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2001.7.31

月曜からこんなに飛ばしてもつのか私。会社帰りに飲み会。ホントは中華街に繰り出す予定だったのだが、8時に横浜に集合したときには皆が皆空腹を訴え、とても移動できる状況ではなかったのでそのまま横浜で食事。そして久しぶりにカラオケへ。4人のうち私を含めた3人が先週金曜日に芝居を観に行ったのだけど、そこで開演前に流れていた曲は懐かしのアニメソングばかりだった。それに影響されて『鉄人28号』や『ボルテスVの歌』を熱唱。…ホントは影響されてなくても、そんななんだが。

さて金曜日に観たのは劇団カムカムミニキーナの『サイエンスジャンボヨーグルト』。カムカムはずっと昔から観ている劇団で、公演全部ではないけどかなり頻繁に、多分もう7年くらいは通っている。最近TVでよく見るのが劇団の看板役者の八嶋智人さんだ。彼と、脚本・演出をしている松村武さんとが多分劇団の中心で、舞台上での2人のやり取りはいっつも、腹筋が痛くなるくらい笑える。あれってほとんどアドリブなんじゃないだろうか。はっきり言うと松村さんの脚本はあまり上手ではない。伏線らしきものを張っておきながらそのまま忘れちゃったりするし、クライマックスの意味もよくわからなくって「結局なんだったの?」のまま終わっちゃうことだってある。

それでもカムカムが面白いのは、役者さんたちのテンションがめちゃくちゃ高いからだ。初めて八嶋さんを見たときには額の青スジが切れるんじゃないかと心配になったくらいだし、見始めたころは目立たなかった藤田記子さんも、いつの間にかめちゃ面白くなっていた。おまけに今回は客演が多かったんだけど、どの客演さんもカムカムのムードによく馴染んでいて(カラーが合わないと悲惨)上手く膨らましてくれていた。特に「遊気舎」(見たことないや)の楠見薫さんって人の演技はすごく好き。目が大きくって表情が豊かすぎるくらい豊か。それをつけまつげで更に強調しているから、松村さんに「お前は顔がうるさいんじゃ!」と突っ込まれていた。多分あれアドリブだったんだろうなー。彼女も思わず笑ってたもの。

カムカムの好きなところは、女優さんを女扱いしないところ。美しい女性の出てくる話もそれはそれで好きだ。でもカムカムは違う。特に藤田さん。もう彼女はすべてを捨ててる感じが素晴らしい! 役者さんのどこかに恥ずかしいって気持ちがあると、それは観ている側にダイレクトに伝わるもので、観客の方も気恥ずかしくなってしまう。でも藤田さんみたいにとことんやってくれたら、どんな下品なコトをしててもただただおかしいだけ。カムカムの芝居には下品というか下ネタというか、そんなシーンがいっぱいあるんだけど、目のやり場に困るような心境には全っ然ならない。客演の楠見さんも、藤田さんとタイプは違うけれど、やっぱりナリフリかまわずでステキだわぁ。

そんな女優さんたちを八嶋さんも松村さんも蹴るわどつくわ、そして彼女たちが見事に吹っ飛んでくれるのが、それは気持ちいいのだ。ちょっとでもか弱いトコロが見えたら「女の子を殴るなんて!」ってヤな気持ちになるモンなのに。例え脚本にいろいろ穴があったとしても、必ず一つや二つは「このシーンを見るだけでもチケットのもとは取った!」と思えるくらいの面白いシーンがあるし、今回は割に破綻のないお話で安心して見れた。ここ最近のカムカムではベストかも。あーでも前回のも捨てがたい。

こうやって、あっちがよかったこっちがよかったと迷えるのも嬉しい話。最近好きな小劇団で元気なのはカムカムくらいだから、彼らにはがんばって今のスタイルで続けて欲しい。4千円以下で見られる面白い劇団って少ないもの。私はいいお芝居でシアワセになれるので、もっと気軽に見られる劇団が増えて欲しいなぁホント。

2001.7.30

金曜日は芝居、土曜日は花火、日曜日は読書三昧の週末。書きたいコトはたくさんあるけど芝居の感想は長くなるので、とりあえず隅田川の花火大会から。基本的に人ごみのキライな私が90万人の人波にわざわざ揉まれに行ったのは、言問橋のすぐ近くのお寺でゆっくり花火を眺められるって勝算があったからだ。父の知人の子供の嫁ぎ先だか何だかというツテを使って「関係者以外立入禁止」の看板を無視して境内に入る。周りにはやはり同じようなツテを使った人たちがいるが、座るところに困るほどではない。4階建ての建物の屋上に登って下を見れば、道路には溢れんばかりの人人人。持参の枝豆、とうもろこし、たこ焼き、焼きそば、それにビールを取り出して、目の前で繰り広げられる花火を楽しむ。ああ気持ちいい。

しかしこの席、風向きによってはちょっと危険だ。花火が大きく見えるのは嬉しいし、音が腹に響くのは気持ちいいし、火薬の匂いがするのは雰囲気を盛り上げる。が、「ドーン、たーまやー」の後にばらばらと、まるで雨粒のような音をたてながら降ってくるのは燃えかす? 気付くとスカートの上には黒いものが降り積もっている。それどころか、まだ赤く燃えている灰まで落ちてくる。乾いた草の上に落ちたら火事になりそうな気がするけど、大丈夫なんだろか? そういえばお寺の前に消防ポンプが備えてあった。ま、最近の住宅じゃそう簡単に火はつかないだろうけど…。しかし花火ってのはいいですね。見事なのがあがると自然に拍手が沸いたりして。私はやなぎみたいに落ちてきて、大きな金の樹のような模様を空に残すのが好きです。

話は飛ぶけど、“家族サービス”って言葉が好きじゃない。まあ終日働いて土日くらいはゆっくり寝かせろよ、と思っているお父さんお母さんにすれば実感なのだろうとは想像できるけれども、サービスされる側にしちゃ「やってやってる」って意識が感じられてイヤ。そこまで考えてないのかなー。でもサービスってする側とされる側があるし、友人サービスとか恋人サービスって言葉がないところから見ても、やっぱり“家族サービス”には義務感のようなニュアンスが付きまとうと思う。なーんてそんなコトを考えたのは、よく私や両親と飲みに行く妹に、彼氏が「家族サービスもいいけどさ…ぶつぶつ」と言ったと聞いたからです。サービスしてもらった覚えはないぞ、私には。当たり前か。

2001.7.26

昨日に引き続き「サカタBOXのお料理ブック・あなたの知らない世界」の、イギリスのプディングの話から。日本ではプディング=プリンと思う人も多いだろうが、イギリスのプディングはそんな甘いもんじゃないのだ。いや甘いのもあるのだけれど、肉や野菜入りのずっしりしたのもある。ちゃんと作れば1年は保存がきくという本格的クリスマスプディングを作った経験があるが、ピールや砂糖や酒だけでなく牛の脂も使うのでかなり重たい。クリスマスケーキ代わりに食べようとすると後悔するハメになる。坂田さんのサイトにある数種のレシピを見るだけでも、その多様性は想像がつくと思う。そしてプディングについて読んでいるうちに思い出したのが、子供の頃の愛読書『まほうのプディング』だった。

この間感想文を書いた『ツバメ号シリーズ』も読んでいる人が少なかったが、ネットで検索した結果でみると『まほうのプディング』の方が更にずっとマイナーだ。作者はオーストラリアのノーマン・リンゼイ。初版は1918年。ここ何年も読み返しておらず内容はうろ覚えだから間違いがあったらご指摘いただきたいが、きっと仲間はいないんだろうなぁ。話の中心はプディングである。魔法の。こいつは切っても切ってもなくならず、しかも味はころころ変わる。主食になったりデザートになったり。その上満足するまで食べてやらないと文句を言う。そう、こいつは喋れるのである。アルバートという立派な名前もちゃんとある。「アンパンマンじゃん」と思ったそこのあなた。違います。「ぼくを食べて」なんて可愛いものじゃない。口汚く罵るのだ。

アルバートの持ち主、船乗りのジムとその連れ、ペンギンのサム、そして新しく仲間に加わったコアラのバニップ(確か彼が主人公だったと思う)の3人組と、まほうのプディングを執拗に狙うウォンバットとポッサムの泥棒2人組(名前忘れちゃった)が、アルバートを取ったり取られたりして繰り広げるドタバタナンセンス。登場するラインナップがいかにもオーストラリアらしい。ほかにもチョイ役でオウムとか出てきた気がする。歌あり裁判あり、騙しあいあり。台詞も珍妙で賑やかな楽しい話だった。挿絵も作者が書いていて、これがまた何とも。アルバートはにきび面の兵隊と火星人とカニを足して3で割ったような姿をしている。こんなの(ちょっと重いかも)。目つきの悪いのがアルバートで、こいつをどうやって食べるのか想像するとかなりシュールだ。

この話のおかげで「プディング」が何を指すのかを幼い頃から知っていたとはいえ、こんな変な話ばっかり読んで育ったから性格が歪んだのではないかと不安に思う。でも好きなんだよねぇ変な話が。うそうそ、いい話でありました。

2001.7.25

昨夜は一人寂しくに荷物の片づけ。旅行に出る前の荷造りってのは旅行の一部で、どれを持っていくか悩むのも楽しいけれど、後片づけはちょっぴり物悲しい。フィンやシュノーケルを拭きながら「あー終わっちゃったのか」って感じ。首都圏に住み車も持っていないので、海や山に行くのは私たちにとってはイベントになってしまう。今年もう一回行ければいい方かな。気軽に海に行ける環境の人がつくづく羨ましい。老後は海と山の両方が楽しめるトコロに住みたいぞ。湖と山でも可。って何様だ。

キムチの気持ちの7/22の日記で知った坂田靖子さんのサイト。これが面白い。確か前にサイトの存在は聞いてた気がするけど、坂田靖子さんは私のフェイバリット漫画家さんとは言えないので、わざわざ探さなかったのだ。それが残念。もちろん、あれば喜んで読む程度には坂田さんの本は好きだ。ただ私は小説であれマンガであれキャラクターに惚れて話にのめり込むので、ショートショート中心の彼女の作品だと夢中にはなれないってだけ。可愛い絵柄のくせにときどきブラックな作風は気に入っているし、シリーズものだといくつか好きな作品がある。『ライム博士の12か月』とか『叔父様は死の迷惑』とか『マーガレットとご主人の底抜け珍道中』とか。中でもいっとう好きなのは『バジル氏の優雅な生活』。

『バジル氏〜』は彼女の作品にしては珍しく長くて全9巻。19世紀、ビクトリア女王時代のロンドンが舞台で、有閑貴族バジル氏が主人公。彼と友人たちや愛人たち(バジル氏は女性大好きなのだ)の日常の、ほんわかするエピソードもあるけど、彼女独特の雰囲気でシビアなエピソードがさらっと盛り込まれていたりもする。ああ読み返したくなってきた。で、彼女のサイトで『バジル氏〜』で書いた台詞のやり取りの背景にあるものについて書いてあるのがここここ。どっちの日でも下の方に記述がある。『バジル氏〜』を読んでいなくても、多分わかる話だと思う。

坂田さんが書かれているコト全てに共感するワケではないが、このバジル氏とチャールズ氏とビクトリア、それぞれの考えはよくわかる。チャールズには共感しないけど、そうゆう人って今でもいるよね。私は『ウィッシュ・ボーン』が特に好きだった覚えもないけれど、「ああ、あれ」とすぐに思い浮かぶ回ではあった。しばらく読み返していないので、今読んだらまた何か別の感じ方があるかもしれない。作品の説明を後から聞くのがイヤなときもあるが、坂田さんのこれに関する限りは大丈夫。ちゃんと作品でも背景は伝わってきていて、説明を聞いて「やっぱりそうだったんだー」って感じ。嬉しい。

ジェンダーの話って人によって全然違っていて、どんな意見でもとりあえず聞くのは好き。もちろん不愉快なのも許せないのもある。でも自分と意見は違っても「いいな」とか「わかる」と思える考え方もあるし。『ウィッシュ・ボーン』も発表されたのが今だったらそんなに過敏な反応は返ってこなかったんじゃないかしら。けっこう耳にする言い分だもの。でも彼女の「メッセージを発信できる立場」に関する自覚、責任感は気持ちいい。あの話も「周囲があえて言わないでいた」のを知っていて描いたのだったら「何やってんだー」とはならなかったんでしょうねぇ。てか、そうしなくちゃいけなかった、って話ですね。

まだ全部を見てはいないけど、これの他にも「サカタBOXのお料理ブック・あなたの知らない世界」なんかもいい。イギリスのプディングや朝食について書いてあるのだ。彼女の作品の舞台もイギリスが多いし、やっぱり好きなんだろうなー。好きなコトを書いたものは面白いもの。彼女がイギリスの風俗を書いた本でも出したら、すごく欲しいかも。

2001.7.24

海とプールを満喫し、食べ、飲み、遊び、喋り倒した3日間。脳内ではドーパミン垂れ流し状態だったのか、最後の締めの熱海の花火大会までは元気だったのに、昨日の深夜に家に辿り着いた時にはもうぐったり。かろうじてメールチェックだけして、そのまま布団に倒れこみました。もう少し体力配分考えろ>私。それにしても伊豆の太陽は半端じゃなかった。毎日水着を着て炎天下の太陽の下で遊んではいたが、ちゃんと日焼け止めは何度も何度も塗ったのに、くっきりと水着のあとが…! 今は肩や背中がむず痒くてたまらない。なんだか頭も痒い…と思ったら、髪の分け目で地肌の見えているところが真っ赤に焼けてしまっていた。そこががぼろぼろと剥けてくるのを考えるとイヤーな気分になるけど、楽しんだ代償ってトコロでしょうか。

好きなWEB日記はほとんど毎日チェックしているのだけど、さすがに毎日更新している人は少ない。日によっては、全部読んでも物足りなかったりもする。それなのにこの連休には何があったの? ネットから離れていたのはたかだか4日間なのに、どこもかしこも更新されている気がする。1ヶ月くらい全然更新されていなかったサイトまで再開してるし! いや嬉しいんです。嬉しいんですけどね。おまけにやけに他のサイトにリンクがはってあって、そのリンク先がまた面白かったりして、今日だけでお気に入り(候補)が5つ6つ増えてしまった。読むのが大変だー!(←嬉しい悲鳴) おかげで、しばらくは退屈知らずですみそうです。というより忙しすぎるくらいです。1ヶ月くらいのバカンスが欲しいなー。夏だもん。

2001.7.20

や…やっと荷造り終わり。いつにもましてすごい荷物。やっぱフィンは嵩張ります。そのうちウェットスーツ買おうかって話もあるけど、買っちゃったらこれはもう車でないと遊びに行けなくなりそう。そこまで身重になるのはイヤだしなー。ただの旅行ならかなり小さな荷物にできるのだが、「合宿」だと毎回毎回荷物を作るのに苦労する。しかも苦労の甲斐なしで大荷物だったりして。さらに今回苦労したのは服選び。私はカジュアルな服ばっかり持っていて会社服は着回しに困るのだけれども、遊びに行くとなると逆で、とても選びきれない。カジュアルどころか「リゾートでしか着れない服」が山のようにあるのだ。

考えてみりゃ、遊びに行く日は仕事する日数に比べれば全然少ないのに遊び着ばかりを充実させてるってのは、私の生活態度を象徴してるかも。一生懸命お金を貯めて、それをぱーっと使い切るってのも何度かやっているし。アリかキリギリスかっていえば完璧に後者。冬になったら死んじゃうのだ。それもまたよ…くはないけど。今はまだ。でも冬になったらなったでなんとかなるんじゃないのかなーと思っている。またでた根拠のない自信で。まあ今のところ面倒見たい人がいるワケじゃなし、自分一人ならどうにでもなるだろう。ならなかったらそれはそれで仕方ない。

水曜に録画しておいた『力の限りゴーゴゴー!!』のハモネプを見ていたら、沖縄の民謡を歌う女のコたちが出てきた。それを見たとたん沖縄に行きたくなる。前から行きたい行きたいと思っているのだけれど、国内旅行はロクにしていなくて、未だに京都より西(南?)には出たコトがない。だから沖縄の風景や文化はTVでしか見てないけれど、あそこはホントに外つ国だと思う。方言やお祭りの残っている小さな島に1ヶ月くらい行ってみたいなー。あの唄や踊りや話し言葉にはなぜかとても惹かれる。海もキレイだし、仲間たちが全員ダイビングのライセンスを取ったら計画たてようかな。

がんばったけれど、たった3日の旅行じゃこの服はとても消費しきれない。やっぱりまた遊びに行かなくちゃ。さあ、ではキリギリスは歌を歌いに行ってきます。戻ってくるのは月曜日です。みなさんもよい週末を!

2001.7.19

今派遣されている会社で、今週から男性社員のスーツ以外での就業がOKになったので、スーツ姿しか知らなかった人たちがTシャツにジーンズなんて格好でうろちょろしている。固いイメージしかなかった人がアロハを着ていたりして、なかなか楽しい。「スーツは男の戦闘服だ!」って人もいるかもしれないが、そうゆう人はスーツを着ていてもいいワケなので、見る側からすればこれは嬉しい変化。グレイ一色だとつまらんもん。

さて明日からは連休!しかも海! なワケで今週は月曜から浮かれてました。遊びなくして何の人生ですよ。一緒に行く面子がそれぞれの事情で忙しく、日程の調整にてこずりましたが、何とか明日の深夜には目的地に着けそう。遊ぶときは限界まで!がモットーのうちらにとっちゃ過密スケジュールは珍しくないのです。のーんびりの旅行もまたいいけどね。面子のうち2人が現在ダイビングの講習を受けているところなので、みんなでフィンやシュノーケリングの練習もする予定。これでやっと去年の暮れに買った器材が役立ちます。何でそんな季節はずれに買ったかと言うと、11月に海外でやった体験ダイビングで火がついちゃったから。きっと体育会系の合宿のような旅行になることでしょう。ふふー楽しみだー。

そういや、しばらく前に決意してそのまま忘れていたダイエットがありました。もちろん結果もあがっていないので、水着を着るのだけはちょい怖いです。海といえば水着だって、すっかり忘れて浮かれてました。

2001.7.18

ふと思い立ち、どえらくマイナーなチェンジをしてこんなもんを作ってみました。入口はトップページの踊るサルです。感想コメントさえもつけたりつけなかったりで、人が見ても役には立たないであろう、自分のための覚書です。私は記憶力に不自由してて、それには推理小説を再読しても犯人やトリックを覚えていなくて何度も楽しめるってメリットもあるのですけど、下手するとつまらないのを再読しちゃって腹を立てたりもしなくちゃいけないのです。そうゆうのを避けるため、読んだ本の記録をつけるコトにしました。これを本を読み出した時点で始めていれば2000冊は超えていただろうと思うと、ちょっと残念な気がします。

2001.7.17

鴻上尚史さん率いる劇団、第三舞台が今秋の公演を最後に10年間の休眠に入るそうである。何でもいいけど、どうして活動休止の期間を区切るんだろう。しかも10年とか30年とかの長期。途中でやりたいものが出来てしまったらどうするんだ、とファンとしてはいいたくなる。ずるずると消滅してしまうのを防ぐとか、そうゆう目的があるのかもしれないけど、でも30年先にやりますと言われてもなぁ…。ねえ、三谷さん?(←彼の劇団、東京サンシャインボーイズは30年間の活動休止中。)

第三舞台は偶然に紀伊國屋ホールで見たときからのめり込んだ劇団で、高校時代にはわざわざ学校をさぼって上京し、当日券をゲットするために何時間も並んだものだ。前売券は即完売してしまうのでそうでもしないと見られなかったのである。そのうちに徹夜する人が出て、劇場周辺に迷惑がかかるとかいう理由で当日券まで電話予約制になり、第三舞台のチケットを取るのはホントに難しくなってしまった。役者さんたちもどんどんTVに流れてしまって本公演にメンバーが揃うコトは珍しくなってしまった。それでも私は鴻上さんの紡ぎだす物語が好きで好きで、毎回チケットを取ろうと努力はしていた。

その第三舞台が活動を休止するというのである。筧さんは出ないが大高さんも小須田さんも長野さんも出るのである。行かねばなるまい。これは行かねばなるまい。私は友人に頼み込んだ。「お願い取って!絶対取って。行こうよ、ね?ね?」彼女は演劇にかけちゃ情報通である。好きと言っても私はまめに演劇雑誌をチェックしたりしないので、彼女が調べて「こうゆう公演があるんだけど、行く?」と誘ってくれなければ見逃す舞台がずいぶんあるに違いない。実際にチケットを取ってくれるのも、たいてい彼女だ。だが今回ばっかりはその彼女も自信なさげだった。これを見逃せば10年は見られないのだ。いつも以上にチケット入手は困難になるに違いない。結局、彼女と私が2人がかりで電話に張りつき、かけまくるコトになった。なにダブっても大丈夫。引き取り手は数多である。彼女は公演日程、チケット販売窓口の電話番号、希望日などを全部書いて渡してくれた。わたしはそれを部屋にあるボードの一番目立つ場所に貼りつけた。優先前売開始は1週間後である。

と、ここまでが今月始めの話。そして先週末、別の友人宅で彼女と私は顔を合わせた。ひとしきり話して、ふと話が途切れたとき、不意に彼女が言った。「で、To-ko、第三舞台取れた?」

私「……………………………………」彼女「……………」(沈黙たっぷり10秒)

「ごごごごごめんっっ!忘れてた!すっかり忘れてたマジ忘れてたきれいさっぱり忘れてたっ!き、昨日か!昨日だったよね、そうだよね、ああどうしよう…!ちゃんとね、ボードに貼っておいたんだよ、一週間先だなーと思って、一番目立つところに貼ったんだよ、でも昨日ボード見なかったの!」(一気)

ああどうして私はこうなのだ。私は95%…いや92%くらいは頼りになるのである。そうやって「To-koにまかせておけば大丈夫」という信頼を築いておいて、それをすっぱり裏切るのが得意技なのだ。誓って言うがわざとではない。自分でも「何で…!」ってくらいすぽーんときれいに抜けてしまうだけなのに、それが大事な局面でばかり起きるのだ。今までに何度「まさかTo-koが…」と絶句されたことか。それをまたやってしまった。今回のチケット取りは私がメインという話になっていたのに。やはり彼女も取れなかったのだろうか。私は恐る恐る彼女に聞いた。「それで、そっちは…?」

彼女はたっぷりと間を取った後に、にやりと笑った。「どうせそんなコトだろうと思って取ってあげたわよ。」「うわぁぁ、ありがとう!」 ああもうホントに好き好きだ。さすがに付き合いが10年にもなると、私がホントには頼りにならないってよくわかっていらっしゃる。実はいつもフォローしているのは私なのだけれども、こうゆうときに限ってなぜか彼女のフォローがしっかり入るのだから、彼女に足を向けては眠れない。今度大トラになってもちゃんと面倒みるからね! …って、8割くらいは私が面倒を見る側なのに、数少ない、しかしポイントを押さえたフォローで常に強い立場をキープする彼女は、実はとっても要領がいい思う。助かってるのだから、もちろんそれで全然構わないんだけど。

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