2013.9.23(Mon)

この3連休は田舎帰りでした。最近はずっと土日の1泊2日で帰ってたので、2泊できる今回は久しぶりにゆっくりできます。秋風も吹き始めたし「涼しくなったら一度遊びに行きたい」と言っていたM夫妻に連絡をしてみると、日・月で参加したいとのコト。我が家にお客を迎えるのはこれまた久しぶり……、震災以来です。一足先に出発する私は、いつものように金曜日は祖母宅泊で土曜早朝に出発。いつもならすいすい走れる時間帯ですが、連休のせいか高速に入るまでが渋滞してました。

麓の街で買い物を済ませ、お昼ちょっと前には山の家に到着。空には薄く雲がかかってますが、秋の高い空が気持ちいい。風もひんやり涼しくて、この季節もなかなかのモンです。この日は山の空気を楽しみつつ、ひたすらのんびり過ごしました。翌土曜日、空が白みかけた5:30ごろ、何かがぶんぶん飛ぶ羽音で目を覚まします。窓の辺りで飛び回っているのは―――ぎゃーっ、スズメバチっ。こちらを攻撃してくる気配はありませんが、うるさいので蝿たたきでていっと駆除します。田舎家ではスズメバチにいちいちキャーキャー言ってられないのだ(怖いけど)。

静かになったのでうとうとしだすと、またぶんぶん羽音がします。あれ? さっきのが死んでなかったのか?と、またていっと駆除します。今度は念入りに止めを刺します。そしてまた眠りに戻ろうとすると―――ぶんぶんぶんぶん。これはおかしい。こいつも駆除して耳をすますと、どこからか妙な音が聞こえてきます。何かが無数に蠢いているような……。ぎゃぎゃぎゃーっ。これはさすがに悲鳴モノです。私が寝ているのは2階なのですが、その床に、いつの間にかいくつもの穴が開いていました。2階と1階の間の床下?屋根裏?に巣があるっ!

穴があるのは部屋の片隅、屋根が低くて物置場になっているスペース。慌てて怪しい穴をふさぎます。そう言えば前に帰ってきたとき、やけに部屋でスズメバチが死んでいたかも……。迷い込んできたハチが出られなくなったんだと思ってたけど、あれは巣作りの途中だったのかも。怪しい穴をふさぐと、とりあえず部屋にハチは入ってこなくなりましたが、外に出て確認すると高〜いところで家からスズメバチが出入りしています。メインの出入り口はあっちか。外なら業者に駆除もお願いできるけど、ウチは父が建てたもので一般的な建物じゃないから、屋根裏だと難しいなあ。

朝食後ボーとチーに相談してみると、2人とも「今は活動期だし駆除が難しい場所だから、下手に手を出さないほうがいい。冬になってハチがいなくなってから始末して穴をふさごう」という意見。うん、部屋に入ってこないなら危険は少ないし、それしかないかな。仕方ないので放っておいて、M夫妻に寝てもらう部屋の掃除にかかります。と、縁側に今度は蛇の抜け殻が―――。招かれざる客がもう1人(?)です。ま、蛇はいきなりぼとんと落ちてくるんじゃなければ害はないし、ねずみを食べてくれるかもだし、蛇のついた家には福がつくと言うし、こっちはそれほど困りません。

田舎の景色201309田舎の景色201309

左:害のないほうのお客さま(けっこう大きい)/右:薊(アザミ)

田舎育ちの図太さを発揮して抜け殻を片付け、夕食の仕込も済ませて麓までM夫妻を迎えに行きます。父の大学時代の後輩で母の同級生、Mくんとは家族ぐるみのつきあいで、父母の入院先なんかにもよくお見舞いに来てくれました。もちろん田舎の家も何回か訪ねてきてくれていて、ボーとも顔なじみです。お昼を麓の街でおごってもらって買い物をして山の家へ。今日は朝から雲が多めでしたが、M夫妻が到着する頃から小雨が降り始めます。おや〜この3連休は好天続きの予報じゃなかったっけ?

田舎の景色201309

それでも朝のうちは、まだ青空が見えてたんだけどなあ

なんか私ら来るとき雨が多いんだよね、Tammyさん(←母)にも「いつもこんなに天気が悪いワケじゃないんだよ?」と言われたコトがある、とMくんたちが口にします。あ、あなたたちのせいですかこの天気。まぁでも土砂降りじゃなければ、しっとりした山の空気も悪くありません。寒くなったら薪ストーブに火を入れればいいのだし。Naoちゃんが留守だったのは残念だけど、この日はボーとチーを我が家に招待して、田舎の家にしては遅くまで飲みました。偏屈なボーがこんなに長く楽しそうにしていたのは珍しい。

田舎の景色201309

そして最終日は渋滞を避けるため、ちょっと早めに帰途につきます。見逃した穴はなかったらしく、この日はスズメバチは室内に出てきませんでしたが、明るくなり始める5時半頃からカリカリカリカリ……と木を齧る音が。もうさー、メインの出入り口はあるんだから、何も室内に通じる穴を開けなくてもイイじゃん! 冬になって巣を撤去したら、ハチが開けた穴を片っ端から塞がなきゃ! 主のいない家じゃいつかは……と思っていたけど、ホントに困った居候です。せめてミツバチならなー(←天井からハチミツ垂れても困るか)。

食後、洗濯・掃除とすませて10時頃に田舎の家を後にします。久々にお客を迎えて賑やかな時間を過ごせました。わざわざ来てくれてありがとう>M夫妻。電車で帰る彼らとは麓の街でお別れし、私は1人のんびり車を走らせます。カーラジオでは高速各線の渋滞を伝えてましたが、さすがの常磐道は詰まりもせず、すんなり都内に戻れました。10月は忙しいから、次は11月かな〜。その頃には低山でも紅葉が始まっているでしょう。

2013.9.1(Sun)

≪つづき≫

暑かったせいか夜中何度か目が覚めましたが、屋根を打つ雨の音が懐かしく感じて、またすぐに眠りに引き戻されます。雨は降ったり止んだり。朝食は5時からと聞いていましたが、急ぐ旅でもなし、周囲が起きだしたら起きよう。どうせ4時くらいになったらザワついて自然に目が覚めるだろう。そう思っていたのですが、ふと目を開けると時計はもう4時半です。周囲はしーんと静まり返っていて、まだ皆夢の中みたい(4時くらいに起きだした人がいたような気もしますが)。山小屋では珍しい光景だなあ。

そしてまたとろとろとして、4:45くらい。また目が開きました。周囲はまだ静かです。昨日遅かったから朝食も遅れるのかしら。皆がまだ寝てるなら私ももう少し寝ていよう。そう思って何の気なしに窓を見ると、外が真っ赤に染まっています。あ、そう言えば雨の音がしていない。あまりにキレイなんで、慌ててカメラを引っつかんで外に出ます。うあお、朝焼けだあ。てっきり朝はまだ降っていると思ったのに、これは嬉しい驚きです。

甲武信ヶ岳

こんな朝焼けが見られるなんて!

甲武信ヶ岳

月もキレイ

甲武信ヶ岳

まだ暗い(けど台所で作業してるらしい)小屋

この日の朝は暖かかった。すぐに空の色が変わってしまうと思って、上着も羽織らず靴下も履かずに飛び出してきたのに、しばらく外にいても寒くない。しばらく空の色を眺めているうちに5時になり、小屋のなかで「朝ごはんできたよー」と皆を起こす声がしました。2階に戻ってみると、やっと皆さん布団から出てきています。うふふ、のんびりしているなあ。食堂で朝食をとっている最中に窓から日の出も拝め、予想外の好天に皆の顔がほころんでいました。帰りの急坂が雨だと心配だったから、私もホント嬉しい。

甲武信ヶ岳

雲が朝の色に染まる

甲武信ヶ岳甲武信ヶ岳

左:朝ご飯/右:食堂から望んだご来光

朝食後、のんびり支度をして外に出ます。昨日苔の紙芝居を見せてくれたY澤さんが森で拾ったという苔を広げていたので、ルーペで観察させてもらいました。苔のある景色は前から好きだったけど、さすがにルーペで見たコトはなかったので興味深い。苔の話、キノコの話なんかをしていると、遅れてYが出てきました。見事に広がる青空に「山頂は今日行けば良かったなあ」とボヤいています。なんならもう一度行く?と言ってみましたが、心はすっかり下山らしく断られてしまいました。ま、昨日もちょっと下りになると苦労していたもんね。

甲武信ヶ岳甲武信ヶ岳

左:小屋に貼ってあったチラシ/右:気持ちのいい空です

そろそろ下山しようか、とちょうど出てきたheppocoさんに挨拶をすると、昨日はお話できなかった隊長さんに紹介してくれ、やっぱり外に出てきていたsanaeさん・トシちゃんさんも一緒にまた立ち話。去りがたくて行くと言っては話に戻りを繰り返し、最後に一緒に写真を撮ってもらって、30分後くらいに後ろ髪を引かれつつやっと出発しました。さてそこからが大変だった。木賊山を過ぎ奥秩父主稜からお別れするまでは良かったのですが、その後の急な下りにYの腰が引けまくりです。

甲武信ヶ岳

甲武信ヶ岳

昨日は全然見られなかった景色

甲武信ヶ岳

……だったのですが、主稜線から外れる頃には早くも靄が

私も下りは苦手でCTをオーバーしちゃったりするのですが、今までYはその私と同じくらいのペースでした。が、やはり一度骨折しちゃうと慎重になるのでしょうか。今回はだいぶ待ちました。足の置き場所に慎重になるのはイイんだけど、腰が引けるのはかえって危ない。滑りやすい箇所では足の運びを指示したりもしながら、Yのペースに合わせてゆっくりゆっくり下ります。山の上は晴れていましたが、低い雲がかかっていて途中から雲に突入したので、下りもやっぱり展望無しです。残念。

甲武信ヶ岳

甲武信ヶ岳

苔の話を聞いたばかりなので、ついつい目が苔に向いてしまいます

甲武信ヶ岳甲武信ヶ岳

キノコも

甲武信ヶ岳

雨上がりの蜘蛛の巣は見応えアリ

近丸新道との分岐で時計を見ると、主稜線を外れてから2時間以上が経過していました。CTは登り2:30、下り1:30。登りはCTよりほんのちょっとは早かったのに、下りは大幅オーバーで登りとほとんど時間が変わりません。うーむこりゃ時間かかるなあ。お昼までに車に戻れるか、微妙な感じ。しかし急かしても仕方ありません。その後も同じくらいのペースで足を運び、やっぱり2時間以上かかって山道を終え、散策路まで辿りつきます。ここまで来たら、やっと安心できました。

甲武信ヶ岳甲武信ヶ岳

左:今回、花はあまり見かけませんでした/右:キツネが可愛い道標

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左:眼下に広瀬湖/右:ずんぐりむっくり

甲武信ヶ岳

最後の余韻。下界では陽が照っていました

車についたのは正午ちょっと前でした。この後「道の駅みとみ」の食堂で昼食をとり、「みとみ笛吹の湯」(ネット割引券利用で400円也)で汗を流し、道端の直売所でお土産に桃と葡萄を買って、帰途につきます。高速に乗ったのは15時くらいだったかな? 早くも小仏を頭とする渋滞が始まっていてしっかり巻き込まれました。帰りはYを横浜まで送っていったのですが、八王子から横浜の道も混みぎみで途中でおなかが空いてしまい、ファミレスで夕食とって、19時半まわったくらいに横浜着。

甲武信ヶ岳甲武信ヶ岳

昼食の冷たいとろろ蕎麦とビール(アルコールフリー)、砂肝の塩焼き。砂肝、ちょっとつまむつもりだったのに、すごい量でした

Yと別れて祖母宅まで戻り、車を置いて自宅へ―――。やっぱ横浜経由すると遠いなあ。夜も早いうちに帰れるんじゃないかという淡い期待は弾けて消えましたが、天気ももってくれたし学芸会は楽しかったしお話ししたかった方々と話せて、大満足。やっぱり思い切って出かけるとイイことありますねえ〜。

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■甲武信小屋(6:51)→木賊山(7:11)→主稜線分岐(7:21)→近丸新道分岐(9:28)→徳ちゃん新道入口(11:25)→西沢渓谷P(11:54)

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