今年最後の日記。ああ1年が終わる。今年もいろいろあった1年だった。年の初めに手を取り合った彼女はもういない。助け助けられの仕事仲間だったので、職場を去る彼女に、こっそり小さな花束を贈った。お互いに、ちょっとうるうるしてしまった(どうせ1月には個人的に会うつもりなんんだが)。
職場の仕事納めは今日なのに、私は自主的に1日早く納めさせてもらい、今日は恒例の親戚行事。餅つきに行ってきた。この親戚行事もいつまで続けられるか分からないが(特に今年は健康体の人間が少なくて危なっかしかった)、せっかく長年やってるんだもの。できる限りは続けたいな、と思う。そして明日は餅つきのために上京してきた父と共に帰省。いつもの友人たちにまた会うつもりだ。話したいコトがいっぱいある。
さて。今年も1年(かどうかは分かりませんが)おつきあいありがとうございました。来年も今年初めにたてた「四十にして悟らず」の目標はそのままに、こないだたてたもうちょっと具体的な目標は途中で投げ出さないようにしたいと思っております。まだ匙を投げていない方は、またおつきあいくださると嬉しいです。
それでは皆さま、よいお年を。
先週末はクリスマスを口実に、久々の友人宅へと行ってきた。金曜夜遅く―――全員が揃ったのはもう日付も変わろうかという頃―――に集まり、3時過ぎまでくっちゃべって倒れこむように就寝。最近寝不足が続いていたので布団に入った次の瞬間の記憶がもうない。翌土曜日は昼ごろ起きだし、食事をしてから全員で連れ揃って横浜の中華街へ。こないだで占いづいた(?)のか、また行きたくなってしまったのである。
とは言っても今回は何か悩みがあったワケではない。自分がこないだ聞きそびれた辺りと、あと友達はどんなコトを言われるのか聞きたかっただけである。友達の馴染みの占い師さんがいるコーナーへと行くと、うわーいるわいるわ、迷える子羊たちが列を作っている。さすがは年末! まあ占い師さんの方も6人いたので何とかなってはいたのだけれど、客をさばくアシスタントの姉ちゃんたちの手際が悪すぎて、ウザったい(こうゆうとき私らは揃って「こうすればもっと効率的になるのに!」を考えてしまう)。
友人が前に他の人を連れて来たときには、その人はかなり厳しいコトを言われてしまったそうなのだけど、私らは誰もあまり悪いコトは言われなかった。いやしかし人の占いを聞いているのは楽しいな〜。当たっていても外れていても面白い。「男は顔!」と常々主張している友人が、そんな話は全然していなかったのにいきなり「第一印象だけで対象外にしちゃダメ」と言われているのには大笑いしたし、世話焼かれな彼女が「世話焼きね」と反対のコトを言われたときには「その面をもっと出してよー」と残り全員からツッコミが入る。占い師さんはやりにくかったかもしれん。
占い系統は、こないだと同じ手相と算命学だったので、私についてはあまり違う結果は出なかった。ただ前回はさらっとだった手相を、今回は丁寧に見てもらい、占い師さんに「私が欲しいくらいいい手相」と言ってもらってほくほくになる。私の手相は素人目で見てもちょと珍しいのだ。あと手相にしろ算命学にしろ、私の人生は「これから伸びる」らしいので、これも楽しみ。「あなたの人生のピークは過ぎました」とか言われたら、そんなに真剣に信じていなくってもさすがに落ち込む気がする。いくら自分で「今のところ右肩上がりだよな♪」と思っていても。
待ち時間と3人分の占いと、これだけでかなり時間が過ぎてしまった。小腹が空いてきたので中華まんを買い食いし、お茶とか肉まんとかを土産に買って、さらに途中で夕食の食材とケーキを買って友人宅に戻る。昼はぽかぽかと暖かかったが、夜になるとぐっと冷え込んだので、寄せ鍋が大正解だった。落ち着いたところで別腹のケーキも食い、ぐだぐだ〜っとまた3時過ぎまでくっちゃべって笑っているうちに、雲行きが怪しくなってくる。
―――うそ。とある小事件があって、雲行きはその前から怪しかった。それが晴れかけたのを、私がまた引き戻して大雨にさせちまったんである。何も楽しいクリスマスの夜に……とは思わんでもなかったが、それより機会を逃したくなかった。それで結局5時半まで、巻き込まれた全員が消耗しきる討論会(←?)。日曜日はまた昼頃まで寝かせてもらって、マンガを読ませてもらって、夕方ごろ帰宅。そこまでは何とかもったが、ここで私の気力は潰えた。最近の多忙と寝不足と週末の寝不足と暴飲暴食とを支える気力が弱っちまったので、完璧体調を崩す。くっそー。
後悔はしていないけど、もうちょっと上手くやれないものかと反省する。
「職場の個人的な激震」の裏面には根暗な事情があるらしく、それが「会社にとってのドロ沼劇」に発展しているらしい。よく知らないけど。「個人的な激震」ってだけで凹んでいたのに、10年近くも(!)働いている職場にそんなドロ沼があるって話に、また凹む。私ゃホントにドロドロの話は嫌いなんだよ。陰湿だったらありゃしない。―――ああ、早く正月休みにならないかな。
*****
フィギュアのグランプリファイナルについても―――時間がないのでダッシュで書いとこう。フリーで日本人選手が奮わなかったのは残念だったけど、でも面白かったので。
浅田真央はどんどん見せ方が上手くなってるなーと思う。あの手足の長さは美しい。安藤美姫は「そのままガンバレ!」だけど、肩の線がもう少し柔らかくなるといいよね。女子で優勝したキム ユナもスタイルがすごくキレイ。バレリーナみたいな体つきしてる。あとドーナッツスピンに入るときの形が美しい。あのスピンに入るとき、みっともない形になってしまう選手が多いのに。
高橋大輔のショートでは、初めて彼をいいと思ったよ。ジャンプが気持ちよかった。織田信成は……やっぱ好きだ。でも気を抜きすぎ〜。あとエキシビション見るたびにくーっとなるんだけど、なんでこれだけ日本人選手層が厚いのに、ペアやダンスの選手がいないのよう!よう!よう! 中国のペアが頑張ってるのに「必死こいて滑っているときに愛だの恋だの表現できるかよ」(©川原泉。ちょとアレンジ)だなんて言わせない〜。
日本人選手以外の映像も流してくれよーというのはいつもの話なんだけど、今回やたら気になったのは、手のアップに始まり手のアップで終わる演技の撮り方。指先から演技が始まる振り付けならばイイけれど、他の場所も動き始めるのにバカの一つ覚えの撮り方はなんなのさー。手フェチ? あとストレートラインステップのときに、どうしてストレートで撮らないかなー。何を見せたいんだかよく分からん。つか撮ってる方も、何を撮るのがいいんだか分かってないんじゃないのかねぃ?
≪つづき≫
私とTaji嬢は食い下がりました。「でも今まで見たコトがない魚で!」「すっごく大きかったんですよ!」。H江氏が「写真は?」と口を挟んできます。―――あっ写真! 「……撮ってません」「そんなの考える余裕は無かったんですよぅ」。誰かが「ミズウオなんじゃないの?」と言い出しました。ミズウオ? 私もTaji嬢も、ミズウオという魚を知りませんでした。「カジキマグロに似てるんですか?」「似てる似てる」。
聞くと、ミズウオというのは深海魚だそうです。何百mもの深い海に住んでいる魚なんですが、なにかの拍子に(一説によると死ぬために)上がってきて、ダイバーに目撃されるコトもあるとか。これもかなり珍しいけど、ミズウオならありえないコトはない、カジキマグロよりは可能性がある、とのコト。「ん〜ミズウオを知らないので何とも言えないんですけど……。ショップに戻って図鑑見るまで、保留にしますね」。
Sさんが全っ然信じていないのは明らかでした。富戸の港を出てすぐの海沿いの細い道路で、車の先方をパトカーが走っていたんです。この道でパトカー見るの珍しいね、何かあったのかな、事故でも……とかそんな話をしていると、運転席のSさんが嬉しそうに、「カジキマグロが出たんじゃないの〜?」。うわ、うわ〜! 「Sさんって、最近ホントに感じ悪いですよね! あ〜ホント、Tajiさんに見ておいてもらって良かった。私一人しか見ていなかったら今頃言いくるめられていそうですもん〜」。
ショップに戻って器材を干し、ログ付けを始めてすぐに、私は図鑑を要求しました。「カジキマグロってのは俗称なんだよね……えーっと何で調べればいいのかな。メカジキ?」と言いながらSさんが図鑑を繰ってくれますが、なかなか載っている図鑑が見つかりません。「ほーらね、伊豆のダイビングで見られる魚じゃないんだよ。伊豆でも沖合いでは採れるらしいけど、伊豆のダイバーが海中で普通の状態で生きて動いているカジキマグロを見たなんて話は聞いたコトがないもん」。
「ほら、ミズウオなら載っているよ」と見せてもらった写真は、しかし私たちが目撃したものとは全然違っていました。体の大きさ、色、背びれは似ていると言えなくも無いかもしれません。遠くを、それらしき魚が泳ぎ去っていくのを見たというのなら、間違えるコトもあり得るかもしれません。が、私たちは例の魚を正面から見ているのです。ミズウオには長い吻がないし、マグロみたいにむっちりした体もないし、背びれの形も違う。Taji嬢も一目見てすぐ「違う、こんなコじゃなかった」と切り捨てました。
遠くにぼんやり見えたんじゃないんです。透明度15-20の海で、10m以内にハッキリと見えていたんです。一瞬視界を過ぎっただけではなく、しばらくその姿を見ていられたんです。「TVで見たのと丸っきりおんなじだー!」と思いながら。正直、背びれの形(特に後ろの方)や尾の形の記憶は曖昧です。だから“正面から見るとカジキマグロにしか見えないけど尾の形が違う、そう珍しくない魚がいる”というのなら、諦めます。でもそうでなきゃ、こればっかりは譲れない! いかにありえなかろうと、私たちはカジキマグロを見たのです。
十中八九、私たちが何かを見間違えたんだと、Sさんは思っているのでしょう。H江氏もとても信じられない、と思っているようでした。でもSさんたちは、見間違えるような何かを提示できないのです。それじゃ諦めるワケにはいかないじゃないですか。「オレは信じるね。ロマンを買うよ」と言ってくれたKOM氏、ありがとう〜。でもロ、ロマンですか……。そんなに夢みたいな話でしょうか。ああ、写真さえ撮っていれば……。実際、そいつを見た瞬間に「写真だ!」と思っていたのなら、鮮明な証拠写真は撮れました。十分な時間があったと思います。でも私はまず「皆を呼ばなきゃ!」と思ってしまったんですもん。どうしようもないじゃないですか。
撮ってさえいれば地元ダイバーの間ではニュースになっただろうなあ……なんて理由よりも何よりも、自分の記憶の補強のために撮っておきたかった、と時間がたつにつれ強く思います。あの迫力、あのカッコいい姿が、だんだんとぼやけていくのが悲しい。見た日はTaji嬢と乗った帰りの電車でも、会話が途切れるたびにぽーっと姿を思い浮かべちゃって、「シアワセだったよね〜」「すごかったね〜」と言い合ってたくらいなのに。
ある意味、たぶんジンベイザメやマンタよりも貴重な目撃体験だったんじゃないでしょうか。ジンベイやマンタ、イルカ、クジラなんかは、いる場所に行けば会える。それぞれを見に行くツアーだってあります。だけど“カジキマグロに会いに行くツアー”ってのは聞いたコトがないんです。本当に一生に一度の遭遇だったかもしれない。そう思うたび、「せめて写真を撮っておけば……」と口惜しい。ああ、でもそれでも、見られて良かった。シアワセでした。
これで今年の海は潜り納め。最後の最後に地元のガイドでさえも信じてくれないようなレアものに出会い、大満足での終了となりました。本当に、今年は海の神様に愛されていた、と思います。ありがとう、ありがとう神様。来年もぜひぜひお願いします!
≪つづき≫
明けて日曜。運命の日です(そうとは知らなかったけど)。I手氏は朝帰って行ってしまったので、この日ツアーを一緒にしたのはTaji嬢とKOM氏、H江氏、それにガイドのSさんでした。日曜の朝にやってきたE川氏ともう一人の男性はレスキュー講習を受けるとかで、Tさんに連れられて大瀬崎に向かいました。私は期間限定で水中に出現するクリスマスツリーを見たくてIOPをリクエストしていたのですが、北東の風の風向きが変わらず、IOPは残念ながら難しい状況でした。
じゃあどこに行こうか。候補は穏やかであろう西伊豆のどこかか、東伊豆の富戸でした。この日は私もTaji嬢も潜り納め。いつもはショップに預けっぱなしにしている器材を持って帰る日です。持って帰ったら洗ったり干したりと大変だし次の日は仕事だしでなるべく早く帰りたい。となると、多少波があっても近場の富戸にしましょうか。手打ちぽん。速やかに決定はくだり、一同は富戸へと向かいました。全員前泊だったので、いつもよりちょっぴり早めの出発です。天気も回復傾向にありました。
こないだに引き続き、ニシキフウライウオやクダゴンベでまだまだ賑やかな富戸です。「目的地がちょっと遠いし深いので、途中はわき目もふらずに浅瀬移動」ってのは前回と同じ。ただ、この日はけっこう流れがありました。ナゼか行きも帰りも向かい潮という悪条件で、ちょっと疲れてしまいます。そうしてわざわざ行ったのに、1本目の写真はほぼ全滅。入る前にカメラの設定をちゃんと確認していなかったので、被写体を見つけてからカメラ弄らなきゃいけなくて、その間に逃げられました。
それでもこの日の富戸は秋らし〜い透明度で水の色もすこぶる青く、それなのにダイバーの数は少なくて、気持ちのよいダイビングでした。入ってすぐにはナンヨウツバメウオがいたし、移動中に海面を見上げればイワシの大群がいっせいに向きを変え、キラキラと光を反射させています。動きの少ないオルトマンワラエビはきちんと写真も撮れました。あとタキゲンロクダイやシモダイロウミウシ、スケロクウミタテハゼなどを見て、1本目は終了。
温泉丸で体を温め、お昼を食べての2本目。やはり今富戸で旬なのはクダゴンベのいる場所、ということなので、1本目と同じ場所を目指すコトになりました。1本目の写真がろくに撮れていなかったので否やはありません。この日の面子は私が一番のペーペーというくらいのベテラン揃いですから、ちょっとくらい流れを問題にする人はいません。が、海に入ってみると流れはかなり穏やかになっていました。そのせいかSさんもちょっと回り道をするようなコースを取ります。
1本目以上のイワシの大群にしばらく見とれたりしながら先へと進み、とある岩場を乗り越えたときでした。先行していたSさんと男性2人は先にある別の岩の下で何かを覗き込んでいます。この日のバディのTaji嬢が少し遅れていたため、私は泳ぐのを止めて周りに目をやりました。左手、沖のほうに透明な生き物がひらひらと群れ飛んでいます。(おっアオリイカか〜。まだ若そうだな〜。春の卵から産まれた世代の生き残りか〜。がんばって生きろよ〜)なぞと、そいつらをぼんやりと眺めていると、その向こうから何かがやってくるのが見えました。
あれ? 何か大きな魚がやってくるぞ? 何だろう―――青いベールの向こうからゆっくりと姿を現したそいつは―――えっ!? ―――えええっ!!?―――え"え"え"え"え"え"えっっっ!!!!? ……思わず、三度見してしまいました。それは、こんなところに居る筈のないものでした。少なくとも私は見たコトがないし、見られるという話も聞いたコトがない。でも、TVで見たコトはある。トローリング大会のニュースなんかで見るそいつは、どうみても、いわゆるカジキマグロでした。
潜水艦のようにぬお〜んと現れたそいつは、すごい迫力でした。カジキにしては小さい個体でしょう。でも2mはあったと思います。伊豆で見た魚の中では、もちろん最大です。長い吻といい、高く伸びた背びれといい、TVで見るまんまでした。こ、これは皆に教えなきゃ! と思うより早く、私は皆を呼んでいました。とは言ってもレギュを咥えているので「う〜っう〜っう"〜〜〜っ」と悲鳴をあげるのが精一杯です。数メートル離れた場所にいる男性陣が気付く筈もありません。だとするとTaji嬢だ! Tajiさん! Tajiさん!
そのときちょうど、Taji嬢が岩を乗り越えてやってきました。が、視線は海底です。きっと何かマクロな生き物がいないか探しているのです。そんな場合じゃないんだってば!! 私は真っ先に手が届く範囲に入ってきた彼女の頭を叩きました(←普通しません)。そして顔をあげた彼女にカジキを指します。(見えてる? 見てる? 見てるよね?)。カジキは泳ぐでもなく、潮に乗ってゆーっくりと消えていきました。私の指は、姿が見えなくなるまでずっと、カジキを指していました。
振り向いた彼女に私は(見た?)とサインを送りました。ダイビング中の視界はかなり狭いので、(見たよ)のサインが返ってきたのを見たときには、ホッとして口元が弛んじゃったくらいです。こんな凄いものを、私だけが見たんじゃなくて良かった〜!! そして私らは、先をゆくSさんを追って泳ぎだしました。が、頭は今見た生き物のコトでいっぱいでした。(カジキマグロだよね? だったよね。どう見ても…)。ちょっと行ったトコロでSさんがオトヒメベラをスレートに書いて教えてくれたのにどの魚を指しているんだか分からなかったのですが、正直どうでも良かったです。
その後すぐにクダゴンベたちのいる地点へと着き、私もそちらに集中しました。今度はクダゴンベもニシキフウライウオも撮れました。キンチャクダイの幼魚もいました。そこから段々に深度をあげ帰路についたのですが、帰り道ずっと(また出てこないかな〜)と目を凝らしていたのは言うまでもありません。Taji嬢もおんなじコトをしていたそうです。
エキジットするや否や、私はSさんに尋ねました。「Sさん! 見ましたか!?」「何を?」「こんな大きな――」「カジキ……ですよね」(←Taji嬢)「だよね!? いたんですよ、カジキマグロ!」。それを聞いた途端に、Sさんはぷぷっと笑いました。「いないいない、いる筈がない。ありえない!」。ええええーーっ?
≪つづく≫
今年の潜り納めではは一生に一度かという幸運と、大変口惜しい思いの両方とを、同時に味わいました。まだ興奮が続いていて早くその話に取り掛かりたいのですが、順を追って書きます。
*****
5月に始まったアドヴァンスド講習を今年中に終わらせようと、9日の土曜日から伊豆に行ってきました。最後の1本の講習にはナイトを選んでいます。ボートでは3本潜っていますが、ビーチでは未経験でちょっとドキドキ。「満月の夜だと月明かりでかなり明るいよ」とか「ナイトを終えたあとに水に浮かんで、ぽっかり浮かんだ月を眺めるのは最高」とかいう話を聞いていたので、なるべく月の大きな週末を選びました。ホントは満月に合わせたかったのですが、ナイトは土曜日しかできない、というのですもん……。
しかし無情にも当日の天気は冷たい雨! 満月もへったくれもありません。その前の週の平日の月はとってもキレイだったのに。TVをつければ「朝から気温が下がり続け、東京はこの冬一番の冷え込み」とお天気お姉さんが伝えています。こんな日に、しかも夜に海になぞ入ろうとする人間の神経を疑わざるをえません。「ホントに行くのかよ〜」と思いながらも、しかし同行してくれるUとKの手前、今更やめるワケには参りません。
途中の駅でUとKと落ち合い、寒いね、寒いよ、とボヤきながら伊豆入り。Kは朝から潜るつもりだったのに、電車が止まって夜だけになってしまったのは気の毒でした。伊豆に着けば少しは暖かいのではないかという希望は、駅のホームに降り立った瞬間に打ち砕かれました。日が暮れかかっているせいか、東京より寒いようにさえ感じます。冷たい雨も止む様子を見せません。
この日ナイトをやるのは私たち3人だったので、迎えに来てくれたSさんとショップで軽く事前講習を受けた後、西伊豆は大瀬崎へと向かいました。この日の東は荒れていて、予定していた伊東には潜れない状態だったのです。ところがところが。やっぱり今年の私たちは海の神に愛されています。大瀬崎に着いた途端に、雨が降り止みました。気温も東伊豆に比べて暖かい気がします。
そして浜はナイトをしようとする酔狂な人たちで大賑わいでした。中でも大きなグループは全員がタンクにブルーのケミカルライトを付けていて、ホタルの群のようになっています。浜に面して建っているダイビングショップの明かりが浜まで届き、心配していたような真っ暗なダイビングでもありません。
海に入っても「思ったより明るい!」は続きました。透明度がかなりいいらしく、手に持ったライトの光が遠〜くまで届きます。少し離れた場所では別のグループのライトが周辺に光を投げかけています。後でダイコンを見るとこのときの水温は16度とかなり低い温度だったのですが、潜っている最中に寒さは感じませんでした。30分の潜水時間が短すぎるように感じたくらいです。「夜は甲殻類が元気」と聞いていたとおり、大きなイセエビやヤドカリ、ワタリガニが岩の隙間から出てきていました。
昼間見る魚でも、夜、色の変わっているものがあります。ヒメジは砂の上で赤く変わっていましたし、ツノダシは茶色っぽくなっていました。近づいてもじーっと固まって動かない魚は、たぶん寝ていたのでしょう。睡眠の邪魔をして申し訳ない、と思いながらもじっと観察してしまします。ムレハタタテダイやカゴカキダイもいました。カサゴだったかな? 砂地に立っているポールの上に、装飾みたいに乗っかって寝ているのには笑っちゃいました。
ナビゲーションの復習もしました。海に入る前に、沖に向かってコンパスを合わせ、まずその方向に泳ぎます。水深13mくらいに達したところで左に向きを変え、今度は同じ水深をキープして岸と平行に泳ぎます(ナチュラル・ナビゲーション)。適当なところでまたコンパスを使い、最初と逆の方向にコンパスを合わせてそちらに泳ぎます。そして岩場に達したところでまたナチュラルナビに戻り、岩場に沿って最初に海に入った地点まで戻ります。
いろいろ練習をするため「最初に海に入った地点がわからなくなった」設定で、岩場を乗り越えて浅瀬に戻ったところで一度浮上。戻る位置を確かめ、そちらにコンパスを合わせ直して、もう一度潜降して、合わせ直したコンパスの方向に泳いで出発地点に辿り着きます。―――が、一応その通りにやったのですが、浮上した地点が水深4mくらいだったので、再潜降してほんのちょっとだけ泳いだらもう腰くらいの水深になってしまいました。なーんだ。
今回のログはコチラ(196本目)。講習のため、写真なし。
これにてナイトの講習は終了。そして私はアドヴァンスド講習の終了です。UとKは日帰りのため、大急ぎでショップに帰って20分くらいでささっとログ付けを済ませました。そして2人は終電に飛び乗り帰路へ。私は1人ショップに残り―――いや1人ではありません。この日の昼間に黄金崎でファンダイビングをしていた人たちが残っていました。いつものTaji嬢にI手氏、KOM氏。途中からKOM氏のお友達のH江氏もやって来て、どの人もお喋りなもんだからTaji嬢以外は初対面だったにもかかわらず、この日も日付が変わるまで、賑やかな酒盛りになったのでした。
≪つづく≫
久しぶりに仕事が忙しくなってまいりました。これから少なくとも1月までは、きりきり舞いになる予定。残業続きで更新もままならなくならでしょう。だというのに、1月にやりたい遊びより週末の数の方が少ないとはこれ如何に。毎週遊んでいても追いつかないじゃないのよ。平日は残業残業で週末遊びで体がもつかしら、と今から心配。いや体の心配よりも、どうやって日程のやりくりをつけようか、果たしてつけられるのか、そっちが心配。
心配といえば職場でも個人的に激震があり、いろいろと思い悩んでおります。しかし悩むたびに思うけど、私はいろんなコトを考え出すのが人より10年ずつ遅い感じがする。「ああこの覚悟を10年前にできていれば!」とよく思う。そして思い悩んでばかりいないで動けよ!と思う。分かってるの、分かっているのよ。今度こそはと思って、珍しく来年の目標っつーのをたてました。三日坊主になると恥ずかしいので達成するまで言いません。
さて。鬼が笑う話はよしといて。先月の29日にはすんごく久しぶり――1年ぶりくらい?――に友人と会いました。いつも遊んでいる面子も集まってきて、久々のPちゃまも入れた呑み助4人でとあるバーへ。4時間たっぷり喋ったんだけど、まだまだ喋り足りなくて、新年はオールでカラオケに行く話も決まりました(←で、喋れるのか?)。おっとまた鬼に笑われる。えーっと、とにかくよく呑みましたよ。“世界のビールを揃えた”お店で「何があるんですか?」との問いに「えーっと、今はベルギーの白ビールと青林檎のビールがあります」って答えはどうかと思いましたが。
まぁおかげで、「私もビールラベル撮っちゃおうかなー」と思っていたのにカメラを忘れたのを、悔しがらずにすみましたが。前述の答えでビールは白ビールだけであっさり切り上げ、後はサイドカー呑んでー、ゴーゴージャス呑んでー、ロングアイランド・アイスティー呑んでー。サイドカーとロング〜は前から好きだったカクテルですが、ゴーゴージャスは“GODIVAのリキュール”に惹かれて頼んだ初体験。カルーアミルクのような甘いカクテルは好きじゃなくて、あまりリキュール系は頼まないようにしてるんですが、これは美味しかった! チョコレートの香りたっぷりで。
あと料理もいちいち美味しいお店でした。メニュー数は少ないけど(バーにしたら当たり前か?)、どれもちゃんと一工夫して料理してある感じ。すっかりいい気持ちになってふらふらしながら帰りました。―――ああ、呑みたいなー。ええ、仕事ですっかり疲れております。今からもう正月休みが待ち遠しい。
先月の話になりますが、23日から27日の5日間はちょいと田舎に帰ってました。ほとんどの時間は青池保子さんの『エロイカより愛をこめて』を一気読みしていたんですが(5日もあったのに『エロイカ』以外に手が出せなかったのは、読むのにやたら時間がかかる作品だから)、うち1日は父と地元の山に登ってきました。
私が向こうにいた間はずっと好天気が続いていて、中でも山に行った25日の土曜日は最高!の山歩き日和。家を8時過ぎに出て、9時前には山道を歩き始めました。父は最近「体力が落ちた落ちた」とうるさいし、3年前に友達と登ったときは予想よりはるかに時間がかかったしで、片道2時間を見込んでの出発でした。11時に頂上について早めのお昼を食べてさっさと下りてくるのです。
が、途中なんどか休憩は入れたものの、父のペースは遅くはなく、10時半前に頂上に着いてしましました。「いくら何でも早いよね」と食事は後回しにし、頂上ではビールだけ。頂上―――と言ってますが、ホントの頂上は辿りついたトコロのもう少し先にあります。けどたぶん一番気持ちがよいのは、眺めのよい大きな岩の上なのです。ほとんど360度の展望で、遠〜く海まで見えるわ風はないわ人はいないわで、しばらく景色を楽しみました。カメラを持ってこなかったのを後悔したくらいですが……あの展望を、写真におさめるのは難しいだろうなあ…。
帰りは途中の分岐から沢沿いを歩くコースに入りました。紅葉も盛りで足元には落ち葉が敷き詰められ、景色に気を取られてぼんやり歩いているとつるっと滑る、大変楽しいコースです。下りは岩場が多かったせいか、登りとほぼ同じくらいの時間がかかりました。うん、でもほぼコースタイムどおりに歩けたぞ。山を下りてから駐車場脇の空き地で、のーんびりお弁当を食します。1,000m以下の低い山は、今頃の季節がベストかも。ごろっと寝っ転がって昼寝ができそうなくらい、ぽかぽかして気持ちのいい陽気でした。こうゆう山が、もう2つ3つあるとイイのになー。
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今回の母。私が『エロイカ』を読んでるのをみて、「私も最近読み返したんだー。だからここんとこ、眠れないときはエーベルバッハ家の家名を残すにはどうしたらいいか、考えていたの」。は? 「伯爵はエロイカで家が途絶えちゃってもまあ仕方ないかなと思うんだけど、エーベルバッハ家は家名を大事にしてるし、絶やしたりできなさそうじゃん。だけど少佐が結婚できるとは思えないし、そうするとスイスにいるお父さんがまだ元気そうだから、お父さんに再婚してもらって……(以下延々と続く)」。
お父さんが再婚した場合、少佐が住んでる家はどうなるのかとか、継母や異母弟妹との仲はどうなるのかとか、財産の一部を信託にしてもらってそこから家の維持費と使用人の給料を出すのが一番無難じゃないかとか、そこまで考えているらしいっす。―――母よ、あなたは生まれるのが30年早かった。30年遅く生まれていれば、今頃立派な同人作家にでもなってたんじゃないだろか。私も妄想女王だけど「でも少佐も、任務だと思えば子づくりくらいしそうじゃん」くらいしか言えないもんなあ。
今回の父。今回の帰省では「父との山登り」がメインイベントだったのだけれども、11月の頭になって父が怪我をした、という知らせが飛び込んできた。3年前に山登りをしたとき、私も指を怪我していたのだが、同じ山に登る予定のある月に、奇しくも父がほぼ同じ場所を怪我したというのだ。しかも、私よりも重症。私の場合凶器は包丁で傷は骨で止まったのに、父の場合の凶器は電動のこぎりで骨は砕けた、らしい。怪我というより切断で、指が反対側にぺこんと折れたらしいっすよ奥さん! 実は半分、山登りはムリだろうと思いながらの帰省だった。
が、結果は前述のとおり。私が帰ったのがちょうど、初めて家での包帯替えが許可されたときで、包帯を巻きなおすのを手伝ったのだが―――いやいやいやグロいですよ傷跡が! ちゃんと縫ってもらったのにまだグロい。下手すりゃくっつかないと言われていた指先に、ちゃんと血が通っていそうなのには安堵したけど、指全体がジャンボソーセージのように腫れ上がり、治ったらどうなるのか想像もつかない。思わずまじまじと凝視してしまったよ。
頼むから、年末の帰省はも少し平和であって欲しい。