F.ポール・ウィルスンの『ナイトワールド』読了。登場人物たちにぶーぶー文句を言いながらも、文章は読みやすいし、内容は勢いのB級ホラーでページを繰る手が止められなくなるしで、つい邦訳されてる作品のほとんどを読んでしまった。しかしさー、ウィルスンの書く女性にはホント苛々させられた! 始末屋ジャックシリーズでは彼の恋人ジーアのどこがイイんだか全然分からないし、その他の作品でも出てくる女性は「我慢できる」レベルがせいぜい。まぁ犬を連れたレディは当たりが多かったけれども。
『ナイトワールド』ではジーアは早々に避難して物語から出て行ってくれるからイイんだけど、その代わりにシルヴィアが依怙地さを発揮する。彼女の依怙地さは『触手(タッチ)』を読んでないと分からない、という評を見たけれども、『触手』を読んでたって分からないよ! 「アラン〜どうして死んでしまったの〜」って、あんたが自宅から出ようとしなかったからじゃん! グレーケンの庇護に入ったからって協力しなきゃいけないワケじゃないんだから、彼女の拒否は意味わからん。
だいたいウィルスンの描く人物たちは人の話を聞かなさすぎる。女性は何か危機に瀕すると目ぇつぶって耳ふさいで「知らない知らない何も起きてない何も間違ってない」とやっていれば危機は過ぎ去っていくと信じてるとしか思えないダチョウみたいな人ばっかだし、じゃあ男性はカッコいいのかと言えば、行動するだけマシではあるものの自分以外の人をちっとも信じないので、自分がコントロールできない事態になるとうるさい。
特に酷いのがジャックで、例えば自分が飛行機を飛ばせないのに飛行機に乗らざるをえないのならもうパイロットに任すしかないと思うのだけれども、ジャックはパイロットの脇で「そのスイッチはなんだ、そのレバーで本当に方向が変えられるのか、雷が落ちたらどうするんだ、そもそも飛行機は何で飛ぶんだ」と離陸から着陸までずーーーっと質問浴びせかけてないと安心できない感じ。ウザいよ! 自分はちっとも他人に説明しないくせにさ。「俺を信じろ」とか言って。まず自分が他人を信じろ。
とまあ不満は尽きないのですが。それでもときどきグッと来てしまうのよね。『ナイトワールド』の、世界の破滅に際しても淡々と自分の仕事を続ける人への敬意、とか。それにとにかく読ませる。『ナイトワールド』出版後に、『ナイトワールド』では主要人物の一人でしかないジャックを主人公にした『始末屋ジャック』シリーズが巻を重ねていて、ジャックの設定が変わってしまっている。それに合わせた新版『ナイトワールド』もアメリカでは出版されているそうな。邦訳されたらそれも読んでみたい、と思ってしまうもの。
『始末屋ジャック』シリーズの展開からすると、ジャックはグレーケンの後継者にならなくちゃだし、『悪夢の秘薬』でだっけ? 見逃してやったラコシがどうなったのかも気になるところ。しかし新版となると今回読んだ『ナイトワールド』の一番の見どころ、怒れるグレーケンのシーンが無くなってしまうであろうトコロが惜しい―――と、ちょっとだけ感想書くだけのつもりだったのに、ここまで語ってしまうのは、結局作者の思う壺でしょうか。
週末は田舎に帰っていました。1人で行くことの多い田舎ですが、今回は妹と父の兄夫婦が一緒です。伯父は今まで一度も私の田舎に来たコトが無かったので、「一度くらいはタルちゃん(←父)の作った家を見においでよ」とお誘いしていたのが、やっと実現いたしました。とは言え、何をするにもいちいち時間のかかる田舎の家。私一人で料理やら掃除やらをしながらお客をもてなすのはちょっと大変なので、妹も同行。金曜に祖母宅に泊まり、土曜の朝に伯父宅で伯父夫婦と妹を拾ってさあ出発。
週日はかなり冷えていたので東北はさぞかし、と覚悟をしていたのですが、お陽さまが昇るにしたがって気温もあがり、車の中は暑いくらいです。お昼ちょっと前に麓の街に着き、食料を買い込んでから早めのお昼をとり、山の家には午後早くに到着しました。順調順調。明るいうちにと敷地内をご案内し(広いだけは広いんだ、ウチは)、後は掃除をしたり布団乾燥機をかけたりお茶→ワインを飲んだりしながらのんびりしました。
今回も残念ながらチー&Naoちゃん夫妻は不在だったので、夕食にはボーだけを招き皆で鍋を囲みました。伯父たちはいつもは23時過ぎに寝ると言っていたのに、早起き(旅行の興奮のせいか3時に起きたらしい)のせいか、それとも田舎の空気はやっぱり早寝早起きになるのか、久しぶりに炊いたお風呂で温まった21時頃には布団に入ってしまいます。えーっ。しかし人に寝られてしまうと私も眠くなってきて、22時前には寝入ってしまいました。あ、例の侵入者はもういなくなったのか、静かなものでした。
だいぶ葉は落ちてしまっているけど、名残の紅葉がキレイです。手前を掘り返しているのは、こりゃイノシシの仕業だな…orz
翌日は「7時には起きるね〜」と言っていましたが、前日21時寝では6時には起きだすだろうなあ、と思っていたら案の定。5時過ぎには1階から話し声が聞こえ始めました。5:30になると薪ストーブが心配になったのか妹も起きだしてしまいます。私は6時までは粘ろう……とガンバっていましたが、やっぱり5:45頃には起床。外はまだ真っ暗だっつーのに。しかしこの日はやるコトがけっこう多かった。朝食をとって洗濯機を2回まわし、掃除をして、タイヤを冬用に交換。それからお散歩。
左:真弓(マユミ)の実/右:キノコぎっしり。これ、食べられるのかな?(まぁ放射能はおいといて、の話ですが)
父母やヨノと一緒に歩いていたコースを、伯父夫婦にぜひ見て欲しかった。紅葉のさかりは過ぎていましたけど、2日続きの好天で風もなく、枯葉を踏む音だけが響く森の中を歩いているとぽかぽかしてきます。ときおり頭上で風が吹くとぱらぱらぱらっと黄色い葉っぱが落ちてきて、まだ色づきのよい木々も所々に残ってて、キレイだねえ〜と言いながらゆっくり歩く森の中。震災以降手入れもされてないだろうし、ほとんど誰も歩いていないだろうから、こないだ歩いたときより道がぼんやししちゃってました。数年たてば、もうルートも分からなくなってしまうかな。
お散歩コースの紅葉。いい、森でしょ?
そんなこんなでもう帰る時間です。早起きしたのに、高速に乗ってSAで昼食を取れたのは13時半くらいになってしまいました。ちょっと欲張りすぎたかな。でも父母が暮らしてた土地を伯父夫婦に見てもらえて、ホントよかった。喜んでもらえたのも嬉しい。そのまま順調に帰れるかと思いましたが、三郷近くで4台+3台の玉突き事故が発生し、渋滞に巻き込まれてしまいました。そこで詰まった分首都高は流れてて、伯父夫婦を送ってから妹と一緒に祖母宅まで戻り、車を置いて帰宅。やっと、ノルマ一個片した感じです。