帰郷で雨降りな週末でございました。金曜夜に祖母宅に泊まり、土曜早朝に1人で出発。休憩をとりつつのんびり走ったのに、普通の週末で渋滞知らずだったせいか、9時前に山の家の麓の街に着いてしまいます。食料買い込まなくちゃいけないのに、店、まだ開いてないよ……。
9時の開店を待ってウロウロしていると、何やら私の顔をまじまじと見ている女性が。あ、村の人だ、と気づくのと同時に、向こうも「To-koちゃんじゃないけー!」と声をかけてきました。うわーびっくり。村のコトなど、ちょっとお話ししてお別れします。食料品を買い、隣のホームセンターが9:30に開くのを待って、追加で撒く予定の花の種と園芸用の手袋を買い、山の家に向かって車を走らせます。買い物を始めるくらいからぽつぽつと降り出していた雨は、家に着いた頃には本降りになっていました。
こりゃ今日は畑はできないな。ですので、軽く昼食を取った後は早起きした分を取り返すべく、がっつりお昼寝。屋根をたたく雨の音が心地よく、落ち着きます。もう今日はまったり日に決定! それでも家が湿っぽかったので、夕方から薪ストーブに火を入れて、家を乾かしました。夕食の準備をしていると、Naoちゃんが「お客さんがいるから、おいでー」と呼びに来てくれます。ので夕食を早々に済ませ、チー&Naoの家に向かいました。
お客さんは30代後半の男性3人。被災地の現状を自分の目で見てブログで発信しているのだそうで、ふとしたきっかけでチーと知り合い、「大熊町から避難している人の話が聞きたい」と今回わざわざ訪ねてきたのだそうです。まぁこんな山奥まで、ご苦労さまです。しかし「典型的な大熊町の避難民」としてはチーは全く適していない。避難している先だって例外的で、3人にはかなり驚きだったみたいです。でも「いい場所ですよねー。気に入りました。また来たい」と口々に言ってくれたのは、嬉しかった。ホントにまた来て欲しいです。
私、事故前はうちの家を「複数の人が自由に使える共通の別荘」みたいにしたいと思っていたんだよね。原発事故でもうそれはムリだと思っていたけれど、「また来たい」と言ってくれる人がいるのなら、もしかするとまだ可能性はあるのかな。途中でボーもやってきて、3時間ほどNaoちゃんの美味しい料理をつつきながら、飲んで喋って楽しい時間を過ごしました。外ではモリアオガエルがうるさいほど鳴いていて、ああそんな季節になったんだなあ〜。寝る前にボーが焚いておいてくれたお風呂に入って、ぬくぬくと布団に入ります。夜中には2度3度、小さな地震がありました。
日曜日は雨が上がるかと期待していたのに、前日より強い雨が降っています。朝ごはんを作って家を掃除して冷凍庫の中身も整理したら、もうあまりするコトがないので、敷地を一周見回ってくるか……と傘をさして外に出ます。こないだ種を蒔いた畑の草むしりもするつもりだったんだけど、雑草がわっさわさ生い茂っていて、蒔いた種がどうなったかさえわからない状態……うひー。この時期の植物の勢いはスゴいなあ。途中でチーの家に顔を出したら、コーヒー出されてお茶出されていつの間にかお昼出されて、ああもう今回はぐだぐだだー。
え〜っと……どこに種を蒔いたんだったけな……
お昼頃になって、やっと雨が上がってくれました。とは言ってもあと数時間で、私ゃ出発しなくちゃいけないんだけど……。昨日のお客さんたちとNaoちゃんと一緒に、ボーの家の裏手にある道陸神さまにお参りに行き、ボーの家に寄って家の前に咲く花を少し分けてもらい、お墓2つを回って、ちょっとだけ草むしりをして、最後の片付けをしたらもう14時過ぎ。名残惜しいけど帰らねば。「また来月来るね〜」と手を振って、麓の街に向けて出発しました。太陽が出ると同時に、気温ががーっと上がってます。
左:ボーの家のノッカー。カワエエ/右:蝶はミドリヒョウモン
左:春の花の彩りはイイねえ〜/右:蝶はコミスジ
敷地のあちこちに、菖蒲(アヤメ)が自生してました。……私らが下手に種蒔きなんかしなくてもキレイなんじゃん?とふと思ってみちゃったり
麓の街では、高校時代からの友人の春日ちゃんちに寄ってお喋り。春日ちゃんちは山の家と高速ICの途中にあるので、ついふらっと行ってしまうのです。いつも笑って招き入れてくれて、ありがとね>春日ちゃん。1時間くらい、と思っていたのに、はっと気づくともう1時間半が経とうとしてました。春日ちゃんちの自宅菜園のきゅうりをお土産にもらい、帰路につきます。帰りも渋滞は全然なくて、休憩を2回入れて給油がてらに洗車もして、21時前には祖母宅に帰りつけました。
緑もわさわさで、田んぼには稲が、畑には作物が育っていて、外には普通に人が歩いていて、何事も無かったかのように見えますが、立ち寄った店のカウンターで長寿命の乾電池が置いてある傍らに、「ガイガーカウンターにお薦め!」なんて書いてあるポップが立っていたりして、ハッと現実を突きつけられる気がします。春日ちゃんとの話題も、線量関係多かったしね。あ〜あ。
誕生日な今日は、亡き父母の名代として妹と一緒に結婚式に出席してきました。父母の大学時代の後輩Mくんの一家とうちの家族は昔、私が子供の頃は家族ぐるみで親しくしていました。うちが東北の田舎に引っ越してからもつき合いは続き、M家の長女U子はうちの父母を慕ってくれて、ときどき田舎の家に遊びに来てもいました。そのU子が、今日の主役の花嫁です。親が同世代のわりに私とは10以上も歳が違い、大人になってからはあんまり長く話したコトもなかったんですが、父母の代わりにぜひ、と招待してくれるその気持ちが、嬉しかったです。
左:式場はこんな感じ/右:U子、すごくキレイでした
逗子の海を見下ろす式場で行われた式も披露宴も、温かみのある、とてもいいものでした。感激してちょっと泣いてしまったり。ただ、U子の両親に対する言葉とか今までの家族の思い出話とか、そうゆうのはつい自分の父母のコトを考えて切なくなってしまったけれども……。父母はずいぶん前にすっかり諦めて「あんたの、そうゆう生き方もいい」と言ってはいたけれども、私の結婚とか子供とか、もともとは楽しみにしていたんだろうなあ。2人とも、子供好きだったもんねえ。
式場の外に出て→皆が放した風船が空に消えていきます
式が終わった後は、UとYと待ち合わせをして、アウトレットパークで遊びました。Yが骨折してからほぼ2ヶ月。久しぶりに会ったYは、平地なら杖無しで歩けるようになっていて元気そうで、ホッとしました。病院と仕事以外の外出は事故以来だったみたいで、楽しんでくれたし良かった良かった。まだしばらくは山も海も無理だけど、でも復帰する気は満々みたいで、それにもホッとした。焦らずしっかり直して、また遊ぼう!
殊勝に始まったワリに、いつもの行動パターンで終わった誕生日でした。