展望園地から山頂までは、まだCTで1時間半くらいあります。途中からお姉さん方に疲れが見えだしました。会に入られているY田奥さん以外は、皆久しぶりの山歩きだそうです。ですのでペースもちょっとダウン。健脚すぎて付いていけなかったらどうしよう、と内心心配していただけに、ホッとしました。おっとお目当てとしていたシロヤシオですが、途中ではやっぱり終わってしまっていて、ほとんどの花が地面に落ちています。でもこれも悪くないなあ。
この山の森、ホントに雰囲気あって気に入りました
ぱっと目立つのは赤いツツジですが、よく見るといろんな花が咲いています。相変わらず名前はわかりません……
標識には「檜洞丸 0.8km」。
頭上の木も、「ほら、あっち」と指さしているような…?
分厚い雲が下りてきて山の姿を隠してしまいましたが、でもイイの。足元の風景がこんなにステキなんだから
苔がもこもこです。気持ちよさそう〜♡
左:抱えてみたくなるような、立派な幹の木もたくさん/右:花びらが1枚落ちてしまった蛇苺(ヘビイチゴ)かな?
「シロヤシオ、山頂近くにはちょっと残っているよ」とすれ違った方に教えていただいたとおり、木道の出てくる手前辺りから白い花が目立ち始めました。歓声をあげて写真を撮り、少し進んで木道と梅~草(バイケイソウ)の群生の風景にまた歓声をあげます。―――とココで、雨が降り始めてしまいました。げっ早いよ! 14時か15時までもってくれるコトを期待していたんだけどなー。天気予報も悪い予報ばっかり当てなくてもイイのに! ぶつぶつ文句を言いながら足を進めます。山頂手前で雨足が強くなってきたので、雨具の上を着込みザックカバーをかけました。
おっ、この木にはずいぶんシロヤシオが残ってる、と思ったら
地面にはもっとたくさん、落ちてました。
落ちたばかりっぽく、これもなかなかキレイかも
ここは一番花が残っていた辺り
赤系のこっちは、東国三つ葉躑躅(トウゴクミツバツツジ)?
終わりかけでこれなら、盛りの頃はさぞ見事なんだろうなあ
雲のかかった山も、好き(←なんでもイイんじゃん!)
あら、なんだかいい感じの場所に来ましたよ?
しかしここでタイムアウト。左の写真を撮った直後に雲がさーっと流れてきて、1分後の右の写真では雨が降りはじめました
根っこがぼっこり
左:上の大きな根っこの中は空洞になっていました/右:これは?
出発から3時間半ちょいで、やっと山頂に辿りつきます。雨宿りできそうな木の下はすでに先客に占領されていましたので、私たちはテーブルの周りに立って傘をさした状態で、お握りをパクつきました。せめて昼までもってくれると、ありがたかったなー。Y田旦那さんとTAKAさんは展望派らしく、「この山は大変なワリに展望もなくてツマラない。1度で十分」とボヤいてらっしゃいました。残り3人は「え〜でも森がいい感じなのに〜」派です。それに展望は、天気のせいもあるんじゃないかしら? 私は、雨に降られちゃうと「ぜひリベンジでもう一度!」と燃えてしまいますけどねー。
左:「檜洞丸 1,601m」/右:祠もあります
(←すっかりガスってしまった山頂)
ま、とにかく雨に濡れるのはありがたくありません。そそくさと昼食を済ませ、さっさと撤収。このまま雨具の上だけでしのごうかと思いましたが、雨足がどんどん強くなるし、考えてみれば岩を乗り越えたりもあったしで、途中でズボンも着込みます。こんなにしっかり雨支度をしたのは久しぶりだなあ。来た道を少し戻ったところにある石棚山への分岐のところで、「歩く距離が1kmも違うから来た道を戻ろう!」と全員一致で計画変更。岩棚山コースはまた今度のお楽しみだ。
後はもう一目散に下界を目指しました。霧にけぶるブナ林も風情あるけど、カメラを出すのが面倒で写真は一枚だけ。う〜ん、防水カメラが欲しくなってきたぞ。あ、カメラといえば大きいお兄さんもお姉さんも、皆いいカメラを持っていらっしゃいました。デジタル一眼は全員が持っているんだったかな? 「今日は小さいほう持ってきた〜」と出すデジカメが、私のより相当スペック高いヤツなんですもん。資金力の差ですかね。
ね? なかなかいい雰囲気ではあるんです。霧でけぶっているだけなら、文句は言わないんだけどな
あっという間にどろどろぐずぐずになってしまった山道を、滑らないよう転ばないよう駆け下ります(気分は。体はついてきません)。登りに3時間半かかった道は下りでもやっぱり長く、ゴーラ沢出合に戻ってやっと一安心。ちょうど雨があがったので、河原ではたくさんの人が靴についた泥を洗い流していて、洗濯場のようになっていました。山頂付近では濡れた体が冷えて寒さを感じるくらいだったのに、下るに従って蒸して暑くて、この先また降る可能性もありましたが、私はここで雨具を脱いでしまいます。この先は平坦な道だから、傘も使えるし。
さて、川です。行きよりは少しは水かさも増しているので、渡渉場所に迷いました。行きに渡ったところも渡れなくはないのですが、より浅い場所を探して皆がうろうろしています。そんな中、自信ありげに下流方向に歩いていくグループがいたので後について行ってみました。ら、彼らの渡ったのは確かに浅瀬ではあるのですが、でも、もし万が一滑ったら膝下くらいまで水に浸かりそうな場所……! 他力本願はいけませんなー。ドキドキしながら渡りましたよ。
ゴーラ沢出合のすぐ下流。ちょっと水量増えてます
後は平坦な道を歩いて出発点の西丹沢自然教室まで。幸い、雨はもう降りませんでした。ゴールに着いたのが16時ちょっと前。登山客が多いのでどんどん臨時バスを出しているようで、「16時ちょうどに1台出ま〜す」と声がかかったのですが、座れそうもなかったので16:20の定時のバスを待つコトにしました。西丹沢自然教室にはなんと、立派な更衣室までありました。時間もあるのでトイレに行って着替えて、さっぱりしたトコロでバスへ。帰りの1時間もずっと、NORIちゃんと喋りっぱなしでした。久々の再会でしたもんね。
新松田駅でNORIちゃん、TAKAさんと、途中駅でY田夫妻とお別れ。天気は残念だったけど、久しぶりにしっかり歩いた満足感がありました。筋肉痛が木曜日くらいまで残ったくらいでしたもん。
西丹沢自然教室(8:52)→ゴーラ沢出合(9:44-9:53)→展望園地(10:45)→檜洞丸1,601m(12:36-13:01)→展望園地(14:13)→ゴーラ沢出合(15:04-15:12)→西丹沢自然教室(15:58)
去年、いろんな方のブログで絶賛されていた檜洞丸のシロヤシオ。(来年はぜひ行こう…!)と思い定めて、5月の末に登る山にリストアップをしておきました。5月の中旬になって、以前から一度一緒に登りたいと思っていた親戚のNORIちゃんに声をかけます。「じゃあ私の山友達も誘うから。あと朝から雨なら止めるけど、少しくらい雨降りそうな天気でも行くからね」との言葉に(おおっやる気の人だー)と緊張します。日付は5月の31日に決まりました。
ところがどうも今年はシロヤシオの開花が早かったみたい……。詰めの甘い私は西丹沢自然教室のサイトをチェックするコトも思いつかず、前の週に行かれた方のシロヤシオ情報を見て慌てる体たらく。でもまあ初めて登る山ではあるし、初めての人たちと行くことではあるし、花も少しくらいは残っているだろうと出かけるコトにします。天気予報は曇のち雨。天気図を見ると日本の周囲にぽこぽこといくつもの小さな低気圧が―――。こりゃ、きっと降るなあ。ですのでがっちり雨具の準備をします。
電車を乗り継いで向かうは小田急線の新松田駅。NORIちゃんは既に着いていたので、NORIちゃんのお友達のY田夫妻とTAKAさん(女性)を待ちます。NORIちゃんは私の母と同じ年齢なので、今日一緒に歩くのは友人春日ちゃんの言葉を借りれば「大きなお姉さん」3人と、「大きなお兄さん」1人。久しぶりに会うNORIちゃんとお喋りをしているうちに全員が揃い、予定どおり7:30のバスで出発しました。ここから約1時間強のバスの旅です。遠いなあ。
バスは意外に空いていました。が、ときどきこぼれる日差しを楽しみながらのバス旅の終点、西丹沢自然教室には車があふれていました。建物から少し歩く路肩にまで車が並んでいます。うひゃーすごいなあ、と思っていたら、なんと山開きとぶつかってしまったみたい。自然教室の前に祭壇が作られ、コーラスグループが歌っていました。どうせなら祝詞が聞きたかったかも。イベントを横目に、私たちはトイレに行ったり登山届を書いたりして準備を進めました。
ところで、Y田奥さんが所属する山歩きの会の会長さんは、自然教室の関係者だそうです。バスを降りたらすぐにY田奥さんは会長さんを見つけ、彼から登山道の情報をもらっていました。ツツジコース以外はちょっと荒れているそうですが、できたら往復違う道を行きたいので、ツツジコースから登って石棚山コースを下りるコトとします。巫女さんがお赤飯を配っていたので、お裾分けをもらってほおばり、さあ出発。予想していたよりも日差したっぷりで、これはもしかすると午後ももってくれるんじゃないかなと、淡い期待も抱いてしまいます。
左:「西丹沢山開き」の横断幕の下から歩き始めます
/右:「ツツジコース入口」。さあ、山だ〜
お兄さん、お姉さんがたの後に続いて少しの車道歩きの後、ツツジコースの山道に入りました。沢沿いの道をちょと登り、滑りやすそうな木の階段を登ると、平坦な道になります。木漏れ日があって、雰囲気もいい感じ。ここからゴーラ沢出合までは、ブナやらモミジやらの新緑を楽しみながら、散歩気分でのんびり歩けます(ただしときどき緊張する橋が出てきます)。お姉さんがたは植物に詳しそうで、ブーメラン形のモミジの花なんかを教えてもらいました。
入口の階段を登るとすぐが、こんな感じ
沢に沿って歩くのはほんのちょっとだけ。
すぐにステキな森の中の、平坦な道になります
(いきなり壊れないよな?)と、ちょっと緊張する橋。
実は体重制限があるんじゃないの?
左:アブラチャンって木があるのですね〜。漢字では「油瀝青」と書くそうです。読めねぇよ!/右:どうゆう経過があってこうゆう風に枝が伸びたのか、この木に歴史を聞いてみたい
左:よく見ると、木にも花が咲いていました
/右:ゴーラ沢出合に着きました〜
ぱーっと開けたゴーラ沢出合では、先行グループも休憩をとっています。しかし休む前にまず川を渡らねばなりません。ほんの5、6歩なのですが、靴底をしっかり流れに突っ込まねばならず、ちょと緊張しました。誰も転ばずに渡ってホッとしたところで、休憩を取ります。お姉さんのザックから出てきたドーナッツ、美味しゅうございました。この日はここから最後まで、お姉さん方に餌付けされまくりました。すごいなあ。
ここを渡って行きますよ〜
左:広々とした、休憩に絶好のゴーラ沢出合/右:その先
沢出合の前後で目立っていたのが、このお花
さてここから、道は急に険しくなります。木の根をよじ登ったり岩を乗り越えたりする箇所も出てきました。たまに平坦な道にくるとホッとしますが、長くは続きません。しかし苔たっぷりのこの道、私はかなり気に入りました。展望はありませんが、こうゆう森を楽しむ山歩きもいいものです。またこの辺りから、下山者とのすれ違いが多くなりました。皆さん早出だったのか、それとも山頂の青ヶ岳山荘に泊まられたのか。どっちにしろ羨ましいな〜。いつか丹沢主稜の縦走もしてみたい。
滑車が苔に埋もれてました。何を運んでいたんだろう?
緑の深い森の中をがつがつ登って行きます
展望園地からは晴れていれば富士山が見えるそうですが、この日見えたのは近くの山とすごい勢いで流れている厚い雲。ありゃーやっぱり天気予報は当たってしまいそうだな、と覚悟します。
近くのお山は、畦ヶ丸?
行く前と、違う人間になって帰ってくる。
変わらないのだったら、旅に出る意味がない。
ホーボーさんのスライドより(うろ覚え)
ホーボーさんのトークショーに行ってから数日経つというのに、ときおり写真の風景がフラッシュバックしてきて、無性に旅に出たくなっているTo-koです。こんばんは。おまけに冒頭に書いた言葉について、気がつくとモヤモヤ考え込んでいます。以下、そのモヤモヤを思い浮かぶままに。
大多数の人がそうだと思いますが(願いますが)、私も「自分探しの旅」という言葉を聞くと、鼻で笑ってしまうクチです。チルチルミチルじゃないんだからさー、と、思う。いやチルチルミチルだって「自分」なんてもんを探しに行ったワケじゃないんですから、その上を行くとなるとあまりにもドリーマーすぎるだろ、と思います。
……でも、それでも。旅で人が変わるのを、経験として、私は知っている。旅で自分がわかることは、あるのです。それを自分探しと呼ぶのなら―――否定は、できない。(でもやっぱり「自分探し」はしたくないなあ)。
旅にはいろんなスタイルがあります。友達とわいわい楽しく行く旅で、変わるコトってのは、あまりありません。……長旅で相手のイヤな部分が見えて関係が変わってしまうコトはあるかもですが。あと、誰と行っても、人生観が変わるような経験に出会うコトもあるでしょう。けどまぁ普通は、ないですよね。少なくとも私はありません。ツアー旅行も同じようなもんです。年に何度も旅行に行くのに、そのたびに変わっていたら多重人格です。
変わる……。変わるというのも、語弊があるな。私の場合、楽になる。軽くなる。そっちのほうがピッタリきます。
日常を生きていると、気がつかないうちに自分に苔が生えてきます。苔も風情があって好きですので、一概に悪いものとも言えません。でも、どの苔が必要でどの苔はいらないの? 普通に生活していると、それがわからなくなってきます。必要のない常識に縛られたり、諦めなくてもいいものを諦めたりして、皆そうやって生きているんだから、それが大人なんだから、人生ってのはこうゆうもんだから、と言い訳ばかりが上手くなって、気がつくと転がろうともしなくなってる。
私はそれに耐えられません。特に大きな不満はなくても、毎日楽しく生きているつもりでも、小さな「ま、このくらいいいか」や「この程度は仕方ないか」が少しずつ積もり重なって、ふと気付くと体が重〜たくなっていて考え方が固〜くなっていて、息苦しくて身動きがとれなくなっている。それを振り落とすために、私には旅が必要なのです。幸いなコトに、今のところ、そんな旅はたま〜にで大丈夫なんですけれど。
じゃあ、どんな旅で? 条件はハッキリしています。「1人で」「海外を」「ある程度の期間」旅する旅。「海外で」は絶対条件ではありませんが、とにかく日常からなるべく離れるコトが、必要です。日常を、いつもの人間関係をちょっとお休みして、新しい場所で、知らない人と、違う価値観と出会う。いつもしない体験をする。
もちろん旅先で「自分とは何ぞや」「人生とはなんぞや」なんて考えたりはしません。時刻表どおり来ない電車に苛立ったり、キレイな景色を見ながらのんびりしたり、見知らぬカフェでお茶を飲みつつ分からない言葉に耳を傾けたり、旅先で誰かと意気投合したり、着いたばかりの知らない街で必死に宿を探したり、寂しさに押しつぶされそうになったり。
そんな旅をしているうちに、ふと気付くと、軽くなっているのですよね。あ〜ずいぶん悩んでいたけど大したコトじゃなかったな、とか、どっちの道も選びたくなくて困っていたけど、別にどっちかの道を行かなくちゃいけないワケじゃないんだな、とか、あの人との関係はツライばかりだと思っていたけどやっぱり好きだな、とか。気がつくと整理ができている。自分は何が好きなのか、何をやりたいのか、何に耐えられないのか、何を欲しているのかが明確になっている。視界が広がって、楽になっているのです。
ホーボーさんは「呼ばれる」ことがあるのだと話していました。私はちょっと違うような気もするし、おんなじような気もするし……。でも、人生に旅が必要だという点では共通しているのでしょう。だから彼の言葉が、旅の様子が、なかなか忘れられないのだと思います。
雨の日曜日は家でまったり。朝寝して掃除と洗濯と買い物してパン焼きという、最近のパターン。今日はバターロール(巻かないからロールでは、ないのかな?)を焼きました。ちょっとちょっとちょっと、今日の出来は最高じゃない? 捏ねてる最中からい〜い感じで、お手本どおりに膨らんで、最後の釜伸びも理想的。プランタで育てているローズマリーで焼いた鶏肉と一緒に焼き上がりをいただきました。嬉しくなっちゃいますね、こうゆうの。
どうも仲間とタイミングが合わず、またもや1人で伊豆へ行ってきました。最寄駅には珍しくSさんが迎えに来てくれています。駅前で一緒になったのは、abさん。ショップに行くと車と前泊で他に2人のゲストがいました。4人とは、やっぱり暖かくなってきたんですねー(←冬眠するダイバーが多いから)と言うと、更にもう1人来るとのコト。30分遅れでやってきた彼は、なんと途中でネズミ捕りに引っかかってしまったそうで、ご愁傷さまです。というワケで本日のゲストは5人(うち、たぶん2人は初対面)。全員ツレはいませんでした。5人来て5人とも単独ってのは珍しいなあ〜。
伊豆に着いたときは空はどんより曇っていました。しかしこの日の予報は晴れ! これから好転するハズです。おまけに車中から見た海は鏡のように凪ぎきっていました。これは期待しちゃうじゃありませんか〜。ポイントも、I.O.P.に決まりました。久しぶりなんでウキウキと車に乗り込み、途中でお昼を買い込んでI.O.P.へ向かいます。……が、富戸辺りまで来たとき……「意外と、ウネリがあるなあ」。静かに見えた海でしたが、確かにときおり大きな波が打ちつけてくるじゃありませんか。ありゃ?
I.O.P.は、あまり混んではいませんでした。もしかして皆、富戸にアオリイカを見に行っているのでしょうか? ありがたく空いているテーブルを確保して準備を進め、さあ海へ。空はまだどんよりしています。早く晴れてくれないかなあ……。さて沖合いのブイまで水面移動して海に潜ると―――ああやっぱりダメだ。朝の電車の中での期待は打ち砕かれました。透明度は3m〜。おまけにウネっていて体が持っていかれます。救いとしては水温がだいぶ上がっていたコト。ウェットの人もかなり増えましたもんね。
しかして久しぶりの、視界が狭い中でのウネリはけっこうきました。特に春の、海草が元気な時期ってのはダメです。海草(の先端)も、魚も、自分も、いっせいにぐわんと動くものだから、自分たちが動いていなくて地面だけがうぉんと動いているみたいに錯覚して、気持ち悪い気持ち悪い。酔わないように、必死で自分に言い聞かせていました。せめて気を紛らわせる生き物が見つかればいいのですが、ちょっと岩の下を覗いたり、ようやく見つかった魚にカメラを向けたりしているだけで、グループとはぐれそうになる状況では生き物探しも難しい。
おまけに、そう混んでいるワケではないのに、視界の狭さのせいで海がやけに混んでいるみたいに感じました。上から人が降ってきたり、ウネリで押された人が不意に横からぶつかってきたり……。特に目玉生物のダンゴウオがいる辺りはすごかった。写真をゆっくり撮るコトもできません。もうこりゃ訓練ダイブと思うしかないかな、と思ったときです。あれ? なんだかこの辺り、水がキレイだ……。水深20mの辺りで、急に視界が開けました。
上のほうの水が濁っているので明るいとはいえないのですが、水が青く、透きとおっている。透明度、20mくらいはあったのではないでしょうか。うわ、冬の海みたいだー。ただし、水温もいきなり低くなりました。16〜17℃かな。真冬の海からするとそれでも冷たくはないハズなんですが、水面近くの水温に体が慣れてしまっているので、真冬並みに冷たく感じます。キレイだけど、気持ちいいけど、こりゃ長居はできないわ〜。
泣く泣く濁った浅瀬へと戻ります。移動途中にシロウミウシを、やっと自力で発見できました。最後にはオクリダシの入江にも寄りましたが、ここでもゆっくり遊んでいられるような海況じゃありません。いたのは本当に安全停止のための3分だけだったかも。エキジットも、人にぶつからないように、ぶつかられないように注意が必要です。もちろん後ろからの波にも要注意。ただ、嬉しいことに、エントリー前にはどんよりだった空が、きれいに晴れてくれていました。
吹く風を心地よく感じる休憩日和のなか、お昼を食べてのんびりしていると眠くなってきます。実は朝から眠くて往路の電車で寝てくるつもりだったのですが、読んでいる『坂の上の雲』が佳境で眠れなかった……! あくびを連発しているうちに、2本目の時間となってしまいます。リクエストは?と聞かれての答えは、全員声を揃えて「人のいない所!」。この状況では難しいでしょうが、比較的……というコトで、1.5番に行くことにしました。
海の中は、ま、1本目と同じですね。あまり人にぶつからずに済んだコトと、海況に対する心構えができていたおかげか、1本目よりは楽しめましたが―――。深場の澄んだ層が、早く上まで来てくれないかなあ。透明度はそのまま、温度だけ上がって(←ムリでしょう)。ナゼかこの日、海の中でずっと軽い頭痛に悩まされました。呼吸が、上手くできていなかったのかなあ。そんなにムリしたつもりもないし、いろんな呼吸を試してみたのに。それともやっぱ、寝不足がいけなかった?
2本目はTさんがジボガウミウシを、Sさんがシロウミウシを見つけてくれました。後は何がいたっけなあ。岩の上でぺったりしていたヒラメくらいかしら。ま、こんな日もありますね。上がって器材を洗ってショップに戻り、ログ付けをして、この日は解散〜。ショップではずいぶんのんびりした気がしましたが、それでも17時半頃にはまだ明るい中を駅まで送ってもらいました。行き先が東だと、時間的にはずいぶん楽。
馴染みのショップなんで、行けば顔見知りに会えてあんまり寂しい思いをせずに済みますが、次は誰かと予定が合えばイイなあ。
楽しみにしていたパタゴニア渋谷店のストアイベントに参加してきました。スピーカーシリーズと銘打ったトークショーで、私が申し込んだのはホーボージュンさんの『サスライのススメ2』。そう、EARTH DAYで彼の話を聞き足りなかったから、イベントの話をキャッチしたときに即、予約を入れたのでした。当初は1人で行くつもりでしたが、もろもろのいろいろがあって、UとYが付き合ってくれるコトになりました。人気のイベントだそうだから、追加の2人の席を確保できて良かった〜。
都合のイイことに、水曜日はノー残業デー。早々に仕事を片付け、UとYと渋谷駅前で落ち合って、まずは海の店を目指しました。私らは、この海の店の横浜店を贔屓にしていたのですが、この春だったかな? その横浜店が閉店。ダイビング器材も一通り揃えちゃって、今持っているブツが壊れるまで大きな買い物をする予定もない―――とあって、カードに貯めていたポイントを使い切ってしまいたかったのです。調べてもらうと3,900円分のポイントがあったので、グローブとラッシュガードを購入。現金で払ったのは1,000円弱です。やた!
会計後、いいものを見つけたのでこれも追加で購入しました。ダイコン用のガラス面ガード、840円也。私のダイコンは腕時計型ではないのですが、BARIGOにも使えないかと思って。BARIGO、どうもフロント面に柔らかい素材を使っているらしく、傷がつきやすい気がするんですよねー(初めての山用時計なんで他のと比較はできませんけど)。がさつな私はもう既に大きな引っかき傷をつけてしまいました。ぶつけるなってのも山じゃムリな話なので、しばらく前からこのフロント面をガードするものを探していたのです。家に帰って付けてみたら測ったみたいにぴったりでした。ちょと見づらくはなるけど、まぁ仕方ないや。それに思ったよりゴツくならないで済んだしね。
閑話休題。買い物のほかに新しい製品を冷やかしたりもしていたので、店を出たときはイベントの始まる20:30まで、1時間ちょっとしか残っていませんでした。ダッシュで食べなきゃ!とマークシティのイタリアンに駆け込み、サラダ、ピザ、リゾットの夕食(美味しかった〜)。ちゃんとお酒も飲んでデザートも食べて、20:15に店を出ました。ここからパタゴニアまでは10分ちょい。きゃー、ギリギリ! 夜の街を急ぎ足で歩き、脇腹が痛くなった頃、パタゴニアの店に辿りつきました。店の前の路上には人の群。開場待ちのようです。
店に着いたのは開催予定時間でしたが、まだ店内ではスライドの確認をしていました。待ち時間があるなら店の中を見せて欲しいよね(←準備の邪魔だろ)、などと話しながら10分くらい待ったかな。落ち着いたところで周りを見回すと、若い人が多いです(←山基準で)。20代〜40代前半って感じでしょうか。これはパタゴニアのブランドがなせる業? それとも荷物を背負ってひたすら歩くという、体力勝負のホーボーさんの旅のスタイルがなせる業?
店内に用意された席(定員80人)が埋まるとまず、ホーボーさんを紹介するスライドが始まります。映し出される世界の風景。その中で歩き、笑い、滑り、漕ぐホーボーさん。スライドに重なるカッコいい言葉。いいなーいいなーと、のっけから心を掴まれてしまいました。そしてホーボーさん登場。ここから、彼の説明つきでのスライドショーが始まります。まずは2年前に行ったという「パタゴニア・パイネトレイル編」。それから今回のメイン「世界最南端のトレイル編」。写真の感想は、言葉が追いつかないので割愛します。
その後は客のリクエストで道具の話をしたり、他のスライドを見せたり(屋久島の、見たかったな)、臨機応変に進む予定だったみたいですが、お客さんがとても静かで質問やリクエストがあまりなかったので、結局、道具の話を少しと、ウェアの話をいろいろ、してくれました。後から考えると聞きたいコト、いろいろあったのに! その場でとっさに思いつかないのが悲しかったです(←後で彼のブログ見たらちゃんと、「質問やリクエストを用意してきてね」とあった。うわ〜失敗〜)。
スライドとお話は、1時間半弱だったかな。店員さんが「そろそろ……」と切り上げにかかったときは「え? もう?」って感じでした。あと1時間くらい、聞いていたかった。もっと長くでも。最後に旅立ちを促すスライドの上映があって、イベントは終了。店にホーボーさんが世界最南端をさすらったときのウェアと道具が広げてあったので、それをじっくり眺めさせてもらったりして、店を出たのは22時半を回っていました。
帰り道でUが、「いろいろ参考になったけど、面白かったのは、あの人、ムリなことをやってるワケじゃないんだよね。あの人がやっているのは私たちでもできることで、自分たちでもやる気になれば、やれる。行ける。それが分かったのが一番面白かった」と言っていました。ホントに同感。彼がやっているのは、荷物を担いで歩くだけ。ゆっくり経験を積めばできる。特殊な訓練が必要なワケじゃない。同じペースで歩かなくてもいいんだから、体力が必要なワケじゃない。あとは、行くか、行かないか。やるか、やらないか。それだけです。
残る言葉はたくさんあったけれど。やっぱり最後のスライドのこの言葉で。
さすらうなんて簡単だ。靴紐をギュッと締めたら、後ろ手で玄関をパタンと閉じればいい。
さあ、どこに行こうか―――。
最近遊び歩いてばかりだし(←最近?)、好天の望めない週末は休養日といたしましょう。いつもの週末のモロモロを済ませたり、山で撮った写真を整理したり、本を読んだり、それから気になっていたアレを使って何か作りましょう。イングリッシュマフィンを作ったときに表面にまぶしたコーンミールを使って。イングリッシュマフィンは2回か3回焼いたけど、コーンミールはまぶすだけなのでほとんどが余っています。その賞味期限がそろそろ怪しい。コーンミールが主役の何かを作らねば。
ネットでレシピを検索し、まず遅めの朝ご飯はコーンミール入りのホットケーキを作ってみます。普通のレシピで、粉の1/4量をコーンミールに変えるだけ(私は目分量で適当にやっちゃいましたが。ホットケーキで量りなんか使えるかい!)。これはなかなか美味しかったです。普通のより、ちょっとしっかりした食感になりますね。色もより美味しそうな黄色になります。これ、お手軽だから今後もやろう。調べたレシピだと全粒粉も使ってたから、よりどっしりな感じになるのかな? 今度、それも試してみよう。
さて次は、手持ちの料理本の中で唯一コーンミールが主役の「コーンミールのクグロフ」を作りましょう(主役っつっても強力粉の分量の方が多いんですけどね。まぁタイトルに名前が入っているというコトで、一応)。最初に鍋でコーンミールと水と牛乳を混ぜて煮詰めて、そこに粉やレーズンを混ぜてあとは普通のパンみたいに捏ねて発酵させて焼く。クグロフ型はないけど、丸ケーキ型の中にカップケーキ型を入れれば、何とかなるでしょう。
クグロフ型を使うと見栄えがするだろうから欲しいような気もするんだけど、丸ケーキ型があってタルト型があってマドレーヌ型があってパウンドケーキ型が2種類あって小さなクグロフ型が2個あってババロア型やカップケーキ型がいくつもいくつもあって、なのに食パン型も欲しくなってるから、そっちまで手が伸ばせない……。私がクグロフ型を買うには、まず宝くじに当たって収納スペースたっぷりの大きな家を買うところから始めなきゃならないのかもしれません。
さて出来上がり。煮詰め方が足りなかったのか全然まとまらず、分量外の強力粉をずいぶん使ってしまいました。途中で水分量を調節できないレシピの場合、これが難しいなあ。そのせいか、生地の感じは本にあったような「しっとり」というよりは、「どっしり」。膨らんではいるんですけどねー。あと、レーズンが入るし普通のパンより砂糖も入れるしで、もっと菓子パンみたいになるかと思いましたが、甘くはないです。これ、レーズンや砂糖の分量を増やして、ケーキっぽくしてもいいかもなあ。
成形で手を抜いたら、皺々になってしまいました
まだ、コーンミールは袋に半分残っています。さぁ、どうしてくれようか。
いつもの、映画の前に原作を読もう!の意図のもと、J.K.ローリング『ハリー・ポッターと謎のプリンス』を読みました。やっと。
このシリーズに手を出すのはずいぶん久しぶりだったけど、読み始めたらすんなり作品世界に戻れました。前の展開もほとんどちゃんと(?)覚えていたしね! 記憶力に難のある私にしては珍しいです。ロンが相変わらず自分のことしか考えてないのにはイライラしますね。やっぱり。ハーマイオニーの趣味を疑っちゃうなあ。あとハリーがちょっと大人になったかな?と思いました。自分の話を人に聞いてもらえないとピリピリするくせに、人の話はちっとも聞かないのはこれまた相変わらずですけどね。思い込みが激しいっつーか、視界が狭いっつーか(同じか)。
そして―――ダンブルドア……! なるべく情報を仕入れないようにしているので、ホントについ最近まで彼の運命については知らなかったのですけど、でもその運命が訪れるのは最終巻かと思ってた……! 後書きで松岡佑子さんが疑ってるみたいに書いていたけど、私も同じ疑いを捨てきれません。だって、だってスネイプ先生を信じたいんだもの! ダンブルドアの信頼にはもっと何か核があって欲しいんだもの! でも彼の運命は物語の必然のような気もするし……う〜〜〜ん。
最終巻がとっくに出ているのは知っているんですが、続きが気になるのは山々なんですが、でもやっぱり映画の公開直前まで待とうと思います。それまでああでもないこうでもないと想像を楽しんでいますので、結末は内緒にしておいてね?
会社を休んで文楽5月公演を観て参りました。第1部の『伊勢音頭恋寝刃/日高川入相花王』と、第2部の『ひらかな盛衰記』のどちらを観るかチケット発売日の直前まで迷っていましたが、発売開始日の夜に予約サイトにアクセスしてみると、第2部のチケットはまだ残があるのに第1部のはたった1日を除いて全て売り切れているではありませんか。えっ第1部の演目ってそんなに面白いの? 手に入らないとなると欲しくなるのが人の常です。
どっちにしろ土日は既に売り切れで、開演時間からするとどっちの部でも会社を休まないと観られない。唯一チケットの買える11日は―――う〜ん、まぁ休めない時期ではないだろう。というコトでポチっとな。押さえられたのは1等席ですが後ろよりの席でした。パンフとイヤホンガイドはどうしようかな〜と迷ったのですが、事前に予習をして粗筋はわかるだろうと思ったので、今回はイヤホンガイドだけ。結果、今回は借りて大正解でした。ガイドがなかったら見逃してしまったであろうトコロをちゃんと教えてくれるので、より一層舞台が楽しめます。
さて、11時開演の第1部はまず『寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)』で始まります。物語ではなく、舞ですね。たぶん神様に奉げる……(観てからしばらく時間が経ってしまっているので、ちょっと記憶が怪しいです)。これでは床は使わず、幕が上がると舞台正面に据えられた段に、ずらっと大夫・三味線が並んでいました。うひゃー迫力。後半、三味線がいっせいに調弦をして(という言い方でイイのかしら)高調子にするところではぞくぞくっときました。や、イヤホンガイドで「これからそうやりますよ〜」と教えてもらったから気付いたんですけど。
舞台に登場する人形は4体で、まず面をつけた翁が静かな舞(能?)を舞い、その後三番叟の2人が賑やかに舞います。千歳は確か唄っていただけのような……。最初のほうに「とうとうたらりたらりら、たらりあがりららりとう……鳴るは滝の水、鳴るは滝の水」という詞があって、ああなんだかすごく馴染みがあるんだけど……と必死に記憶を探ってしまいました。木原敏江のマンガかな? 大夫さんでは、千歳を語られた竹本文字久大夫の声が伸びやかで印象的でした。
翁が去った後は、お待ちかねの三番叟の連れ舞です。いや〜これが面白かった。私のお気に入りの桐竹勘十郎さんが遣われていたのが、又平の首。これはもう1体の検非違使の首よりも明るい性格の人形なので、踊りも派手―――というイヤホンガイドの説明に注目してみれば、確かに踊りが陽気で楽しい。そしてキレがあります。そして今回、勘十郎さんの動きが気になって気になって。邪魔なんじゃありません。動作がキレイだからついつい見ちゃうの。
人形が足踏みするたびに床を踏み鳴らす音がして、これは効果音を出す人がやっているのかな〜、ぴったり合ってスゴいな〜と思っていたら、足遣いさんが自分の足を踏み鳴らして音を出しているとのコト。へえええ〜。足遣いさん、大活躍ですね! それを聞いてからは、足遣いさんにも注目しちゃいました。2体の人形がポジションを変えながら決めポーズを重ねるトコ、見応えあったなあ。相手が見ていないときに踊りを休んで肩で息をしているトコロの可笑しさは言わずもがな。
続いては近松徳三作、『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)』。古市油屋の段と奥庭十人斬りの段です。奥庭〜のほうが派手で見せ場なのかな、と思っていたけど、私は古市〜の段のほうが面白かった! 万野(吉田簔助)がちくちくちくちく貢をいじめるトコロとか、お紺(吉田文雀)のけなげっぷりっとか、お鹿の不細工っぷりっとか、見る場所がたくさんある。悪役の岩次とかは、万野に比べれば存在感薄いですね〜。
そして『奥庭十人斬り』。血にまみれた腕が飛んだりする虐殺の場面ですが―――あ、あの……貢があれだけ人を斬ったのは、青江下坂が妖刀だったからですよね? でなきゃ貢、ただのバカなんですけどー。勢いで人を殺しちゃってもう後は流れの赴くまま。なんの関係もない男女を、子供も含めて斬っておいて、自分の刀がお家の宝の青江下坂だとわかったら「ああよかった〜」っていいのかそれで! お紺も「ここは私が何とかするから」っていいのかそれで!
最後は竹田小出雲ら合作の『日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)』、真那古庄司館の段と渡し場の段。 この演目では清姫が蛇体になる『渡し場の段』だけを上演するコトも多いそうですが、いやいやいや『真那古庄司館の段』も見ないと清姫の妄想暴走っぷりはわからないよ! 渡し場〜だけなら、安珍(実は桜木親王)と何かあったに違いないと思うじゃない〜。旅先で見初めた男にまた会いたさに、父親に頼み込む辺りはまだ可愛いもんですが―――。
渡し場〜になるともう、すっかり安珍を自分の男扱い。おだ巻姫に寝取られた寝取られたと騒ぎますが、いや、おだ巻姫の男を寝取ろうとしているのはあなたですから! これで安珍が殺される筋書きなのだとしたら、ちゃんと説明をして誤解を解かなかったという負い目はあるにしろ(それを言ったら父親もだ。ちろっとでも説明してから出かけようよ)、安珍が可哀想すぎるなーと思ったんですが、そういう流れではないようですね? 文楽では。
それでも嫉妬に悶え苦しむ清姫が、ぱっと鬼の形相になるところ(ちゃんと人形の顔が変わります。これは舞台の近くで見たかった!)にはハッとさせられます。鬼になりっぱなしじゃないトコロがまたいいなあ。鬼になったり娘に戻ったりを繰り返して、やがて蛇体になるのですよね。日高川を泳ぎ渡った清姫が息も絶え絶えに木に寄りかかった途端、背景の幕がぱっと落ちて、遠くに満開の桜が見えるシーンは素晴らしかったです。
ところで今回、確か『伊勢音頭〜』の途中で猛烈な眠気に襲われました。寝不足でもないし退屈もしてないのにナゼ!? これがしをんさんの書いていた、いい語りを聞いているとアルファ波が出て気持ちよく眠れるってヤツでしょうか。私は必死で抵抗しましたよ、そんな寝ちゃうなんてもったいない! でも、舞台が終わった途端に眠気もすーっと引いたので、ホントにそうだったのかもしれません。恐ろしきかな、文楽は。
前日の気分どおり、5連休の最後の2日は伊豆でインドアでした。朝から雨も降っていましたのでバーチャルな冒険に出かけ、疲れたら近くの温泉施設に出かけ、帰ってからまたバーチャルな冒険に。冷たい雨に降り込められ、それでも窓の外、すぐ近くに緑の山があるってだけで日常とは違う気分を味わって、やっぱり雨の降る6日の水曜日に混み合う電車で帰京。中2日はカレンダーどおりに会社に行き、金曜日の終業を待ってダッシュで東京駅へ。比較的忙しい月初に定時退社ができたのは、GWで休んでいる社員が多かったおかげ。
というワケで伊豆の荷物を解く暇もなく、慌しく行ってきましたよ栃木県。東京駅でYと落ち合い、1時間ちょいの新幹線で目的駅へ着きました。先に到着して車借りたり買い物したりしてくれていたUとKに迎えられ、2泊3日の旅の始まりです。栃木の宿泊施設を利用させてもらうのはホントに久しぶりで、周辺がいろいろ変わっているのに驚きました。それでも宿泊施設からの景色は懐かしく、嬉しいもんです。夜遅くには、雲が切れ始めて、満月がぼんやりと光っていました。夕食後は温泉に入って翌日のお弁当を作って、早めに就寝。
翌土曜日、9日は茶臼岳へ。山から下りた後は、牧場に行ってソフトクリームを舐めながら牧場内をうろつきます。春はやっぱり出産シーズンなのかな? 子牛や子ヤギや子羊が可愛かったです。宿泊所に戻ってからは、缶ビール片手に外でのお喋り。寒くもなく暑くもなく虫もいず、いい季節ですねー。ブナの木の緑と、タンポポの綿毛の白と、名も知らぬ花々の暖かい色。和むなあ。
左:子供ってのは、なんでもカワイイなあ/右:木の根本の窪みで涼をとっているんでしょうか? 皆が入っているので余計暑いような……
左:えーと……ロバ?/右:ぱっつんの前髪がカワイイぜ!
観光客からもらう餌に夢中なオンマたち
子牛たちも超カワイかったのに、フェンスの向こうなのが残念です
(中に入るにはお金がかかるのだ。せこいのう)
ゴヨウツツジ(シロヤシオ)が真っ盛りでした。
今年は檜洞丸に行くぞぅ!
赤いツツジもあちこちで目立ってました
久しぶりに4人が揃ったので、この日は眠れないだろうなーと覚悟していたのですが、夕食もお風呂も済ませてさあ、と思ったら、珍しく一番最初にUが撃沈。いつまで経っても復活しそうにないので、この日も早めに就寝しました。10日は朝からむわ〜んと暑い! 晴れてはいますが、雲多めです。この日は帰るだけなので、朝風呂に入ったりバーチャルの旅に出たりしてまったり過ごしました。昼食は餅つき機で作ったお餅。なかなか美味しかったです。
2泊3日なんて結局中1日しかないし慌しすぎる!と出発前は思っていたのですが、中日は山に登れたし、最終日は夕方までとにかくまったり過ごしたので、なんだかいろいろと充実してたような気分になれました。今度はいつ行けるかな。また5年先、とかじゃないとイイんだけど。
時間も元気もまだ余っていますので、ちょっと休憩して、茶臼岳を目指すとしましょう。ずーっと以前に牛ヶ首を経由して山麓に下りたコトはありますが、山頂に向かうのは初めてです。小屋からちょろっと登ったところにテーブルがあり、ここからは―――うひゃあ! 雪山だ雪山だー。白い山脈が見えています。しばらく山に見とれていましたが、戻ってきたらこのテーブルでお昼にしようよ!と決めて、先を続けました。
一番奥に、細い雲みたいに浮かんでいるのが雪山ですよ〜。後から調べたところによると、たぶん会津朝日岳〜会津駒ケ岳の山脈。左にちょこんと1つ離れたのは燧ヶ岳?
山頂に続く山道は、Kによると「噴き出してる煙が少なくなった」とのこと。以前は山肌からもくもくしていたそうですが、この日はほんの数箇所で小さな煙が確認できるだけでした。とは言ってもやはり火山。岩々がだんだん大きくなってきて、気分はちょっぴり滅びの山です。岩陰からゴクリが飛びかかってきそう(こんなに行楽客の多い場所で何考えてるんだか>オレ)。最後にお釜の淵をぐるっと回ると、小さなお社のある茶臼岳山頂に着きました〜♪
岩ゴロだけど、きちんと歩きやすい道が作られています
お釜を巡っていると、新しい山並みが次々と見えてきます
鳥居をくぐると、山頂。祠の背景が山脈って、イイなあ
ここからの眺めも素晴らしく、あっちを見たりこっちを見たり。特に山々に続く稜線には惹かれてしまいます。南月山に続く道は気持ち良さそうだな〜。あっちの道、こっちの道を辿った先には何があるんだろう。どんな景色が見えるんだろう。どこかに行くたび、行きたい場所は増えていきます。困った困った(←にんまりしつつ)。この景色を肴にの〜んびりしたいところでしたが、おなかが空いてきました。さっきのテーブルまで戻りましょう。
拙い写真ではあの美しさを写しとれないのが、残念
雪の山脈を、ズーム!
あっちにも、こっちにも、そっちにも山は続いていく……。
ずーっと歩いてみたくなる
反対側のお釜を回っていると、西山腹の無間地獄が見下ろせました。噴煙が噴き出す音がゴーゴーと響いています。案内板にもあったけど、本当にジェット機みたい。くるっと回って峰の茶屋を見下ろす辺りに来ると、茶屋の少し上辺りに青いジャージの集団がいるのが見えました。「すごい団体だねー」「学校かな?」「私らが行くまでにどいてくれるとイイけど……」。
煙がもくもくと―――。近くを通ったら迫力だろうなあ
峰の茶屋が眼下に見えます
はい、確かにどいてくれました。山頂に向かって歩いてきます。下りていく私たちとは当然すれ違うコトに―――つまり「こんにちは」地獄に巻き込まれました。小学校の高学年らしい相手は100人以上はいたかしら……。山では元気よく挨拶を、と教え込まれているのか、口々にこんにちはこんにちはこんにちは……(エンドレス)。答えるこっちは大変です。
ようやく地獄を抜け出すと、もうテーブルにはほど近い距離まで来ていました。ちょっと風がでてきてしまいましたが、幸い先客もおりません。荷物を広げて、お握り、焼きソーセージ、ゆで卵、きのこ類のホイル焼き、ミネストローネスープ、バナナの豪華なランチといたしょう。風除けが欲しかったな〜。あと、初めて山でライターが点かなくなりました。今度からマッチも常備しておかなくちゃ! 私らがま〜ったりしている間に、青いジャージの団体が下りてきましたので、距離を開けるため、さらにまったり。
1時間以上、ゆーっくりしました
山々は、朝に比べるとちょっと霞んできてしまいましたが、それでもやっぱりいい気持ち。駐車場からこんなに簡単に(←もう雪のコトを忘れている)登ってこられる場所で、こんな贅沢な眺めが楽しめるなんて。今回の旅行では山はおまけくらいのつもりだったのに、今までで一番の那須岳でした。名残は惜しいけれども、食べるものが全部おなかに納まって、写真もたっぷり撮ったところで、下山開始。小屋の下の雪の帯を渡るときはまた緊張しましたが、あとは景色を楽しみつつのんびり下ります。
で、問題の箇所にやってきました。樹林帯に突入してからの、雪……! 比べてみれば、登るときはまだ良かったのです。そんなにぐずぐずじゃなかったし、登りだから、前の人の踏み跡を踏んで歩けばなんとかなった。下りはそうは行きません。まず、いい天気の1日でだいぶ雪が柔らかくなっていて、踏むとぐずっと崩れます。そして下り。つるつる底の靴じゃ踏ん張りようがありません。転んでも落ちるような場所ではないのですが、なんせ大勢が歩いた雪の上です。転べば泥だらけになるのは目に見えている。その後しばらく、山には私たちの悲鳴が途切れることはありませんでした……。
そしてようやっと雪の部分が終わったかと思うと、今度は道が川になっている……! 大量に融けた雪が、雪融け水が、そのまま道に流れ出しているのです。繰り返していいますが、Uと私の靴は普通のスニーカー。防水なんぞされていません。「ゴアテックス……!」。ホント、靴は大事です。なるべく靴を濡らさないようにぴょんぴょん歩き、やっと乾いたところに戻ってきたときにはホッとしました。最後の最後、駐車場に出る直前の階段下部にまた雪があったのにはヤラれましたが……。
ともあれ、予想外にちゃんと“山”を楽しめた1日になりました。
■大駐車場(8:12)→鳥居(8:18)→峰の茶屋跡避難小屋(9:17-9:31)→茶臼岳(10:19-10:33)→テーブル(11:16-12:35)→峰の茶屋跡避難小屋(12:37)→鳥居(13:27)→大駐車場(13:33)
U、Y、K、私の4人で茶臼岳へ行ってきました。栃木県の宿泊所からレンタカーで出発。前日車を借りるときに、「明日は混むよ〜」と脅かされたそうなので、早めに出発―――とは言っても7:30過ぎなんですけど。でも旅行先で6時起きってのは、私らにしてはガンバりました。前日までどんよりしていた空も予報どおりに晴れわたり、絶好の山日和です。
……とは言っても朝の時点で、私らの目的地は「峰の茶屋」でした。栃木の宿泊所から何度か通ってはいるんですが、未だに那須岳のどのピークも踏んでいないのですよねー。「渋滞にハマったら時間もわからないし、とりあえず峰の茶屋を目指そう。で、着いてからその先を考えよう。UやKは久しぶりの登山なので、峰の茶屋まででおなかいっぱいかも知れないし」と適当な目標をたてての出発です。
峰の茶屋まではお散歩気分で行けるので、登山靴さえ履いていませんでした。宿泊所から駐車場までは、渋滞の気配さえありません。あっけなく着いてしまいます。ザックを背負って、さあ、行こうか―――ってちょっと待って。駐車場の脇に積み上げられているのは、あれは雪では? 「へえ、まだ残っているんだねー」と、まだまだのん気な4人でした。
が。峠の茶屋(まだ開いてない)を過ぎた辺りで道に雪が残っているのでまずビビります。確かGWの頃にも来たコトがあったハズだけど、そのときは峰の茶屋まで雪の気配もなかったし、今年は積雪が少なかったんじゃなかったっけ? ヤバ、と思いながらもそのときはまだ道は平坦で、少し進めば道に被っていた雪はなくなったので、先に進みます。そして鳥居を過ぎ狛犬さんたちを過ぎ階段を登って山道に差し掛かったとき、でした。
道の真ん中まで雪が残っている箇所もありましたが、峠の茶屋〜鳥居はだいたいこんな、平和な感じでした
この鳥居まで来るとなぜだか「ああ那須岳に来たなあ」って実感が湧きます。いつも
この陽気ではちょっと暑そうな狛犬さんズ
「えええええっ」「雪が! 雪がこんなに!」。繰り返しますが私たちの履いているのはスニーカー(YとKはちょっとマシでトレッキングシューズ)。しかも私のはもう捨てるつもりのヤツで底がツルツルです。「舐めてたよ……茶臼……」。道はゆるやかな登りです。気温は高いので凍ってはおらず、人の通った後を踏んであるけばたぶん大丈夫。ちゃんと装備を揃えた登山者とハイキング気分で踏み込んじゃった人が半々くらいだったし、何度も通った道で「開けた場所まで行けば日当たりがいいから雪はないだろう」と見当もついたしで、先に進みます。そろそろと。
ここから雪道ですよ。樹林帯を抜けるまで、ずっと
ちゃんと登山靴を履いてストックを持っているおじさま、おばさま方にがつがつ抜かされながら、やっと広い場所に出ました。私が茶臼と言われて思い浮かべるのはこの景色。茶色くて石がゴロゴロしていて朝日岳、茶臼岳を見上げるこの風景です。予想通り、日当たりのいいこの場所では雪はすっかり消えていました。
視界の開けるこの場所まで写真は1枚も無し。余裕のなさが伺えます
久しぶりの風景と雲一つない青空に、心が躍ります
「峠の茶屋0.7km、峰の茶屋0.8km」。距離的にはちょうど中間
登山道に張られた鎖が新しくなっていました
稜線に、峰の茶屋跡避難小屋が見えます
「あ、でも朝日に行くほうは雪が残ってるよ。あそこで滑ったら大変だよねー」「……ちょっと待って。峰の茶屋まででも1箇所、雪がある……」。見上げると道の先、峰の茶屋のちょっと下に雪の帯が残っていました。うひゃあ。
左:朝日岳へ向かう稜線。雪の上を登山者が歩いて行くのが見えます/右:黒っぽい山が、青空に映えてカッコいい
え……小屋の手前にも、雪あるじゃん!
それでもとてもいい天気。下のほうではまだ風も感じませんし、周囲にはたくさん人もいる。なんとかなるでしょう、と、のん気に足を進めます。時間はたっぷりあるコトだし、峰の茶屋までで止めてもいいんだし、の〜んびりのんびり。ゆっくり登り、ときどき足を止めて周りを見回し、どんどん変わる風景を楽しみ、大きくなっていく峰の茶屋に心を躍らせ―――さあ、茶屋前の難関(?)です。雪の帯。これを渡らねばなりません。滑っても死にはしないでしょうけど―――かなり下まで、滑り落ちるんじゃない? これは。
下にぽっかり穴が空いていそう。踏み抜きたくないなー
歩きながら撮るとこんな。滑って落ちそうなの、わかります?
前後に人のいないのを確認し、そろそろと足を運びます。うわ、ホントに滑るわこれは。ときどきずるっと滑るたびに悲鳴をあげながら、それでも4人とも無事に渡りきりました(次々やって来る登山者の誰も滑っていなかったから、靴さえ確かなら問題となるような雪じゃないんでしょうね)。あとはもう、ほんのちょこっとで懐かしの峰の茶屋です。尾根にあがると―――うわあ、三本槍がよく見える〜。谷筋に雪が残っているのがカッコいいではないですか。いつか朝日から回ってみたいなあ。
避難小屋前。茶臼岳はここから1km
三本槍岳。あっちまでぐる〜っと回ってみたいなあ
(あ、もちろん雪のない時期に)
今年のGWの行き先はなかなか決まりませんでした。せっかくの連休なんだから……と一緒に遊ぶことは約束したものの、仲間ウチで誰が参加できるのも分からない状態で連休1週間前を迎えてしまいます。結局、いくつかの候補のうち「どこもダメだったら」の最後の網にかろうじて引っかかり、Yと一緒に伊豆の宿泊地に向かうこととなりました。
出発は3日の日曜日。買出しをして宿に入り、地物の刺身をメインにした夕食を食べ終わったころ、1日だけ参加のUがやってきます。Uとは久しぶりに会ったので近況報告に時間がかかりましたが、次の日もあるので日付が変わった頃に就寝。宿は山の上にあるので、空気がひんやり冷たいです。
月曜日は朝食を食べてから伊豆のショップに向かいます。前泊組、電車組を合わせたゲストはショップの定員12人! こないだは土曜日でも2人っきりだったのにー。現在遠隔地へ単身赴任中のE川さんも来ていました。久しぶりの大人数に、SさんもTさんもワタワタ。自分の器材を持っていない人も多く、半数以上がウェットです。ご、5月にウェットか……! ドライ買う前でも、さすがにやったコトないです。皆、スゴいなあ。
海はベタ凪ですが透明度は期待できず、おまけに初心者も多いとあって、行き先は富戸になりました。車2台に満載されて到着した富戸は―――あれ? 空いてる? 皆さんI.O.P.に行ってしまったんでしょうか。ラッキー。富戸といえば自分の重い器材を担いでエントリー口まで歩くのがちょっとツラいポイントでしたが、久しく来ないうちに、エントリー口まで器材を軽トラで運んでくれるサービスが始まっていました。これは嬉しい!
水の中で寒さに耐えられる時間が全然違うので、ウェット組とドライ組に分かれて準備を進めます。ドライ組5人は全員150本以上のベテラン組(←じゃなきゃ自分のドライ持ってないよねー)でガイドはTさん。準備に時間がかかったので他のグループと時間差ができたのか、私らが海に入ったときはエントリー口は無人でした。顔を水につけると―――え? けっこう良くない? 透明度は5mと覚悟していましたが、10m近く見えている感じです。しかし水は冷たい〜。陸上が暑くて蒸れていただけに、最初はひんやり気持ちよかったのですが、すぐに冷えました。
浅場がなかなかの透明度だったので、これは深場はもっとと期待したのですが……珍しく、深場のほうが濁っていました。透明度は落ち、太陽光も届かなくなるので寒く感じます。実際水面と海底にそう温度差はなかったんですけどね。生き物は―――ちょっと寂しかったかなあ。入ってすぐにヒメユリハゼ。お約束のネンブツダイやクロホシイシモチ。そう言えばエントリー前に「今日は珍しい生物は期待できないんで、テーマは“伊豆再発見”」と決めたんだっけ。でもこの時期のネンブツダイたち、若くて小さくて、ちょっとイイです。
婚姻色で♀にアピール中のヒメギンポの♂や、セホシサンカクハゼはTさんに教えてもらいます。自力で何か発見しようと石の間やら海草の下やらを覗いて回ったのですが、この日はほとんど何も見つけられず、岩の上にじっとしているイソハゼなんかを撮ってました。エキジット後、Uが「透明度のワリに皆、勝手気ままに遊んでた」と言ってましたが、確かに。Tさんが見える位置はずっとキープしていましたけど、その範囲でぎりぎり外側にいたかもしれません。上がる直前、キビナゴっぽいのが水面でキラキラしていて、それを見上げていたら首筋からつーっと冷たいものが……。ぎゃっ、水没!?
あがって2本目をセッティングする間も、どうも背中がひんやりしている気がします。ネックシール部分に髪の毛でも挟まっていたかなあ……と不安になりなり脱いでみましたが、どうやらエントリー前にかいた汗が、冷えてしまっただけらしい……。これからの季節はこれがツライですね。仕方ないので2本目は余分に持ってきていた、ちょっと薄めのインナーを使うことにします。薄めでも湿っているよりマシでしょう。天気は予報より良く日差しがずっとありましたが、風はちょっとひんやりしていたので、お昼は室内で食べました。
「2本目はどうしましょう?」とやけにTさんが迷っているので、「そんなに選択肢があるんですか?」と尋ねたら、きっぱり「ありません!」。あはは、じゃあ聞かないでくださいよぅ。ない選択肢の中から「深場のほうが濁っているし、浅瀬は光が差し込んでキレイだったから、浅瀬中心に潜ろう」と決め、2本目へ。まずは富戸ホール。1本目だったらかなりイけたかもしれないのですが、2本目はちょっと透明度が落ちてしまっていました。それでも穴ぼこから光の差し込む富戸ホールはやっぱり好きだなあ。Yが記念ダイブだったので、ここで集合写真を撮ります。
富戸ホールで、Tさんは小さな小さなオトメウミウシを見つけてくれました。私はホールを出たところでイタチウオを。その少し先で、またもやTさんがヒラミルミドリガイを発見します。Tさんのマクロを見つける目、私も欲しい……。恋のシーズンがそろそろ始まるのか、オハグロベラ♂が縄張り争いを繰り広げているのも目撃しました。後は、この日もやっぱりアオウミウシ。それにヒョウモンダコぐらいかな。2本目あがったときかなり寒かったんですが、ウェット組は元気だなあ! ちゃんと30分は潜っていたらしいです。
透明度も水温もキツめの状況でしたけど、でも穏やかで空いていて、なかなか楽しいダイビングでした。ショップに戻ってログ付けをして、夕食に出ます。地魚が並ぶ回転寿司屋ですんごい勢いで皿を重ねあげつつ、週末の相談をして、Uは慌しく帰っていきました。ま、でも1日だけでも一緒できてよかった。私とYは足りない食材と酒を買い足し、また宿泊所へと戻ります。ホントは翌日はどこかをウォーキングでもするつもりだったけど、天気予報は下り坂。すっかりインドアな気分になっているTo-koなのでした。