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2001.11.26

最近では珍しくネットもせずに寝ていたのに、まだ咳が出るってのはどういうコト? ってまあ合間にすっぽんを食べに行ったりお芝居を観に行ったりしてたので、自業自得とも言いますが。両方とも前からの約束だったし楽しんだのだけど、おかげでまだ荷物ができてません…と人のせいにするのはやめましょう。

芝居帰りには一緒に旅行に行く友人と食事。ケアンズに行くのは2度目なので、「向こうに行ってからツアー申し込めばいいや」とのんびりしていたのだが、彼女がガイドブックを見せてくれたので、かなり気分が盛り上がった。写真を見るだけであっちもこっちも行きたくなってしまう。ガイドブックを見ながら「ねえねえ、貸別荘みたいなのもいいよねー。いかにもリゾートって感じしない?」「あ!見て!ハンモック! いーよねー、ハンモック。海に沈む夕日を見ながらのんびりさー」「で片手にはワインね」「当たり前じゃーん、ワインは欠かせないでしょー」だの「ねーヨットってのもよくない? このヨットで寝泊りする2泊3日のツアーなんかどうよ」「酔わないかなー」「何回かゲロゲローっていっちゃうと後は平気になるらしいよ?」「やだよそんなの」「でもヨットだよ?面白そうじゃん」「うーん贅沢なツアーだよなー。日程的に」だのと、いくらでも話せる。

ホントは、今回の旅行は短いので、やりたいコトの半分もできない。何せ現地で過ごせるのはたったの4日。話をしてても「でも今回はムリだよね…」となってしまう。でも「次やろう、次回に!」と、出発前から次の旅行の話までするのはいつもの通り。今までした約束を全部実現させるとしたら、すごいコトになりそうだ。先の予定は多いほうが楽しいからいいけど。現実的には、今回の旅行はダイビングメイン…と言うとカッコいいなぁ。でもメンバー全員初心者の、へなちょこダイバーズです。天気さえ味方してくれたら3本か4本は潜れるかなーと期待してます。んでもしかしてもしかすると、海ガメとかナポレオンフィッシュみたいな大物も見れるかも、しれません。見れたらいいな。うーん何だかんだ言っても旅行前って楽しいです。へへー。

2001.11.21

8月末に決めた旅行が、とうとう来週に迫った。旅行代理店に日程表をもらい、昨日は一緒に行く友人ら3人と集まって打ち合わせしたのに、最近忙しくて何の用意も始めていないせいか全然実感がわかない。出発前の計画たてたり買い物したりもまた旅の楽しみの一つなのにー! 何かもったいないので、とりあえず今週末の連休に買い物をして気分を盛り上げようと思う。…盛り上がらないのは、今イチ体調がすぐれないせいかもしれない。どうも風邪をひきかけているような気がする。いや、完璧にひきかけている。旅行に行くのに風邪なんて冗談じゃない!と葛根湯を飲んでがんばっているのだが、これまた連休中に持ち直せるかが勝負だ。それにしても私にうつした犯人はもうケロッとしているので癪にさわる。八つ当たりだけど。

あと、旅行を決めてからいろいろあったせいで、「ホントに行くの?」とまだどこかで思っている。「行っても平気かなー」「延ばした方が無難かも…」というやり取りもあったし、私は行きたかったけど、「不安だからやめよう」と言い出す人がいたら、無理強いはやめようと考えていた。でも結局行きたい気持ちは誰もが一緒だったみたいで、誰も決定的なコトを言い出さないまま、出発が迫った感じ。テンションがあがらないのはそのせいも。行っちゃえば楽しむけどね、もちろん。

私の周囲では、会社のお弁当仲間が「やっぱり行くの?」「危なくない?」とやたら心配している。最初はあまり気にしていなかったが、何度も言われるうちに、それからNYでの飛行機の墜落もあって、さすがにちょっとは不安になってきた。それで笑っちゃうのだが、不安になってまず考えたのが「このサイトどうしようかなー」だった。こんなくだらないコトを一生懸命書いてるのが遺書になるのは、なんだかイヤな気がして。でも考えてみりゃ普通に生活していても、いきなり車に轢かれちゃうかもしれないし、関東大震災が来てぺちゃんこになるかもしれないし、予測不可能な事態はどこにでも転がっているので、無駄な足掻きはしないコトに。それに死んだ後何が起ころうが知ったこっちゃないだろう、多分。予想に反して死後も意識があって、恥ずかしさに悶えるような羽目に陥ったら…がんばって誰かの夢枕に立てばいいや。立たれた人はよろしくね。

うーんナゼに旅行の話がこんな縁起の悪い話になるんだろ。きっと風邪が脳にまでまわってきたせいね。薬飲んで寝よう。

2001.11.19

おめでとう全日本女子銅メダル。見られなかった中国・ロシア戦はストレート負けしていたそうで、偶然だけど日本が勝った試合だけ見たコトに。昨日の対アメリカ戦はセット数こそ3-1だけど接戦で、もうはらはらしながら画面に食いついてました。点を取ったり取られたりするごとに「よしっ」とか「ああっ」とか声に出しちゃうくらいにエキサイトしちゃいましたよ私ゃ。

試合は良かったんですが、実況の人が最初っからメダルメダルと連呼していて、イライラしました。この試合に勝てば銅メダル決定だからって、1セット目を取っただけで「憧れ続けていたメダルが手の届くところまで!!」と叫び、最初リードされていた2セット目の終盤、日本が連続ポイントをあげると「メダルが近づきました!」。んで第2セットはアメリカが取って、続く第3セットで一瞬逆転しただけで「もうメダルはすぐそこです!!」。でもその時はホント1点ずつの取り合いが続いていたから、案の定すぐにまたアメリカに逆転されちゃって。その後も点が入るごとにメダルメダルメダル…あの試合で一体何回言ったんだろ。3セット目だか4セット目だかにちょっとリードされたときも「メダルが近いからって浮き足立っちゃいけませんね〜」とか言ってて、「浮き足立ってるのはお前だけだよ!」と思いました。そしたら解説のおじさんが「いや、まだそんな段階じゃないでしょう」と返してて、それに「…あ、そうなんですか」と急にトーンダウンしたのには笑えました。ざまあみろ。

私は人を持ち上げたり落としたりコロコロ態度を変える人がとにかくキライ。この人はメダルメダルとうるさいくせに、ちょっと日本がミスをすると「今のは取らなくちゃいけませんねー」とか知った風なコメントばかりしていて(知識はあるのかもしれないけど)、「じゃあ自分で取ってみろよ!」と腹が立ちました。やったコトのない事柄は批判できないってワケじゃないけど、それなりのスタンスってもんがあるんじゃないかと思います。解説のおじさんも偉そうだったけど(多分有名な方なんであろう。元監督とか?)、この人は最初から最後まで偉そうだったので、一本スジが通っててガマンできます。メダルメダルと騒いでなかったし。そして一番良かったのはかつての全日本の司令塔、天才セッターの中田久美さんの解説でした。

中田さんは、選手の個別認識が苦手な私が、名前までちゃんと覚えている数少ない選手の一人で、そのトス回しは素人目にも素晴らしく、彼女の出てた試合で「上手いっ」と興奮していたのを覚えてます。ホントにクレバーなバレーをする方でした。だからこの人が「今のは取れますね」と言うと素直に聞けます。それにこの人は選手がミスをしても、実況の人みたいに一本調子に責めるんじゃなくて、サーブミスが続いて実況が「日本はミスが増えてきましたね〜」と言っていても「でもこれは弱気のミスじゃないですから」とかばったりもしていて、ちゃんと状況を見ている感じがします。最終セットの勝つか!という辺りに近づくにつれ、だんだん口数が少なくなってねー。解説も忘れて、手をあわせて祈ってたらしいんですが。最後の方に聞こえた「いけっ!」という小さな呟きが、なんだかちょっと嬉しくて。やっぱ選手を応援してる人がする実況・解説は気持ちイイのでした。

2001.11.18

今日は思考が散漫なので(←いつもなんだけど)、箇条書きで。

■私の仕事は事務スタッフの常で月末月初が忙しい。それなのに私は非常識にも今月末、3日の休暇を取る予定になっている。当然月末にやるべき仕事はできないので、できる部分は前倒しに、できない部分も人に迷惑をかけないよう、月の頭から調整を重ねてきた。なのに金曜日「〜したら一言報告ください」と頼んでおいた仕事が、2ヶ月近く報告されてなかったのが判明。そのたびに報告があったならたいした問題でもなかったのだが、それなりに処理に時間がかかるので30件も一気に来られちゃ苦しい。これでその人に対する信頼度ががた落ちしたため、私がチェックを入れられる態勢もついで整えるコトにした。意地でも締め切りには間に合わせるつもりなので、残業と休日出勤決定。くっそー。

■それでも『アリーmyラブ』の放映には間に合うよう帰宅。うっきゃー!何よ何よ何なのよ今回の『アリー』! ドラマ見てほろりとしたりじーんとしたり笑ったり共感したり、そんなのはよくあるけど、台詞の一言一言自分に言われているような気になったのは初めてよう! どう見りゃいいんだ。身の置き所がない感じ。それにしても何ちゅうか、イヤなところ突いてくるなあー。ついでに言うなら作り物のドラマ見て「自分のコトじゃーん」と思っちゃうのも、そもそもあのエピソードにひっかかっちゃうトコロが我ながらイヤだ。でもああいう脚本書く人がいるんだから、割とありふれた弱みなのかとも思ってみたり。

■ぼーっとしている時に、急に歌とか言葉が頭に浮かんでくるコトはよくある。自分でも「何でこれが…」と全然ワケがわからない。昨日も、薄暗い会社のトイレ(休日は経費削減のため照明も控えめ)でぼーっと用をたし、手を洗おうとして近づいた洗面台の前の大きな鏡に映った自分を見たとたんに、頭の中で声が響いた。「ハゲちゃあマズイでしょ、ハゲちゃあ」。………ナゼだ? 自慢じゃないが私は剛毛・多毛の髪質で、美容院のおにーちゃんにも「ホント何しても痛まなそうな髪だよねー」と褒めてるんだかなんだかの感想を、いっつも言われるくらいなのだ。ハゲる心配は今のところ全くしていない。こうゆう時私の脳内でどんな活動が行われているんだか、すごく気になる。ホント何考えているんだこの女。

■ハゲといえば、日々髪が薄くなってるのを気にしていた私より2、3歳年上の知人(男性)が、勇気を振り絞ってアデランスだかアートネイチャーだかの門を叩いたそうだ。そしたら何と「もう手遅れです」と言われちゃったらしい。それ以来アデランスだかアートネイチャーだかのコマーシャル、若い男のコがどうやって電話かけていいか悩んで、かけてみたら親切に対応されて「もっと早くかければよかった!」って言うヤツを見るたびに、その「もっと早くかければよかった」が、「そうすれば手遅れにならずに済んだのに」に聞こえて、笑わずにはいられない。……えーっと、ハゲてる人に含みはありませんよ。ドクター・ロスよりドクター・グリーンが好きさ、私は。

■コマーシャルといえば、KDDIの好きです。前から面白いのが多かったけど、今回の親子ゲンカの「詳しくはホームページで」、いいよなあ。最後の「今見てるから!」が、何回見ても笑っちゃう。

こんな感じの週末でした。

2001.11.15

私がテレビで見て一番面白いと思うスポーツは、バレーボールである。それも女子。男子じゃダメ。男子のはスピードとか高さはスゴイけど、アタッカーが打つとわりかしすぐに点数が入ってしまうので、面白くない。女子の拾って拾って拾って…「打った!取った!また打った!また取った!」ってのが好きなのだ。テニスなんかも面白いけど、バレーの方がスピーディで攻撃に変化があって興奮する。そんなワケで今、ワールドグランドチャンピオンズカップ2001に夢中である。

夢中である…と言っても、事前に全日本メンバーが誰だか知っていたりとか、今回の監督はどうだと語れるとか、そんな熱心なファンではない。テレビで放映されているのに気が付いたら積極的に見ます、くらいのもんだ。昨日も夕食を食べながら韓国相手の第2戦を見た。第1戦の、ワールドランキング3位のブラジルを3-0で破った大金星には驚いたが(日本はランキング10位)、正直、韓国戦は負けちゃうんじゃないかと思っていた。いやお互いの選手も最近の強さも知らないのだから、これは情勢を見極めての予測ではない。ただ韓国相手だと「いい勝負になるだろう」と言われていても、いつも、いっつも負けてた気がするから…。実際ここ12戦では日本の2勝10敗だったそうだし。苦手意識みたいなんがあるんじゃないのかなーと。

だから第1セットを取られてしまったときも、「やっぱりなー」と思っただけだったし、他にやるコトがあったから第2セットが始まった辺りで、洗い物をしようと台所に立った。横目でちらちら画面は見ていたが、案の定リードを許しているので「日本も波に乗ってるかも知らんが、韓国も乗ってるみたいだもんなぁ」ともう諦めてた。それが部屋に戻ってみると、いつの間にか僅差にまで追い上げている。そして逆転し2セット目奪取。こうなるともう画面から目が離せない。食後は違うコトしようと思ってたのに! バレーだとながら見もできないし。展開が早いので野球みたいに「ファインプレーをもう一度」映像を流してくれず、ちょと目を離した隙にテレビから歓声があがって「え?何?何が起きたの?」と思って視線を戻しても、もう後の祭りなんである。結局かぶりつきで最後まで。こんなコトやってるから時間がなくなるんだよなー。でも1-3で勝って嬉しい。

それにしても日本選手全員についているらしい、あの二つ名(?)ってどうなんだろ。“世界のリベロ”や“弾丸アタッカー”や“コートの守護神”(←全部適当)あたりはいいんだけど、今回のは変な名前が多い。オフィシャルサイトにはのってないけど、誰がつけてるんだ? 前にあったのと重ならないようにしているせいでムリが出るんだろうか。でも“くまちかボンバー”(熊前知加子選手だから)だの“ハイティーンモンスター”だの“むささびサウスポー”だの“元気200%何とか”だの“全日本一の強心臓”だのって、褒め言葉なんだかなんなんだか…。一番首をひねったのが“期待のダイヤの原石”。「期待」と「原石」を並べると妙に弱気っちゅうか控えめな感じがしませんか。ただの“ダイヤの原石”か“期待の新星”じゃダメなんだろか。

2001.11.14

今日は半分私信。ホントの私信は別に書きますが、黙って心配なさってる方が他にいるといけないのでココにも。

すいません。私は元気です。大丈夫です。たしかに9月から10月にかけては気分的にちょっと落ちやすくなっていたのですが、その時も常に落ちていたワケじゃないし、10月終わりからはいつもどおりお気楽にやってます。てかかなり健康的ですよ。ちゃんとご飯作ってるし。三日坊主の私がもう2週間くらい就寝前の体操を欠かしてないし。おかげでちょっと腹筋が復活してきたような気がしてきてます。まだ筋肉つくには早いかなー。問題あるとすれば眠れないコトぐらいでしょうか。いやそれも別に精神的にどうこうではなくて、ただ忙しくしてるだけです。実害は寝坊くらいです。最近ホントに朝に弱くなりました。

川原泉さんのマンガ『中国の壺』に出てくる兄妹で言うと、私はカンペキ妹の方です。このお兄さんはお父さんとの確執でストレスためて、夜中に女装してふらふら出歩く夢遊病を患ってしまう(うーん、こう書くとシリアスマンガのようだ)思いつめタイプですが、妹の方は何かマジメに反省しても次のコマでは「これだけ反省すればもういいだろう」とぐっすり寝てしまうタイプ(ここに書き文字で「←だからストレスがたまらない」とあります)。私もここにごちゃごちゃ書いて「これだけ自省すりゃもういいだろう」とすっきりしてたりもします。別に嘘は書いてませんが、そう常に思いつめてもいませんの。そんなの自分の胸のウチでやれよ!と言われればその通りなんですが…だって夜中に一人で作業してると寂しいんだもーん。つい弱音吐きたくなるのよぅ。

そんなワケで平気ですー。心配かけてごめんよう。でも心配してくれてありがとうよう。私は実は自分よりもテレビの方が心配です。10年以上がんばってくれてますが、今朝いきなり色が死んでました。出てくる人全部顔が真っ青。唇も真っ青。1時間くらいつけてたら直りましたが、もうそろそろ買い換えなくちゃいけないんだろうなあ。買いに行く時間が取れるか心配です。年内いっぱいくらいもってくれないだろうか。あと無性にアーミーナイフを買いに行きたいです。これまた10年以上持ってたmyアーミーナイフが行方不明になっちゃって…。to-koと名前の入っているアーミーナイフを拾った方がいたら、それは私のです。連絡ください。一緒にミニライトと遭難したとき用の呼子がついてるハズです。よろしくお願いします。…ってあれ?話がズレちゃった。

まあそんなこんなで、いつもどおりの私です。これからもどぞよろしく。

2001.11.13

ずーっと前、会社の女のコの間で『美穂の旅』ってのが流行ったコトがありました。ご存知の方も多いでしょうが、これにユーザー登録をして分身を作ると、その分身を旅に出すコトができます。分身はランダムに世界を旅し、世界各地からメールを送ってきてくれます。おまけに旅先で他のユーザの分身と出会ったりもして、それをきっかけにそのユーザとメールのやり取りもできたりします。最初のうちは「○○さんの分身、今どこ?」「私インド」「私のはエジプト行ってるよ」「いいなー私のなんか板橋区を彷徨ってるよぅ」「何回か旅に出したら、どこかで偶然出会ったりしないかなぁ」となかなか楽しめたのですが、4〜5回も出すと飽きてしまい、いつしか話題にも上らなくなりました。

それでも登録は抹消しないでおいたので、たまーに私の分身tokoからメールが届くことがありました。それはサービスを提供している会社からのお知らせであったり、「そろそろ旅に行きたいなー」というtokoからの催促であったりしました。前者はそううるさい頻度ではなかったし、後者は「私だって行ってないんだ!ガマンしろ!」と無視して、ここ1年以上は放っておいたまま、なんとなーく時は過ぎてゆきました。そしてつい最近、tokoからまた1通のメールが届きました。内容はいつものキャンペーンのお知らせだったので、特にどうと言うようなコトはなかったのですが、その件名がいけませんでした。『紅葉を見に行こうよう』。以下、それを読んだ私の脳裏を瞬間的によぎった殺意。

「っざけろよ!オレだって行きたいよ紅葉のキレイな渓谷にでも行きたいよ!旅館に泊まって渓流のせせらぎでも聞いてのんびりしたいよ!人の気も知らないで!そんな余裕ないんだよ!それに行こうようって何さ!うんって言ったら連れてってくれるっての?車でも出してくれるっての?出来ないくせに!出来っこないくせに!その気もないのに誘うなよ!バーチャルのクセに!バーチャルのくせに!行こうようなんて甘えるなばかっ!」

ええ。ササクレ立っていますとも。これ書くまでこの件名が駄洒落だったと気付かなかったくらいには。(←あんたがばかだよ)。現実の友人に誘われたなら小躍りして喜ぶのにねぇ。たとえ行けないにしろ。

2001.11.12

思いきり寝違えて首が回らない。右に15度ひねるともうそこから動かないので、そこはかとなく挙動不審になってます。誰か針でもぷすっと打って治してくれないでしょうかね。…それにしてもなんなんだ、昨日の日記。自分で読んでもよくわからない。「いつもと同じじゃん」なんて思っても言わないで。「頭がはっきりしている」と認識してる時点でもう、ダメだこりゃって感じです。

とにかく要は、自分が落ちようが落ちまいが結果を出さなきゃ意味がない(人に迷惑をかける結果になる)って話ですの。だけどどうやったら結果が出るんだかが、わからない。才能がない…には逃げたくないんだけど。ああでも時間の使い方が下手だし! 脳みその使い方も下手だし! Aを考えなくちゃいけないときにBを考えて、そこからCを妄想して、どんどんAからかけ離れていくってのは、これ何? やっぱり資質? 脳みその使い方が下手ってのは改善できるのかなー。どなたかご存知だったら教えてくださいマジで。………ちょっと情けなくなってきました。この辺で泣き言はやめにしときます。

「がんばったからいいよ」ってのも、ある意味ありだと思う。場合によっては、と言うべきか。それに結果が上手くいかなかったにしろ、「がんば」れば何かしら学ぶコトはあるし。何の意味もないなんて思ってない。だけど自分が結果を出さなかったせいで、誰かがその尻拭いをしなくちゃいけないような場合、自分で自分を「がんばったからいいよ」とは許せない。許しちゃいけない、と思う。それでは余りにも甘えすぎだ。…でも、ああ、どうすべえかなぁ。五里霧中。…って、自分で霧を吐き出してるような気がしないでもない…。どうすべえってやるしかないんだってばさ。おうっ!

2001.11.11

金曜日の朝8時から眠ってません。現在日曜朝2:30。短時間睡眠ですむ幸運な人種や、底知れぬ体力で夜遊びを続ける強者にはわからないでしょうが、土曜朝空きっ腹に流し込んだドリンク剤の効果もとうに切れ、もうそろそろ限界です。その上珍しく酒気も帯びておらず、頭ははっきりしているけど理性や抑制がヤワくなってて、愚痴や弱音を吐くのにちょうどいい状態。よーし書いちゃうぞーと思って、その前にお気に入りサイトの巡回をしたら………。いでこさん、どうしてあなたはそうタイミングがいいのだ。かなり気分が和んでしまいました。へへー。単純。全然カッチョよくないぞ。

でもちょっとだけ愚痴っちゃお。1年半ほど前、自分の甘さが原因で人サマに多大な迷惑をかけてしまった時期があった。もちろん深く深く反省したのだけれども、同時に固く誓ったコトがある。あまり自分を追いつめるのはやめよう、というコトだ。私はもともと広い視野をキープできる実力がなく、順調なときはいいけれども、いろいろ積み重なるとどんどん視野が狭くなってしまって、逃げ道のない袋小路に自分を追いつめてしまったりするタイプ。だけどいくら自分がツライとか苦しいとか思っても、そして自分を情けなく思っても、自分を責めて益になるトコロは一つもない。落ち着いて見れば、いかに袋小路に思えた状況でも必ず突破口はあるもので、勝手に落ち込んで突破口さえ見えなくなる心境は、損にしかならない。

あの頃私は毎回のように帰路一人になるたびに泣いていた。人目を気にしながらも涙を抑えられず、電車の中でぼろぼろと涙をこぼす私は、人から見れば恋愛のドロ沼にでもはまっているように見えただろうが、実際は自分の不甲斐なさがただ悲しく情けないだけだった。だけど、涙を流すだけで楽になる場合もあるけれど、そのときはいくら泣こうが何の役にもたたなかった。たとえどんな努力をしようと、結果を出さなければ何の意味もない事柄は、厳然とあるのだった。だからもし同じ状況に陥ったら、今度はちゃんとしよう、と思っていた。自分を責めて時間を無駄にするコトなく、結果を出そうと思っていた。

結果。自分を責めないってトコロだけはクリア。そしてまた人サマに心痛を与える。ああ、これって只の無責任じゃないのか。いやまだ挽回はできるのか? 今年いっぱいが勝負かもしれない。………ダメだ、こんなトコロだけどもう眠い。死にます。おやすみなさい。

2001.11.8

久しぶりに紙の手紙を書いたら字が恐ろしく汚くなっていて、なんだか情けなくなってしまった。私はもともと手紙魔で、友達に出すような気軽な手紙の場合は思いつくままに長々と書いていて、そのうち考えに手が追いつかなくなって書きなぐるみたいに書いていたから、以前の手紙の字だってキレイだったとは言えない。でも少なくとももう少し読みやすかったと思う。それなのに。メールに頼るようになってまだ僅か数年だというのに。使わないと手ってダメになるもんなんだなー。

あと漢字が出てこなくて。手紙にも「陣」と書こうとして「陳」と書いちゃうし、この前も「考」の字が書けなかった。土を書いてナナメ線書いて…あれ? 中に何を入れるんだっけと思って、一緒にいた友人に聞いて、「よ(←与と言いたかったらしい)みたいな字」と言われて、「ヨ」を書いて笑われたし。そういや海外に行ってたときも漢字をどんどん忘れたなー。ときどき手紙に妙な漢字が混じっていたらしいよ。「マジメ」ってどう書くんだかわからなくなって、確か漢字で三文字で「面」が混じっていた…と思っても、そこから先が思い出せなかったコトもあったっけ。いやー、使わないと頭ってダメになるもんなんだなー。

呆けるのはまだ早いので、たまには手書きの文を書こうっと。もともとボケボケしてるのに、これ以上進んだらマズいでしょ。

2001.11.7

昨日のビデオはミュージカル『CATS』。本家ロンドン版。大好きでもう何度も見ているビデオなんだけど、困るのはダンスシーンが美しすぎてつい見入ってしまうコト。作業しながら流すのには向かない。一応設定を説明すると、舞台はゴミ捨て場。そこに年に一度猫たちが集まって最も輝かしい魂を持つ“ジェリクルキャット”を選ぶ。選ばれた猫は天上に昇り永遠の命を得ることができる。さていったいどの猫が…? ってそれだけ。その設定の中で、それぞれの個性あふれる猫たちが歌ったり踊ったりしてアピールするだけ。つまはじきにされていた娼婦猫グリザベラが 「Touch me! It's so easy to leave me all alone with the memories of my days in the sun」 と歌い上げるところではじーんとくるけど、そこであまり感動しているとその直後に「猫は犬じゃありません」とか「猫と仲良くしたかったらクリームを一皿あげましょう」とかよく意図のわからない歌詞の大合唱があって、幕が下りてしまう。もうストーリーなどあってないような作品なのだと観念して、ただ無心に歌とダンスを楽しめばよろしい。

まず歌。歌にうるさい友人が「劇団四季とは格違い」と言っていたから、実際にとっても上手いんだろうと思う。私は音痴だから多少音が外れていてもわからなくて、歌に関しては点数が甘いのだ。でもそんな私にも、英語で歌っているから言葉の流れがスムーズでリズムが美しく、聞いていて心地いいのはわかる。だいたい輸入物のミュージカルは訳詞で失敗してるコトが多いのだ。それにストーリーがないようなものだから、歌詞を聞き取ろうと努力したり字幕を読んだりする必要もない。楽。

そして踊り。もうこれが最高。私が好きなのはバレエで基本を作った体で踊るジャズダンスなんだけど、それが堪能できる。それにどの人も体がキレイでしなやかで。キャスト全員が猫を演じているのだから、当然しなやかさを意識しているのだろうけど。野生の動物の体つきとか動きとかってすごく美しいものが多いが、このビデオを見るたびに「ああ、もともとは人間も野生の動物なんだよなー」と実感する。そのくらいダンサーたちの体も動きも美しい。同じ人間なのに………やめよう。特に女性ダンサーがいい。男性ダンサーはどうしても力強さとかスピードの方にいってしまうから、女性の方がなめらかさ、美しさでは勝っている。一番好きなのは男女が組んで踊るときなんだけどね。色気があって。まったく同じ女性なのに………やめようって。

男性キャストの中ではなんと言ってもカッコつけ猫のラム・タム・タガー! ダンサーズの中でも群を抜いて迫力モノの長身で手足が長く、両手を広げて立つだけで美しい。くだんの友人は彼の演技を「一昔前のエセロッカーのステージパフォーマンスみたい」と評していたけど、いいんだよう! 私はこうゆうわかりやすく妖しい役が好きなんだよう! 立つときには必ず壁に片手をついて寄りかかって、意味なくカッコつけてる彼がいいんだよう! まっすぐ歩けないのかと言いたくなるくらい、いっつも腰振って歩く彼が好きなんだよう! なんとなく輪の中心から外れて佇んでいるくせに、大事なトコロで「こうしてみればいいんじゃないのか〜い?」と注目を浴びたがる彼が愛しいんだよう! 彼が画面の片隅にでも入ってくると、もうそこに釘付けですよ。そんなワケで今日からデスクトップの壁紙はラム・タム・タガーさまの画像です。変態と言わば言え。

それにしても、このロンドン版の『CATS』はどんな美人猫・美男子猫という設定でも文句のつけようがないくらい、見た目に説得力がある。残念ながらこれが日本になると…。以前劇団四季の『オペラ座の怪人』を観に行ったとき。ちょっとだけ出てくる脇役に、オペラ座のバレリーナ役の女のコたちがいたんだけど、チュチュを着たそのコたちの足が短くって太くって。見た瞬間に「まず容姿で選別されるパリのオペラ座に、そんな体型のダンサーがいるものか」と思ってしまって、一気に覚めてしまった覚えがある。あの話は主役クラスがタキシードやドレスを着こんでいたから誤魔化しがきいて何とかなったけど、舞台がオーディション会場で衣装がほとんどレオタードだけの『コーラスライン』とかになると…。もう最初っから無理がありすぎて悲しい。

ホント自分が日本人のくせに、手足が長く腰が高い西洋の方々の体型を美しいと思っちゃうのは悲しいかもと思うけど、一度出来上がっちゃった価値観は拭えず、やっぱ美しいものは美しいと見惚れてしまう。うっとり。

2001.11.6

相変わらず芝居ビデオを見る生活が続いてる。昨日見たのは、友人が貸してくれた宝塚の花組公演『ルードヴィヒII世』。それを「笑えるよ」と言って貸す友人も友人なら、げらげら笑いながら見る私も私。ああ面白かった。…て、ばかにしてないですよ。ホント面白い。ただ純粋なファンと楽しみ方が違うだけ。でも今回見て「お芝居初心者に布教活動するとき宝塚からってのは無謀だなー」と改めて思っちゃった。宝塚って女性が男も演じるから、いちいち形が決まっていて…様式美、と言えばいいのかな、日常ではしないポーズや大振りの動作の集大成って感じで、そうゆうところ、舞台慣れしてない人には敷居が高いかも。

あと、役者の体温が感じられる芝居が好きな私には、宝塚は大舞台すぎる。だけど大舞台でしかできないセットや照明や演技もあるワケで、それはそれで楽しい。大勢の男役さんたちのダンスシーンなんか迫力ものだし美しいと思う。しなやかだし体形も揃ってるし。宝塚は私の中では芝居というよりショーで、だから演技よりも歌やダンスに重点があるような軽〜いラブコメディミュージカルあたりは純粋に楽しんで観られるが、シリアスものだとかなり苦しい。何年も前、手塚治虫生誕(だか没後)何周年だかの記念公演に宝塚でブラックジャックをやったときも観に行ったんだけど、あれは…。

だいたい演目の選択が違うと思うのだ。手塚治虫なら『リボンの騎士』とか他にもいろいろあるだろうに、なぜよりにもよって『ブラックジャック』。まあそのあまりのミスマッチぶりに興味をひかれて劇場まで足を運んだのだから、思うツボだったかも知れない。しかしあのブラックジャックはがっかりだった。私は、見せ場は絶対に手術シーンだと思ったのだ。トップの美しい男役がメスを両手に舞い踊り、「気道、確保♪開腹♪だめだ〜癒着している〜♪」と朗々と歌い上げ、脇では看護婦たちが「呼吸が、とまりました♪心音、停止♪危険です〜♪」とか「なんて、見事な、手際!神業だわ〜♪」とコーラスを響かせる…そんなクライマックスシーンを期待していた。て、これじゃギャグだけど、ミュージカル『ブラックジャック』と言われて、他に何か思いつく?

ところが実際の舞台は某国の陰謀に巻き込まれたブラックジャックが暗躍する徹頭徹尾シリアスモード。それがまあおかしいと言えばおかしかったが。それと、ブラックジャックが悪役にメスを投げつけて窮地を脱する見せ場で、大舞台だから仕方ないとはいえ、彼が懐から出したメスがどう見ても出刃包丁サイズで、そこだけは笑えた。笑えたけど、純粋なファンなら「カッコいい〜」と見惚れているようなシーンだったから、不純なファンの私たちは下手に笑えず、必死でこらえる私たちの座席の辺りにだけ微妙な空気が漂って困った。…ああ! 言えば言うほど墓穴を掘っているようだけど、好きなんですよ宝塚。

だけど…宝塚も多分新境地を拓こうと大変なんだろうけど、あの『ブラックジャック』とか『ルードヴィヒII世』の第二部のショーの『Asian Sunrise』とか、その路線は違うと思うの。その道は行っちゃいけないよぅ。お笑い集団になりたいんでなかったら。ほら『Asian Sunrise』の振りの中に、どう見てもドリフの「エンヤーコラヤ」の振りが入っている辺り…。

2001.11.4

海外で日本人…特に女のコが殺されたりレイプされたり、そうゆうニュースを聞くとどうしようもない気持ちになる。て、そんなニュースを聞いて喜ぶ人なんかいないと思うんだけど、それともまた別に、明日は我が身というか昨日は我が身というか、もう少し身近な感じで胸が締めつけられる。そのニュースに「日本人は無防備だから気をつけないと…」とか、ひどい時には「日本の女のコは金髪に弱いから…」とかコメントをされると腹が立つ。いや1つ目のコメントは、ある意味正しい。警戒心の薄い日本人が狙われやすいのは確からしい。だけどそう言われると「わかってるんだけど、でもぉ…」と口ごたえしたくなっちゃうのだ。

私は過去に二度、長期の海外旅行をしたコトがある。最初の旅行はもう10年も前で、妹と一緒の西ヨーロッパ7ヶ月の旅だった。出発前にもちろんいろいろ下調べをしたのだが、そのときに妹と「どこまで警戒するか」を話しあった。ガイドブックには、詐欺や強盗や置き引きのよくある手口と、その防止法が載っている。しかしその手口にはけっこう手の込んだモノもあった。例えば列車の中で睡眠薬の入った飲み物をすすめられて、気がつくと有り金全部なくなっているとか、コンパートメントに催眠ガス(?)をまかれて、以下同文とか。で、それに対する防止法は「見知らぬ人には気を許さない」「コンパートメントには入らない」だった。…でも、それってちょっとツマラナくない? いやツマル、ツマラナイの話じゃないんだけど。

結局私たちの出した結論は「素人の出来心は誘わない。だけどプロに狙われたら諦める」というものだった。つまり人前で大金を見せない、財布は分ける、荷物から目を離さない、バッグは斜めにかける、等々の注意はするけど、それ以上はそのときに応じて判断するってコト。だってヨーロッパの長距離列車に乗ってコンパートメントを使わないなんてさー。で、もし催眠ガスをまかれちゃったらもう諦めるしかないね、と。その時は命を取られないコトを祈りましょう、と。

その旅行も、その後の10ヶ月のオセアニア一人旅も、私の基本スタンスはそれだった。だからそれなりの注意はしてたつもりなんだけど、宿も決めずに新しい街に夜中に到着して暗い街を走り回ったり、宿から閉め出されて駅で夜明かししたり、列車の中で知り合った人が宿を経営してるっていうのでついていったり、バスの中で意気投合した人とお茶しに行ったり、いきなり声をかけてきた人に丸一日ガイドをしてもらったり、あまりよく知らない人のうちに遊びに行ったり……うわ、考えるといくらも出てくるな。とにかくそうゆうコトをしてきたワケです。一度だけだけど必要に迫られてヒッチハイクもしたっけ。

こんなのガイドブックによれば言語道断の行為で、実際「ああもしここで殺されちゃったら誰も気づいてくれないなー」という考えがふと頭をよぎったコトは何度かあるし、「うわ、ヤバいかも!」と冷や汗をかいたコトも一度だけ、ある。でも結果的に私はここにぴんぴんしているワケで、それをしなかったらできなかった経験もしてきた。地元の人のオススメ穴場レストランに連れて行ってもらったり、普通観光客が入れないところに入れてもらったり。私が海外に行くのは向こうの人と話すのが楽しいからってのが大きいので、今後も多分同じコトをするだろう。

けどこれはもちろん人に勧められるコトじゃない。私が無事だったのは人を見る目があったからじゃなくて、たまたま運が良かったからだと思うからだ。そりゃ声をかけてきた人全てにほいほいついて行ったワケじゃない。いかにも怪しい人はお断りした。だけど自分なりに判断はしたつもりだけど、もし嘘がとても上手い人にぶつかっちゃったら、多分騙されちゃっただろうなーと思う。そしてこうゆうのは一度やばい人に当たったら最後になってしまう確率が高いから、気軽に「現地の人と仲良くした方がいいよ!」とは言えない。けど逆に「どうしてついて行ってしまったんでしょうねー」てのも、あまり気軽に言って欲しくはないのだ。

そのときに何があって、何を判断して、どうゆう経過でついて行くことになったかなんて、決して他人にはわからない。それなのに、それが海外で起こったからという理由だけで「もっと注意しなくちゃ」みたいなニュアンスで責められるのが、気にくわない。(もちろん本人がいかに無防備であったとしても、“自業自得”と言うのは違うでしょ、と思うけど。)だからそうゆう災難の話を聞くたびに、善意からではあってもピントのズレたお説教を聞くたびに、「わかってるんだけど…」と心の中で呟いてしまうのだ。だってそれって結局は、結果論でしかないんだもん。

2001.11.2

会社の女のコたちと「セルフイメージを把握するのって難しいよね」という話題で盛り上がる。人から自分はどう見えているんだろうってコトなんだが、今回のは内面的な話じゃなくて、完璧に外面的な見栄えの話。例えば私は自分を、鏡を見るたびに世をはかなむほどの不細工ではないと思っているんだけど、それはただ単に毎日見ているせいで見慣れているだけなのかもしれない。世をはかなむほどの不細工ってどれほどだかわからないけど。ときどき「うわーこの人何が楽しくて生きてるんだろう」って顔の人は見かけるけど、それって造作のせいじゃなくて表情のせいだし。整ってなくても魅力的な顔なんかいくらもあるし。

いけない。また話がズレそうになった。顔の話なんかすると好みの問題もあるし、ややこしくなってしまう。今日話していたのは、体の大きさとかもっと無難なものなのだった。把握ができていないと服を買うときに困るとか。心臓に負担がかかりそうなほど太っているのにその自覚がない人がいる、とか。あまり無難じゃないか。とにかく話は「ああいう人って自分じゃ気付かないのかなー」から「自分はどうなんだろう。なんか気付いてないコトがあるのかなー」に流れたのだった。

私は26年間ずーっと、自分は“化け物みたいに顔がデカい”と思っていた。小さい頃からずっと「お前は頭が大きい。顔がデカい。デカいったらデカいったらデカい」と母親から言われ続けてきたせいだ。そしてまた実際にデカいので、友達の帽子を借りたら頭が入らなかったとか、その種の体験が重なって、いつしか“頭のデカい私”は確固たるセルフイメージになってしまった。頭がデカいのだから当然頭身も短い。…少ない? 私はずーっと自分を五頭身くらいだと信じてた。背がにょきにょき伸びてもその思い込みは変わらず、たまに人にスタイルを褒められても「またまたー。お世辞言っちゃってー」としか思わなかった。

いや、ホントは何度か言われるうちに「自分で思っているほどひどくバランスが悪くはないのかも…?」と希望を持つようにはなったのだ。それでも五頭身じゃなくて「五頭身半くらいはあるのかも…!」より先には進まなかった。一度「自分は〜である」と思い込んでしまったら、その思い込みを覆すのはとーっても困難だ。いくら人に言われたって、自分で自覚できる時期がこない限り、セルフイメージは変わらないのだ。私は自分の顔が化け物サイズじゃないのに気付くのに、26年間を費やした。………自分でもバカだと思う。けど大きめなのは確かだから余計気付かなかったんだよぅ。

それが数年前、海外旅行で撮り貯めた大量の写真を整理していたときだ。忘れもしない、ワンピース姿で写っているある1枚の写真を見て「私の頭って…別に化け物みたいにデカくはないじゃん!」と思った。なにも初めて写真に写ったワケじゃあるまいし。全身の映る鏡の前に立ったことがないワケじゃあるまいし。しかしそれまで何を見ても何を言われても、セルフイメージは揺るがなかった。この話をすると友人たちは「何を今さら言い出すのか」という顔をするが、私にとっては新発見だったのだ。ことほど左様に人の思い込みを変えるのは難しい。特に子供の頃に思い込まされてしまったモノは。外面でもこれだから、内面の場合なにをかいわんや。だからセルフイメージを作るときは注意しましょう。作るつもりで出来るものじゃないと思うけど。

注)五頭身が化け物みたく頭がデカいとは思いません。五頭身とは言っても、私のイメージの中では頭部は横にも広がっていて、それが尋常ではないサイズだったのです。

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