさせてもらってから、さあ商談―――なんだけど、値引き交渉とか苦手なんだよなーと思っていたらS石さんもそうなのか「駆け引きしても仕方ないから」といきなりガッツリ下げてくれた。

一発で「ここまで引いてくれたら買ってもいい」のラインまでいって、しかもオプションを追加したらさらに値引き額を上乗せしてくれて、持ち込みナビの取付費用もサービスにしてくれた。最初に「安くしてくれたら嬉しい」と言ったきり、ここまで何の交渉もしていないのに……。お願いすればオプションをもう1つくらいおまけしてくれたかもしれないけど、「もう十分」な気になってしまって、判子を押した。うひゃー、商談成立! せっかく用意してくれた昭和の冷蔵庫カラーだったが、色は結局ミルクティーベージュにした。震災後の部品不足で納期はまだ未定だけど、待つ間のわくわくも楽しめそうだ。

悲しい気持ちになったから自棄買いしてストレス発散したワケでは、ありません。……違うよ? ……違うってば!

2011.6.11(Sat)

本日は新宿で、素人の乱主催の脱原発デモに参加してきました。今日はお泊りの予定なんで、駅のロッカーに荷物を預けてから集合場所の新宿中央公園に行くと、もう集会が始まっています。すぐに交流会で同じテーブルに座っていた若い女子を見つけたので、挨拶をして彼女と一緒にアピールを聞きます。……が、ステージのほうが何かよく分からない事情で揉めていて、あまりちゃんと聞けませんでした。

公園に集まった人は「少ないかな?」と思えましたが、サウンドカーを先頭にたてたデモが始まると、途中から参加する人で少しずつ隊列が大きくなっていくような気がします。この日は、前述の彼女(Hちゃん)とお喋りしながら歩いたので、時間の経つのが早かったです。交通整理の警官も、今回はあまり高圧的でなくてホッとしました。渋谷のときは、なんだかちょと怖かったもんな〜。2時間強歩いてアルタ前広場に到着し、続々と到着する人たちをしばらく眺めて楽しみます。

18時からマイクアピールがあるとのコトでしたが、しばらく時間が余るので、Hちゃんと別れて山の店で時間潰し♪ 戻ると、広場の人波は膨れ上げっていました。主催者発表では最終的に2万人になったとか……。凄い。Hちゃんと「また後でね〜」なんて言ってたのに、とても見つけられません。中央の車の上ではアピールが始まっていて、次から次へとスピーカーが立っていましたが、広場の中央に入れなかった私からは聞えず……。ただ帰る気にもなれなくて、端っこで喧騒を眺めていました。

と、しきりに解散を呼びかける警察に向かって、切々と訴えかける声が聞えました。見回すと、サウンドカーの一台かな? 止まった軽トラの荷台で、楽器に埋もれたパンクなお兄ちゃんがマイクを手にしています。「安全な暮らしがしたいって俺らの主張は、間違ってるか? 福島に行ったことがあるか? あそこでは生活が、普通の生活が壊れてしまってるんだよ。子供たちが外で遊ぶこともできないんだ。俺らは毎週、福島に行ってるんだよ。テレビで見た印象とかで喋ってるんじゃないんだ。福島を見てるんだよ。あんな悲惨なことは二度と起こしちゃいけないってのは、間違ってるか?」。

聞いているうちに、涙が出そうになってきました。あまりにも切々と、ただ切々と福島のことを語ってくれているので、ちょっと見た目が怖い人たちだったんだけど、どうしても一言お礼が言いたくて、軽トラに近づいて「ありがとう」を言いました。ここでビックリしたのは、田舎の地名が一発で通じたコト! 私の田舎はすごい僻地にあるので、同じ市内の人にも「どこ?」と聞かれちゃうくらいなんです。なのに「あ、知ってますよー」とすぐに返ってきたのにはビックリしました。「何度も行ってるし、福島の地図はだいたい頭に入ってるんです」と、これまた嬉しいことを言ってくれました。

約束の時間があったので最後まではその場にいられなかったんだけど、今回も参加してよかったデモでした。その後、荷物を回収して美濃ちゃんちへ。美濃ちゃんが職場で、年配のお客さんに「従姉妹が今日はデモに行ってるんですよ」と話したら、「従姉妹さんって、そうゆう人? 組合とかの?」と言われたそうで、そっかそうゆうイメージなんだ……と、笑っちゃいました。違うよ、今日来ていたほとんどの人は、今までそうゆうコトをやった経験のない、あなたと同じような人なんです。

2011.6.4(Sat)_2

≪つづき≫

ショップに戻り、いつも以上にの〜んびりの〜んびりログ付けをして(途中でS藤さんは帰っていきました。ゴメンなさい、自分たちが急がないもんだから、つい必要以上にまったりしてた!)、Uとショップ近くの“S”に夕食に行きました。シーフードピラフ久しぶりに来たけれど、この店のシーフードピラフが美味しい!のです。他のお店では、ちょっと食べられないお味。がっつり食べてビールも飲んで、ちょっと夕暮れの匂いのする海沿いの道を歩いてショップに戻ります。

これから今日の2つ目のイベント、“松川湖ほたる鑑賞会”に行くのです。5人で1つの車に乗りこんで、会場に着いた19時半くらいになっても、外にはまだほんのりと明るさが残っていました。こんなイベントやっているなんて今まで知りませんでしたけど、地元では有名なのか、駐車場はすでにいっぱい。誘導員さんに指示されて、路肩駐車させてもらいました。「ちょっとまだ明るいね〜」と言っていたら、入口でちょうど“蛍の勉強会”が始まるトコロ。時間潰しにちょうどいい、と寄ってみるコトにします。

今の季節見られるのはゲンジボタルであるとか、蛍の一生とか、♂♀の光り方の違いとか、なかなか興味深い話でした。ナゼか途中から蚕の説明になってしまいましたが、全部聞いて外に出るとちょうどイイ感じの暗さになっています。湖に向かって階段を下りていく足元がおぼつかなく、「懐中電灯があったほうが良かったかなー」と最初は言っていたのですが、道端には低い位置に等間隔で灯りが並べられていて、慣れれば問題ありません。

と、目の前をふ〜っと、蛍の光が横切っていきました。あっ、いた。田舎の家にも蛍は出るんですが、それより大きく明るい気がします(田舎で見たのはヘイケボタル?)。最初は1匹が光って消えてを繰り返していましたが、暗くなるにしたがって光の数は増えていきます。水辺の生き物だから、もっと湖に近いトコロを飛び回っているのかと想像していましたけど、ほとんどの蛍はちょっと離れた土手にいました。そのうち木の上まで舞い上がる蛍も出てきて、いっせいに光るとちょっとしたクリスマスツリーのよう。

何百匹もの蛍がいっせいに光るというほどではありませんでしたけど、20以上はいたかな? しばらく皆でぼーっと蛍を眺めていました。この風景を見ると、蛍は人の魂だって思っちゃう気持ちもよくわかるね〜、とか話しながら。今の季節は蚊もいないし、蛍見物には最適ですね。あ、準備ばっちりで懐中電灯を持ってきている人たちもいましたが、やはり電灯を持っていると目が慣れないのか、必要以上に周囲を照らしていて顰蹙モノでした。

しばらく蛍を楽しんでからショップに戻り、SさんTさん、宿泊のabさんに別れを告げて、私たちもUの車で帰路につきます。こんなに遅くにショップを出発するのは初めてだったので、終電に間に合うか心配でしたが、なんと! 1回も渋滞に引っかからず、スムーズにUの家の最寄駅まで到着しました。伊豆で夕食とってから帰ったほうが、結果的に早く帰れるのかもね〜。Uに別れを告げ、盛りだくさんだった1日は終了。UやSさんからプレゼントももらって、いい1日でした。

そしてやっぱり、ダイビングは腰に優しくない。健康なときでもダイビングが終わると背中が張ってしまうけど、今日は格別です。いいい、痛いよぅ……(←四十路っぽい?)。

2011.6.4(Sat)_1

大鯛ダイブと勝手に銘打って、伊豆に潜りに行ってきました。数日前まで肌寒い日が続いていたけど、今日は朝から青空が広がり暑くなりそうです。いつもの電車に乗っていつもの駅まで行くと、ガイドのTさんが迎えにきてくれていました。同じ電車でやってきたのはabさん。ショップに行くと先に到着していたUと、お久しぶりのS藤さんが迎えてくれました。今日のゲストはこの4人で皆馴染みの顔ぶれなので、まったり潜れそうです。

さて今日のポイントは富戸です。ずいぶんと久しぶりな気がする富戸は着くとなかなかの賑わいで、やっと海にもダイバーが戻ってきたかと思われましたが、イベント開催中だったせいもあるみたい。行くまで知らなかったのですが、“海で元気になろう!”フェスティバルってのの最中でした。各器材メーカーがモニター品を並べていたり、義援金を募ったりしていました……けど、どっちもアピール不足で人が寄り付いていなかったのは残念です。

ところでワタクシ、先日の転倒のせいで昨日から腰が痛くてたまりません。予約電話を入れたときは転倒当日で、擦り傷の心配しかしていなかったけど、翌朝起きたら腰が痛い。最初は寝違えたかと思いましたが、寝違えて腰が痛くなったコトなんかないし、他に思い当たるコトはといえば前日の転倒くらいです。でも腰を痛めた状態でダイビングなんかして平気かな〜。下手したら、ぎっくり腰(←これもなったコトないんですが)になっちゃうかも。

ですので今日は、ショップに着いたときから「いつもできるコトができないかもしれないんで、すみませんが手助けお願いします」とお願いしてありました。お願いしてはあったんですが、基本的にダイビングは、自分のコトは自分でしなくちゃいけないスポーツです。ですから、時間かかっても大目に見て欲しいな〜くらいの気持ちで言ったのですけど、まあ〜皆、優しい優しい。ウエイトは持ってもらえるわ、器材の上げ下げに手を貸してもらえるわ、ちょっとしたお姫さまダイブでした。

準備が終わったら、いよいよ海です。こないだがこないだだったので、実は海には全然期待していませんでした。そ・れ・な・の・に! 無欲の勝利ってヤツでしょうか。き、きれい……。浮遊物が全然ないとは言いません。ですもん。でも青く、かなり先まで見通せます。これは気持ちイイ♥ ガイドのSさん先行、Tさんしんがりのいつもの隊列で進みますが、透明度がいいときの安心感で、皆、それぞれのハントをしています。

目についたのはウミウシ。シロ、アオ、サラサ、ハナオトメと珍しい個体はいなかったのですが、複数で並んでいたりして、楽しませてくれました。あと可愛かったのはキタマクラの赤ちゃん。かわいそうな名前のキタマクラですが、ホントはけっこう可愛くて好きなんです。それが小さいんだから尚更〜。Sさんはベニケロも教えてくれましたが、これはあんまキレイな個体じゃありませんでした。オハグロベラのオス同士が縄張り争いを繰り広げていたり、ヤマドリが派手な婚姻色になっていたり、ふと目線を上げるとスズメダイの群が横切っていったり、ああ伊豆だなあ〜♪

水温もだいぶ高くなっているようで、最後まで寒さを感じるコトもなく1本目のダイビングを終了します。2本目のセッティングをしてから、お昼を食べようと車を置いてある場所まで戻ると、すぐ近くで漁港の方々がバーベキューをしていました。なんと、無料でふるまってもらえるとのコトで、さっそくもらいに行きます。こんなサービスがあるとわかっていたら、お昼は軽めに買ってきたのにぃ。暖かい、つか、暑いくらいの陽射しのなかで、地べたに座り込んで食べるご飯は最高です。

富戸のサービス富戸のサービス

ハウジングつけたまま撮ったんで、水滴でボヤけちゃいました。イカ(一夜干し?)、サバ、メザシ。新鮮なのか、サバが超ウマ〜♪

ゆっくりのんびりお喋りした後の2本目は、砂地へ。こんなに海がキレイなときは砂紋を見てるだけでも楽しいから、と選んだコースだったけど、こちらもなかなか賑やかでした。タツノイトコにヒフキヨウジ(←見分けがつかないっ)、ヒラメ、モンガラドウシ、ゴテンアナゴ、イネゴチ、ホウボウ。ABさんはカスザメも見たそうですが、Tさんによると「あれ、死んでましたよ」とのコト。他にも死んでる生物が数個体いたらしく、Tさんは「あんまり見ない光景。ちょっと不気味だなあ」と言っていました。

上がってから原因はなんだろう?って話に。「地震かな〜。あれだけの地殻変動があったんだから、海の環境も激変したよね」「いや放射能じゃない?」「え〜、いくら何でも伊豆の海は平気でしょ。熱海市も安全宣言だしてたし」「どうする、福島から逃げてきたんだったら?」「“もっと早く避難指示を出して欲しかった……ぱたっ”みたいな?」。―――えーっと、こんな不謹慎なばか話をして大笑いできるように、なりました。人間って逞しい。

満足の2本目でしたが、一番嬉しかったのはやっぱり砂紋でした。ちょっと浮いて、波が砂で描いた紋様を眺めるの、ホントに好き。ちょっと先まで行くと海底がぐんと深くなっていて、暗くなっているその先を眺めるのも好きです。ま、気をつけないと知らないうちに深く潜りすぎちゃって危ないのですが。そんな砂地を満喫し、浅場からエキジットロープに戻ったその辺りで、S藤さんがふわーっと浮いていってしまいました。

それでわちゃくちゃっとなって、おまけに後ろから他のグループがやってきたので(落ち着いてからエキジットしよう)とロープの際で順番を待ちます。と、S藤さんと一緒に先に上がったのかと思っていたSさんが戻ってきました。私の顔を見るやいなや、「バディは?」と聞いてきます。あ〜。ちょうどSさんたちがわちゃくちゃやってるときに、Uがロープについて先に上がったのは確認していました。でも、一緒にいなかったこれは、後で怒られるかも。

テンパり気味のSさんに「先に行った」と合図を返し、ロープが空くのを待って陸に上がります。上がってから、Sさんは私じゃなくてUに「先に行ったらダメ」と注意していました。けど、あれは仕方ないんじゃないかなあ。S藤さんと一緒に、SさんTさんが上がってしまったように見えたんだもの。Uが他のグループに気付いていたかどうか怪しいし、そしたらついて行こうとしちゃうわよ。陸にあがって片づけをして、今日のダイビングはこれで終了〜。大鯛ダイブが大成功で、嬉しい。

富戸

最高の富戸でした。ありがとー!

≪つづく≫

2011.6.2(Thu)

お昼を食べて会社に戻ってきたら、入口の車回しにビニールの道が出来ていた。なにげに足を乗せてしまったけど、行く先を見ると業者さんが大きな荷物を台車に載せてこちらにやってくる。こりゃ邪魔だな、と思って道を譲ろうとしたら、雨で濡れていたサンダルの底が見事に滑った。―――滑りすぎ! おもいっきりコケて、近くで作業を見守っていた人が「大丈夫ですか!」と駆け寄ってきたんだけど、尻餅ついたところに段差があったので上半身が支えきれず、二段構えでコケた。肩から地面にぶつかった。膝丈のスカートで横倒しになったんだったから、すんごくみっともない姿になってたと思う。はははは恥ずかしいっ…! 心配してくれる業者さんたちに「大丈夫、大丈夫ですっ」を連発して(ホントは「パンツ見えませんでしたか?」って聞きたかったけど、「見えました」と言われても困るし)逃げるようにその場から立ち去りました。事務所に入って確認したら、肘が大きく擦りむけていた。打った肩も痛い。打たなかった(はずの)反対側の肩もナゼか痛い。そんな30代最後の日。

2011.6.1(Wed)

映画1,000円の日なので、定時で会社を飛び出し行ってきました『ブラック・スワン』。主役のプレッシャーで徐々に追い詰められていくプリマドンナの話ってのは知っていたけれど、サイコホラーにカテゴライズされる作品だってのは知らなくて、だから最初は(なんでこうめまぐるしくカットを変えるかなー、もっとじっくりバレエを見せて欲しいよ)なんて筋違いな感想を抱きながら見ていました。だけど途中から怖くて怖くて。

映画館が混んでいてスクリーン間近な席しか取れず画面が見づらかったせいもあるのですが、ときおり何が映ったかさえわからないほど忙しなく変わる映像が、現実と妄想の境目さえ分からなくなっていくニナ(ヒロイン)の心境と重なり、息苦しくなるほどです。特に母親の愛情(と見せて束縛)は本当に苦しくて、ニナに「逃げて逃げて」と言いたくなる。母親に関しては、どこまでが現実でどこまでが妄想なのか、最後まで分からない場面もありました。

あと細かく痛い場面(指のさかむけとか)が多いとか、とにかく見ていて苦しい映画でラストまで救いがありません。せめて、せめて最後にはニナに救いを与えて欲しかった。ああでなきゃいけなかったのかなー。ニナには「我が姫君」と呼びかける演出家の手を振り払って(前プリマドンナ、ベスの二の舞になる未来も否定して)、立ち上がって欲しかったです。最終幕の直前、ニナが涙を化粧の下に塗りこめて笑う表情が迫力で好きだっただけに、悲しかった。

でも。バレエ映画じゃなくてホラー映画だったとしても。帰路、頭の中で流れていたのは『白鳥の湖』の曲で、気を抜くと踊りだしそうになっちゃうのはダンスの力ってヤツでしょうか。久しぶりに『赤い靴』なんか見たくなっちゃいますね。

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